トレセン学園にいるトレーナーたちから、僕は変人だとよく言われている。
そこには悪い意味もいい意味も含まれている。
トレーナーになったばかりは色々試しているんだろうなと暖かい目で見てくれたけれど、28歳になった今では変なことをし続ける人という認識になっている。
それというのも、僕が育てるウマ娘は変則的な走りになるからだ。
まわりからは『ひとり旅をさせるトレーナー』として少しばかり知名度がある。
走らせ方の内容は、最後方で最終コーナーから思い切り走らせる。
大逃げでぽつんと1人走らせる。
バ群から離れ、1人だけ横につけて走らせる。
カメラが写さないほどの大外から1人ぶっ差せる。
そういう変わった走らせ方しかできない。
できないというか、そうしたほうが最善だった。
今まで育てた6人のウマ娘たちはそれでG1勝利をあげられなかったけれど、重賞を勝つ活躍をしてくれた。
僕の元から離れ育っていったウマ娘たちのことをぼぅっと思い出す昼間の今。
トレーナールームにいる僕は、昼休みに入ったチャイムの音が鳴ったことで授業が終わったと気づく。
5月の暖かくて過ごしやすい今は、つい時間を忘れてしまうことがある。
普段からスーツを着ている僕にとっては、こういう時期はいい。
すぐ後ろにある窓からは暖かい日差しが入り、椅子に深く腰掛けてはぼぅっとしてしまう。
目の前にある机には書類仕事はなく、今は育てているウマ娘が1人しかいないから楽でいい。
30にもなっていない奴が何をのんびり生きているんだと先輩トレーナーから言われることもあるけど、そんなの人それぞれで育成成績が悪くなければ好きにやっていいじゃないかって思う。
天井を見上げ、昼ご飯はどうするかなぁと考えていると、ドアからノックの音が聞こえてくる。
よく聞き慣れたリズムのノック音に、僕がただ1人育成しているウマ娘が来たかと思う。
「入っていいぞー」
「失礼します。今日はここでご飯を食べに来ました」
僕の間延びした声を聞いて、ウマ娘、サイレンススズカは丁寧な言葉と共に部屋に入ってきた。
ウマ耳は緑色の覆いをつけていて、明るいさらさらとした栗毛の髪には白いカチューシャ。右耳には緑と黄色の小さなリボンを付けている。
ワンピースタイプの青を基調としたセーラー服の制服を着ていて、走りやすそうな小さい胸元には大きな青いリボンと蹄鉄の形をしたブローチがついている。
下は白色に青いラインが入っているスカート。太ももまである白いニーソックスな制服に皮靴のローファーだ。
一目見ただけで服は綺麗にアイロンがかけられていて、靴もよく手入れされているから几帳面だなぁと毎回見るたびに思う。
几帳面さは物静かな性格から来ているんだろう。走ることに関しては僕と強い口調で言い争うこともあるけど、基本はおしとやかなお嬢様と言った雰囲気だ。
そんな雰囲気がある青い目をしたスズカは茶色の尻尾を揺らしながら、部屋に置いてある3人掛けのソファーへと座り、手に持っていたご飯が乗っているトレイを目の前にあるテーブルへと置いた。
「今日のランチはコロッケ定食か」
「はい。野菜サラダも多めに取ってきたので、栄養も悪くありません」
「時には好きなものを食べてもいいけど、普段からそういう考えはとてもいいな」
スズカのウマ娘として健康的な食事を取っていることに強く感心しながら、俺が机から取り出したのはカップラーメンだ。
お湯をそそぐだけで手軽な、けれど栄養が悪いインスタント。
それを机の上に置き、床に置いてあったポットを机の上に乗せてはラーメンにお湯を注いでフタを閉じるとスズカから冷たい視線を感じる。
無言の視線は、『私が食事を気にしているのに、トレーナーさんはジャンクフードですか? ふざけているんですか?』という意味が込められていそうなものが。
僕はそれを無視し、スズカと出会った頃はトレーナーに不信感を持っていた頃、をラーメンが出来上がるのを待ちながら、そんなことを思い出す。
スズカと出会ったのは2年前。
俺が育てるウマ娘がいなくなり、誰をスカウトしようか悩んでいると先輩の女トレーナーから話を持ち掛けられたのがキッカケだ。
なんでも先頭を走りたがり、逃げしかしようとしないウマ娘を自分じゃ育てられないから預かってくれないかと。
変わった育て方しかしない僕に、スズカは最適なんじゃないかと思ったらしい。
特にやることもなかった僕はスズカを受け入れたが、出会った時のスズカは僕への不信感を隠さない態度で接してきた。
考えなくても、前トレーナーから僕へと移籍となれば捨てられたと思うだろうし、僕自身の評価もそれほどいいものじゃなかったから。
だから来た当初は僕のトレーニングメニューも渋々と言った様子で、時には自分で作っては走ることもあった。
それが変わったのはスズカを本心から褒めたときだった。
模擬レースで他のウマ娘を大きく離し、1人で先頭を走っている姿を見た僕はその走る姿に惚れた。トレーニングで見ることはあっても、それはレースとは違う。
彼女の心構え、他のウマ娘と比べての走り。
太陽の光に当たり、きらきらと輝くような茶色の髪。風でなびく髪や尻尾は綺麗だった。
なによりも彼女がひとり先頭を走る姿はただただ美しいと思った。
レースが終わったあと、興奮したままにスズカのことをべた褒めしたあとに『スズカが見ている綺麗な景色を僕も見たい』と言ってから関係が変わっていった。
よそよそしかったスズカは僕とよく話してくれるようになり、姿を見ると近寄ってきてくれる。
よく気に入られたのか、僕が他のウマ娘と楽しく話をしている時なんかは、腕組みをしてきて強引にどこかに連れていこうとする。
そんなかわいらしい独占欲には困っているが、今はスズカしか見ていないよと言って毎回説得している。
普段から仲良くなってくるとトレーニング内容も詳しく相談できるようになり、時には一緒に遠出をして普段見ることのない景色。
美しい緑が生い茂る山や澄んだせせらぎの音が聞こえる川、青く美しい海辺でトレーニングをすることもよくあった。
そうして成長したスズカはレースではとても強くなり、スズカの逃げはスズカにしかできないスズカだけのものなった。
サイレンススズカというウマ娘はもう安定しており、これより先は実力がある前トレーナーのところへ移籍したほうがスズカにとっていいかもなと最近は思うようになった。
「あの、お湯を入れてから3分が経ちましたよ?」
「ん、あぁ」
思いの他、思い出にひたりすぎてスズカに言われるまでラーメンのことをすっかり忘れてしまっていた。
フタを開け、ラーメンに加薬や粉末スープを入れて麺を混ぜ混ぜしながら気づいてくれたスズカに感謝にする。
「ありがとう、スズカ。よく気づいたな」
「はい、私はいつでもあなたのことを見ていますから」
かわいいほほ笑みを僕へと向けてくれ、走ることに熱狂的なことをのぞけば精神がとても安定している子だ。
強くて素直で気遣いができてかわいいウマ娘を担当することができてよかったと強く思う。
「あの、ご飯を一緒に食べませんか?」
そう言ってスズカは、自身の隣をぽんぽんと手で軽く叩いて誘ってくる。
普段は食堂のテーブルで向かいあい、または隣り合って座ることはあるものの、トレーナールームでは隣り合って食べたことがない。
初めての経験にわずかの間だけ戸惑ったものの、俺はラーメンを持ってスズカの隣へと1人分の距離を開けて座り、ラーメンをテーブルへと置く。
すぐ隣に座るのは気遣って遠慮したというのに、スズカは俺のすぐ隣にわずかな距離を置くだけで座りなおしてくる。
「スズカ?」
「せっかくの楽しい食事の時間なのに、距離を開けるのはなんだか寂しくて」
「あー、それは悪かった。次からは気をつけるよ」
「約束ですよ?」
スズカの言った言葉からは重さが強く感じ、この約束を破ったら面倒なことになる予感がした。
目力と言葉から感じるスズカの強さに俺は言葉を出せず、うなずくことしかできない。
約束が終わったあとは、食事をしながらの雑談だ。
スズカがスペシャルウィークやマチカネフクキタルとは何を話していたか教えてくれ、僕のほうはこれと言って変わったことはなく今以上にいいトレーニングは難しいと言うぐらいに。
より良いスズカの走りを見るために頑張ってはいるが、育てたウマ娘の経験の経験が少ないと思いつく手段はとても少ない。
少し前から考えていた、以前のトレーナーのところへ戻ってもらうのがいいかもしれない。
お互いにご飯を食べ終わったあと、僕は緊張と少しの悲しみを持ってスズカへと移籍のことを言おうとする。スズカが了承したら、もうお別れになるという寂しさがある。
「なぁ、スズカ」
「ご飯が足りなかったなら、食堂から持ってきますか?」
「話があるんだ、スズカ。そろそろ僕以外のトレーナー、具体的に言うなら前トレーナーのところへ戻らないか?」
そう言葉を言った途端、スズカは鋭い目つきでにらんできた。
さっきまでののんびりとした空気はなくなり、緊張感が出てくる。
なんだろう、この空気は。
この流れなら話し合いという流れなのに、なんだかケンカでも始まってしまいそうだ。怖い。
「これ以上僕といても良い成長はできない。走りが安定し、逃げという型が決まったらベテラントレーナーと一緒にいたほうがいいと思うんだ」
「……それは私を捨てるということですか?」
「スズカの走りを今より良くするには僕以外が適任だと思うんだ」
スズカは僕の目をじっと見つめたあと、1度深呼吸してから僕へと迫り、胸元へと片手を置いてくる。
「私が先頭を走り続けたいというのを聞いて、前のトレーナーはいい顔をしませんでした。
勝ちたいなら、言うことを聞いてくれと言われ、それに従った私は自分の走り方を抑えてトレーナーが言う"一般的"なレース展開を勉強しました」
透き通る青空のような目をしたスズカは僕のことをまっすぐに見続けてきて、今までの抑えてきた気持ちを出すかのように、けれどゆっくりと言ってくる。
「自分の思うとおりに走れない。私が見たい先頭の景色を見続けることができない。私は気持ちよく走りたいだけ。勝つためだけに走るのは嫌になっていたときがありました。
そんなときにトレーナー、あなたが私を受け入れてくれました」
俺の胸元に手を置いていたスズカの力が強くなり、その手に押されるように俺はソファーへと倒れこんでしまう。
座ったまま、俺を上から見てくるスズカは少し表情が柔らかくなって言葉を続けてくる。
「はじめは私が捨てられたと思って、辛くあたりましけど、あの時のことを私を恥じています。
短絡的に考えず、あなたが指示したメニュー、あなたが私を見てくれている強いまなざしを感じ取れなかったんですから」
「今はどうだ?」
「今はあなたを信頼しています。私と一緒に、同じ景色をずっと見ていきたいと言ってくれたあなたを。私を理解しようとしてくれたのは、あなた以外誰もいませんでした。
だから、私にはあなたしかいないんです。
あなたよりも良いトレーニングメニューを作れても、私を信頼して理解してくれない、私と同じ夢を見てくれない人なんていらないんです」
スズカの微笑みはなくなり、暗くなった雰囲気で顔を近づけてくるが俺はそれが怖くて逃げようとしてソファから落ちてしまう。
「トレーナー、私とあなたの関係はどういうものですか?」
「トレーナーとウマ娘……という答えは求めていないよね。……うーん、親戚の娘さんのような感じかな」
上半身を起こし、冷たい目で見てくるスズカに答えるとスズカはちらりと僕から視線をずらし、何かを決意したかのような力強い目を僕に向けてくる。
「私はあなたと一緒に同じ景色を見ていきたい。それだけなの。でも私を捨てるということなら、愛が足りないということ?」
「過程だけ見れば捨てるように思えなくもないけど、スズカには充分愛情を持って接しているよ」
「でもそれは親愛でしょ? 今まで抑えていたけど、私は恋人としてあなたが欲しい。
あなたが見るものは私だけでいい。
あなたの声は私だけ聞ければいい。
あなたの何もかもを私だけの物にしたいんです」
背筋が冷たくなるほどに感情が込められていない声で、スズカはゆっくりと倒れた俺の腹にまたがって体を力強く押し倒してきた。
押し倒したときに床の上にある両手首をスズカの手でそれぞれ抑えられる。
スズカに押し倒された格好となった僕の前にはスズカの顔が近く、美しい髪が僕の顔をくすぐってくる。
「僕はスズカに恋愛感情を持っていないんだ」
「私にはある。初めて私を見てくれた最初の人。優しくしてくれて、信じてくれたあなたを私は欲しいの。引退してもずっとあなたと一緒にいたい」
「女友達として仲良くはしたいね。まずは起きた状態で話をしようじゃないか」
そう言ってスズカを押しのけようと腕に力を入れるも、抑えつけているスズカの力が強くて腕が動かせない。
ウマ娘ほどではないにしろ、筋トレで鍛えているのにそれを楽々と抑えているのを実感するとウマ娘の身体能力の高さを改めてわかってしまう。
僕が一生懸命に力を入れているのにびくともせず、スズカは涼しい顔のままだ。
「ねぇ、抵抗しないんですか? ほら、このままだとキスしちゃいますよ?」
初めて聞くスズカの色っぽさがある声と笑み。それと少し荒くなった呼吸で、ゆっくりと僕の顔へと顔を近づけてくる。
色っぽさに一瞬だけ見とれてしまうも、キスしてしまうと今の関係性が壊れてしまうのが僕は怖い。
僕はレースをするウマ娘のトレーナーであり、関係が深くなってしまうとスズカを今よりも大事にするようになって他のウマ娘を育てるときに邪魔となってしまう。
それは僕の夢、かっこよく走るウマ娘たちを近くで見ていたいというのができなくなってしまう。
「スズカ、僕はたくさんのウマ娘たちを育てるという夢が―――」
言葉を続けている途中、スズカは目を開けたまま僕にキスをしてきた。
そのキスは勢いがよくて歯と歯がぶつかるものだったけれども、途中で目をつむったスズカは僕へと唇を優しく合わせてきた。
その唇はすべすべとしていてやわらかく、キスの感触が気持ちよくて抵抗しようという気持ちがなくなってしまう。
もっとも、抵抗しようにも力負けしているから無理なのだけれど。
だから僕はスズカにされるがままで、強引にされているというのに気持ちがいいキスをもっと続けたいだなんて思ってしまう。
次第に僕は目を閉じ、スズカに求められるままキスを受け入れていく。
ずっとキスを続けるのも呼吸が苦しくなり、酸素を求めて口を大きく開けると、の中に舌を入れてきてスズカが僕を蹂躙していく。
普段のおとなしそうな雰囲気とは違い、とても情熱的に僕の中をかきまわしてくる。
気持ちいい。
それだけが頭の中でいっぱいになる。
いつ終わるともしれないキスが終わったのは、昼休みの終わりを告げるチャイムの音が鳴った時だ。
僕を求めるスズカの動きが止まり、離れていくのを感じてから目を開ける。
僕たちはお互いに荒い呼吸をしたまま、息を整えていく。
「抵抗しなかったから、これは無理矢理じゃなくお互いにしたくてしたキスになりますね」
と、そんなことをうっとりとした笑みを浮かべて言ってくる。
結果的にはそうなってしまったものの、抵抗ができないからお互いに合意でキスをしたというようになってしまっただけだ。
でもスズカの狙い通りに効果は出てきてしまっている。1度キスをしてしまうと、スズカを1人の女性として見てしまう。
キスをされた時から、緊張と興奮で心臓はバクバクと激しく動いてしまっている。
そんな僕の様子にスズカは安心した様子を見せ、尻尾を高く上げ嬉しそうにブンブンと左右に勢いよく振っている。
けれど、その尻尾の動きもすぐに止まり、悲しい表情になる。
どうかしたかと声をかけようとしたら、スズカは抑えつけていた僕の手首から手を離す。
「私があなたに知らない景色をこれからずっと見せてあげます。多くのレースで勝ち、レコードだって出してみせます。
だから、私を捨てないでください。私はあなたといたいだけなんです。
あなたとだから頑張ってこれた。ずっとずっと一緒にやっていきたいんです」
「でも僕はこれ以上スズカの逃げるという走り方を強くできる気がしない」
「それなら私と一緒に成長すればいいんです。今はできなくても、これからできればいいんですから」
キスを終えてもすぐ目の前にいるスズカにそう言われてその通りだと気づくが、それだとどれくらいの時間がかかるだろうか。
ウマ娘の選手生命はそんなに長いものではない。だからスズカが走ることができている間に僕が追い付くかが問題だ。
もちろん、そうなった場合は懸命に努力はするけれど。
「スズカが僕の成長を待ってくれるなら、僕は君と同じ道を歩いていこう。でも、襲うようにキスをする必要はなかったんじゃないかな」
「だって、そうしないとあなたは他の子と仲良くなって私を見なくなるかもしれないと思って。それに私があなたを大好きなんです。
告白したら関係が悪くなるかもと思って今までできませんでしたけど、今なら勢いでできるかなって」
一方的に僕を襲い、冷たい表情でキスをしたあとに感動しそうな言葉を言って最後にかわいらしく言ってくるのはずるい。
襲ってきたのを許してしまいそうだ。
でも、スズカの言うとおりになると僕はスズカが引退するまではスズカしか育てることができなくなる。
あと、もしかしたら引退するときは他のウマ娘を見ないように、と僕も一緒に辞めさせられそうだ。
「他にもウマ娘を育てろと理事長から言われているから、スズカ以外に見ることはあるだろうけども」
「それは……仕方がありません。私と結婚前提の恋人になってくれることで我慢します」
「僕がスズカに恋心を持たないとそれは無理なんじゃないかな」
「恋人というのは全員が両想いから始まるわけじゃないと思います。お見合いで初めて会った同士で恋人にもなりますから。
お見合いでも付き合っていくうちに愛情が生まれていくので、そこは心配しないで私と両想いになってください」
そう言って目をつむり、またキスをしてくるスズカ。
今度はさっきの強引なキスとは違い、唇にふれるだけの優しいバードキス。
それを何度も繰り返したしてから名残惜しそうに顔を離していく。
「必ず私に振り向かせて見せますので、これからも私たちだけの景色を見ていきましょうね」
今日1番の明るい笑顔でそんなことを言ってくる。
今までスズカと一緒にやってきて、たくさんのところへ出かけ、レースで勝ち、時には遊んで多くの景色を見た。
そしてスズカが言う、私たちだけの景色とはレースでスズカが勝つところ。
GⅢ、GⅡ、GⅠと多くを勝ってきた。スズカはそれを僕と一緒に続けてくれるという。
強引に襲ってきてキスされるのは遠慮したいけど、僕の指導を受けてこれからもレースを勝ちたいと言ってくれるのは嬉しい。
そういう気持ちなら、スズカが望む先頭の景色を、綺麗な景色をずっと見させてあげたい。
でも恋人関係になるかは保留だ。
僕がスズカに惚れた時が来たのなら、その時は僕のほうから告白はするけれど。