書きます!
わぁい!
上げるの遅ぉい!
「ふぅ…」
自販機で買った飲み物を片手に、辺りに誰も居ない場所のベンチに腰かけて、一息つく。
こんな何気ない休憩時間も、時には大切だったりするものだ。 と、そこへ…
「…おや? 君は、テイオーの…」
「…シンボリルドルフ?」
奇遇といった様子で、メモ帳片手のシンボリルドルフが歩いてきた。
「こんな場所にどうしたんだ?」
「いや、そんなに大したことでも無いのだが、少し敷地内の点検を…」
そう言って、メモ帳を軽く掲げて見せるルドルフ。
「なかなか大変なんだなぁ…」
「ははは、これもウマ娘たちのためさ。 ところで…」
一旦言葉を切って、こちらの手元のペットボトルに目をやるルドルフ。
「…君は休憩中かな?」
「まぁそうかな。 テイオーが他の娘たちと競争し始めたから、ずっと横に居るのも野暮かと思って。」
「そうか。 なら少しの間、隣に失礼してもいいか? テイオーのことなど、色々と聞きたいことがあるのでな。」
そうして、しばらくシンボリルドルフとの談笑を楽しんだのだった。
…そして、それを遠くの陰から覗き見るウマ娘が一人…
***************
「………むぅ~………」
一通りのトレーニングが終わり夕方。 自室にて、テイオーは一人妬いていた。
それは例の競争が終わった後。 たまたまシンボリルドルフを見つけたトウカイテイオーは、しばらくしてから話しかけようと、こっそり後ろをつけていた。
…というのに当のルドルフは、途中で出会ったトレーナーと、仲睦まじげに話しだしてしまったのだ。
「ボクが話そうと思ってたのに~!」と、普段ならそう考えて終わるのだが…
「う~ん…? なんか、こう… もやーっとする…」
確かに、あの時シンボリルドルフと話したかったのがトレーナーに取られてしまって、機嫌を崩していたはずなのに。
(なんで、こんなにもやっとするんだろう…)
と、そうしばらく考え込んで…
(…あれ…? カイチョーがトレーナーと話してるのを見ると、ボクと話して欲しいーってなるけど、トレーナーがカイチョーと話してるのを見てもそんな感じ…)
そして、それはシンボリルドルフのことが大好きだからそうなるのであって、ということはつまり、トレーナーのことも大好きというわけであって。
(…そりゃあ、トレーナーのことだって大好きは大好きだよ? でも、それとはなんかちょっと違うような…)
と、そこで、この前トレーナーと一緒に寝た時のことを思い出す。
「………っ!」
そう、その時に、トレーナーは異性であるということを強く意識してしまったのだ。
それがあってから、変にトレーナーのことが頭から離れない。
(…もしかしてボクは、トレーナーのことが、異性として…)
「…だ、だいすきって…こと…?」
…一拍おいて、テイオーの思考回路が爆発する音がする。
(…口に出してみるんじゃなかったぁー!!!)
羞恥心で暴れだしたくなる心を抑えて、それでもなお悶えるトウカイテイオー。
「っていうかそもそも、トレーナーはトレーナーだから、そんな恋愛対象とか好きとかそんなんじゃ…!」
何でもいいから、とにかく自分に向かって言い訳を並べ続けるテイオー。
しばらくの間、思考が落ち着くことはなさそうだった。
***************
「…トレーナー、いる?」
「その声は、テイオー? なんで急に…」
数時間後、トレーナーの部屋を尋ねたトウカイテイオー。
『と、とにかく! トレーナーがカイチョーと話してるのが嫌なのはわかったから、それをトレーナーに言いに行く!』
というわけで、決意を固めて早速言いに来たのだった。
「うーんと、トレーナー? 今日のお昼ごろに、カイチョーと話してたでしょ。」
「あれ、見てたのか?」
少し驚いた後、申し訳なさそうな顔をするトレーナー。
「ごめんな、シンボリルドルフと話しだしちゃって…」
(…あれ? なーんだ、分かってるんじゃん!)
それならもう用はないと、少し安心するテイオー。
「…テイオーは、シンボリルドルフのことが大好きだもんな?」
「…えっ?」
「たぶん、ルドルフに話しかけようとしてたんだろ?」
(…ちょっと待って、ふりだしに戻ってる!)
焦るトウカイテイオー。 これでは、本当に言いたかったことが伝わっていない。
「いや、あの、えーっと… トレーナー?」
「ん? どうしたんだ?」
ここでしっかりと伝えなくては。
「えっと、そうじゃなくて、その…ボクは、トレーナーのことも、す…」
「…す?」
そこまで言いかけて、ふいに自室での一連の流れを思い出す。
「………わ~~~っ!!!」
「…!?」
「トレーナー、やっぱ今のナシ~~~っ!!!」
そう叫びながら、全速力で逃げ出していくテイオーなのだった。
高等部版テイオーとかいいなって思ったんですけど、私めでは、テイオーの幼さを削る禁忌には手を出せなかったという…
意識したこと:テイオーの()と「」の言語レベルを上げ過ぎないこと