前までです。
誤字、幼稚な文だったり、このキャラそんなのじゃないとかは
優しめにご指摘いただけると嬉しいです。
初めてですがよろしくお願いします
『ーーーぎは、トリスタ。次は、トリスタです。お降りの方は荷物等の忘れ物が
ございませんよう気をつけてください。』
「う・・ん・・・、トリスタ、か・・・もう着いたのか・・・。」
回想の途中で、寝てしまったのか列車内に響くアナウンスで、フライベアは目を覚ました。寝起き
で霞む目を細めながら周囲の座席を見渡すと、出発時と比べ、多少は人がいるものの自分と同じ服
装は無かった。大きく背伸びをして、列車から降りとぼとぼとトリスタ駅から出ると目の前に広が
る景色にフライベアは、意識を覚醒させると同時に思わず声を漏らした。
「へぇ~~~」
街中に咲き乱れ、舞い散る花びらは朝日を浴び、白く輝いていた。街の奥に目をやると大きな学校
ーーートールズ士官学校が見えた。しかし、いまそこへ向かう人影は一つも見えない。フライベア
は近くにあった時計を見つけると、大きめのバッグ片手に走り、時計を見ると時刻は9時56分ー
ーー入学式は、既に始まっていた。
(まただよ・・・)
そう内心で漏らしつつ、フライベアは本日二回目の全力疾走でトールズ士官学校へ走って行った。
トールズ士官学校前の坂を上がると、校門の前で立っている小柄な少女にフライベアは驚いた。
「フ、フィー!?」
フライベアの声に反応したのか、少女は首をかしげながらこちらに振り向くと、フライベアに気付
いたのか少し慌てて走ってきた。彼女の髪が銀髪ではなく、栗色でいることに気づきフライベアは
内心で思わず、やってしまったと思った。
「新入生の、Ⅶ組の生徒だよね!もう入学式終わっちゃうよ、急ーーー」
緑色の士官制服を着た少女の頭を、フライベアは無意識的に撫でた。急に頭を撫でられてからなの
か顔を少し赤くして、黙り込んでしまったところで自分がしていていることに気づき、すみません
、と彼女の頭から手を離した。
「・・・そんなことされると、女の子は勘違いしちゃうからね、気を付けてね?」
「・・・はい、気分を害したのなら本当にすみません。」
見ず知らずの人にいきなり頭を撫でられたのが、恥ずかしかったのかは分からないが下を向いたま
ま、いつもされるけど撫でやすいのかなぁ、私、と漏らしていると
『ーーー上、解散。』
マイクでの放送があると、左手奥の講堂から次々と士官制服を着た生徒が出たきた。しかし、彼ら
の士官制服は白や緑で、彼と同じ赤色の士官制服を着た人は一人も出てこない。その様子を一緒に
見ていた少女は、
「入学式終わっちゃったね・・・、ところで、自己紹介まだだったね。私はトワ。
トワ=ハーシェル、トールズ士官学校の生徒会長をやっているの、よろしくね。」
「俺は、コーネリア=フライベア。ベアって呼んでください。」
「よろしくね、ベア君。早速だけどベア君のバッグを学生寮に持っていくから預かるね。」
フライベアのバッグを持つためにこちらに近づくトワを、片手を出してフライベアは止めた。
「大丈夫です、トワ会長。自分で運びますよ。こいつはかなり重いので。」
まさか、遠慮されるとは思っていなかったのだろう。トワは少しびっくりしている。
「な、なんで?もうすぐⅦ組のオリエンテーションが始まるよ?」
「これを持った会長がもし、転んで怪我でもされたら私が嫌だからです。」
この後、どうしても持っていく、の一点張りするトワをなんとか説得し、バッグを第三学生寮にフ
ライベアは、トワに手を引かれトールズ士官学校の奥にある旧校舎に案内された。ここでⅦ組の特
別オリエンテーションがある、と説明され説明が終わった後、「それじゃあ、頑張ってね。」と応
援をされた後、何か嫌な予感を感じながらその校舎の扉を開け、中に入った。外見は古めかしく、
ぱっと見、廃墟に見えたものの、中は一応管理されていたらしく、ほこりやカビ臭さは感じられな
かった。そんな中、今いる薄暗いフロアに若い女性の声が響いてきた。
「やっときたわね。」
二週間ぶりに聞くその声に、フライベアは警戒を解き、奥から出たきた赤髪の女性に返事をした。
「二週間ぶりですね、サラさん。」
「あなたの事だからサボるんじゃないかと思ったわ。・・・お帰りなさい、ベア。」
「ーーーただいま、サラさん。そして、これからよろしくお願いします。」
お互い、数秒抱擁した後、今後の説明を受けた。特別オリエンテーションは穴を降りたところ
からダンジョン区画を抜けてここに帰ってくる、ということ、トールズ士官学校<Ⅶ組>への
入学を決めた時にもらった導力機ーーー戦術オーブメントと、それにセットする結晶回路<ツ
ォーク>のこと、導力魔法<アーツ>について、あらかた説明が終わるとサラーーーサラ=バ
レスタインは一息つくと、別の話を振ってきた。
「しかし、よくトールズ士官学校に入学する気になったわね。しかも、《ARCUS》の
適合者だったなんてね。」
カンパネルラの工作活動と根回しのおかげで、フライベアが適合者になっていることはサラが
知る由もない。俺は、あまり言われたくないことに、「あははは・・・」と苦笑いしてしまう。
そんな彼にサラは衝撃的な情報を出してきた。
「そうそう、Ⅶ組にフィーも入学したわよ。」
「っっっ!!!」
ーーーフィ=クラウゼル。今、何をしているのだろうと、気になると同時に、今一番会いたく
ない存在だった。
(フィーは、まだ恨んでいるんだろうな・・・)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フィーとの別れたいの日のことは忘れられるはずがなかった・・・今からほぼ三か月前の事で
ある。猟兵《イェーガー》と呼ばれる、傭兵の集団のツートップ、『闘神』が率いる『赤い星
座』と『猟兵王』が率いる『西風の旅団』が衝突した。その時、両団長が一騎打ちをし、結果
相打ちし、両団長は死んだ。その結果、『西風の旅団』は解散という形となった。それまでの
一年半ほど、フライベアとフィーは一緒にいた。お互い実の親の顔を知らなかったためか、二
人はすぐに打ち解け仲良くなり、自他ともに、兄妹、と認めるほどになった。
しかし、あの日俺らは、サラさんにトールズ士官学校に来ないかと誘われた。フィーは行く当
てもなかったためサラさんの提案に乗ったが、俺はそれを断った。 俺はまだ修行しなければ
ならないからと、そういい終わるか否か、お腹に鈍い衝撃が走った。自分の視線を下へ向ける
と、溢れんばかりの涙を両目に溜めたフィーが見上げていた。
「---だったら、私も、ベアについて・・いく。」
「ーーー駄目だ。フィーはサラさんと一緒に行くんだ。」
「・・・いやだ・・いかないで、ベア・・・」
いつもなら、ここで俺が折れるところだが、今回ばかりはそうはいかない。フライベアは心を
鬼にしてフィーに一言、言い放った。
「今のフィーでは、正直足手まといなんだ・・・だから・・・無理だ。」
「・・・・・・もういい。・・・嘘つき・・・。」
そう言って、一人走り去ってしまうフィー。どうすべきか分からず軽くおろおろしているサラ
に、フィーをお願いします。と、告げて俺はその場を去った。そのあとどうなるかも知らずーーー
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「ーーーそれじゃあ、頑張ってね。」
そう言われて、送り出された俺は目の前の穴にジャンプする。穴の中は坂になっておりしばら
く滑ると、地下一階に着いた。前には扉が開けられておりとりあえず、そこへ行こうと一歩歩
き出したとき、銃が構えられる音が聞こえた。ゆっくりと音のなるほうへ振り向こうとした時
懐かしい声が聞こえた。
「・・・ベア。今からベアを追い越すから・・・」
「・・・・・・フィー。」
そこには、先程フライベアと話していたトワほどの小柄な少女で、銀髪のーーーフィーが鋭い
目線を送りながら、双銃剣を構えていた。
次回から、バトルが入ってきます。正直うまく書けるか不安です。
最初のバトルがフライベア対フィーは考えていませんでしたが
まぁ、いいかなと思います。
読んでいただきありがとうございます。
次回で序章が今のところ終わる予定です。