潰えた守り人   作:スタビ

16 / 21
お久しぶりです。私生活が忙しくなりだしたのでなかなか執筆時間が取れず、今後しばらくこのくらいのペースになると思います。
アキ様、鳳空神様、wing//様、クロンSEED様、アストロイア様、お気に入り登録ありがとうございます。
それではその15、どうぞ。


その15 助言と仕事

「ん…」

 

日の光で目が覚める。起き上がり周りを見るといつの間にか眠っていたみたいでスマホもパソコンも点けっぱなしになってしまっている。

 

「保存しないと…」

 

そう思いパソコンのところまで移動する。そして画面にある保存ボタンをクリックする。少し経ったあと保存が完了された。

 

「よし、朝ごはんに行くか」

 

立ち上がり、リビングに向かった。

 

 

 

 

「おはよう」

 

そう言い、リビングに入る。もう俺以外のみんながいた。

 

「おはよう。随分と遅かったね」

「なかなか起きれなくて」

 

そう言いながら、将臣の隣に座る。

 

「どうぞ、神谷さん…ってどうなさいましたか?」

「何が?」

 

常陸さんからご飯をもらいながら、聞く。どこか変なところがあるのか?特にないとは思うけど。

 

「目が…」

「目?」

 

目が腫れてるとかか?でも特に違和感はないからそれは大丈夫だと自分では思うけど…

 

「真っ赤になってるんですよ。鏡渡しますね」

 

常陸さんから鏡を渡してもらい、それで自分の顔を見る。目を見ると、常陸さんに言われた通り、真っ赤に充血していた。

 

「何かあったんですか?」

「んー…寝つきが悪かったからかな?」

 

多分昨日泣いてたことが原因な気がするけど、あんまり悟られたくはない。

 

「寝つきが悪いからでなるんでしょうか?」

「俺も原因はよく分からないから、まあそういうことにしておこうよ」

 

俺がそう言うと常陸さんは渋々ではあるが、納得し、それ以上は追求してこなかった。

 

「まあ、食べようか」

「「「「「いただきます」」」」」

 

 

 

 

「…そういえば将臣」

「ん?どうした?」

 

朝ごはんを食べ終え、隣でお茶を飲んでいる将臣に声を掛ける。

 

「昨日のお祓いはどうだったんだ?」

 

昨日は将臣、ムラサメ、朝武さん、常陸さんの4人で山にお祓いに行っていたが、それを俺は気になっていた。

 

「あー…うん、特に何もなかったよ」

「その間はなんだよ…」

 

明らかに何かあっただろう、その間は…気になるな。

 

「本当に何もなかったのか?」

「あったにはあったけど…プライバシーのために黙秘する」

 

なんだそりゃ?まあプライバシーのためなら聞かないでおこう。

 

「…無事戦えたのか?」

 

ケガをしなかったっていうのは朝の時点で分かったが、立ち回りがしっかりできたのか気になる。

 

「うーん…そうだな…」

「無事かと言われればいまひとつと言ったところだな」

 

将臣の後ろからムラサメが出てきてそう答える。

 

「動きは完全に素人だったし、茉子が手助けしてくれなきゃ危なかったぞ」

「ふーん…まあそりゃそうか」

 

あんな怪物じみたものと戦う機会なんてまずないからな。それはしょうがない。

 

「…なんかその言い方だと慣れてるみたいに聞こえるんだけど」

 

将臣が俺にそう言ってくる。なかなか鋭いな…けど、今は言えない。

 

「まさか…俺にそんな命がけの経験なんてないよ、将臣と同じ素人だって」

「…そうか」

 

若干まだ何か言いたそうではあるが、特に何も言ってこなかった。

 

「将臣はこれからもお祓いについていくのか?」

「多分、そうすると思う。けど、今後何かがないようにしないとなあ…」

「そういう協力してくれそうなあてはあるのか?」

「考えてはいるんだけど、まだ思いついてないって感じなんだよな」

 

そう言われ俺も少し頭を捻るが、穂織での人脈は将臣よりも少ないから将臣が出ないのなら俺も出せないな。あ…そういえば

 

「将臣って剣道やってたって言ってなかったっけ?」

 

以前将臣と初めて会ったときに自己紹介をしあっていた時に聞いたものだ。もしかしたらそれを応用できるかもしれない。

 

「言ったけど…今は関係ないだろ?」

「いや、関係あるんだな、それが」

 

俺のその言葉にえ?という表情で将臣が見てくる。

 

「将臣はALOって知ってるか?」

「知ってるけど…」

 

ALO(アルヴヘイム・オンライン)、レクトが開発し、現在はユーミルが運営しているVRMMORPGだ。ゲーム名の名の通りプレイヤーは9つの種族から1つを選び、妖精となり、ゲーム攻略をしていくというものだ。そこで何をしていたかは今は省くが、ALOの特徴は魔法があること、スキル熟練度は存在するものの、SAOのようなレベルは存在しないということだ。戦闘面についてのサポートがほとんど存在しないため、その能力はプレイヤー自身の運動能力に依存している。

 

「ALOはプレイヤースキル重視。つまり現実の運動能力とかスポーツ経験が重要になってくるんだ。それで俺の友達の妹もさ剣道やっててALOでも強いんだよ」

「へえー…でもそれゲームの中だけじゃないのか?」

「じゃあもう一つ例を提示してやろう。OSを知ってるか?」

「オーディナル・スケールだよな。知ってるし、やってたよ」

 

OS(オーディナル・スケール)、カムラが開発・販売をしている次世代ウェアラブル・マルチデバイス”オーグマー”で遊べるARMMORPGだ。VRとは違い、現実の生身の体を使うので完全にプレイヤーの運動能力に依存している。だから剣道に勤しみ全国大会に出場する腕前を誇っている和人の妹、直葉ちゃんはすぐに適応し、仲間の誰よりも上手く立ち回れるようになっていた。それに対して和人は普段の運動不足が祟ったのか、最初はひどい有様だった。けど元々の運動神経はそこまで悪くないのかしっかりと立ち回れるようになっていた。

 

「それにもさっき言ってた子はやってたんだけど、凄く動けてた。だから案外現実世界の習い事とかも役に立つんじゃないかな」

「それが祟り神との戦いに関係あるかどうか分からないけど、確かに…もしかしたら生かせるかもな…」

「まあそれを強要はしないが1つの選択肢として考えてたらいいんじゃないかな」

「そうだな、考えておく」

 

将臣の腕前が上達すればそれだけ危険度は下がるし、朝武さんと常陸さんの2人の負担が少なくなるだろう。がんばってほしいものだ。

 

「あ、諒君」

 

将臣と話し終わったら今度は安晴さんが話しかけてきた。

 

「どうしたんですか?」

「今日はこれから仕事じゃないのかい?」

 

…あ

 

「そうでした!やっば!」

「あらら、忘れてたみたいだね」

「ありがとうございます!すぐ準備していってきます!」

 

そう言い、急いでリビングから自分の部屋に戻った。

 

「えっと…財布とスマホと…パソコンも」

 

バックに必要な荷物を積め、部屋から出る。そして廊下を軽く走りながら玄関に向かっている時

 

「わっ!」

「きゃっ!」

 

ちょうど角を曲がったところで朝武さんとぶつかってしまった。

 

「いてて…朝武さん大丈夫?」

 

そう言いながら朝武さんに手を差し出す。

 

「大丈夫です」

 

朝武さんは俺の手をつかみ、立ち上がる。

 

「ごめんね。急いでて」

「このあと何かあるんですか?」

「うん。仕事があってね、急いでるからそれじゃ!」

「あ、いってらっしゃい!」

 

朝武さんに見送ってもらいながら、急いで仕事の集合場所まで走って行った。

 

 

 

 

「はぁ…おま…たせ…はぁ…しました」

「うん、別に時間に遅れてないから、そんな息切れするほど急がなくても大丈夫だよ?」

「いや、仕事としては…時間前行動が基本ですから」

 

乱れてる息を整えながら、仕事の鉄則を答える。会社なら定時出社や定時退社が基本だがあいにく俺は会社に入ってない学生だから少なくともこういう細かいところはちゃんとしておきたい。

 

「それで今日はまずどこから行きましょう?」

「まずは役所から。1番重要なところだからね」

「分かりました」

 

そうして役所に移動する。

 

 

 

 

「ここだよ」

「やっぱり都会とは違いますね」

 

穂織の役所は都会のような2階とか3階の高いビルのようになっているものではなく、1階建ての平屋で他のお店よりも広くなっている。

 

「よし、入ろうか」

「はい」

 

入口についている暖簾をくぐり、ドアを開けて中に入る。

 

「おーい、来たぞ」

「おお、俊樹」

 

中にいる1人の男性が大矢さんに反応する。そりゃそうか、ここもだけど、大矢さんの情報整備課も穂織の役所の中にあるから知り合いだろう。

 

「今日は頼むな」

「分かった。諒君行こうか」

 

大矢さんと一緒に移動し、サーバールームのようなところに移動する。

 

「ここで穂織の重要な情報を一括で管理してるんだ。とりあえずまずはここの確認だよ」

「分かりました。繋いでいいですか?」

「うん、僕は別のことやってるからお願い」

 

そう言い大矢さんはサーバールームから出ていく。俺はサーバーに移動し、持ってきたパソコンと繋ぐ、そして確認を始めていく。

 

 

 

 

「ふぅ~…」

 

確認と修正が終わり一息つく。なかなかめんどくさかった…

 

「諒君お疲れ。どうだった?」

「全体的には問題がなかったんですけど、一部脆弱性があったんで、そこを調整しました。多分一定の効果は出てくれると思いますよ」

「そうか、ありがとう」

 

労いの言葉をかけてもらいつつ、自分のパソコンの電源を切る。

 

「まだあるんですか?」

「ここは特にないから、別の場所に行こうか」

「了解です」

 

自分の荷物をまとめ部屋から出て行く。そして役所から移動して次の場所に移動していった。

 

 

 

 

「次が最後ね」

 

あれから何軒が周り、そこで色々仕事をやっていたら、日も落ちかけてきた。

 

「分かりました。えーっと次は…田心屋ってところですね」

 

いわゆる甘味処で地元の人にも、観光客の人にも人気らしい。なんでも味やお店の雰囲気が良いのはもちろん、店員さんがかわいいんだとか、理由がなかなかに単純だな。そんなことを思いながら歩いていたら

 

「着いたよ」

 

外観は二階建ての木造建築のお店で入口には暖簾がかかっている。

 

「入ろうか。あ、その前にこれ」

 

手渡されたのは1つの黒い手帳。

 

「なんですか、これ?」

「それは君の身分を表す名刺の入った手帳だよ。名刺入れとメモの役割をくっつけてみたんだ。渡すの忘れてたよ」

 

開いてみてと言われ、手帳を開く。中には左側に名刺の入ったポケット、右側にメモ帳がくっついてある。左側の名刺入れから一枚名刺を引き抜く。名刺には自分の名前とその上に穂織情報整備部特別顧問と書かれている。割と凄い肩書をもらってしまったな。

 

「ありがとうございます。大事にします」

「うん。それじゃ改めて入ろう」

 

暖簾をくぐり中に入る。中はテーブル席とお座敷の席があり、壁には掛け軸や色んな絵が飾られている。

 

「いらっしゃいませー…あれ、諒くん?」

「芦花さん?」

 

お店の奥から出てきたのは、見慣れない服に身を包んだ芦花さんだった。

 




ネットワーク関連は調べたり、自分の想像の部分もあるので正直変なところもあると思いますが、目をつぶってくれると嬉しいです。
次回もよければご覧ください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。