前回の話より時間かけました.........
※ゲーム内でのストーリーと異なる場面がございます。ご了承ください。
※一部の言葉に於いて注釈を加えております。小説の最後に書いてあるのでご理解ください。
「アタシ、今日からここにきたゴールドシップっていうんだけど」
トレーナーである俺とゴールドシップの出会いは突然だった。
いつも通りウマ娘たちのトレーニング風景を見ていると、ふと現れたのだ。
高身長、銀髪ロングに帽子を被っている姿。口調こそ"あれ"だったが間違いなく綺麗なウマ娘だった。
しかし、数時間後にはそんな考えとは真逆なウマ娘であったことが判明する。
「なぁトレーナー、とっととGⅠ出させてくれよー...」
「トレーナー、一緒にバンド組もうぜ?」
「トレーナー、ラリアットしてもいいか?、というかするわ」
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「........ってうるせぇ!!!!!」
流石にありもしないような冗談を何度も連発されると少し困る。一回ぐらいならまだ良いんだが...ちなみにラリアットは実際にされたけど。
「というかそもそも、なんでお前はそんなに練習しないんだ...?? GⅠ出たいんだろ?なら練習あるのみだろ!」
「いやぁだってぇ、そういうのダルいじゃん?」
「じゃあなんでアンタはこのトレセン学園に来たんだ...?」
「楽しいから!!!」
きっとウマ娘が何なのか分かっていないのだろうか...ハルウララを見習って欲しいものである。
「早速だけどトレーナー、※囲碁しようぜ」
「なんでさ」
「いや見りゃあ分かるやろ、まだ仕事が終わってねえんだよ」
「じゃあ将棋打ちながら仕事片付けようぜ」
「そんな楽な仕事だったらもうとっくに終わっとるわ」
「じゃあ何ならやる? ※麻雀? ※バックギャモン? ※カタン?」
「なんでやる前提なんだよ、というか全部ボードゲームだしどれも難しそうなやつじゃねえか」
「まぁまぁそう言わずに、ルールなんてこのゴルシ様が教えてやるからよぉ!」
「他にも相手はいるだろ...なんなら今はもう夜だ。とっとろ寝とけ...その方がいいと思うぞ」
「なんだよ、トレーナー、じゃあ一人やるよ」
「いややるんかい」
とこんなやりとりがほとんどと言っていいほど毎日続くのである。
まぁ最近はもうほとんど絡むことすら無くなってきたが。
それでもゴールドシップは成績を残す。
皐月賞、菊花賞ではともにラストの追い込みで1位。
有ま記念でも2着という好成績、今は4月の後半に控えた天皇賞(春)に向けて練習.....はそんなにしてないかもな...
天皇賞(春)を前にしてトレセン学園では4月の前半にファン感謝祭というウマ娘のファンとの交流がメインの大イベントが開かれる。
その中でも今年から初めて開かれる大会、「ウマ娘対抗!お笑いバトル!」というものが存在する。
正直出る予定など一切なかった。そもそもトレーナーはそういうのに一切関係しない方がいいだろうと思っていたからだ。
しかしそのイベントが直前に迫るにつれ...
「あのトレーナーさんとゴルシ先輩...仲良いよね...」
「一緒にあのお笑いイベント出るのかな...!?」
「絶対優勝しそうだよね...!」
そんなガヤがすごく飛び交っていた。
同じくそのようなガヤを聞いたゴルシは俺の方にすぐ近寄りながら、
「あのイベントおもしろそーじゃん!! トレーナーも一緒に出てみようぜ! なんか優勝したら商品も貰えるみてえだし!!」
優勝すると理事長特製の豪華料理のほか、様々な商品が貰えるそう。
「うーん...まぁしゃあねえか...」
「よーし!決まり! アタシ応募用紙記入してくる!!」
相当気合いが入っているのか、その走る姿はいつものレースで走るよりも少しだけ速く感じた。
「練習もあれくらい本気でやってほしいわ...」
迎えたイベント開始数分前...
ゴルシと俺は平常心を保ってい.......るわけなかった。
まぁゴルシはいつも通りなんだが俺に至ってはすごくドキドキしている。
いつものテンションでやればいいものの、既に観客は数百人以上を超え、そんなに多くのウマ娘の前で喋る機会などないので余計に緊張しているのである。
「ウマ娘たちはみんな冷静だな..さすがこれ以上の観客の前で走ってるだけはあるってか...」
そしてイベントが始まった。
「さぁさぁ!!遂にはじまったぁぁ!!!! このウマ娘対抗!お笑いバトル! 司会を務めるのはこのワタシ、エルコンドルパサーデェェェス!!」
「エルが司会なのか...似合ってるな...」
「そしてそして!!! このお笑いバトルの審査員はこの3名!!!」
「生徒会長のシンボリルドルフだ。このような大会に参加するようなウマ娘にはクラシック"さんか"んを取ったこの私が審査するしかないであろう!」
「はい!サクラバクシンオーです!! お笑いはそんなに分からないんですがとりあえず皆さんバクシンしましょー!!」
「オグリキャップだ。私もそんなにお笑いには詳しくないが、よろしく頼む。」
なぜこの3名になったのかは凄く疑問なのだが...そのまま大会がスタートしていく。
今回出場するウマ娘は応募した先着20組。俺とゴルシのコンビは急いで応募したということもあってか最後となった。
最初に登場していったのはウオッカ、ダイワスカーレットのコンビだった。
「なんでウオッカとコンビ組まなくちゃいけないのよ!」
「オレもだよ!!」
元々の仲というのもあってか笑いをかっさらっていく。
「さすが名コンビなだけはあるな...」
そしてそのまま時間は流れ...ついに出番が来てしまった...
「行くぞ!ゴルシ!!」
「おうよ!!」
気づけばやる気に満ちていた。
「どーもどーも、ゴールドシップで、ございまーす」
「ゴルシのトレーナーをしてる〇〇です」
「ちょっと聞いてくださいよ、トレーナーさぁん」
「なんでお隣さん感覚で急に喋ってくんだよ」
「いやぁ最近人参の価格が急騰してるじゃないですか?」
「ちょっと聞いた事ないけど...そうなんか」
「ほんで今からだが人参を育てたいと思う!!」
「いや急だな、つか口調もいきなり変わっちゃってるし」
「ということでやってきたのはにんじん大農園!!」
「いやぁ広いなぁ...」
「天気は絶好の雨ですね!」
「いや快晴じゃないんだから絶好の雨ってなんだよ、ていうか雨!?なんで晴れた日じゃねえんだよ、全然作物植えれねぇじゃねえか!」
「けど雨っていうのも...なんかムードあって...いいじゃん??」
「いやよくねーよ、そもそもこんな豪雨なのにムードなんてあってたまるか」
「じゃあ別の食べ物にするか」
「いや切り替えはええなおい...」
「ということでぇ、今度は....じゃがいもをぉぉぉ育ててみよぉぉぉぉとぉぉぉ思うぅぅぅぅぅ!!!」
「いや誰だよ、キャラ変しすぎやろ」
「さらにぃぃぃぃ!!!玉ねぎもぉぉぉぉ育てようとぉぉぉ思うぅぅぅ!!!!」
「随分と一気に育てるんだな」
「そして出来ました!!」
「はええよ」
「そして、肉にご飯、それともろもろを買ってきます!!!」
「いやもろもろって何買ったんだよ」
「そして全部混ぜます!!」
「うん」
「出来上がったのは....カレーライスだぁぁぁ!!!!!」
「知ってたよ!!!」
「え、うそ、なんで」
「いや人参、じゃがいも、玉ねぎの時点で何となく察してたわ」
「もしかしてオマエ...天才?」
「んなわけあるか」
「ということで"華麗"なカレーができましたとさ、」
「いや"上手く"ねえよ」
「お?カレーだけに?」
「いや"美味く"ねぇカレーとか食わんわ!!!」
「「どーも、ありがとうございましたー!!」」
正直、笑いは起きていたがそこまで手応えはなかった。
あとは審査員の3人にかかっている...
「それではぁぁ!!!点数を発表していきましょう!!!」
少し緊張している。ゴルシはそうでもなさそうだが...
「おっっっと!!!これは!!!??? 全員10点満点!!!!!! 最高得点です!!!!!」
信じれなかった。ただそれだけだ。
GⅠ優勝と同等...と言ったら少し言い過ぎな気もするがそれほど嬉しくもあった。
「やったな、ゴルシ!!!」
「いぇーい!!」
こちらに向かってきたゴルシ...俺に向かってドロップキックをしてきた。余程嬉しかったのだろう。
「では3人の評価を詳しく聞いていきましょう!!!まずは会長!!!」
「最後の洒落が面白かった。満点だ。」
「サクラバクシンオーさん!!!」
「ストーリーの中盤から後半にかけての"バクシン"っぷりが見事でした!!!」
「オグリキャップさん!!!」
「カレーライスが食べたくなった。」
まともな評価をしてくれる人いなさすぎやしませんかね........
何はともあれ、なんとかゴルシと一緒にGⅠだけではなく、お笑いイベントまで優勝できた。
俺たちは最高のパートナーなのかもしれない。
以下注釈
※囲碁・・・白黒の石を交互に置き、石の囲んだ領域の広さを争うボードゲーム。
※麻雀・・・14枚の牌を定められた形に揃えることを目指し、その形により点数のやりとりがされ、最終的に最も多くの得点を保持していた者を勝利とするボードゲーム。
※バックギャモン・・・15個ある駒をどちらが先にゴールさせるかを競うボードゲーム。
※カタン・・・サイコロを振って資源を集め、島を開拓し、もっとも繁栄したプレイヤーが勝利するボードゲーム。