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今回は、比較的真面目寄りです。
あとは、テイオーがほんのり湿っぽい、かも?
『一着は、トウカイテイオー! またしてもGⅠを制しましたっ! 連戦連勝、まさに無敵っ!』
ワァァァァァァ…!!!
「やったな、テイオー!」
「うんっ♪」
レースで勝った。 しかも、GⅠの中でも特に有名で、強敵がいっぱいのレースだったから、すごく反響は大きかった。
でも、ボクだってヨユーでそんなことが出来る訳じゃない。
普段から精一杯トレーニングして、本番でも必死に走って…
そんな努力の上で掴み取った一着なのに。
それなのに、なんで…
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「なーんでトレーナーは構ってくれないのー!?」
「うおっ、テイオー!?」
そう、ボクはレースで勝ったのに…
トレーナーが全然構ってくれない!
「急にどうしたんだよ…」
「トレーナー! ボク、レースで勝ったんだよ? GⅠだよ? 一着だよ!?」
「そ、そうだな。 おめでとう、テイオー。」
…他でもないトレーナーに、誰も彼もからかけられたような凡庸な言葉で返されて、少しイラッとする。
「もう! それ何回目?」
「…えーっと…ならどうして欲しいんだ?」
「だーかーらー! ご褒美が欲しいんだって! 例えば、一緒にお出かけするとか…」
何回もこう言った。 でも、返事は決まって、
「…こっちこそ何度も言うようだけど、しばらくの間は雑誌やらテレビやらの対応が…」
…こんな感じ。
「…そりゃ、それもトレーナーとしての、大事な仕事なのかもしれないけどさぁ…」
最近のトレーナーは、ボクが勝ったせいで舞い込んだ仕事に追われてばっか。
ただでさえレース直後でトレーニングはお休みなのに、仕事のせいで外出ばっかりだから、合鍵を使ったところで会いに行けない。
(…つまんないなぁ…)
そんな感情が溢れてくる。 と、そこへ…
「なぁ、テイオー? 思ったんだけどさ…」
「…? どうしたの、トレーナー?」
「テイオーはお出かけお出かけって言うけど、最初の頃みたいに、何か買ってあげるのとかじゃダメなのか?」
「………あれ?」
言われてみればそうだった。
そんなにご褒美が欲しいなら、はちみつでも何でも買ってもらえばいい。
それで「ご褒美」という点については問題ないし、事実最初の頃はそうしていた。 だけど…
「…せっかく、トレーナーのために走ったのに…」
「…テイオー?」
「…えっ…?」
自分でも認識できていなかった感情が、言葉として出てきた。
(トレーナーの、ため…? …ボクが走る、走り続ける、理由…?)
しかし、意識してみると呆気ないほど簡単に理解できた。
「……………」
「…ど、どうした?」
「…トレーナー。」
そうだ。 ボクが走る理由は…
「…ボクがレースで勝って、トレーナーが構ってくれなくなるんだったら、ボクもう勝たない! 走らないもんね!」
「なっ…!?」
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「それが嫌なら、もっとボクを優先してよー!」
意味が分からない。 なぜそんな要望と、そこまでの重い覚悟を天秤に乗せれるのか。
「な、何で、そこまでして…」
「…当たり前だよ? だって、ボクは…」
テイオーが、真剣な面持ちで胸の内を晒す。
「…ボクは、トレーナーのために走ってるんだよ。 こう言っちゃ悪いけど、雑誌とかテレビとかのためでも、ファンの皆のためでもない…トレーナーの、喜ぶ顔が見たくて! …トレーナーに、勝利を見せてあげたくて…っ! なのにっ…」
何で、もっと一緒に居てくれないのか。と。
涙目になって、言葉を詰まらせるトウカイテイオー。
担当ウマ娘がそうまで想ってくれていたのに、それに気付かずに他のことを優先していたことが悔やまれる。
「…ごめんね、トレーナー。 こんな自分勝手なこと…」
感情の揺れ故か、衝動的に抱きついてしまう。
「…こっちこそごめん、テイオー。」
「………ぴぇ?」
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「分かったよ。 何とかして時間は空ける。 それに、しばらくの間は、出来るだけテイオーと居るよ。」
「………!!!」
嬉しい。 すごく嬉しい。トレーナーがそう言ってくれることが。 トレーナーがそばに居てくれることが。
それだけで、これからも。 ずっとその先も、走っていこうと思える。
「………ありがとっ! えへへ…」
(…って、あれ?)
「…と、トレーナー…あの、これ…」
(いつの間にか抱きつかれてる…!?)
いろいろあって何回かしたことはあるけど、それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。
「…っ!? ご、ごめんテイオー!」
トレーナーがびっくりして飛び退く。 けど…
「…トレーナー。 こっち、来て?」
「………?」
そのままぎゅーってする。
「…!?」
トレーナーはまた驚いて、離れようとしてるみたいだけど、ウマ娘のボクに力で勝てるわけない。
「トレーナー、ボク、このままがいい。」
「…テイオー?」
「一つ目のご褒美は、しばらく、このままで…」
…真面目に書こうとしたら結局甘くなったけど、結果オーライでヨシ!
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