アポロン。それはアルテミスと対極するキル姫。アルテミスが月の女神ならアポロンは太陽の女神。アルテミスが姉ならアポロンは妹。
そんな事を考えながらまだ眠っているアポロンを抱きしめていた。どうもおひさしぶり♪キル姫日記のヒロインことクレアだよ♪
まーたお前かって?教会の受付のマリアさんに頼んでアルテミス、アポロン、ファルカスの話は私の担当にしてもらってあるんだ♪なので今回とフォルカスはよろしくね♪
話は戻るのだけどアポロンは太陽の女神。なので冬場はカイロ代わりに抱きしめて寝るとあったかいんだよ。夏はちょっとアレだけど、、。
そんな訳でアポロンを起こして今日の任務を貰いに教会へとゆく事に。
「おはよマスター!」
「おはよ、って起きてたの?」
「うん!アポロン様は太陽が昇るとともに起きるのだ♪」
朝からハイテンションなアポロン。因みに太陽が沈みかけると眠くなり夕飯を食べる時は食べながらうとうとしているのだ。
「それで今日は何処に行くの?今日はおねーちゃんとじゃなくてマスターと一緒に居てあげる♪」
「ん」
シスコン気味なアポロンからのお誘いに返事に困ってしまった。なんて言っても「おねーちゃんと一緒がいい!」と言われる事を覚悟していたのだけどこうもあっさりと、むしろ自分から進んで行こうと言われるとなんと言えば良いのか言葉が迷子になる。
「えっと、とりあえず教会に行こっか♪」
「はーい♪」
そんな訳で未だパジャマな私は普段着に着替えて2人に挨拶をして家を出る事に。
「おでかけおでかけ♪るんるんるーん♪」
いつも以上にハイテンションなアポロンを見ながら歩く。はっ!まさか何か欲しい物があるとか?
「何か欲しい物があるの?高い物はまだちょっと無理だけど普段頑張ってくれてるから買っちゃうよ♪」
「え?あ、いや。最近ずっとお家に居たから外に出れるのが嬉しいんだ♪」
「なるほど」
奏官の主な仕事は異族退治なのだけどユウさんのティルフィングさんが異族を刈り倒し最近任務が無くお家に引き篭もり気味だったのを思い出した。外に出ればお金はかかるし節約って事もあったのだけど、、。こう思うと2人にも窮屈な思いをさせているかもしれない。今度4人で何処かへ遊びに行こう。
そんな事を思っている間に教会へと辿り着きいつもの受付の人、マリアさんに話しかけていた。
「おはよーございます♪せっかく来てくれたのですが任務はまだ無いのです、、」
「それならクレアさんにこれをお願いしてもよろしいですか?」
マリアさんの背後から顔を出してくれたのはシャルウル。彼女はキル姫なのだけどマリアさんの手伝いをしているそうで。片眼鏡から覗かせる目から大人の色気を感じさせる。
「はい!私達に出来る事なら何でもしますよ♪」
「はい、ではこちらをお願いしますね」
優しく微笑むシャルウルさんからドキドキしながら紙を貰う。もしかしたら私は大人っぽい女性に弱いかもしれない。そんな事を思いながら。
「あっ、そうだ。ティルフィングさんからこれを預かってますよ♪」
マリアさんから受け取ったのは通帳と印鑑。そういえば前に任務報酬をくれるってティルフィングさんが言っていたのを思い出しながら受け取り何気なく通帳を開き目を丸くしてその場に固まった。
「マスター?どーしたの?」
「・・・・コレ、ミテ」
カタコトだなーと言いながら震える手で待つ通帳をアポロンが覗き込み私同様固まっていた。
「うわーーーい!お金持ち!お金持ち♪」
しかし未だ固まる私より先に喜びを爆発させていた。因みにだけどこの通帳に記載されているゼニーの数は九桁を指している。普段自販機でジュースを買うのも悩み悩みな生活をしている私にとってイビルドレイクが誓約されし絶蝶の氷剣をくらう。になっていた。
「アポロン!これは罠だよ!こうやって大金を手にさせて自堕落な生活をさせ私達を陥れる罠だよ!、、、分かった。私買われたんだ。今日帰ったら二人に連れて行かれてあんな事やこんな事を、さらには・・・」
「考えすぎじゃない?ねぇねぇ!新しいお家買おうよ♪」
「お家!!」
そうだ。このお金があれば現在のボロ小屋からおさらばして家を買う事ができる!全額使って家を買えばその後の為に働くし良いアイディアだ。
「もし家を買うのであれば場所を教えてもらえれば押さえておきますけど。ここなんてどうでしょう?」
シャルウルさんから渡されたパンフレットを食い入る様に見ていた。私達は4人だからある程度の大きさが欲しいし各自の部屋も合った方が良いだろう。それなら2階は部屋にして一階は・・・・。
「・・・ちゃん?クレアちゃーん」
「えっ、あっはい?」
「想像を膨らませるのは良い事ですけど先にシャルウルからの任務をこなして貰えませんか?」
「・・・はい!」
急な事に想像と妄想が膨らみすぎていた私はやっと現実へと戻ってきた。そうだ。家の事よりも今日は私の相棒と過ごす日なんだ。
「ごめんねアポロン。じゃあ行ってきます♪」
通帳と印鑑をシャルウルに預かってもらい教会のある街をアポロンと歩く事に。
「ねぇねぇ。その紙には何て書いてあるのー?」
「えっと、待っててね」
紙を開くとアポロンの演奏を楽しむ事。ハープとギターでのセッション。それと雪雲をどうにかしてくれと書かれていた。
「ねぇ、アポロンって雪雲を何とかする事はできるの?」
「うーんっと、、ちょっと厳しいけどお日様パワーを送っておくね♪」
との事です。本当に案を下さりありがたいのですがこんな事しかできなくてごめんなさい。早く暖かくなる事を祈っています。
そんな訳でアポロンと街を散策して楽器屋さんへと来ていた。調べたところアポロンの持つ楽器はハープだと思っていたのだけどリラ(竪琴)らしい。衝撃の事実である。因みに見た目は似ているのだけど全然違う楽器またい。
さらに話をするとアポロンとアルテミスになぜマルチスキルが無いのか。あんまり一緒にいるイメージが無いと聞くけど神話での話を考えると今の様子が一番適していると思う。アルテミスが好きなオリオンをアルテミスを騙してアルテミスにオリオンを打たせるとか正気の沙汰では無い。一方的にアポロンがおねーちゃーんって言っているのが適した状態であると私は思う。
今作ではそんな神話や原作の事は置いておいて仲の良い姉妹として書くのでそこのところをよろしくお願いします。
「アポロンって演奏できるの?」
「もちろん♪おじさーんこのリラ借りるねー」
リラって何だ?売り物を勝手に借りて良いのか?と疑問が渋滞していたのだけど小さな椅子にちょこんと座りリラを演奏する姿にそんな事はどうでも良くなっていた。
目を閉じて右手と左手で弦をなぞるように音を奏でるアポロンをひたすらに見入り聞き落ちてゆく。
「へへーん♪ねぇねぇ、ボクの演奏どうだった?」
「ブラボーの一言でございまする」
拍手をしながら立ち上がりスタンディングオベーションをしていた。因みに私だけでなく楽器屋の亭主と僅かに居たお客さんも。
「ねぇねぇアンコールお願い♪」
「しょうがないなぁー」
アンコールに答えて再びアポロンが椅子に座りリラへと手を伸ばしてゆく。太陽のように赤い髪に幼い見た目なのだが演奏する姿は優雅の一言。たった一人で演奏をしているのにこの場にいる人達の心を掴んでしまっている。
もちろん演奏が終わればスタンディングオベーションだ。
「マスターもどう?一緒にする?」
「私はちょっと楽器は無理かも、、やった事ないし」
遠慮気味に答えるのだが亭主に奏官とは指揮者のごとくキル姫を操る事ができるから大丈夫と言われ木製のギターを渡されアポロンの隣へと座っていた。
「じゃあボクとセッションしようよ♪ボクがリードするから音を合わせてね♪」
驚く間も無くリラから金属的な音が響き慌てながらギターを弾いてみる事に。
(あれ?)
不思議な感覚。本当にやった事が無くて持ち方も弾き方も正しいのか分からないけどアポロンの奏でる音に続き私のギターから音が奏でられる。なんていえば良いのだろう?こんな素敵な音を自分が奏でられるって感動?
アポロンの奏でる金属的な音と対極するギターから奏でられる柔らかな音。素敵、素敵すぎる!
気が付けば私も目を瞑り右手左手で音を鳴らし気が付けば即席の歌を口ずさんでいた。
そして演奏が終わると同時に起きた小さいながらの歓声は私の心の何かを刺激した。
「おじさん!このギターとリラ、買います!」
即決だった。そう言われるのが分かっていたかのように金額を示され若干現実へと戻ったけどそれを押し切って購入し店の外に出た瞬間の清々しさ!
「帰っておねーちゃん達にも聞かせてあげようよ♪」
「そうだね♪じゃあ帰ろっか♪」
帰りに教会に寄って通帳と印鑑を取りに行って無事にお家へと帰って来ていた。
「じゃーん♪ただいまー♪」
「見てみておねーちゃーん♪」
笑顔で二人に楽器を見せるのだけど返ってきたのは冷ややかな目線だった。
「マスター。趣味を持たれるのは構いませんが家を買う為に貯金をしているのをお忘れですか」
「アルテミスの言うとおりです。異族討伐の任務が無い今無駄なお金を使っている場合ではありません」
そんな二人に黄門の様に通帳を見せるとメダルメイデンが強欲の月閃を喰らった様な顔をしていた。
「すぐに身を清めて下さい!」
「えっ、なんで!?」
「生活の為に身を売っていたのですね、、それに気づかず申し訳ありません・・・」
「ちょっと、泣かないでよ!?えっ?ええっ!?」
その後アポロンと二人で今日会った事を話して何とか誤解を解くのであった。
「てっきり生活に困り春を売ったのかと」
「私ってそんな印象持たれる様な事した?した覚えは無いんだけど」
「まぁまぁ♪こんな時はボクが一曲弾いてあげるね♪」
そんな場を鎮めるのはアポロン。買ってきたばかりのリラを片手に椅子に座り音を弾いてゆく。
(ーーー♪ーーーー♪)
さらに弾き語る大サービスだ。なにこの子、楽器が使えて歌えるの?
「ふふーん♪ご清聴ありがとうございました♪」
ぺこりと頭を下げるアポロンに拍手の喝采を送り続けていた。
「じゃあご飯でも食べに行こっか♪みんなお腹すいたでしょー?」
そんな訳で私達は家の近所にある牛丼屋へときていた。そこでシャルウルからもらったパンフレットを広げて壮大な議論が行われてゆく。
「お風呂は大きいのが良いな。それとリビングは広く」
「キッチンも大きくしましょう。それと各自の部屋もゆとりが欲しいですね」
「お庭も欲しいな。おおーきな滑り台にブランコ♪」
「私が風水で間取りを占います。北に玄関を作るのは絶対にダメです」
あーだこーだと意見を取り交わしている私達に無言のプレッシャーをかける店員さんに押され我に帰り無言で牛丼を食してゆく。
そして帰宅してから再び議論が繰り広げられるのだ。部屋だのリビングだのトイレだのありとあらゆる声が飛ぶ中今の家を見渡す。オンボロでキッチンと寝室しかないこんな家だけど一つだけこの家の良いところがある。
「ねぇねぇ、二階に部屋は作るけど寝る時はみんなで寝ようよ。ほら川の字で寝るのって寂しくないし私好きかも」
部屋が少ないという事はみんな一緒に居れるって事。部隊として絆を深めるには良いと思うし同じ家に居るとしても別の部屋はちょっと寂しい。
「それなら布団にしますか?ベットにしますか?」
「それならば頭の位置が北西に向く様にしましょう。北枕は一般的に良くないと言われていますが気の流れを取り入れるには適した向きなのです」
二人に言われた事をメモに取りながら見るとアポロンがアルテミスに寄りかかり眠っていた。今回の主役であるはずのアポロンがこんな扱いで許されるのだろうか?
「そろそろ私達も眠りましょうか。今日は任務が無かったとはいえ明日は任務があるかもしれません」
アポロンを抱き上げそっと藁の上に置き優しくアポロンの頭を撫でているアルテミスを見ながら寝転がる事に。
抱き枕を取られた私はフォルカスに抱きついて眠る事に。
「フォルカスって体温低いよね。ちょっと冷たい」
「属性が氷ですからね。明日に備えて寝ますよ」
「はーい」
じんわりと暖かくなってきたフォルカスに満足しながら眠りへと落ちてゆく。