? 「ふむ、デジタルワールドに帰れないとは。これが異世界転生というものか。実に興味深い。絶望していなければ、死んでもいない私の身に起こったことは驚きだが……」
? 「しかしここは……ふむ、囲まれているな」
兵士 「そこのお前、除装し、電子体にシフトしろ!」
? 「除装?、電子体?、シフト?、どういう意味だ?」
? 「そもそも君たちは誰だ?」
兵士 「5秒以内にシフトしなければ攻撃する!……5!」
? 「まずいな、ベタな展開だが自分の身に降りかかると厄介だ……」
兵士 「……4、……3、……2、……1!」
? 「仕方あるまい、蹴散らすか……」
??? 「待て、様子がおかしい!」
兵士 「大佐!?」
? 「む、問答無用というわけではないのか」
??? 「貴官に質問する!なぜPANDORAの演習場にシフトしてきた?」
? 「その質問には質問で答えたい。ここはどこで君たちは誰だ?」
??? 「ここはPANDORA所有の構造体の演習場だ。そして私はPANDORA近衛中隊マクシーム・バイルシュタイン大佐である、貴官も名乗られたい!」
? 「……暮海杏子だ。フリーの探偵だが別に君たちを探っていたわけではない、迷いこんでしまってね」
杏子 「でなければ君たちの演習場のど真ん中に現れたりするものか」
マクシーム「中将閣下」
中将? 「自ら探偵を名乗るあたり後ろめたさは無さそうだが……」
杏子 「あなたは?」
中将? 「ディオニシオ・ウルセライ、階級は中将、PANDORAの社長をやらせてもらってる」
ウルセライ「そもそも君、探偵なのに私を知らないのかい?」
杏子 「ウルセライ中将閣下どころか、この世界を知りませんと言ったら、信じてもらえますか?」
ウルセライ「真実はわからないが信じよう、それで?」
杏子 「それでとは?」
ウルセライ「君のことを信じるが、拘束はするし、場合によっては死んでもらう」
「殺す必要もないが、生かす必要もない、金にもならない君を自由にさせる意味がない」
杏子 「なるほど私が金になれば良いのですね」
ウルセライ「理解が早くて助かる」
杏子 「しかし中将閣下、私はこの世界を知りませんし、お金も所持していません」
ウルセライ「金がないなら、話す価値もないか、」
「ただ拘束のため、いたずらに消耗させられるのも面白くない」
「仕事をしてもらうか、マクシーム大佐」
マクシーム「了解」
杏子 「……これは依頼リストですか」
ウルセライ「探偵なら失せ物探しは簡単だろう」
「この手の依頼は人手ばかりかかって儲けが薄い」
「だが時として金になる情報も手に入る」
「だから君のようなフリーに任せて、美味しいところを買い取るのが一番効率が良い」
「やってくれるかい?」
杏子 「依頼とあれば断りません。しかし中将閣下、自分で言うのもなんですが、なぜ私のような得たいの知れないものに依頼を?」
ウルセライ「得たいの知れないやつほど金になることを経験しているからだ」
「それではよろしく頼むよ」