エロースとはローマ神話に出てくる神の事である。エロースの事を調べるまで女神だと思っていたのだがいざ調べて出てきたのが羽根を生やした男の彫刻で少しがっかりしたのは内緒だ。
もう少し調べると恋心と性愛を司る神の様でエロースが黄金の矢で射ると恋心が芽生え鉛の矢で射ると恋を嫌悪する様になるらしい。神話だとアポローンを矢で射ったりアフロディーテの子供で合ったりと聞いた事のある名前がちらほらと。さらには同人誌も書かれていたりと。これは前からお世話になっております。
そこまで調べて図鑑を閉じ窓から外を眺める事に。どうもお久しぶりです!キル姫日記の主人公ことコウです。最近もう一人のヒロインに出番を奪われて気味ですがしばらくは僕なのでよろしくお願いします。
ちなみにもう着替え終わり後はマリアさんが呼びに来てくれるのを待つばかりである。
「おはようございます♪元気でしたか?」
「おはようございます!僕はいつでも元気です」
「なら良かった♪教会の前の広場にエロースに待ってもらっているので会いに行ってきて下さい♪金髪で青色の服を着ていると思うのですぐ分かると思います♪」
「了解です!」
そんな訳でエロースさんを探すために教会の広場へと来ていた。金髪で青い服を着てる人、そんな人を探して広場を見渡して見るとベンチに座るその人を見つけ近寄ってゆく。
(あっ)
表情が分かるところまで近づいて僕は足を止めた。ベンチに座る金髪の人の可愛さに足を止めてしまったのだ。
金髪のボブヘアーに少し幼い可愛らしい顔立ちに溢れそうなおっぱいが、おっぱいが!溢れそうです!!
彼女いない歴=年齢の僕には刺激が強すぎるエロースさんに挙動不審となりその場に立ちすくみただ目の前の
「えーっとー?コウ君ですかー?」
そんな僕にベンチから立ち上がりにっこりとした笑顔で話しかけてくれたのだが僕はパニックを起こし壊れた人形の様に首を縦にブンブンと振っていた。
もうだめだ。姿だけでなく声まで可愛い。これが地上世界より天上世界に舞い降りた天使か。そうだ、そうに違いない。などと意味不明な事を考えていた。
「今日はーエロースと一日よろしくお願いしますねー?」
「はいっ!全身全霊を込めて今日を楽しみたいと思います!」
天使が会いに来てくれたのなら楽しまないのは失礼とよく分からない考えの元最敬礼をエロースさんへと送っていた。そんな訳で敬礼をする僕に謎の拍手を送ってくれたエロースさんと共に近くにある喫茶店へ入る事に。
オープンテラスの席へと座りお洒落な朝食の時間を楽しんでゆく。
「それでーコウ君は恋愛ってした事ありますかー?」
「僕はした事ないんです。田舎育ちで周りの女の人と言えばお母さんか近所のおばさんしか居なかったですし」
「それは勿体無いです!じゃあ今日はーエロースと一緒に恋人を探しましょう♪まずはーコウ君はどんなタイプの女の子が好きですか?」
「タイプ、、一緒にいて頼りになる人が好き・・かな?」
「それならお母さんが好きなんですね♪じゃあー私がコウ君のお母さんとコウ君をくっ付けちゃいます♪」
「なんでやねん」
思わず突っ込んでしまったのだがエロースさんは気にする事なく僕の家へと行こうとしている。そんなエロースさんを説得して再び席へと。
「コウ君は恋人は欲しくないのですかー?」
「恋人は、、本音を言えば欲しいですけど今は奏官になる為に勉強中だし今は僕にはちょっと早いです」
「勿体無いですよー!そんな事言ってるといつの間にか歳をとって魔法使いになっちゃいますよー?」
「魔法使い、ですか?」
「はいー♪男の人は30を過ぎても童貞だと魔法使いになっちゃうんですよー♪」
魔法使いってなんだ?とそんな疑問をコーヒーで流し込み前を向くとキラキラと目を輝かせるエロースさんの姿が。
「どうしたんですか?」
「恋のお悩みを抱えてる女の子を見つけたんです♪エロースの出番ですー♪」
手に持つミルクティーを飲みコップを机に置くとその方へと向かい歩いてゆく。突然の行動に慌てながらも僕もコーヒーを飲み干しエロースさんの後を追う。その後をついて行くと家の角から誰かを覗く女の子の姿が見えその手には手紙の様なものが握られておりため息を吐くたびに白い息が宙に舞う。
(はぁ、、っ)
「恋のお悩みですね♪エロースにお任せですよ♪」
「きゃっ!?だ、だれ!?」
「そんなに驚かないでくださいー♪恋のキューピットのエロースですよ♪」
驚く女の子に笑顔を向けているのだが向けられている視線は警戒心を宿し身を守るために胸を手で隠す。その時一枚の紙が手から落ち地面へ。それを素早く拾い上げ指で挟む。
「うんうん♪ラブレターだなんてそんなにその人の事が好きなんですね♪」
「ラブレターなんかじゃない!返して!」
「それなら封筒をハートのシールでとめませんよー?素直に言わないとこれは返してあげません♪恋のお悩みならエロースがバッチリサポートしてあげますからねー♪」
怒った表情の女の子に向かいウインクをしているのだが、その姿はとても可愛らしいのだが当事者の女の子からしたら不審者でしか無いだろう。とりあえず事情を説明し先ほどの喫茶店へと戻って行く。
「どうぞ」
机の上にはコーヒーとミルクティーとココアが並べられ先程より警戒心を解いた女の子にエロースさんが詰め寄ってゆく。
「それでー一体誰の事が好きなのですかー?」
「あの人、、」
控えめに指を指す方を見ると買い物をしている一人の男の人の姿が。見た感じこの子と同年齢ぐらいか。さらに話を聞いて行くとこの街に住んでいて彼とは幼馴染の様で。
「ずっと彼の事が好きで、でも私なんかじゃ彼とは釣り合わないし、、でも他の人にはとられたくない、、」
項垂れながら話す女の子を笑みを隠しながらエロースさんがなだめいる。僕はその男の子をずっと見ていた。
「このエロースにお任せですー♪絶対二人をくっつけてみせますからね♪」
そう言いながら弓に矢を乗せギリギリと引き絞り始めた。その矢は矢尻が金でできており伝承通りならこの矢で射抜かれれば恋に落ちるはずだ。
「その矢で彼を打つの、、、?」
「いいえ違います。恋のサポートの開始の合図、ロックオーン♪」
右手を離すと引き絞られた矢が空へと向かい放たれた。
その頃。
「うぅー絶・寒いわね」
「そんな薄着で来るからです。風邪をひいても知りませんからね」
千年王国からラグナ大陸へ遊びに来たアルマスとティニがクリスマスを迎える街を歩いていた。そこへ先ほどの矢が迫る。
「くっ!?何!?」
「ア、アルマス!?」
無警戒で歩くアルマスの肩を矢が掠め地に刺さる。一瞬にして臨戦体制となり剣を取るのだが矢を放った主は見当たらず。
「異族の仕業かも知れません。アルマス、妖精結合しましょう」
「・・・」
辺りを警戒しつつアルマスに問いかけるが返事が無く振り返ると目をハートにしたアルマスの姿が。
「私、ティニの事絶・好きだわ」
「アルマス、、、?今はそんな事を言っている場合じゃありませんよ!」
「異族の事なんてもうどうでも良い、行きましょティニ」
「行くって何処にですry」
………………………………………
「それで恋のサポートって何をするのです?」
「まずは彼の事を観察して情報を集めましょう♪」
そんな訳で3人で変装をして街を歩く男の子の後を付けて行く事に。変装といってもサングラスをかけ帽子を被っただけなのだが。
(それで、彼のどんなところが好きなのですかぁ?)
(えっと、優しくて料理が上手で気配りができて高学歴で将来安定してそうなとこ、かな?)
(良い彼ですねぇ〜♪甲斐性がある男の人を捕まえるのは基本ですからねぇ〜♪)
(えぇ、、、)
二人の会話をドン引きしながら聞いていた。そこに愛はあるのかと叫びたいのを抑えながら二人の後をついてゆく。
そんな感じで後をつけて行くと彼が一軒のお店へと入っていった。そのお店はアクセサリーなどを扱っているお店の様で。
(・・・・・・)
その様子を女の子が泣きそうな顔で見送っていた。
「コウ君はお店に行って彼の事を偵察して来てくださいね♪」
「はいっ!」
二人のそばを離れて店内へと入って行くとお洒落な空間と多数のカップルが店内の品物を見ている姿に何となく気まずさを感じながら先ほどの彼を探して行く。
(・・・!)
ショーケースの中にあるアクセサリーを見ている彼を見つけて何食わぬ顔で背後を通りショーケースを覗くとネックレスを見ている事がわかった。そのまま正面に向かうと難しい顔をしながら選んでいる。誰かに贈り物なのだろうか?
しばらく見ていると店員さんを呼んでその中の一つを選びレジへと向かっていった。それを見届けた後店を出て二人の元へ。
「あのお店でネックレスを買ってました。誰かにプレゼントでしょうか?今日はクリスマスですし」
そう言うと女の子にキっと睨まれエロースさんに空気を読んでください〜っ!っと言われたのだけど。
そのまま店の入り口が見える影から見ているとしばらくして大事そうにプレゼントを抱えた彼が出てきた。プレゼントの包装を見るとクリスマスプレゼントなのは間違いないだろう。
「あぁ、もうダメ、、、」
その光景を見てがっかりと膝から崩れた女の子をエロースさんが抱き止め立ち上がらせると両肩に手を置いた。
「諦めるのはまだ早いですぅ〜!恋の応援団長のエロースはまだ諦めてませんよ!」
キッと前を向き弓を持ち矢立から金の矢尻の矢を取り出すと弓に重ねギリギリと引き絞り始めた。
「エロースのこの矢で射れば始めて目にした人に恋に落ちますぅ〜!早く彼の前に!」
張り詰めた弦が音を立てるのだが女の子がエロースさんの手を掴み首を横に振った。
「まだもう少しだけ彼の後を付けてみる。もしダメだったらその力を借りるかも、、」
「そう言ってくれると思ってました〜♪」
にっこり笑顔のエロースさんと再び彼の後を付けて行くと次はケーキ屋さんへと入って行く。
「コウ君」
「はい!行ってきます!」
再び彼の後を追い店内へ。このお店にも多くのカップルがおりこの街の何処にこんなに居たのかと不思議にならながら彼の後ろをつけて行く。
(んっ)
そんな中一人で真剣な顔でケーキを見る彼を見つけた。その姿はショーケースに収められたケーキしか見ておらず反射している僕の事なんて気にもしていないだろう。ショートケーキ、チーズケーキ、モンブランにタルト。その他にも色々あるのだがそれらをじっと見つめている。
しばらくしてその中から一つを選び店員に注文をしていた。その姿を見て僕は店外へ。
「ケーキを買ってました!」
「完全にクリスマス、、あぁ、、絶対誰かに渡すんだ・・・」
この世の終わりの様な顔をする女の子を必死にエロースさんがなだめその間僕はケーキ屋さんを見ていた。するとケーキが入っているであろう箱を持ちお店から出てくる彼の姿が見えそのまま何処かへと歩んで行く。
「また何処かに行くみたいです」
「コウ君は追跡をお願いします〜私は女の子のケアをしているので〜」
返事をして再び彼の後を追って行くと次はチキン屋さんへ。その後を追って店内へと入って行く。
(うわっ)
入った店の中は人が溢れかえりなんとか店内に入れるほど。後ろを見ればまた人が訪れて店内に入るのを諦め外で待っていた。そんな中彼が何を買うのか後ろから見ている事に。
「あの、さっきからずっと俺の後を付けてませんか?」
「べ、別にそんな事ありませんよ!僕もクリスマスだからプレゼントがしたくて」
ついに彼から話しかけられてしまった。それもそうだろう同じ顔を三店舗連続で見ていれば。適当に誤魔化したのだが不審な目線が迫る。
「まぁ良いけど。」
そう言って前を向いたその姿にため息を一つ。顔がバレているのであればもう追跡は無理だろう。
そんな事を考えながら怪しまれない為にチキンを買う為に列に並び続けたった3ピースのチキンを買う為に二時間ほど時間を費やしやっと外へと出る事ができた。その頃にはすっかりと外は暗くなっておりイルミネーションに照らされる街を見ながらベンチに座る二人の元へ。
「ただいま戻りました。これ食べましょ」
顔を上げたところにチキンを手渡し寒空の下3人でチキンを食べる事に。
「ミカ」
そんな時誰かに声をかけられて振り返るとさっきの男の人が。付けられてた。自分の行いを忘れてそんな事を思っていたらベンチに座っていた女の子が立ち上がっていた。
「なによ、、さっさと女の子とクリスマスの夜を過ごしたら」
その声に苦笑いを浮かべた後女の子の元に駆け寄り跪き手を取った。
「ミカ、俺と付き合って下さい」
その言葉の後しんっと沈黙が訪れた後「はいっ」との声が聞こえ二人がイルミネーション輝く街へと消えてゆく。そして見えなくなりそうな時女の子が振り返り僕達に深々と頭を下げていた。
「やっぱり恋が実った瞬間っていつ見ても良いですねぇ〜♪」
満足そうにチキンを食べ終えたエロースさんがそう言っていた。
「そろそろ帰りましょうか〜あんまり外にいると体が冷えちゃいます〜」
「そうですね」
エロースさんと帰り道は同じで途中までいろんな事を話しながら帰路を歩んで行く。
「そ・れ・で。コウ君は恋人は欲しくないのですかぁ〜?」
「欲しいけど、、今はまだちょっと我慢します」
「ふふっ。じゃあ教会に着くまでエロースの手、握っても良いですよ♪」
無邪気な笑顔と共に差し出された手にかなり戸惑いながらそっと手を出すと暖かな手で握ってくれた。それだけなのに嬉し恥ずかしの感情が溢れ出し顔が熱くなり心臓の鼓動が早くなる。
「はい、ここまでですよ♪コウ君またね〜♪」
教会の前で手を解き僕に笑顔で手を振りながらエロースさんは夜に消えていった。それを見えなくなるまで見送り僕はお家に帰る事に。
それから握った手を水に付けないようにお風呂を済ませてから机に座り図鑑を広げてゆく。明日は与一というキル姫のようだ。そこまで調べてからベッドへ潜り込み眠る事に。
エロースさん可愛かったな。そんな事を考えているといつの間にか眠りの世界へと。