Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ〜狼に憑かれた子供〜 作:直樹
名前:衛宮 海里
容姿:陽光が当たると雪の結晶のように光る白銀の髪
透き通った水色の綺麗な瞳
黒いメタルフレームの眼鏡を使用
─────ピ・ピ・ピ・ピ─────
規則正しく刻まれる機械の音で目が覚めた少年は薄く目を開けた
1番最初に視界に入ったのは真っ白な天井
鼻を刺すツンとした匂いにここが病院だなっと感じた少女は鼻を抑えようとしたが不可能だった
上半身が思うように動かないのだ
少女が起きたのを悟ったかのように開いた病室の扉が開くとそこから1人の美しい女性がやって来た
銀色の髪に赤い瞳
まるで兎のようだなっと思った少女は自身の左腕に繋がれた点滴を見た
規則正しく落ちていく水滴は最終的には丸くなって沈む・・・それを繰り返している様を何度も見ている内に女性も話しかけ始めた
「こんにちは。私の名前はアイリスフィール・フォン・アインツベルン。突然だけど私たちの子供になるつもりはない?」
「・・・・・・・」
「あっ、そうだった!まず、目が覚めたのを見かけたならナースコールしないといけないんだったわ!」
いけない、そんな事を付け加えたアイリを見ている少女は心底興味なさげだ
退屈だとも言わんばかりにアイリを見つめているとそれを見透かしたようにアイリは言うのだ
「お医者さん達のお話が終わったら外に出ましょうか。今日は天気がいいのよ、きっと貴方も気にいるわ」
病院の医者やナースが彼を診察し終える頃には日が暮れていて外に出る時間帯ではない
病院の先生曰く────
『傷の方は予想よりも早く塞がっているのでもう大丈夫でしょう。体を蝕んでる毒の方はだいぶ薄れていてそろそろ効果がキレると思われます』
『ただ、精神的なショックなのか強く頭を打ったのが原因なのか今の自分は誰なのかそしてそれ以前の記憶が無いようです。一体、子供にどんな仕打ちをすればこんな風になるのか・・・』
それを思い出した少女は自分の名前が何だったのかと考え出すが思い出すことは出来ない
アイリはそばでずっとその様子を見ており思い出したかのようにポケットを探り、取り出したのがリストバンド
黒が基調で白で狼のような動物と“wolf”の文字が施されており、リストバンドの裏には水色の刺繍で“衛宮 海里”の文字がある
「衛宮 海里。私、多分だけどこれが貴方の名前だと思うの。それにね、衛宮って私の夫と一緒の苗字なの。これってすごく運命的じゃない?」
リストバンドを手渡された少女は何度もそれを見比べ、やがて涙を流した
何も覚えていないはずなのに、何もわからないのにも関わらずだ
アイリはそばでひたすらそれを見ており、特に何かを言うわけでもない
暫くすると海里は自分から“子供にしてくれ”そんな風に懇願するのだった
「こぉら海里!!!いい加減タブレットでリモート授業を受けるのを辞めんか!!」
衛宮 海里は成績優秀でありスポーツ万能そして容姿も優れている
だが、
「何故、僕がそのような場所まで向かわなければならないんですか?義務教育は決まっていますが授業を受ける場所までは指定されていないでしょう?」
この通り、学校への登校を拒否している“超がつく程スペックが高い問題児”
もちろんこの暴挙を海里の担任である藤村 大河は許可しない
3週間前に海里の部屋に乗り込み、力尽くでも学校に連れて行こうと手を掴み部屋から引き摺り出そうとすると
『はぁ・・・藤村先生。これは一種の体罰では?少なくとも精神的苦痛を感じる場所に連れ出そうとしている時点で体罰に抵触するギリギリですよ。それに僕が大人しく参加する義理はないですし丁重にお断りします』
ドアを閉めると同時に自身の手を掴んでいる大河の腕を反対方向に捻り上げた
すると鍵を閉め、学校に行かない間に制作していた何十個もある小さな鍵付きの外側からは開かぬ扉を設置
開かずの扉へと変化するのだがその間なんと1分
その家で働くメイドのセラに話を聞くと
『ここ最近、部屋から出なくなってしまってどうしたものですかね?食事を摂っている様子もありませんし・・・』
このように姿を誰一人として視認できては居ない
そして、問題は起きたのはすぐのことだった
部屋から音がせず、メイドのセラとリズが2人で部屋に踏み入ると
そこに居るはずの海里が消えていた
「──── Grrrrrr」
低い唸り声を上げてその部屋を見ている影が1つ
不穏な空気を纏うその生物はそっと空気に同化して消えていく
海里が消えた数日後のことだった
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが悪の魔術礼装によって面倒事に巻き込まれたのは