キル姫日記   作:やす、

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28ページ目、ケラウノス

ケラウノス。それは神話最強の神ゼウスが扱う神の雷霆の事だ。ゼウスが雷霆を使えば全世界が焼き尽くされ本気で放てば宇宙すら焼き尽くすという。何それ怖い。

 

 

はい、どーも♪キル姫日記のヒロインことクレアです♪みんな覚えててくれたかな?

 

 

はいはい。まーたお前か?フォルカスの話しじゃねーだろって?それはそうなんだけど私達も急に教会に呼び出されて正直話を把握してないんだ。まぁその辺はマリアさんから詳しく説明があると思うからまぁそういう事で♪

 

 

そんな感じで本編の方いってみよー♪

 

 

 

「はい、私達四人は教会に辿り着きました。いきなり呼び出された私達を待つ運命は如何に!?」

 

「マスター」

 

「なーにアポロン?」

 

「そのノリにボクついていけないよ、、」

 

「アポロンに同意です。久しぶりの四人揃っての任務で浮かれるのは分かりますが気を引き締めなければ足元をすくわれますよ」

 

「えぇ、、みんな冷たいなぁ、フォルカスはどう?」

 

「アルテミスに同意です。まだ任務の内容は聞いておりませんが異族との戦闘になるかもしれません。今のうちから気を引き締めるべきです」

 

 

あれ?私がおかしいの?そんな事を考えていると私達を呼び出したマリアさんがこっちに来てくれた。

 

 

「皆さんおはようございます♪急に呼んでごめんなさいね」

 

「いえいえ、それで一体何かあったのですか?」

 

「それが今日はコウ君がケラウノスと過ごす日なのですがケラウノスとマンツーマンで会うと話がR18になりかねないのでクレアさん達にお願いしたくて呼んだんですよ♪」

 

 

ケラウノス?聞いた事のないキル姫の名前。そうはいっても図鑑に一通り目は通してあるので名前ぐらいは知っているんだけど詳しい事までは分からない。

 

 

「うぇ、、ケラウノス」

 

「知ってるの?アポロン」

 

「知ってるからゲンナリしてるんだよ」

 

「ふむ。じゃあアルテミスもケラウノスの事知ってるの?」

 

「はい。確かにケラウノスを相手にするのなら個人より隊の方が安全ですね」

 

「そんなにヤバいキル姫なの?」

 

「そうですね、、」

 

 

嫌そうな表情を浮かべる二人。過去に何かあったのだろうか?

 

 

「マスター、これは過去に何かあったというよりも神器としての記憶です」

 

「なるほど。それとさりげなく私の心を読むのやめよ?」

 

 

疑問を浮かべる私にフォルカスが説明をしてくれた。アルテミス、アポロン、ケラウノスは同じギリシャ神話の神器でありケラウノスは全知全能の神ゼウスの神器であると共にアルテミス、アポロンはゼウスの息子であると。

 

 

「ははーん?じゃあ二人はお母さん?に会うのが恥ずかしいんだ?」

 

「いえ違います。ゼウス、いや、ケラウノスの性格が最悪なので会いたくないのです」

 

「うぅ、、、思い出しただけでイライラするみょーん」

 

 

さらに話を聞いてゆくとゼウスはとんでもなく女癖が悪い神でヘーラーという奥さんが居ながら数々の女に手を出し孕ませていたという。

 

 

「じゃあその記憶を引き継ぐケラウノスは、、、」

 

「はい、貞操観念が低い。言い換えればチャラいキル姫なのです」

 

「うわぁ、、、」

 

 

この話を聞いてこの案件は蹴ろうと思っていた。アポロン、アルテミスも嫌がってるしもし内容が18禁になってしまうのなら別誌にでも書けば良いじゃないかと。

 

 

「マリアさん。申し訳ないのですが今回は、、、」

 

「ねぇねぇ♪君可愛いね♪私と良い事しようよ♪」

 

 

マリアさんに声をかけようとしていたのだが私とマリアさんの間に割り込み私に笑顔で話す青髪の女の子が。

 

 

「えっと?君は?」

 

「私はケラウノスっていうんだ♪君は?」

 

「私の名前はクレアだよ?」

 

「可愛い名前だね♪そ・れ・に。私の好み♪その赤い髪も整った顔も♪」

 

 

私を爪先から頭の先まで品定めする様に視線を動かしにししっと笑う。

 

 

「えっと、、あの、いきなり褒められると困っちゃうんだけど、、」

 

「初な反応がそそりますなぁ♪もしかして初めて?」

 

「うん、、」

 

「やった♪初ものゲット♪じゃあー初めてだからちゃんと優しくしてあげるからね♡」

 

「って!私女だよ!?女の子同士でそういう事するのは、、、」

 

「そう?私は女の子でも男の子でもいけちゃうからぜんぜん問題ないよー♪」

 

「マスターから離れなさいケラウノス」

 

「そうだそうだ!マスターから離れろ!このチャラ子!」

 

 

ケラウノスの言葉に頭がふわふわとしていると二人が声を荒げ青髪の子を睨む。その姿に現実へと帰ってきた。

 

 

「アルテミスにアポロン、フォルカスも居るのか、、、って事は君はこの子達のマスターなんだね?」

 

「そうだけど、、」

 

「うんうん♪じゃあ今日一日よろしくね♪どこに行く?私はいきなりホテルでもいいけどー♪」

 

 

私の肩を抱き教会から連れ出されてゆく。当然ただの人間の私が抵抗したところで敵うはずもなく引きずられてゆく。むしろそちらの方面に興味があるのですが←

 

 

「マスターを離しなさい」

 

 

そう言って私の右手を掴み引き止めるアルテミス。その左右でアポロンが弓を向けフォルカスが槍を向けている。

 

 

「おーおー怖い怖い♪でももしかして三体一で私に勝てると思っちゃってる?」

 

「黙れ!お前なんてボク一人でも十分だ!」

 

「ふぅーん?じゃあこうしよっか。私が君たちに負けたら大人しく諦めてあげる。私が勝ったら、そうだなぁ、、一晩この子を私の好きにさせてもらおっかな♪」

 

 

口に咥えた棒飴を転がしながらにししっと笑う。それに対し三人の目から火花が出そうなほど睨んでいる。そんな事よりもアルテミスとケラウノスに引っ張られて痛い。

 

 

「あのー?痛いんだけど、、、」

 

「どうする?も・ち・ろ・んやらないって選択肢はないからね♪」

 

「私はマスターを取り戻すためにこの勝負に乗るべきだと思います」

 

「ボクだってそうだよ!こんなやつにマスターを好きにさせるなんてできないよ!」

 

「…ですがケラウノスは、、、」

 

 

怒り心頭な二人に対しアルテミスは狼狽えている。よほどこのケラウノスは高い能力を秘めているのか。それよりも痛い。

 

 

「で?やるの?やらないの?やらないならその手を離してほしいなー」

 

 

ギリギリと敵意を剥き出しにする三人を前にしても余裕で涼しげな表情。よほど自信があるのだろう。

 

 

「…分かりました。この勝負乗ります」

 

 

二人に目配せをした後アルテミスが頷き私をかけた勝負が開始された。

 

 

何これ、、私を取り合って戦っちゃう感じ?私お姫様!じゃあ三人は私を守るプリンセスでケラウノスは悪いプリンセス、、、。登場人物全員プリンセスという奇跡!

 

 

「マスター、その様な邪険な考えを持つのはやめて下さい」

 

「そうだそうだ!マスターはどっちの味方なんだよ!」

 

「ごめんなさい、、、」

 

 

そんな訳で私達は教会の空き部屋を借りて私を賭けた勝負がおこなわれる事に。

 

 

「あの、私仕事があるんですけど、、、」

 

「そんなのシャルウルに任せとけば良いって♪マリアにはこの勝負の審判をしてもらうよ」

 

 

もちろんこの案件を持ってきてくれたマリアさんを巻き添えにして。

 

 

「分かりましたよ、、それでルールはどうするのですか?」

 

「3回勝負をして多く勝った方の勝ちで♪最初は私に選ばせてもらうよ」

 

 

そう言ってケラウノスが取り出したのはトランプ。もちろん未開封のシール付きだ。

 

 

「最初は軽めにババ抜きといこうじゃないの。異論はないよね?」

 

「勝敗はどう決めるの?」

 

「そりゃあ私が最後に残ったら負けだよ。そっちは私より後に抜けたら負け」

 

 

席に座りトランプの箱をテーブルの真ん中へと置いた。それに乗っかり三人が席へと着いた。

 

 

「マリアお願いね。私が配ると何かを仕掛けたとか後で難癖付けられると困っちゃうからさ」

 

「分かりましたよ。じゃあ開けさせてもらいますね」

 

 

マリアさんがビニールを開け未開封の証であるシールを取りカードを取り出しジョーカーを一枚抜き念入りにシャッフルしてから四人に配ってゆく。

 

 

そして四人の手元には12枚のトランプが。そこからペアを抜いてゆき手元に残るのは僅かに。

 

 

「それでは良いですね?スタート!」

 

 

マリアさんの合図によりババ抜きが開始された。ちなみにケラウノス、アルテミス、アポロン、フォルカスの順でカードを引いてゆく。

 

 

「じゃあアルテミスのカードを引かせてもらいますか」

 

 

突き出された手札から一枚選びシュッと引き抜く。そして笑顔を浮かべ手札をシャッフルしてゆく。

 

 

「はい、お姉ちゃん」

 

 

アポロンの手札から一枚抜き揃ったカードを捨てる。アルテミス残り一枚。

 

 

「どうぞ」

 

「にょーん♪」

 

 

フォルカスから抜いたカードを見てため息を吐き手札をシャッフル。

 

 

「どーぞー」

 

 

そしてフォルカスがケラウノスから一枚抜きペアを捨ててゆく。

 

 

「まっ。アルテミスが抜けるのは想定の内だけどね」

 

 

アルテミスの手札を抜きペアを捨てる。ケラウノス残り二枚。

 

 

「私がしっかりとズルをしない様見張っておきます」

 

「それはダメ。目配せとかで合図を送られたら私負けちゃうじゃん」

 

「ならアルテミスは私の隣に居てください。これで異論はありませんよね?」

 

「ふふーん♪話が分かるねマリアは♪」

 

 

ジロリとケラウノスを睨んだ後アルテミスはマリアさんの横へ。

 

 

「アポロン様も上がりだみょーん♪」

 

 

そしてフォルカスからカードを抜いたアポロンが上がりフォルカスとケラウノスの一騎打ちへ。フォルカス一枚ケラウノス二枚という熱い展開。

 

 

「私が引きます。手札を出して下さい」

 

「まぁ待ちなって。よーく混ぜないとジョーカーを引かせられないからさ」

 

 

二枚のカードを左右に切ってゆく。その目に笑みを浮かべながら。

 

 

「さぁどーっちだ」

 

 

フォルカスに向かい突き出した二枚のカード。それをフォルカスが真剣な顔で選び一枚を引き抜いた。

 

 

「ふっふーん♪じゃあ次は私が引く番だね♪」

 

 

にやにやと笑いながら手札を混ぜるフォルカスに眼差しを向ける。

 

 

「好きな方を引いて下さい」

 

 

フォルカスが突き出した二枚のトランプ。その上を指が踊る。

 

 

「ねぇフォルカス。フォルカスって私からジョーカーを引いたよね」

 

「そうですが、いきなり何を言い出すのですか」

 

「しかもそのジョーカーは私の手元に最初からあったやつ。こうなる事を予想して私が手を打たなかったと思う?そおだねー例えば、カードに折り目が付いていたり」

 

「………っ」

 

 

フォルカスが持つ右のカードに目を向けると確かに折り目がある。よく見なければ分からないほど僅かにだが。

 

 

「ほらフォルカス、私の目を見てよ」

 

 

カードの上からフォルカスがケラウノスへと視線を向ける。

 

 

「フォルカスの目を見ながら選んであげるよ♪君も美人だしちゃんと見ておかないと損だしさ♪」

 

 

フォルカスの瞳とカードを交互に見ながら手を泳がせやがて一枚のカードを引き抜いた。

 

 

「はい、私の勝ち♪」

 

 

ケラウノスが捨てたカードはクイーンのペア。

 

 

「安心して下さいフォルカス。まだ後二戦あります」

 

「ババ抜きなんて運だから落ち込んじゃダメだよ」

 

「私が勘でカードを選んだと思ったのならもう私の勝ちは確定だね♪さっ、このSSもR18にしちゃおっと♪」

 

「………ケラウノスの言う通りです。ケラウノスは私からクイーンを選んで引き抜きました」

 

「へぇ、良く気が付いたね♪折り目はブラフ。そう言われてしまえば人って不思議なもので折り目があるように見えちゃうんだよね。例え、それが明暗の影だとしても。そうやって不安になれば必ず顔にでちゃう。簡単な話だよ」

 

 

にししっと笑いながら咥えていた飴にキスをして再び口に戻していた。

 

 

「次のゲームは君達が決めて良いよ♪どんなゲームでも私が勝つからさ♪」

 

 

どっかりと椅子に座り余裕しゃきしゃきに三人へ視線を向ける。

 

 

「カードを扱うゲームはこちらが不利です。悔しいですが」

 

「なら向こうが不利になる様なゲームを選ばないといけませんね」

 

「むぅ、じゃあなんにする?」

 

「私に考えがあります」

 

 

アルテミスの案を二人が聞き驚いた顔を向ける。

 

 

「本気でそれを言っているのですか?」

 

「それはないよお姉ちゃん、、、」

 

「私は本気です。それに意表をつく事にこの作戦の意味があります」

 

 

真剣な顔を二人に向けると諦めたような顔をしアルテミス、フォルカスがマリアさんの元へ行きアポロンがケラウノスと対面する形で席に着いた。

 

 

「やい!ケラウノス!ボクと勝負だ!」

 

「あははっ♪アポロンとなんの勝負をするって言うの?こんなお子ちゃまに私が負けるはずないじゃん♪で?お題はなに?」

 

「ボクと睨めっこだよ!」

 

 

アポロンが叫んだ後部屋にケラウノスの笑い声が響く。

 

 

「ちょ、笑わせないでよw睨めっこってw」

 

「もしかしてルールを知らないとか?説明してあげよっか」

 

「ルールって、そんなの知ってるに決まってるじゃん。先に笑った方の負けでしょ?」

 

「ならいくよ!」

 

 

「「睨めっこしましょ。笑ったら負けよ、あっぷっぷ」」

 

 

・・・・・・

 

 

私達の前には指で鼻を押すケラウノスと口をイーっとさせて目尻を指で吊り上げたアポロンが。可愛い、、なんて可愛い戦いなんだ!

 

 

「笑者なしですね、仕切り直しです」

 

 

「「睨めっこしましょ。笑ったら負けよ、あっぷっぷ」」

 

 

・・・・・・

 

 

両頬を手で潰すケラウノスにこの世の終わりの様な顔で白目を向くアポロン。

 

 

「っ、、、あはははははっwちょっとwその顔はズルだってばwww」

 

「勝者アポロン!」

 

「あっ」

 

「へへーんっ!どうだケラウノス!」

 

「負けは負けか、、じゃあ最後はキル姫らしくバトルといこうじゃないの」

 

 

ニヤリと笑い立ち上がったケラウノス。その後に三人が立ち上がった。

 

 

「ねぇ、キル姫らしくバトルって!」

 

「もちろん戦うんだよ。でも安心して♪戦闘不能になった人には手を出さないからさ♪」

 

 

そんな訳で最後の勝負は三対一のバトル。人数的にケラウノスが不利なのだが自ら言い出したという事は自信があるという事だろう。

 

 

「回復薬は準備してありますけど、、、死なないでくださいね」

 

「えっ!?ちょっと、危ない事はやめよって!」

 

「だいじょぶだいじょぶ♪止めたって無駄だよ」

 

 

らんらんと部屋が出て行こうとするケラウノスがドアに手を伸ばした瞬間にドアが開きケラウノスの頭とドアがぶつかった。

 

 

「あったーっ。もう誰だよ!」

 

「あらごめんなさい。マリアを探してここに来たのですが」

 

 

頭を抑えるケラウノスに目もくれず部屋を見渡すとサッと隠れたマリアさんを見つけ出した。

 

 

「マリア、仕事をサボってこんなところで何をしているのですか?」

 

「しゃ、シャルウル、、これには訳があって!」

 

「はい、ケラウノスをコウ君から遠ざけたのは英断だと思います。しかしこの場にあなたは必要ありませんよね?」

 

 

顔が笑顔なのだが声のトーンはとんでもなく狂気を孕んでいる。その迫力に全員の背筋が伸びる。

 

 

「マリアのお仕置きは後にするとしてみんなに任務を渡しに来ただけですよ。そんなに身を強張らせないでくださいね」

 

 

マリアさんに紙を渡すと笑顔のまま部屋を出て行った。

 

 

「………………」

 

「マリアさん。その紙に何が書いてあるのですか?」

 

「」ガクガクブルブル

 

「あっ、、、」

 

 

頭を抑え部屋の隅っこで震えるマリアさんが落ち着くのを待ってからシャルウルが持って来てくれた紙を開く事に。

 

 

「えっと、対決に二種目追加です。こっちに来てください」

 

 

マリアさんに連れ出され空き部屋を出て廊下を進み配膳室へと来ていた。

 

 

「それで、一体なんの勝負が増えたわけ?」

 

「はい、お菓子作りとデートコースを考えるって案なのですがお腹も空いたので先にお菓子を作ってもらいます♪材料はシャルウルが準備してくれているので冷蔵庫に入ってませんか?」

 

 

そう言われて冷蔵庫の中を覗くと食材が冷やされている。それをテーブルの上に広げてゆく。

 

 

「これは、、、」

 

「ホットケーキですね」

 

 

ホットケーキの粉に卵に牛乳。この食材は間違いなくホットケーキだ。

 

 

「料理は三人で作る必要はないのでフォルカスかアルテミスが代表して料理を作ってください。選抜はクレアさんに任せますよ♪」

 

 

「それならお姉ちゃんだよ!いつもご飯作ってくれてるしさ♪」

 

「そうですね。アルテミス、お願いできますか?」

 

「分かりました。ケラウノス、私がお相手します」

 

「アポロンの次はアルテミスが相手か、、、姉妹揃って双子丼も良いかも♪」

 

 

なんだかとても魅力的な事を言いながらケラウノスがキッチンに立った。そして反対のキッチンにアルテミスが立ち料理スタート。

 

 

手際良く袋を開封し各分量を図り正確にボールへと移しかき混ぜてゆくアルテミス。対するケラウノスは目分量で食材をボールへと移してゆく。

 

 

「ホットケーキなんて誰がどういうふうに作ったって一緒いっしょ♪楽勝だって♪」

 

 

ふんふふーん♪っと楽しそうに作るケラウノス。だがアルテミスの顔は真剣そのものである。

 

 

ちゃっちゃとかき混ぜてフライパンへと移し焼き始めるケラウノス。アルテミスはまだ生地をかき混ぜている。

 

 

「ほい、ほいっと♪」

 

 

アルテミスが焼き始める頃にはケラウノスはお皿へとホットケーキを移す。

 

 

「まだできないのー?私の作ったのが冷めちゃうよ」

 

「黙りなさい。料理とは手間をかければかけるほどおいしくなるものです。あなたには分からないと思いますが」

 

 

フライパンを温めバターを溶かし記事をそそぐ。そして火加減を調節しながら丁寧に焼き上げてゆく。

 

 

 

「むぅーじゃあ先に私の作ったの食べてよ♪まっ。あんな事言ってる奴なんかに負けないけどね♪」

 

 

ケラウノスがだしてくれたホットケーキは形はぐちゃりと歪み黒い焦げ目が目立つもの。

 

 

「いただきまーす」

 

 

それを五人で食べるのだがマリアさんが切り分けると中から火が通ってない生地がどろりと垂れ所々に混ざり切ってない粉が見える。

 

 

「お待たせしました。どうぞ」

 

 

アルテミスが運んできてくれたホットケーキはこんがりとした狐色。そして切り分けるとふっくらとした生地。食べる前から結果は一目瞭然だ。

 

 

「勝者アルテミス!」

 

「ちぇーっ、まっ後二回戦あるからいっか♪」

 

 

それから六人でコーヒーを飲みながらホットケーキを食べ片付けをしてから次の勝負へ。

 

 

「次の勝負はなんなのですか?」

 

「えっと。デートコースを考えるってお題なのですが」

 

「はーい。デートコースなんてまどろこしい事言わずにさ、どっちとホテルに行きたいかにしようよ♪」

 

「その様な考え言語道断です。デートがあってのホテルだと思います」

 

「ふぅーん?言うねぇフォルカス。じゃあマリアに決めて貰おうよ」

 

「ホテルに行きたくなる方で」即答

 

「えっ!?早っ!」

 

「そっちの方が盛り上がりそうじゃないですか?」

 

「にししし♪そうだなぁ、五分間マリアを口説いて連れて行かれたくなった方が勝ちでどう?まっ、できないなら私の勝ちだけどね♪」

 

「分かりました。受けて立ちましょう」

 

 

意気揚々と立ち上がったフォルカス。別室でマリアさんを口説いて落とした方の勝ち。あの、その審判私がやりたいのですが←

 

 

「じゃあ私からいくね♪」

 

 

 

………………………………………………………………

 

 

 

別室には椅子にちょこんと座るマリアさんが。そこにケラウノスが入ってきた。

 

 

「ねぇマリア」

 

 

椅子の背もたれに手を付き顔を近づけてゆく。

 

 

「私と良い事しようよ。最近仕事ばかりでそんな事もしてないでしょ?」

 

「女の子同士とか気にしなくて良いんだって♪そんな決まりもないし。そ・れ・に、女の子同士の方が感じる場所分かっちゃうじゃんか♪」

 

「強情だなぁ。じゃあちょっと試してみる?私のテクニック♪」

 

 

 

………………………………………………………………

 

 

 

「フォルカスどうぞー」

 

「はい。行ってきますね」

 

 

 

………………………………………………………………

 

 

 

 

「こんにちはマリア」

 

「えっと、、、その、、、」

 

「あの、今日は天気が良いですね」

 

「…………」

 

「」

 

 

 

………………………………………………………………

 

 

 

「勝者ケラウノス!」

 

「…………」

 

「仕方ないってフォルカス。相手が悪いよ」

 

「これで二対ニかぁ。じゃあ最後はバトルだね♪」

 

 

そんな訳で私達は教会の裏にある広場へと来ていた。いつの間にかマリアさんの手にはかごが握られており中には緑色の瓶がぎっしりと詰められている。聞くと回復薬だそうで。

 

 

「にしししし♪じゃ、どっからでもかかってきなよ」

 

 

両手に銃を構え飴をころころと転がす。その目は確かな狂気が宿る。それに対し三人は必ず勝つという決意を目に宿す。

 

 

「良いですか?試合、開始っ!!」

 

 

バトルの開始を合図したマリアさんが逃げた後両者同時に動いた。

 

 

「それそれそれそれーっ!どの子から蜂の巣にしちゃおっかな♪」

 

 

両手に持つ銃から凄まじい勢いで魔弾が放たれ薬莢が飛び出してゆく。それを槍を前に構え盾として身体を守りながらフォルカスが駆ける。

 

 

「そこだっ!」

 

 

さらにフォルカスの後ろを追従するアポロンの姿が。フォルカスを盾とし反撃の矢を放つ。

 

 

「ほい、ほいっと♪その程度の事私が想定してなかったと思う?射る場所が分っちゃってるから狙いがバレバレなんだよねー♪」

 

「なら槍による攻撃を与えるしかありませんね」

 

 

今まで前に掲げていた槍を大振りな一閃を繰り出す。

 

 

「はいざんねーん♪その槍の長さはおおよそ二メートルぐらい。そしてフォルカスの手のリーチを考えてもニ、五メートルが限界だ。相手の射程範囲はとっくに把握済みだよ!」

 

「ふっ」

 

 

ひらりひらりと繰り出される槍を躱し反撃の魔弾を放つ。ケラウノスが言う通りにフォルカスが振るう槍は掠りもせず空を切るばかり。だがフォルカスは不敵に笑う。

 

 

「にょーーんっ!!あとはボクに任せろ!」

 

 

フォルカスと位置を変えアポロンが前線へ踊り出す。

 

 

「なっ!!」

 

 

ひたすらに魔弾を放つケラウノスを翻弄する様に辺りを駆け巡る。

 

 

「私がただ魔弾を撃っているだけだと思ってた?」

 

「もちろん!当たらない魔弾なんてなんの意味もないや!うわっ!?」

 

 

駆け巡りアポロンが何かに躓き転ぶ。その頭に銃口が向けられた。

 

 

「にしし。残念でした♪体力削って地面を耕した甲斐があったよ♪」

 

 

アポロンが転んだ理由。それは魔弾により地面が耕されそれに足を取られた事。アポロン戦闘離脱。

 

 

「それならば体力が果てるまで魔弾を撃たせるのみ!」

 

「やだなぁ。そんな事する訳ないじゃん♪君の射程は把握してるしこうしてるからアルテミスは矢を射れないしね♪」

 

 

ケラウノスの言葉に潜み時を待つアルテミスが唇を噛む。ケラウノスはアルテミスの位置を把握しフォルカスがアルテミスの前に来るように誘導しながら戦闘をこなしていた。

 

 

「アルテミス!私は構いません!私ごと撃ち抜いてください」

 

 

フォルカスが叫ぶが潜むアルテミスは返事を返す事ができずただ弦を張る。

 

 

「ちっ!」

 

 

躊躇うアルテミスに舌打ちをしてフォルカスは単身ケラウノスへ向かう。

 

 

槍を突き出しくるりと身を翻し飛びながら斬り伏せるのだがケラウノスを掠める事なく空を切る。

 

 

「ばーん♪」

 

 

振り上げた槍を持つ手を打たれ槍が宙を舞いフォルカスに向かい銃口が向けられた。フォルカス戦闘離脱。

 

 

「残るはアルテミスだけ。隠れてコソコソ狙いを定めてる奴なんて楽勝だよね♪」

 

 

へらず口を叩くケラウノスに向かい矢が放たれるのだが魔弾を放ち相殺。

 

 

「今の見た?君の弓じゃ私は倒せないんだよ♪痛い思いをする前にクレアを差し出なって」

 

 

ケラウノスの挑発に耐えかねアルテミスが姿を見せる。その手に月光弓を握りしめて。

 

 

「…確かに私の弓ではケラウノスにダメージを与えられそうにありませんね」

 

「そうそう♪やっと諦めてくれた?」

 

「ですが」

 

「?」

 

「これならば問題はありません」

 

 

アルテミスの構える弓にセットされたのはフォルカスの扱う槍。魔槍・フォルカス。

 

 

「この一撃で穿つ!」

 

 

ギリギリと引き絞られた弦が槍を発射する。

 

 

 

「っち!!なんで!とまらないっっっ!!!」

 

 

槍を魔弾で撃ち落とそうとするのだが槍は止まらずケラウノスに向かい飛来し。

 

 

「もう、ダメっ!!」

 

 

逃げ出そうにも寸前まで迫った槍がケラウノスに刺さる直前に左右から手が伸ばされた。

 

 

「なるほど。アルテミスの扱う弓の大きさならば槍を飛ばす事が可能と」

 

「流石お姉ちゃんだね♪」

 

 

掴まれた槍はケラウノスに当たる前に勢いを殺された。それを見てケラウノスがへなへなと崩れた。

 

 

「あははっ私の負け、か」

 

 

寝転ぶケラウノスの頬に何かが当てられみると緑色の瓶が。

 

 

「お疲れ様でした♪回復薬どうぞ」

 

「あんがと♪」

 

 

 

………………………………………………………………

 

 

 

「これで私達のマスターから手を引いてもらえますよね」

 

「そうだねー残念だけど手を引かせてもらうよ」

 

 

悔しそうに立ち上がり回復薬を一気に飲み干した。

 

 

「あっあそこに良さそうな人が居る♪ねぇねぇー♪」

 

 

駆け出して行ったケラウノスの前には楽器を持った男の人が。

 

 

「あは、あははははは、はぁ、、、」

 

「全く、、、」

 

「・・・・・」

 

「残念そうな顔をしないで下さい」

 

「えっ!?そんな事ぜんぜんないよ!?」

 

 

そんなこんなで私達はケラウノスに勝利し私の純潔は守られる事となった。ちょっと残念なのは内緒。

 

 

「皆さんお疲れ様でした♪じゃあ今夜は記念にみんなでパーっとご飯でも行きましょうよ♪」

 

 

歩き始めたマリアさんの肩を誰かが掴んだ。

 

 

「もう任務は終わりましたよね?」

 

「あっ、いや、まだ残業が、、、」

 

「終わりましたよね?」

 

「はい、、、」

 

 

シャルウルに肩を掴まれ教会へと連れて行かれるマリアさんを見送り私達は帰る事に。

 

 

「みんなありがとね♪こんな日は牛丼だよ♪」

 

 

そんな帰り道何かいい事があったら行く事にしている牛丼屋さんへ。だけどみんなは不満気で。

 

 

「ねぇマスター。ボク達頑張ったんだからもっと良いご飯にしようよぉ」

 

「そうですね。あの苦労の対価が牛丼なのは納得できません」

 

「隊を労うのもマスターの勤めですよ」

 

「えっ、なら店に入る前に言ってよ、、、。なら今日は牛丼で!明日良いお店行こ!」

 

「約束だよぉー?」

 

「絶対ですからね」

 

「すいませーん!牛丼特盛汁だく四つ下さーい!」

 

「ボクのはネギ抜きでね♪」

 

「それとお味噌汁を一つ。みんなはお味噌汁いりますか?」

 

「「飲むー♪」」

 

 

楽しそうな三人を見てアルテミスは笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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