新しき<剣帝>の軌跡   作:kohac

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書いているうちに
あれ、アリアンロードって出しにくい?
と、再確認してしまいました。ですが、頑張って出していきますよ!
それでは、遅くなりましたがどうぞ!


自由行動日 夜編

生徒会の仕事を手伝った後にとびっきりの笑顔で感謝してもらいトワ達と別れ、ゆっくりな足取り

で夕食のメニューを考えながら階段を降りると、これから夕食を取るのだろう、学生食堂の前にか

なりの学生が列を成していた。

 

 

 「ん~なんか面倒になってきたし、この際学食でもいいかなぁ・・・」

 

 

つぶやきながら列の最後尾を探していると最後尾の少し前に今日は見かけなかったフィーの姿があ

った。少し虚ろな目で時折欠伸をしてるためか、フライベアは今日のフィーの行動が容易に想像で

きた。フィーに何か料理でも作るかと思いフィーを呼ぶと、こちらに気づいたのか列を抜けてこち

らに向かってきて、

 

 

 「何か呼んだ?ベア」

 

 

 「ああ、フィー。これから夕食か?俺は今から作るんだが、一緒に食うか?」

 

 

 「うん、私も久々にベアの料理、食べたいから」

 

 

目をキラキラさせながら快く了承するフィーにそれまで消えかかっていたやる気を再燃させたフラ

イベアはフィーを連れて学生会館を出る。学院から出ていく途中で、

 

 

 「で、フィー。何かリクエストはあるか?」

 

 

 「何でもいいよ。ベアの料理は何でもおいしいから」

 

 

一見、なげやりな言葉に一般的には聞こえるが、フィーがこの言葉を言ったことでフライベアは思

わず笑みをこぼしてしまった。フィーが食べたい料理がなんであるか分かってしまったからだ。そ

のまま再び『ブランドン商店』で材料を買って、第三学生寮のキッチンに入る。フィーには食器を

準備をしてもらい、フライベアは調理に取り掛かる。小麦粉に水を加えながら生地を作り、生地を

回し遠心力でのばし、トマトソースを塗る。その上に小さくカットしたポテト、肉、にがトマトを

散りばめ最後にチーズをたっぷりと乗せ、オーブンでこんがりと焼き上げる。9分程強火で焼くと

溶け出し、こんがり焼けたチーズが完成を知らせる。オーブンからピザを取り出し、素早く切り分

け置かれた食器の上にのせる。

 

 

 「お待たせ、クワトロチーズピザだぜ」

 

 

 「ん、美味しそう」

 

 

声はいつもと変わらないものの、表情は嬉しそうにしてピザを頬張るフィーを確認してフライベア

は今まで使ってきた器具を洗い始める。が、洗っている途中で突然上着の後ろ袖を引かれた。引か

れた方を向くと、左頬にチーズをくっ付けたフィーがこちらを見ていた。

 

 

 「どうした、フィー?あ、もしかして久しぶりに作ったからいつもの材料で作らなかったから味

 が変だったか?」

 

 

口を開かず、首を振って答えるフィーはゆっくりと口を開いた。

 

 

 「ベアと一緒に食べたい」

 

 

 「へ?・・・はいはい、分かったよ」

 

 

上目づかいのフィーに、やれやれと洗い物を切り上げてフィーに引かれるまま椅子に座る。そして

自分の膝あたりをポンポンと叩いて、

 

 

 「ほら、おいでよフィー」

 

 

 「おー」

 

 

抑揚のない声でフライベアの膝に座って、再びピザを食べ始めたフィーと一緒にフライベアもピザ

を小皿に取り頬張っていく。やがて、ピザの残りが半分を切りはじめた頃、それまで大人しく食事

をしていたフィーは手を休め、ピザを片手に持ったまま器用に太腿の上で反転してフライベアと向

かい合うように体を向け、ピザをフライベアの口に持ってきて、

 

 

 「ベア、あ~んして」

 

 

 「あ~ん・・・・・・サンキューな、フィー。」

 

 

お返しにフライベアがフィーの頭をゆっくりと撫でる。頭を撫でられるのが余程好きなのかーーー

撫でられている間ずっと目を閉じ、気持ちよさそうにしている。その後もフィーがピザを食べさせ

フライベアが頭を撫でる、誰もが見ても仲の良い兄弟に見える二人の食事はお酒で酔ったサラが、

ベア~おつまみ作って~、と乱入してくるまで続けられた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

サラが乱入してきた後、さっと簡単なおつまみを調理した後まではよかったものの単位を盾にサラ

と一緒に飲むことを強要されたが、ひたすら愚痴を聞いて適当に慰めて自室へ逃げ込んだ頃には時

計はもうすぐ午後九時を指そうとしていた。

 

 

 「くそ・・・サラさん、アルコールキツイものばかり飲ませやがって・・・あぁ、ラジオつけな

 いとな」

 

 

昨日、通信でカンパネルラに言われた事を思い出し、おぼつかない足取りで導力ラジオのスイッチ

を入れ、周波数を89.6MHzに合わせるとノイズ音が少し鳴り響いた後陽気な音楽が流れ始め

た。どうやら番組が始まったようだ、ラジオ越しにMCの声が聞こえてきた。

 

 

 『こんばんわ、皆さん。日曜の夜をいかがお過ごーーー』

 

 

 「ぶっ!」

 

 

自分が知っている人物の声が聞こえてきて思わず吹き出してしまったフライベア。な、なんでヴィ

ータさんがラジオMCしてんだよ、と呟きながらもラジオを聴き続ける。《身喰らう蛇》に所属し

第二柱《蒼の深淵》である、ヴィータ・クロチルダ。『幻焔計画』のためにエレボニア帝国にいる

ものの、今まで実際に会ったことははなかったが・・・

 

 

 「まさか、カンパネルラの奴言っていたことってこういうことか」

 

 

今頃、笑っているであろうカンパネルラを思うとなんだか腹が立ってきたので頭を振って振り払い

ラジオに意識を傾ける。

 

 

 『いまから《アーベントタイム》始まります。メインMCは私ことミスティです、よろしくお願

 いしますね。当番組は皆さんのお便りを募集しています。さて、四月も中旬になりましたがまだ

 まだライノの花が白い花を咲かせていますーーー』

 

 

 「へぇ~こんな番組はいいな、聞きやすくて」

 

 

《アーベントタイム》はその後最近のニュースのことを話したり、季節ごとの周りの変化の事や、

曲なども流していた。その中でもPNムンムンボーイという投稿者の質問が面白く夜中に関わらず

思わず笑ってしまったとか

 




次は実技テストですね。戦闘シーンは苦手ですが頑張ります(汗)
あと、キャラSIDEの部分を加えていきたいです。

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