イリスちゃんは知りたい   作:ロザミア

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イリスちゃん可愛いやったー!(挨拶)

今日も無知な子に物を教えてやるぜ!!


赤いの美味しい

目を覚ます。

昨日は、ミナに保護されてブランに会って、ご飯を食べて日記を付けて寝た。

就寝は心地良い、理解。

 

ふと、暖かい物に包まれてることに気付く。

水と違って暖かい。

…抜け出すのは困難。

イリスは気に入った。

 

コンコン、とノックの音。

 

………こういう時、どうすればいいか知らない。

 

「イリス?起きてますか?」

 

ミナが入ってきた。

起きていることを伝えよう。

…暖かくて気だるい。

やめておく。

もぞもぞと動く。

 

「起きているんですね。朝御飯、出来てますよ?」

 

ご飯?食べる。

…暖かいのから出たくない。

…はっ、急速に閃いた。

暖かいのを引きずって、ミナの方へ歩く。

 

顔を出して、挨拶。

挨拶は大事、教わった。

 

「おはよう」

 

「おはようございます。それで、毛布は置いていきましょうね」

 

「えっ。………やだ」

 

「駄目ですよ」

 

「暖かい、手放す、やだ」

 

やだと言ったらやだ。

イリスはこれを手放すのは反対。

その意を行動で示す。

賢いイリスの行動。

 

「置いていかないと朝御飯は無しですよ」

 

「分かった、手放す」

 

理解した。ミナは卑怯。

二つを選べない、理解した。

…寒い。

寒くて、暖かそうなミナに抱き付く。

 

「寒い。ミナ、暖かい」

 

「保護欲が…っ!仕方ありませんね…」

 

何をするのか、と思っているとミナがイリスを抱える。

…おお、移動も出来て暖かさも確保。

二つを選ぶことも出来る、理解した。

理解したので、ミナにさらに抱き付く。

 

「運んでくれる。

ミナ、卑怯、訂正…優しい」

 

「卑怯と思われてたんですか!?」

 

「朝御飯、ブラン、一緒?」

 

「ブラン様は…」

 

「…来ない?」

 

「うっ」

 

ミナは呻いた後に視線を右往左往した。

何かの合図?イリスもやるべき?

…やりたくないのでやめておこう。

 

「……分かりました、少し聞いてみますね」

 

「嬉しい。こういう時、何て言う?」

 

「…お礼ですか?」

 

「お礼?たぶん、それ」

 

「ありがとうって言うんですよ」

 

「理解。ありがとう、ミナ」

 

お礼、覚えた。

ありがとう、これ大事。

これからはいっぱい言う。

 

それから、朝御飯のある場所まで行って、座らされて待たされる。

 

…目の前の食べ物を、食べちゃいけない。

これは苦痛。

理解した、待つ、は苦痛。

困った…お腹空いた。

 

「…今にも食べたいって雰囲気ね」

 

「あ、ブラン。嬉しい、来てくれた」

 

「まあ…今日くらいはいいわ」

 

「ありがとう、ブラン」

 

「…何か、損してる気分ね…」

 

ブランが何か落ち込む雰囲気。

どうかした?

…あ、そうだ。

ブランの方へ歩いていく。

 

「…何?」

 

「ブラン、良い子」

 

帽子を取って、頭を撫でる。

ブランはキョトン、とした後に、クスクスと笑いだした。

 

「何それ、変なの」

 

「イリス、変?」

 

「変ね、すごく。…でも、ありがとう」

 

「…ミナ、ミナ」

 

「はい、何ですか?」

 

「お礼された時の返事、知らない」

 

「どういたしまして、ですよ」

 

「なるほど。

どういたしまして、ブラン」

 

「今聞いたことを試すんじゃないの」

 

「あうっ」

 

額を中指で弾かれた。

あう…痛い訳じゃないけど、何故?

イリス、なにもしてない…

後で聞いたらあれはデコピンというらしい。

いつかやろう。

 

それと、食べた朝食は美味しかった。

スープ、というのは暖かくてホッとした。

噛むのではなく、飲む物だったよう。

もぐもぐと噛もうとして損をした。

後、パンはフォーク使わなくてもいいらしい。

人の食事は難しい…

 

 

 

 

 

──

────

──────

 

 

 

 

 

ミナに連れられて外に出た。

今日は、直接物を教えてくれるらしい。

食べ物とか、教えてくれるのだとか。

嬉しい。

 

今は食べ物の…買い物?なのだとか。

 

よく分からない。

今手に取った赤くて丸い食べ物を齧ってみる。

 

「…水分を多く有してる」

 

「い、イリス!」

 

「?」

 

ミナがバッと取り返す。

…食べ途中だった。

店?という建物にいた人間がイリスをぎょっと見る。

一体なに?

 

「イリス…売り物は、買うまで食べてはいけませんよ?」

 

「売り物?買う?それはなに?」

 

「教えようとしていたのですが…その前に…申し訳ありません、これは買わせてもらいますので。」

 

「いやいや教祖様。まだ子供ですから…それに幼女ですから!」

 

「店員さん?」

 

「ナンデモナイデス。とにかく、またやらなきゃいいだけですから。お嬢ちゃん、教えてもらうんだよ?」

 

「ん、ありがとう。」

 

男がそう言って、離れていく。

許された、ということだろうか。

イリスがやったのは、よくないこと?

…モヤモヤが胸に残る。

 

「イリス、買い物とはですね─」

 

そこから、ミナは教えてくれた。

この世界は通貨というものが存在し、それを対価に物を手に入れる。要は買い物とは交換だ。

そして、店はそれをするための場所。

等しい価値が必要なのだ。

…何も渡さずにあれを食べてしまったイリスは、払えていない?

 

「ミナ。」

 

「はい、どうしました?」

 

「さっきのイリス、よくない?」

 

「そうですね…でも、仕方ないですよ。何も教えずに先に連れてきた私が悪いです」

 

「悪い時、相手にどうすればいい?」

 

イリスは、よくないことをした。

その時、どうすればいいか知りたい。

人の世界の事情を知らず、イリスは勝手をした。

 

ミナは、ふふっ、と笑ってイリスの頭を撫でた。

 

「いい子ですね、イリス。そういう時は、ごめんなさい、と謝るんですよ。」

 

「ごめんなさい…理解。謝ってくる。」

 

「一緒に行きましょうか。」

 

「ありがとう、ミナ。」

 

ミナと手を繋いで一緒に店員の所へ向かう。

先程の店員を見つけた。

近づいて、話し掛ける。

 

「おはよう。」

 

「ん?おお、どうしたんだい?」

 

「ごめんなさい。」

 

「んん?」

 

「交換せずに、イリスは食べた。

ごめんなさい。」

 

「ああ、なるほど。」

 

「イリス、もうしない。」

 

「よしよし、いい子だね。もうしないなら、いいよ。」

 

頭を撫でられる。

許された?許された。

もうしない。

…ところで。

 

「この赤いの、何?」

 

「ええ!?」

 

「この子勉強中でして…」

 

「な、なるほど。これはリンゴだよ。」

 

「リンゴ、理解。ありがとう。 」

 

「あ~^幼女の感謝~^」

 

「店員さん?」

 

「あ、私まだ仕事中なのでーー!」

 

…急いでどこかへ行ってしまった。

幼女、イリスのこと?

幼女、理解。

 

「ミナ、ミナ。」

 

「まったくもう…はい?」

 

「イリスは、幼女。理解した。」

 

「間違ってないのが何とも…」

 

「?」

 

それから、食べ物を色々と教えて貰った。

肉、野菜、調味料。

そのまま食べられる物と食べられない物がある。

難しい。

ちなみに今日の朝に食べたのは、料理という工程を踏んで出来た物らしい。

料理、理解。イリスもいつか覚える。

 

帰った後は、本で更に知識を獲得。

文字、かなり覚えた、えへん。

 

 

 

 

 

──

────

──────

 

 

 

 

 

イリス日記 二頁目

 

物を買う、ということを学んだ。

お金、というものが必要でイリスはそれを知らないでリンゴという食べ物を勝手に食べた。

謝って、許して貰えた。良かった。

赤いものはリンゴと思って赤のクレヨンを食べそうになったのを止められた。

どうやら、赤いもの全部がリンゴではないよう。

むずかしい。

ずかん、というものをこれから読むことにする。

形を覚えながら、名前も覚えられる。

いい物。全部こうならうれしい。

 

ブランがあの後、謝ってきた。

いまでもよく分からない。なぜ?

 

それはそうと、ルウィーの外にはモンスターがいるらしい。

危ないから、かってにそとに出てはいけない。

…モンスター、気になる。

 

お風呂、気持ちいい。

 

 

 

 

 

──

────

──────

 

 

 

 

 

イリスをお風呂に入れて、着替えさせてから寝かせた。

今はもう夢の中、といった感じでしょう。

今日はお店で実際に教えようと思いましたが、事前に教えるべきを教えていなかったのを反省しなくては…舞い上がってしまっていたのは隠しきれない。

だって純粋に喜んでくれるものだから…

 

「ミナはどう思うの?」

 

「イリスですか?」

 

「そう。」

 

ブラン様に聞かれる。

 

「害はない、と思います。モンスターとしてのイリスを知らないので何とも言いがたいのですが。」

 

「…どちらにしても、生まれたてだものね。無知なのは当然、か。」

 

違いない。

イリスは生まれて意識を確立してすぐに脱走した。

何も知らない、知識欲旺盛な子。

それがイリスの現状の認識、といったところ。

困ったことに悪意なんて微塵もないから警戒が緩んでしまう。

 

「まあ、信じてあげてもいいかも。

警戒が過ぎるとイリスも気付くかもだし。」

 

「そうですね…」

 

「あ、それはそうと明日は私が面倒見るわ。」

 

「ええ!?」

 

ブラン様が?…何か変なことを教えなければいいのですが…

イリスの教育に良くないことを教えないことを願います。

特に、趣味のこととか。

 

「おい、今何考えた。」

 

「いえ、何も。それより、何故急に?」

 

「…まあ、最終的に判断を下すのは私なのだし…ミナの口からだけじゃ分からないこともあるわ。」

 

詰まる所、接してみたいと。

朝の一幕とかでしか会話しませんもんね。

微笑ましいと言うべきか、素直ではないと言うべきか。

イリスはブラン様や私に本人なりの好意的な態度で接している。

というか、警戒とかをしていない。

どうなることやら…

 

「外の事については?」

 

「モンスターについては教えました。危険性等についても。」

 

「…なら、連れ出してみましょうか。」

 

「何を考えているのですか?」

 

「モンスターでもあるのなら、実力自体も知らないと。

未知数のままにしておくのは良くないでしょう?」

 

反対、と言いたいが確かにとも思う。

少しイリスに情が移りすぎですかね…

イリスの実力…生まれたてだから戦い方も知らなそうですが。

 

「心配しなくとも、私がいるし問題ないわ。」

 

「その点を気にしているのではなく…イリスは学習能力が高いです。」

 

「でしょうね、覚えたことを忘れていないようだし。」

 

「あまり無茶をやらせないようお願いしますね。」

 

モンスターであるなら、闘争本能などが刺激されたらどうなることか。あり得ないことと思いたいがブラン様をそのまま襲わないとも限らない。

…はあ、純粋なあの子を最初から疑わなきゃいけないのは少し辛いですね。

疑いを晴らすまであの子達に会わせる訳にもいきませんし…

 

とにかく、ブラン様の判断を信じましょう。




次回、イリスちゃん初めての戦い(なお同行者が同行者なのですぐに終わる。)
アククク、幼女はいいなぁやはり…!
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