かっこいいと言われるのは嫌。なのに付き合った   作:月島柊

5 / 18
Heart.5 南高へ

 翌日、休校中に、乱交していた人物は全員退学処分となった。人数はこの事態の前と比べて60%ほど減少。その他、東、西、南高でもそれぞれ0~5%ほどの減少はあった。

多くは男子生徒が退学処分となったが、一部女子生徒も退学処分となった。自分からしてほしいと願ったんだろう。

教員も例外ではなく、男性教諭一部が退職となった。これは全国のニュースで取り上げられ、投稿再開になった当日からマスコミが騒いだ。生徒会と先生で必死に止めていたが、結構長引いた。

 

 退学処分になった以外の人も結構休んでいた。理由は多分言われるのが嫌だったんだろう。

 

「美山、大変だな」

「うん。このままじゃ、修学旅行も」

 

確かにそうだ。修学旅行が危うい。どうすればいいんだ。

 

 

 

 

 楓はしばらく俺の家に泊まることになった。楓は今回のことに関して話し始めた。

 

「秋人、悪くない」

「分かってるさ。ただ、ね」

 

すっかり落ち込んでいた。修学旅行が無くなるのだから。

 

「私、どうにかする」

「どうするんだよ」

「全部仕切る。根拠出して無くならせない」

 

楓が強気だった。どうしてもなくしたくないんだろう。

 

「俺も手伝うよ」

「生徒会じゃないと」

 

俺は制服の中から生徒会長のバッジを取り出した。

 

「北高生徒会長の、黒山秋人だ」

 

楓は少し驚いた表情をする。しかし、すぐにいつもの無表情になる。

 

「じゃあ2人でやる」

「何からするんだよ」

「とりあえす今の意向聞きたい。校長に聞いて」

 

校長、いないんだよなぁ。教頭でいっか。

 

「教頭しかいないんだが」

「じゃあそれでいい」

 

俺はスマホを開いた。新しいメールが来ているかもしれない。

すると、そこにはこう書かれていた。

 

 北高校の不適切な行動に伴う措置

 

 北高校では先日、生徒と及び教員が不適切な行動をするという、あってはならない事象が発生しました。そこため、教員の人数確保、残った生徒の精神ケアを促すため、当分の間、オンライン授業とします。オンライン授業は、参加を任意とします。

生徒会については、南高の生徒会と合同で行います。

 

生徒会は南高と合同か。やれるだけいいだろうけど。

 

「楓、南高と生徒会合同だって」

「じゃあ明日一緒に通学」

「そうだね」

 

修学旅行は南高が主催で決められるかな。合同でやるんだったら。

 

「そうだ、秋人、私たち、一回でもデートしたっけ」

 

言葉の区切り方に違和感があるが、きっと聞くのが恥ずかしかったんだろう。

 

「ないね」

「じゃあ、次の土曜日デートする」

 

随分急な話の展開だったが。

 

「おう、分かった」

 

多分話し合いは明日、南高で行うんだろう。

 

 俺は楓と一緒に家を出た。いつもより遅い電車になって、通勤ラッシュ真っ只中だった。

いつもはまだ間が少し空いている状態だったが、今日は全く違う。体の隅まで他の人とくっついている。

 

「秋人……苦しい……」

「学校に着くまでの間だけだから。我慢しよう」

 

楓は両手を俺に当てて、頬を俺の腹にくっつけている。

 

「秋人、ぎゅー」

 

無表情だが、頬がほんのり桃色になるのが見えた。無表情を貫きたかったが、多分耐えられなかったのだろう。

 

「する?」

 

楓はこくりと頷いた。

 

「ぎゅっ」

 

楓はピクリと動く。そして、力を極限まで抜いた。ああ、もう安心しきってるんだ。

 

「秋人、もう少し顔近づけて」

 

そ、それはいくら何でも……しかも電車の中だぞ?いや、見えないか?

 

「あ、こ、これでいいか?」

「うん。チュッ」

 

楓は唇同士をくっつけた。離すとして糸のようなものが垂れる。

 

「楓……」

「秋人……」

 

なぜから楓が色っぽく見える。何でだろう、ものすごく愛おしい。けど、耐えないと。

 

「秋人、耐えないと」

「分かってる。けど、あんまりいると……」

 

すると、もうすぐ最寄り駅というアナウンスが流れ始めた。結構理性ギリギリだった。

 

「秋人、修学旅行の計画一緒にしたい」

「え、あ、うん」

 

楓は静かに手を握った。そして、そこまま電車から降りた。北高はこの後徒歩だが、南高はバスになる。

 

「秋人、この時間女子生徒多いけどいい」

「ああ……いいよ。ただ、座れるんだったら楓の隣がいいな」

 

楓はこくりと頷いた。なんだ、そんなに恥ずかしくなかったか。

 

「生徒会長……と、北高の生徒会長?」

「うん。彼氏」

「ども、彼氏です」

 

楓は真っ先にバスに乗り、座席に座った。2人席だった。

 

「彼氏さんとはいつ知り合ったの?」

「満員電車の中で、ちょっと前」

 

懐かしいなぁ。そういえばたまたま俺が乗る号車変えたんだっけ。

 

「いいなぁ、私も彼氏ほしいーっ」

「いい相手見つかるといい」

「えへへっ、ありがと」

 

そういいながらも、楓はぎゅっと手を握っていた。そして、楓は小声で言う。

 

「がんばって」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。