イリスちゃんは知りたい   作:ロザミア

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明けましておめでとうございます!


イリスちゃん、プラネテューヌに立つ

もぐもぐ、と紫のそれを食べていく。

採れたての野菜、というのは美味しい。お店のより瑞々しい。

イリス、この農家さん気に入った。

 

「美味しい。」

 

「ただのナスなのになんでこんなに美味しいの?」

 

「分からないけど、美味しいね(ほわほわ)」

 

「ほほーぅ?そうだろう、この私が一から作り上げたナスだからな。ナスって感じのナスだろう?」

 

「つまり…おばさんは、ナスのスペシャリスト?」

 

「誰がおばさんか!ふん…だが、その評価は受け取ろう。」

 

ナーハッハッハッ、と笑うおばさんを見ながらナスを食べる。

何故かナスしか無いけど、美味しいから気にしない。イリスは好き嫌いしない…

…そういえば、何故イリス達はここにいるのか。

 

思い出すべき、とイリスの中の賢いイリスが言うので思い出す…

 

 

 

 

 

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「イリスちゃん、プラネテューヌにいくわよ!」

 

「遊びに、いこっ(にこにこ)」

 

朝、イリス達がご飯を食べて、歯を磨いて着替えて、少しした後にラムとロムに言われた。

プラネテューヌ、覚えている。尖った国…

 

「簡単に、行ける?」

 

「すぐよ!」

 

「びゅーんって、とぶの(ふわふわ)」

 

「飛ぶ…イリス、飛べない…ロムとラム、飛べる…」

 

う、困った。 

イリスは飛べないのに二人は飛べる。このままだと、イリスだけ飛べない…例えるなら、アヒルの群れにいる馬鳥…

むむ、イリスはすぐに飛べるようにならねば…

 

「飛べなくても別に良いのよ、イリス。」

 

「あ、ブラン。でも、移動大変…イリスも女神化したい。」

 

「モンスターだから女神化とはまた別の変身になりそうね。」

 

「おねえちゃん、ゆっくり行く?」

 

「イリスちゃん、おいていけない…(おろおろ)」

 

「変身………」

 

変身、身体を変えること。つまり…イリスが変わればいい?

前に向こうで食べた、モンスター…確か、羽が生えていた。それを再現したら、イリスも飛べる?ナイスアイデア、イリスはやはり賢い。

 

「問題ない。イリス、飛べる。」

 

「え、どうやって?」

 

「こうやる。」

 

模倣開始。

イリスは食べたモンスターを少しだけなら再現が可能…な筈。

腕を変えた時と同じ要領で背中から翼を生やす。

モンスターの翼そのままだけど、問題なし。

パタバタ、パタパタと動かしてみる。

 

「わ!」

 

「イリスちゃんに、羽が生えた…!(キラキラ)」

 

「しかも動く、と。…イリス、飛び方は分かるのね?」

 

「ん、平気。ブラン、これならプラネテューヌまでひとっ飛び。

イリス、迷惑かけない。」

 

「…馬鹿ね、迷惑とかそういうのは気にしなくていいのよ。あなたは私の大切な妹なんだから。」

 

頭を撫でて、優しく諭された。

イリス、迷惑かけてない?…なら、安心。

ロムとラムもしたくなったのか、イリスの頭をなでなで。

さらに安心して、イリスは撫でてくれる手に頭を擦り付ける。

 

「イリスちゃん、なでられるの好き?」

 

「ん、好き。姉三人に撫でられて、イリスは幸せ。」

 

でも、プラネテューヌに早く向かいたいので三人に行こうと伝える。

それもそうだとブランは頷いて、イリス達はプラネテューヌへと向かうことにした…

ちなみに、ロムとラムの女神の姿も初めて見た。

ピンクと水色…服の色とそっくり?ホワイトシスターというらしい…イリスも、ホワイトシスターになれたら嬉しい。

 

 

 

 

 

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プラネテューヌ、革新する紫の大地。

女神パープルハートの国…ネプテューヌは、ブランと同じ王様。

イリゼ…友達の次元に迷い込んだ時に会ったことがある。

こういう時は挨拶が大事だとイリスは理解している…ミナに教わった挨拶術で突破する。賢いイリスなら、出来る。……多分。

 

飛んでやってきたイリス達はプラネテューヌの前で降りた。

流石に中で降りるのはよろしくない…らしい。

プラネテューヌのプラネタワーはあっちと同じで尖っていた。

街は賑やかでルウィーより人が多い。こっちは寒くないから?人は寒いのが苦手なのが多い…プラネテューヌ、は暖かいから人も活発?

なるほど、少し分かった。

 

「ブラン、プラネテューヌ、探検したい。」

 

「わたし達も探検するするー!イリスちゃん一人じゃ心配だもんね!」

 

「もんね…(そわそわ)」

 

「あなた達ね…はぁ、分かったわ。ロム、ラム、ちゃんとイリスを連れてプラネタワーに来るのよ?私はネプテューヌ達のところに先に行ってるわ。それと、遠くには行っちゃ駄目よ。」

 

「ん、分かった。イリス、ちゃんと二人を連れていく。」

 

「ちゃんと連れてかれるね!」

 

「…あれ、ちょっとちがうような…?」

 

ブランは、困ったような笑みを浮かべてから頭をポンポンと撫でてから行ってしまった。

ロムとラムはイリスの手を掴んでから何処かに指を指して言った。

 

「じゃあ、探検開始よ!」

 

「開始…!(わくわく)」

 

「おー」

 

それからイリス達はプラネテューヌ中をぶらりぶらぶら探検した。

お店の中にも入って気になるものを店員の人に質問したし、遊んだ。物を壊しそうになってもっと優しくすると決めた。

はっ…これが『もののあわれ』…?

 

そうして、暫くしてイリス達は気付いた。

 

「あ、ここ…プラネテューヌの外だ。」

 

「戻らなきゃ、だね…」

 

「戻らないとブランに叱られる……ん?」

 

プラネテューヌの郊外に知らずの内に来てしまったイリス達は、戻ろうとして…イリスは見つけた。

紫の独特の形…確かこれは茄子。

ナス科ナス属の野菜、ビタミンB2などをバランスよく含んでいる…

茄子が沢山あるから、これは茄子畑?

 

「茄子がいっぱい。茄子専門の畑?」

 

「わー…すごい紫ね!」

 

「わたし達も紫色になっちゃう…(あわあわ)」

 

「ロム、それはないとイリスでも分かる。…でも、とても美味しそう。…一つくらい貰っても…?」

 

「だ、ダメだよイリスちゃんっ。美味しそうでもとったらドロボーだよ…?」

 

「そーよ!そんなことしたらお姉ちゃんに怒られるんだから!」

 

「う…ブランに怒られるのは嫌…」

 

仕方無いので戻るしかない…イリス、ここの茄子を味わうこと出来ず、無念。

この悲しみはいつか茄子をいっぱい食べて補うとする。

そうして今度こそ戻ろうとして…茄子畑の奥から麦わら帽子を被った人がやって来る。

は、農家さん…これは取ろうとしたのがバレて叱られる。イリス、窃盗未遂で罰金が発生?

 

「お前達、うちの畑で何を騒いでいる?他所でやれ他所で!」

 

「…白い。」

 

「白いね。」

 

「まっ白…」

 

農家さんは顔が白かった。

アルビノ、というもの?なるほど、直射日光を避けるために麦わら帽子をしている。それは賢い…イリスは感激した。

 

「これは化粧みたいなものだ、気にするな。」

 

化粧だった。イリスの感激は無駄だった…何ということ。

農家さんはそれからイリス達に何をしていたのかを訊いてきて、探検中に来たこと、ちょっと食べてみたかったことを伝えた。

 

「ほう…お前達にもこのナスの素晴らしさが分かるか。ふふん、良いだろう。特別にお前達に食わせてやろう!タダでな!いいか、タダとはこの世の何よりも高く、安いのだ!」

 

「おー…イリス、賢くなった。ありがとう。」

 

「えー、ナスってそんなに美味しい?」

 

「そんなに、好きじゃない…(おろおろ)」

 

「ふん、食べる前から選り好みしていては成長せんぞ?騙されたと思って食べてみるが良い!」

 

 

 

 

 

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思い出した。そういえばそんな感じで今に至るのだった。

イリスは茄子をいっぱい食べれて満足…ロムとラムも意外にも美味しいと感じているようで満足。

おばさんは自分の育てた茄子が好評で更に満足。

 

しかし困った。イリス達はあげれるものがない…返すものがない。

こういう時、どうすれば……あ。

 

そういえばおばさんは化粧だった。

自分を綺麗に見せるためのもの。

イリス、渡せるものがないから、褒めるべき。

 

「綺麗。」

 

「ふっ、確かにこのナス達は瑞々しく、形も整っているが「違う。」む?」

 

「おばさん、綺麗。化粧は綺麗に見せるためのもの、イリスは知ってる…なので、綺麗。」

 

「悪くないんじゃない?」

 

「えっと…美人さん?」

 

イリス達の褒め言葉におばさんは呆けて、それからふっと笑みを浮かべた。

どうやら、正解?

 

「世辞を言えるとは中々賢いじゃないか。だが、渡すものがないからと代わりに褒めるのは流石にバレているぞ。」

 

「う……バレた…おばさん、鋭い。」

 

「ふふん、そうだろう。しかしその称賛は受け取っておこう!気分が良いからな、幾つか分けてやろう!」

 

「本当?わーい、おばさん優しい。」

 

「お姉ちゃんたちにも食べてもらえるね!」

 

「うん、ありがとうごさいます(うきうき)」

 

「ナーハッハッハッハッ!存分に広めるが良い、私の渾身のナスをなぁ!」

 

茄子だけでこんなに自信があるから、きっと有名な茄子農家に違いない。

幾つかおばさんから茄子を貰って、そろそろプラネタワーに行くことにした。おばさんに感謝して、もう行くことを伝える。

 

「あまり家族を心配させるんじゃないぞ。」

 

「うん、ありがとうおばさん。またね。」

 

「だから誰がおばさんか!本当に今更の今更だが名乗っておこうか…我が名はマジェコンヌ!この次元の支……ナス農家一位を目指す者だ!」

 

「おー…これは凄い気合い。茄子農家一位、頑張って。」

 

「なんだか、言い変えたような?」

 

「気にするな、私も忙しいのでこれで戻らせて貰うぞ!」

 

「またね、マジコンヌさん…」

 

「マジェコンヌだっ!!」

 

最後にロムの呼び間違えを訂正をして、マジェコンヌは戻っていった。茄子農家一位…大変そう。

イリスも頑張って、賢くなってブラン達に恩返しをする。

 

「ブランの所に戻ろう、ロム、ラム。」

 

「そうね!早速プラネタワーにしゅっぱーつ!」

 

「おー…!」

 

そうして、イリス達はプラネタワーへと歩いていく。

マジェコンヌから貰った茄子の入った袋を持って、ネプテューヌ達に会いに行く。

今から何を学べるのか、楽しみ。

 

 

 

 

 

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「ふん、行ったか。」

 

全く、まさか女神の妹が来るとは予想外だ。

今はまだ動く時ではないからな、誤魔化したが…ナス農家一位って何だ、ナス農家一位って。

しかし、もう一人…イリスか。

No.001…いや、まさかな。

 

あのモンスターの筈はないか。

 

「今に見ていろ女神ども…まずはこのプラネテューヌから恐怖のどん底に陥れてくれるわ。ナーハッハッハッハッ!」

 

…そういえば綺麗と言われたのは久しぶりだったな。

ふむ…悪くないな、うん。




この次元のマジェコンヌはネタ悪役ポジションでいてもらう…
くっ、マジェコンヌめ。一体ナスで何をしようって言うんだー
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