かっこいいと言われるのは嫌。なのに付き合った   作:月島柊

3 / 18
Heart.3 生徒会

 俺は南高の生徒会長を特定できないまま、いつもより1時間早く学校へ向かった。生徒会のデータ整理があるからだ。全部南高の合同修学旅行のせいだけどよ。

 

「朝早くありがとうございます、生徒会長」

「おう。大丈夫だから。それより、残りの資料を」

「はい。えっと、明日、北高と南高の会議があるんですが、それを生徒会長か副会長のどちらかにしたいんですが」

 

会議かぁ。俺が行くのも面倒だな。内容だけだけ書いて副会長に渡すか。

 

「副会長に行かせる。俺、行くの面倒だから」

「あ、はい。資料を副会長に渡しておきますね」

「それで頼む」

 

俺は椅子に座った。副会長と書記、会計が来ると、俺は資料を配った。

 

「ああ、こういう感じなんだな。会長、また俺に任せるんだな」

「南高はね……」

「嫌なの?」

「嫌っていうか、不安っていうか?」

 

不思議な感じだけど、伝われ。

 

「とりあえず資料もらってるからいいけど」

「じゃあよろしくな」

 

俺は生徒会室の生徒会長が座る椅子で寝た。あと30分もあるんだ。少しくらい……

 

「生徒会長、ズルいよ」

 

会計から言われた。ぐぬぬ……

 

「分かったよ。ああ、ねみぃ」

「休むくらいだったらいいんじゃないの?」

「美山会計、そんなことないんだぞ」

 

寝ないと疲れはとれない。そんなの、俺だけじゃ……

 

「そうだ!寝ないととれないだろう!」

 

そこに現れたのは橋本先生だった。生徒会担当の先生だ。

 

「かといって、寝るのはダメだぞ」

 

なんだよ、味方してくれるかと思ったのに。

 

「だから、今寝なさい」

「え?」

 

思わず声が出た。そりゃあそうだろう。今寝ていいとか言うんだから。

 

「ね、寝ていいんすか」

「授業中に寝られちゃ困るからな!今寝とけ」

 

おぉ、いい学校だ。

 

「じゃあ、寝ます」

 

俺は机に腕を乗せ、その上に顔を置く。ふぅ、ゆっくり休めそうだ。

 

 俺は美山会計に起こされた。投稿時刻の数分前で、挨拶運動の実施が待っていた。俺は制服を整え、正門前に立つ。

言いたくはないが、みんなが挨拶してる理由は俺にある。かっこいいからとりあえず挨拶しているんだろう。

もちろん、そう言われるのは嫌。ただ、理由なんてそんなもんだろう。

 

「おはようございます!」

「おはよう。いい天気だね」

 

俺はいつも囁くような声で一言付け足す。

 

「おはようございます」

「おはよう。勉強頑張れ」

 

この学校、男女比が年々変わっていっている。今は一応男子が4、女子が6だ。男子が440人、女子が660人で合計1100人。増えてきてはいるが、女子が多くなってきている。

一方、南高はというと、男女比は6対4。男子が570人、女子が380人で950人。男女比は南高が理想。最終手段として、南高と人数を調整する場合も考えている。北高と南高で、男女比5対5を目指すのだ。

しかし、そんなこと簡単にできるわけがなく、5年経った今でも実行されていない。

女子が増えてくると、男子の割合が減り、女子校になってしまう可能性が高い。それだけは避けたいのだ。

 

「おはようございます」

「おはよう。今日は暑いね」

 

みんな笑って昇降口に向かうが、今までの3人、全て女子だ。やっぱり割合が増えた。

 

「おはようございます」

「おはよう。熱中症気をつけてね」

 

美山会計は大体男子の対応。俺が女子の対応だ。

 

「おはようございます!生徒会長!」

「おはよう。暑いねぇ」

「暑いですよね。溶けちゃいそうです」

「熱中症には気をつけろよ。指数超えたら放送するから」

 

暑すぎる。最高気温が41度だ。高すぎる。

 

「おはようございます、今って何度ですか?」

「あっと……30度くらいか」

 

二酸化炭素排出量削減が効いてきて、少しずつ、気温は下がっていっている。ここも、去年は44度だったが、今は41度まで下がった。

 

「暑いですね」

「熱中症には気をつけろよ」

 

俺はそう言って送り出した。

 

「会長、暑い~」

「生徒会室行くか?」

「挨拶運動は?」

「いいだろ、そんなの」

 

俺はホワイトボードに「暑さのため挨拶運動中止」と書き、生徒会室に美山会計と一緒に戻った。

 

「美山は俺に普通な感じで接するよな」

「うん。だって会長、そんなかっこよくないもん」

 

それはそれで傷つくが、多分慰めの気持ちがあったんだろう。

 

「そうか。そう言われたら確かにそうだけど」

「あとは、そんなに意識してないもん」

 

意識の問題か。まぁ、確かに意識しなければそうでもないよな。

 

「ほら、さっさと行こう。もう暑すぎ」

「はいはい。ってか、Yシャツ仰ぐな。見えてる」

「あ、うそ。ごめーん」

 

軽い感じなのが美山の特徴だ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。