マジックでは理解できない本物の魔法を使いたいのでINTに極振りしてみました   作:ディスタブ

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見知らぬ少女

ぶっ壊れスキル習得後(あれから)暫くの間、捨身で兎に角杖を振るいまくりただ只管にモンスターを爆散させてきたウィザード。

 

気がつけば数日で、新たな領域(ぶっ壊れ)へと足を踏み込んでいた。

 

ウィザード

Lv.9

HP20/20

MP96/96(+9)

STR0

VIT0

AGI0

DEX0

INT120(+28)

 

装備

頭 【空欄】

体 【空欄】

右手 【空欄】

左手 【初心者の杖】

足 【空欄】

靴 【空欄】

装飾品 【空欄】

【空欄】

【空欄】

 

スキル

【魔法壁】(ボルグ) 【大物喰らい】(ジャイアントキリング)

【ファイアーボール】【ウィンドカッター】【ウォーターボール】【アースインパクト】

 

【大物喰らい】(ジャイアントキリング)

HP、MP以外のステータスのうち四つ以上が戦闘相手よりも低い値の時にHP、MP以外のステータスが二倍になる。

取得条件

HP、MP以外のステータスのうち、四つ以上が戦闘相手であるモンスターの半分以下のプレイヤーが、単独で対象のモンスターを討伐すること。

 

非常に問題のスキルである。

HP、MP以外の4つとなると極振り構成のウィザードには全ての敵が当てはまると言って良い。仮に、極振りの相手と対人戦することとなると話は別だが、この世界を単に攻略している分にはメリットしかない。

 

極振りステータスのモンスターなんていないでしょ?

 

こういうことである。

 

【ファイアーボール】【ウィンドカッター】【ウォーターボール】【アースインパクト】の4つの技は魔法使いなら誰しもが覚えることのできる基本スキル。魔法使いではなくても、複数個覚えられることもある。火、風、水、土の4つの元素を操る初歩的なものだ。威力は基本的にINTに依存するため、INTが高いほど強力となる。

 

そんなウィザードの目の前では、不思議な光景が広がっていた。

 

ムカデや芋虫などの雑魚からちょっと強そうな狼まで、無抵抗な少女に攻撃しようとまとわりついていた。

身体と同じ大きさの盾と短剣は少女の装備だろうか。地面に置かれた状態になっている。

 

その数、なんと16匹。

 

そんな状況でいても少女は身動きひとつ取ることはなく、仰向けになって倒れている。

 

とても気持ちよさそうに、まるで眠っているかのように。

 

唖然としながら暫く見守っていると、少女の瞳がカッと見開かれた。

 

「きゃああああああッ!?」

 

叫び声を上げた少女に『なにを今更?』と呆れたウィザードは、決して間違ってはいない。飛び跳ねるように起き、盾と短剣を握りしめた少女。そのままブンブンと短剣を振るう。

 

だが、モンスターの数が多すぎる。

 

このまま見て見ぬふりをして去ることに罪悪感を覚えてしまう。ウィザードはそれなりに離れた距離から杖を振るう。

 

発動させるのは、風の初期魔法ウィンドカッター。

 

房格闘漫画のキエンザンの如く、円形に放出された風の刃。

凄まじいスピードで回転し、甲高い音を立ててモンスターを斬り裂く。

 

残っているモンスターの視線が一斉に集まったのと同時に、例の如く透明なウィンドウが眼前に現れた。

 

【挑発】

モンスターの注意を一点に引き寄せる。

 

取得条件

十体以上のモンスターの注意を一度で奪うこと。

 

 

なぜかスキルを獲得した。

 

タンク向けのスキルだ。

大楯を装備しているプレイヤーに使えそうなスキルである。

 

「挑発」

 

早速、スキルを発動させると少女に群がっていたはずのモンスターたちが一斉にこちらに向かって突撃してくる。

中に蜂型のモンスターから鳥型のモンスターもおり、空中から毒素や真空波らしきものを放ってくる。

 

しかし、ウィザードが焦ることはない。

 

どれだけ群れて向かって来ようが、この初期フィールドでINT592の壁を越えられるモンスターなど存在するわけないと確信していたからだ。

 

どの攻撃も例外なく魔法壁の薄い膜に阻まれ、その身をもって突進してきたモンスターたちはノックバックを受け、致命的な隙をウィザードに与えることになった。

 

…本来ならば、INTが防御力の数値ではないのだが。

 

「ファイアーボール、ファイアーボール、ファイアーボール」

 

隙を見逃すほど、甘くはない。

明らかにガラ空きな身体にファイアーボールを放つ。1体1体、的確かつ迅速にファイアーボールが次々とモンスターたちを焼き焦がしていく様子は、さながらホラー映画のようだ。

 

INT592が放つファイアーボールは、もはやファイアボールなどという生やさしいものではない。見た目こそ、小さな炎の球体だが、内に秘められた力は最早業火である。

 

全てのモンスターを燃やし尽くした時、またしてもウィザードの前に透明なウィンドウが表示された。

 

【灼熱の連弾】(ハルハール・ラサール)

追尾性のある3つのファイアーボールを一度に放出する。

追尾する性能はINTに依存する。複数体の敵にロックオンすることが可能。

 

取得条件

ファイアーボール10回以上使用する。かつ、ファイアーボールを使用後3秒以内にファイアーボールを10回以上使用する。かつ、外すことなく一撃で撃破する。

 

「えぇ…」

 

 

ポカーンとこちらを見ている黒髪の少女に軽く御辞儀をして、ウィザードはその場を後にする。

『待って待って〜』と声がした気がしたが、ウィザードは振り返ることはない。むしろ歩くスピードを上げたい気分だ。

 

AGIが0のため、早くなんて歩けないが…。

 

何を隠そうウィザードこと星河悠、度がつくほど人付き合いが悪い。リアルの学校でもほとんど口を開かず、教師から指された時くらいにしか口を開かない。

人付き合いが本当に面倒くさいだけで、実際、必要に迫られれば話すことは苦ではない。

 

だがまあ、悲しいかな、友達なんて当然いない。

 

▼ ▼ ▼

 

 

【NWO】やばい魔法使い見つけた

 

 

31名前:名無しの魔法使い

カオス、ここに極まる

 

 

32名前:名無しの大剣使い

kwsk

 

 

33名前:名無しの槍使い

 

 

34名前:名無しの魔法使い

狼やらムカデやら10体以上のモンスターに襲われる中、身動きひとつ取らずに眠り続ける美少女とその10体以上の攻撃をIフィールドで無効化しちゃう少年のお話

 

35名前:名無しの槍使い

どっちも化け物で草

 

 

 

36名前:名無しの弓使い

>31 盾の美少女別スレ立ってるわ

 

 

 

37名前:名無しの大剣使い

>36 サンクスみてくるわ

 

38名前:名無しの魔法使い

このゲーム大丈夫かよww

 

 

39名前:名無しの槍使い

少女はともかく、少年のほうの新情報kwsk

 

 

40名前:名無しの魔法使い

美少女の件の後、後をつけてたんだが、なんか一度にファイアーボールを3つ作ってた。

しかも、えげつない追尾性あり

ついでに言うとマルチロックオン可

 

41名前:名無しの槍使い

>40 お巡りさんストーカーはこっちです

 

42名前:名無しの大盾使い

えげつないってどれくらい?

 

43名前:名無しの魔法使い

当たるまで永遠に追い回すイメージでおけ

ぶっちゃけ測定不能

因みに全部ワンパン

 

44名前:名無しの弓使い

なにそれ恐ろしすぎるんだが?

 

45名前:名無しの槍使い

>36

大楯といい魔法使いといい隠しスキル見つかるの早すぎね?

というか勝てんのこれ?

 

46名前:名無しの魔法使い

まあ、結局極振りだし、弱点わかれば…

(勝てるとはいっていない)

 

47名前:名無しの大剣使い

>46 今すぐ見てこい

こっちもえげつなくて草生える

 

誰も知らないところで、2人の少年少女の話題は少しずつ大きくなっていく…。

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