かっこいいと言われるのは嫌。なのに付き合った   作:月島柊

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Life.2 秋人のファイル

 私は秋人の入院当日、病院まで一緒に歩いていた。呼吸がしづらいのか、すぐに過呼吸や息切れになってしまうため、何回か休憩しながらだった。

秋人の施術を担当する先生は若い先生で、多分30代くらい。けど、慣れていそうだった。

 

「秋人、施術頑張ってね」

「分かってる。楓も、元気で、何事も起こすなよ」

「何その言い方」

「最後かもしれないから」

 

なんか急に悲しくなった。なんで、そんなこと言っちゃうかな。まだ死んじゃうか分からないのに。

 

「黒山さん、行きましょうか」

 

担当の先生が言った。そっか、もう時間なんだ。

 

「はい……楓、修学旅行の感想、10分話してもらうからな」

 

そう言って秋人は行ってしまった。私の部屋、1人になっちゃうのか。修学旅行。

 

「ファイト、秋人」

 

私は振り返らずに家に突き進んだ。振り返ったらないてしまいそうだから。

 

 私は秋人が入院を始めた2日後から学校に行った。秋人が入院している間は自分の家にいることにした。こっちの方が電車に座れそうだったから。

実際座れて学校に行けた。私が学校に着くと、生徒会担当の先生が言った。

 

「楓だけか。秋人は入院か」

「はい。しばらくは」

 

生徒会は北高書記の美山さんと、私だけで活動していた。一気に人数が減ったのは、少し前の事件が関連していた。

 

「楓ちゃん、お見舞いっていつから?」

「8ヶ月後」

 

美山さんは「ふーん」と意味ありげな声を漏らした。何かあったんだろうか。けど、美山さんと秋人はそんなに関係はないはず。

 

「それより、修学旅行の件だよ。秋人が犠牲になっちゃったけど、実施できるんだから」

 

そう、秋人が自分の命を賭けてでも実現させたかった行事だ。修学旅行があるのは秋人のおかげと言っても過言ではない。

 

「人数調整は?」

「しない。私が一人で寝る」

 

そうした方が楽だと思った。けど、なんか不安。一人で寝るなんて。家じゃないし。

 

「そう?だったらいいんだけど……」

 

いいんだ。これで。秋人がいるって少しでも思いたい。

 

「寂しい?」

「……分かんない」

 

なんかここまで来ちゃうと何が何なのか分からなくなってくる。寂しいって何だろう。泣いたら寂しいってこと?

しかし、私は直感で答えた。

 

「帰ってきたら泣きそう」

「そっか。それが普通だよ」

 

そう言うと、美山さんはパソコンを持ってどこかに行ってしまった。

 

「何だったんだろう……」

 

私もすぐに仕事を始めた。秋人の分までやらないと。今日は授業無いんだし。あ、言い忘れてたけど、今日は生徒会だけがある日だから授業はない。

 

「あ、フォルダ……」

 

私は秋人のデータにあったファイルを見つけた。

 

(開いちゃおうかな)

 

私は好奇心で押してしまった。

そこには、いろいろな楽譜と、私のかわいい(自分で言いたくない)写真が入っていた。

 

(なんだろう。あ、これ一緒にいたときの)

 

それは私が楽器を吹いている姿が映った写真だった。いつの間に撮っていたんだろう。

 

(先生にお願いしたのかな……ん?なんだろう、この長文)

 

「Shazaibun」と書かれたファイルは、丁度北高がこっちに来たときに更新されていた。

そのファイルの中身は、思いもよらないほどの長文だった。

 

「今回、北高が創立して初めてとなる問題が発生した。これは今までに無かったことから見ても、絶対にあってはならないことである。そのため、北高生徒会長(以下私)は生徒会長を退任することを考えた。しかし、周囲からの声もあり、退任することは反省していることにならないと考え、引き続き就くことにした。しかし、今回の問題は私にも関係があり、してないとはいえ、同じ学校の生徒としては関係があると考えた。そこで、私は以後、この」

 

長文はここで終わっていた。中途半端な終わり方だったことから、おそらく制作途中で不要になってしまったんだろう。

 

(秋人、辞めようとしてたんだ)

 

何もしないと思ってたら、こんなことをしようと思ってたんだ。なんか悲しい。

 

(秋人……責任負わないといけなくなって、つらかったよね)

 

しかし、この長文の一番最後に、あるものが書かれていた。

2A15

 

(なんだろう。これ)

 

2A15。なんかの暗号かな。でも、何のために暗号化したの?なにか知られたくないことがあるのかな。

 

(2A15……アルファベット順?)

 

Aは最初だから、2+1+15=18?18に何の関係があるんだろう。

 

「なんだろう。分かりやすそう」

 

ボソッとつぶやいた。A……画数?それでも20。数に関係あるのかな。

 

「2、A、15」

 

声に出して言ってみた。

2年A組かな?それでも、15は何だろう。

 

「出席番号……?」

 

私はA組の名簿を出した。15番は、里中美幸。性格はおとなしいはずだけど、何かあった?それとも違うのかな。

 

「違うよね」

 

私は自分の仕事に戻った。

 

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