キル姫日記   作:やす、

24 / 34
これを読んでくれている人には初めましてだよね。私の名前はクレアっていうんだ。詳しく知りたい人はユリ物語の黒ユリ物語、偽りなき清淑かアナザーストーリーを見て欲しいかな。


なんでお前がここにいるんだって?時系列的には黒ティルと僕ととキル姫日記は同じなので私がここにいても全然不自然じゃ無いよ?黒ユリ物語はこの時期だし。


んっと。そんな事より何故私がキル姫日記に出てきたのかその辺は順を追って説明するからね♪


23ページ目 アルテミス

朝起きて体に付いている藁を払ってから大きく伸びを一つ。それからパジャマから普段着へと着替えてゆく。

 

 

「マスター、おはようございます」

 

「おはよアルテミス。みんなは?」

 

「まだ眠っているようです」

 

 

そう言われて寝床を見るとまだ眠りの中のフォルカスとアポロンの姿が。時刻は午前八時、いつもなら起きてくる時間なのに。

 

 

「仕方ありませんね、私と任務を受けに行きましょう」

 

「そうだね。じゃあ起こさないようにそーっと行こっか♪」

 

 

そんな訳で家をこっそりと抜け出してアルテミスと二人で教会へ任務を受けに。もししんどそうな任務なら家に戻り二人を呼んでこれば良いし。なんて気楽に考えていた。

 

 

「おはようございます。任務を受けに来たのですが」

 

 

職員が忙しく駆け回るのを見ながら受付へと。いつもの受付のお姉さんへと話しかけていた。

 

 

「おはようございます♪えっと、今任務無いんですよね」

 

 

パラパラと書類をめくりそう告げてくれた。

 

 

「任務が無いとはそれはどういう事ですか?」

 

「えっと、ユウさんのティルフィングさんが大陸中の異族討伐任務を全て受けているので今任務は無いのです」

 

 

言っている意味が分からないのだけどそう言うならそうなのだろう?

 

 

(ねぇアルテミス。そんな事ってできるの?)

 

(さぁ、、?)

 

 

流石のアルテミスも話の意味が分からないようで。困り顔を浮かべていた。

 

 

「そうだ。任務の代わりじゃ無いですけど一日アルテミスと過ごしてもらえませんか?」

 

「それはどういう事ですか?」

 

「今奏官見習いの子にキル姫と一日過ごしてもらっているのですけどその子が体調を崩しちゃってて。代わりにクレアちゃんにお願いしたいのです♪クレアちゃんはいつも3人で過ごしているのでアルテミスと二人っきりで過ごす機会もありませんよね?」

 

「まぁそうですけど」

 

「な・の・で。私からアルテミスと二人の時間をプレゼントです♪」

 

 

全く意味が分からないのだけどアルテミスの事を良く知る良い機会だし私としてもメンバー達とは仲良くしていたい。受付の人の提案を受ける事に。

 

 

「クレアちゃんならそう言ってくれると思ってましたよ♪ならメニュー表を渡しておきますね」

 

 

受付の人のから紙を貰い教会を出る事に。私の部隊でフォルカスと一二を争う姉キャラのアルテミス。姉キャラっていうよりもアポロンという妹がいるので実際に姉なのだけども。

 

 

「じゃあアルテミス。一日よろしくね♪」

 

「はい、分かりました。それでその紙には何が書かれているのですか?」

 

「えーっとね」

 

 

握っていた紙を開き内容を読んでみる事に。どうやら一日を過ごすプランが書かれているようで。

 

 

「まずは四葉のクローバー探しだね」

 

「はぁ、、?」

 

 

複雑な表情のアルテミスと共に教会の裏手にある広場へと。

 

 

「じゃあここから四葉のクローバーを探そっか」

 

「分かりました」

 

 

この広場は結構な広さがありその一面にクローバーが群生いているのだ。そこから四葉のクローバーを探すのだが。

 

 

「うへっ、どれも一緒にしか見えないよ、、」

 

「良く観察して下さい。三つ葉と四葉、僅かな変化を見逃さないように」

 

 

季節は夏を過ぎ秋に向かっているのだが照りつける日差しは暑くクローバーを探しているだけで汗をかく。それに正直なところクローバーを探すのはダルい。

 

 

「あっつ、、」

 

 

朝は冷えるので着ていた上着を脱ぎラフな格好でクローバーを探す事に。

 

 

「人の目に付くかもしれませんので身だしなみには気を配って下さい」

 

「そうかも知れないけど暑いし」

 

「いけません」

 

 

きつめの口調で言われて顔を上げるとツナギのチャックを胸元を通り越しおへその辺りまで開けたアルテミスの姿が。

 

 

「じゃあアルテミスもチャックを閉めてよ!私よりラフ、ってより卑猥な格好だよ!」

 

「分かりました」

 

 

そう言って首元までチャックを閉めクローバーを探してゆく。

 

 

バイン。

 

 

胸の圧力に負けてチャックがおへそまで下がってゆくのを見て私は考えるのをやめた。

 

 

「もう三つ葉のクローバーに葉っぱをくっ付けようよ」

 

 

そんなこんなで根を上げた私はアルテミスにそんな提案をしていた。

 

 

「マスター、これは精神力と観察力を鍛える訓練です。戦場では僅かな変化が重要な鍵となりますので」

 

「分かったよぉ」

 

 

その後私とアルテミスで文字通り草根を分けて探しているとようやく四つ葉のクローバーを探し出す事ができた。

 

 

「ありましたマスター」

 

「おぉー流石だねアルテミス♪じゃあ次の任務に行ってみよー♪」

 

 

次のお題を見るべく紙を開くとゲームセンターにあるUFOキャッチャーでクマのぬいぐるみを入手せよと書いてあった。なので教会付近にあるゲームセンターへと。

 

 

「うへっさすがに人が多いね」

 

「はぐれないように私の側にいて下さい」

 

 

休日という事もあり多くの人がゲームを楽しんでいた。そんな中をアルテミスを二人で歩きクマのぬいぐるみが景品のUFOキャッチャーを探してゆく。

 

 

「ありました」

 

 

アルテミスの目線の先にはショーケースの中で存在感を放つクマのぬいぐるみが。説明文を読むとその大きさは1メートル程のようで名前はオリオンという。

 

 

「一回やってみて良い?」

 

「どうぞ」

 

 

との事なので100ゼニーを投入しアームを操作してゆく。クマの頭の上へとアームを運び落下ボタンを。

 

 

ウィーーーーン

 

 

「おっ」

 

 

落下していったアームはぬいぐるみを少し持ち上げたのだが外れてしまい虚しく定位置へと戻ってきた。

 

 

「次は私が」

 

 

アルテミスと交代しその姿を見ている事に。

 

 

「大きなぬいぐるみですが重心の中心を掴めば問題ありません。見ていて下さい」

 

 

最もらしい事を言いながらアームを操作してゆきクマの上で微調整を行っていた。さすがうちの狙撃手、観察力が素晴らしい。

 

 

決定ボタンを押すとアームが下がりぬいぐるみを掴むと持ち上げてゆく。

 

 

「おぉー!流石だね♪」

 

「私にかかればこのような事造作もありませ」

 

 

アルテミスの言葉が終わらないぐらいの時アームからぬいぐるみが外れて落下して行きなんとも言えない雰囲気へ。

 

 

「まだお金はあるしのんびりやろうよ♪」

 

「…そうですね。その前にもう一度観察します」

 

 

矢や銃を扱うプロフェッショナルは風向きや湿度にすら気を配るという。それはアルテミスも同じ事でショーケースを四方から観察しアームのレールにまでチェックを行っていた。

 

 

神話のアルテミスは狩猟の神だという事を思い出していた。このゲームセンターという場所はみんなにとっては遊び場だけどアルテミスにとっては狩猟場所の一つのようで。

 

 

たった一つの獲物を狩る為に下準備を行い確実に仕留める。狩猟の極意がここにあるのだ。

 

 

「全て把握致しました。この一手で必ず」

 

 

普段はクールな瞳に闘志を燃やしゼニーを投入しレバーを操作してゆく。

 

 

「そこっ!」

 

 

パシンっと落下ボタンを押すとアームが下がりしっかりとぬいぐるみを掴み持ち上げた。

 

 

ポロッ

 

 

「「あっ」」

 

 

しかし上昇した衝撃でふたたびぬいぐるみは落下してしまい二人して間抜けな声を出していた。

 

 

「大丈夫だって♪次があるよ♪」

 

 

落胆するアルテミスに変わりゼニーを入れてアルテミスにプレイする様に促してゆく。

 

 

だが何度やっても結果は同じでぬいぐるみは取れずプルプルと震えながら筐体を恨めしげに睨んでいた。

 

 

「少し休憩しようよ。ほら、熱くなっちゃうと周りが見えなくなるって言うしさ?」

 

「………っ」

 

「えっ?」

 

「その間に誰かにオリオンを取られたら私はどうしたら良いのですか、、、」

 

(えぇ、、、)

 

 

泣きそうな顔で言われて反応に困ってしまった。話を聞くとクマが大好きで是が非でも手に入れたいようだ。

 

 

「じゃ、じゃあ取れるまでやろっか♪いつも頑張ってくれてるしお金の事は気にしなくて良いよ♪」

 

 

私の言葉に頷いた後真剣な横顔でUFOキャッチャーをプレイしていた。ガラスケースに写る目が血走っていたけどまぁ良いでしょ。

 

 

邪魔になるといけないので私はアルテミスの元を離れてゲームセンター内をふらふらする事に。

 

 

(おっ)

 

 

そして見つけた物へと飛びつきそこへと座った。私が見つけたのはパチスロAnother GODハーデスである。もう撤去されてしまいこういうところでしかお目にかかれないのだ。

 

 

ウキウキしながらゼニーを入れていざ。

 

 

(・・・・・・)

 

 

何も起こらないまま300ゲームが過ぎヘルゾーン高確まで打とうか悩んだけど諦めてアルテミスの元へ。

 

 

「あっ」

 

 

アルテミスが居た。まだクレーンを操作しており近づいてゆくと半分泣きそうな顔をしていた。

 

 

「せ、制裁を下してやるっ!息をする暇も無いと思え!!」

 

 

完全に頭に血が上っているアルテミスをたしなめてゆく。

 

 

「私が見ててあげるから少し休んできなよ」

 

「そうさせて貰います」

 

 

疲れ切った声でふらふらと近くの休憩所へと歩いてゆくのを見送りクレーンゲームに視線を向けた。

 

 

ぬいぐるみは元あった場所から出口の方へとかなり動いておりアルテミスの苦労の跡が垣間見える。私も試しにもう一回やってみようと思いなんとなくコインを入れてレバーを操作してゆく。

 

 

アルテミスの言っていた事を思い出しながらアームをぬいぐるみの重心の中心へと運んでゆき決定ボタンを押すと下がって行ったアームがしっかりとぬいぐるみを掴み持ち上げた。先程は掴むことすらできなかったから大きな進歩である。

 

 

機械音と共にぬいぐるみを持ち上げてゆくのを見ていた。どうせ定位置に戻った衝撃で落ちるんだろと冷ややかな目線で。

 

 

アームが戻りガシャリガシャリと揺れたのだが掴んだぬいぐるみを落とす事なく出口まで運んでゆくとパカッとアームが開きぬいぐるみが出口へと落下していった。

 

 

(あれ?)

 

 

その瞬間に喜びよりも気まずさを感じていた。アルテミスがあんなに頑張って獲ろうとしていた物を私が簡単に取ってしまったことに。そしてただらなぬ気配を感じて振り返ると唖然とした顔のアルテミスの姿が。

 

 

口をぱくぱくとさせており唇の動きから言葉を読み取ると(私のオリオン)と言っているきがする。

 

 

「はいっ♪アルテミスに私からのプレゼントだよ♪」

 

 

素早く出口からぬいぐるみを取り出しアルテミスに押し付けゲームセンターの外へと連れ出してゆく。

 

 

「一通りの任務は終わったから報告に教会へ戻ろっか」

 

「そう、ですね」

 

 

ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめながら不満げで満足げな声を聞きながら教会へと。

 

 

「二人共お疲れ様でした♪これを任務の報酬として差し上げますね♪」

 

 

そう言って受付の人からもらったのは良い焼肉屋のチケットだった。これを持っていけば好きなだけ食べても好きなだけ飲んでも無料となる魔法のチケットだ。

 

 

「それもこれも差し上げます♪」

 

 

もう一つ貰った物ははちみつ味のポップコーンだ。これは帰ってからみんなで食べるとしよう。

 

 

「奏官見習いの子は大丈夫なんです?」

 

「はい♪もうすっかりと良くなって明日から復帰できそうです♪」

 

「分かりました、ありがとうございました。じゃあ帰ろっか♪」

 

 

ゲームセンターに時間を費やし過ぎたのかいつの間にか暗くなってしまった夜道を二人で歩いてゆく。この教会から私の家までは徒歩なら30分程の距離だ。

 

 

「マスター」

 

「どうしたの?」

 

「見てください月が輝いています」

 

 

アルテミスに言われて夜空を見上げると煌々と夜を照らすお月様が。今日は満月だから太陽にも負けない程の月明かり。

 

 

「綺麗だね♪」

 

「少し見ていてもよろしいでしょうか?」

 

「うん、良いよ♪」

 

 

手頃な石の上に座り二人して満月を見上げていた。お互いに言葉は無いけれどなんだか心地の良い感じ。

 

 

「月が綺麗ですね」

 

「うん、私も」

 

「?」

 

 

アルテミスの問いに答えたのだがハテナを浮かべられてしまったけどまぁ良いでしょ。でも少しだけ小っ恥ずかしい。

 

 

「タッチ!アルテミスが鬼だからね!」

 

 

誤魔化す為に急に鬼ごっこを始め逃げ出してゆく。一呼吸遅れた後私の後をアルテミスが追いかけてゆく。

 

 

その後家へと帰り二人に文句を言われたのだが朝起きれなかった方が悪いと一一喝し四人で夕ご飯を食べに行く事に。

 

 

夕ご飯を食べて家に帰るまでの間に色々あったのだけどここでは語らず(僕ティル)の方で語れるのだけども。

 

 

「はい。じゃあ寝る前にみんなで最後の任務をしよっか」

 

「任務ですか?何処かに行くのでしょうか?」

 

「いや、違うよフォルカス。最後の任務はアルテミスが持っているぬいぐるみでするんだ」

 

 

私の言葉にハテナを浮かべる3人に紙に書かれた最後の任務を読み上げてゆく。

 

 

「題して。クマのぬいぐるみを立たせる選手権だよ♪」

 

「「「???」」」

 

 

困惑する3人にルールを説明してゆく。って言ってもこのふにゃふにゃのクマのぬいぐるみを立たせるだけなのだけどさ。

 

 

「ぬいぐるみに細工をするのは無しだからね。じゃあアポロンからいつまでみよー♪」

 

「よぉーし!アポロンさまいっくよぉー♪」

 

 

ぬいぐるみを手に持ち確かめるようにゆすり何かを閃いたかのように頷くと壁にぬいぐるみをもたれかかさせていた。

 

 

足を床につけ腰を壁で支える事によって直立とはいかないけどクマのぬいぐるみを立たせていた。

 

 

「流石だねアポロン♪」

 

「みょーん♪じゃあポップコーンはいただくよーん♪」

 

 

美味しそうにポップコーンを食べるアポロン。次の挑戦者はフォルカスだ。

 

 

「大きなぬいぐるみですね。どこで貰ってきたのですか?」

 

「ゲームセンターでとってきたんだよ♪」

 

 

へぇっと呟きながらぬいぐるみを観察していていた。そして思い付いた事を行動へと移してゆく。

 

 

「どうでしょうか」

 

 

フォルカスは確かにぬいぐるみを立たせていた。頭を下にし仰け反らせ両手を前へと出し頭と腕の三点でぬいぐるみを逆立ちさせていた。

 

 

「確かに立っているからOKだね♪ポップコーン食べなよ♪じゃあ最後にアルテミスお願いね♪」

 

 

返事をしてフォルカスが逆立ちさせたぬいぐるみを立たせようとしていた。彼女のこだわりらしく壁に立てかけたりせずに直立させたいようで。

 

 

だけどふにゃふにゃのぬいぐるみなので手で押さえていれば立たせる事はできるのだが手を離せば頭から崩れていってしまう。

 

 

それでも諦めずに何度も何度も挑戦を続けてゆくのだが結果は一緒だった。

 

 

「黙示録の刻が来た!!」ドゴォッ!

 

 

(((えぇ、、。)))

 

 

ついに怒りが爆発したようでぬいぐるみの首を左手で掴みお腹へと拳をめり込ませていた。

 

 

「はいっ!終わり!この任務終わり!!寝るよ!今すぐに寝るよ!フォルカスは電気消して!アポロンは私と一緒にアルテミスを寝床に運ぼっ!」

 

「ーーーーーっ!!ーーー!!」

 

「おねぇちゃん落ち着きなって!」

 

「普段の冷静さを思い出して下さい」

 

 

荒れ狂うアルテミスを見てそれを鎮める二人を見て普段とは違うアルテミスの一面が見れた事に大満足だった。

 

 

次回のキル姫日記は私からバトンをコウ君に戻してピナーカってキル姫と過ごす予定だよ♪

 

 

私達の次回の登場はアポロンの時とフォルカスの時かな?もしコウ君より私の方が良いのなら私になるかもだけどね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。