八咫鏡と聞いてハテナを浮かべる人は多いと思う。だけど天照大神や三種の神器といえばあーってなる人も居るかもしれない。
簡単に八咫鏡の歴史を話すと遥か昔に天照大神が怒って岩の中に引きこもってしまい困り果てた神々が作り出した鏡だったり。現在では三重県にある伊勢神宮に奉納されている。と、まぁ神々しい鏡だという事だ。
今日は八咫鏡さんというキル姫に会う日なのだ。日本神話に名を残す八咫鏡、その名を冠する八咫鏡さんとは一体どんなキル姫なのだろうか?
「コウくーん、おはよーございまーす♪」
「おはようございます!なんか今日は楽しそうですね?」
「前回私の出番が無かったのでちょっとテンション高めにしてみました♪それよりも八咫鏡に広場で待っていてもらってますので会ってきて下さいね♪」
「あざっす!」
と、まぁそんな感じでいつもの教会の前の広場へ。とりあえず神々しいそうな人を探してゆく。
「そこのお前」
「?」
「お前じゃお前。そちがコウであろう、妾はここじゃ」
名を呼ばれて辺りを見渡すとベンチに座り僕に何かを向けている少女の姿が。
「間抜けな顔じゃのう、草薙が誉めてあったからどんな男かと楽しみにしてみればとんだ肩透かしじゃ」
僕に向けている何かをパッと開き顔を仰ぐ。手に持つものは扇子だったようで。
「おはようございます!えっと、八咫鏡さんですか?」
「それ以外そちに声をかける奴がおるか。妾が八咫鏡、三種の神器にて太陽神を写し出した鏡じゃ」
「ははぁぁ〜〜〜」
とりあえずひれ伏す事に。ベンチに座る八咫鏡さんの前に跪くと満足気に扇子を閉じた。
「おぉ、そち作法がなっておるな。表をあげぃ、ちと歩くぞ」
そんな訳で八咫鏡さんの下部として一日を過ごす事に。着ているワンピースのお尻の部分が何故か短くたまに見えるお尻を見ながら後をついて行く。
「そち。妾は喉が渇いたぞ」
「それならば
辺りを見渡し和風な八咫鏡さんが好みそうな店を探しその店へとエスコート。もちろんドアを開けて上げて頭を下げながら八咫鏡さんが入るのを待つ。
「よいよい。くるしゅうないぞ」
満足気にドアを通る八咫鏡さんを追いかけ座る椅子を引き座るのを待ち着席するのを見届けてからメニューを広げ八咫鏡さんの前へ。
「そちも座らぬか」
「有り難きお言葉!」
八咫鏡さんから手渡されたメニューを見ながら食べたい物を探し店員さんを呼びしばらくおしゃべりをする事に。
「八咫鏡さんって得意な事とかあるんです?」
「そうじゃなぁ、、妾はモノマネが得意じゃ」
「おぉ〜、それって誰でもできるんです?」
「ここは一つ見せてやろう」
誰の真似をしようか考え思いついたのかニヤリと笑った。
「これそち!早う余の肩を揉まぬか!余は肩がこおておる」
「ん〜草薙剣さん?」
「正解じゃ。一度会った事のあるキル姫だからちと簡単じゃったか。ならば次じゃ」
ボーーーーーーーッ。
突然ぼーっとし始めた八咫鏡さん。これも誰かのモノマネなのだろう。
「えっ、誰?」
「ガー・ボーじゃ。奴はぼーっとしておるからの」
「なるほど。でも会ったことがないから元ネタが分かりません!」
「うーむ、ならば、、、」
「ゴミクズさーん♡あたいがぶっ飛ばしてやるよ!」
「ルーンさん!」
「正解じゃ。やはり初期組は個性が強い」
「確かに。みんな個性豊かでした」
「セリフだけでも識別可能じゃからな。身振り手振りも加えたいが文であるなら妾が何をしてあるか分からんからな」
八咫鏡さんが言っている事はごもっともである。そんな感じで運ばれて来たご飯を頂く事に。
ご飯シーンは特に何もないので飛ばされてしまうのだが。
「それで今日は何をします?」
「散歩じゃ。たまにはこうして大陸を歩くのも粋なものじゃ」
そんな訳で八咫鏡さんとその辺りをふらふらと歩く事に。忙しそうに歩く人やおしゃべりを楽しむ人たちを見ながら歩いてゆく。
「八咫鏡さんって古風ですよね」
「和風と申せ、古風と言われると妾がロリババアと罵られている様ではないか」
「ロリババア、、、?」
「そちが変な事を言うからじゃ!妾はババアではない!」
ロリババアってなんだ?一行で矛盾する言葉の意味が謎なのだが?そんな事よりも確かに八咫鏡さんは幼女体型だ。お世辞にもナイスバデーとは言えない。それが古風な話し方をする事がロリババアなのだろうか。謎は深まるが気にしないでおこう。
「ん」
そんな事を考えていると八咫鏡さんが立ち止まり何かを見上げた。その視線を辿ってみると山に鳥居があり上に続く階段が見える。
「行くぞ、ついてまいれ」
そう言って階段を上がってゆく八咫鏡さんの後ろをついてゆくと荒れ果ててしまった小さな神社が。
「コウ、手を貸せ。この様な姿、妾は辛抱ならん」
「仰せのままに」
八咫鏡さんは伊勢神宮に奉納されているから荒寺の様な光景が我慢できないのだろう。僕も神社という神聖な場所が荒れ放題なのは辛いので掃除をする事に。
「まずは屋根に乗った落ち葉を払うぞよ」
「はい!」
二人で棒を使い屋根に乗っかっている落ち葉を落としてゆく。上は綺麗な茶色なのだが下は水分を含み黒く変色し積もった年月の長さを感じさせる。
「粗方落とせば後は風や雨で落ちる。次は本堂じゃ」
見ればドアは外れてしまい本堂内に雨が降り込んだのか床はひどく汚れている。それを見かねて一度街に掃除道具を買いに戻る。
「雑巾と洗剤とバケツ?」
「後はホウキとチリトリとゴミ袋じゃな」
そんな感じで買い物を済ませて再び荒寺へ。
「まずは本堂のドアを全て取っ払い風を通すのじゃ」
「うっす」
引き戸となっているドアを全て外すと本堂を風が吹き抜けてゆき蜘蛛の巣を払い。それから入り込んでしまっている落ち葉やゴミをほうきで外へとはき出して行く。
「水を汲んでまいれ!」
「はいっ!」
たっぷりと水を汲んだバケツに雑巾を浸し固く絞り床を拭き拭き。長年溜まった汚れですぐにバケツの水が黒く濁ってゆく。それでもめげずに何度も雑巾をかけてゆくと床の木目が見え始めきた。
「少しずつ綺麗になってきましたね」
「うむ。あと少しじゃ」
再びバケツの水を変えて床をふきふき。しばらくして本堂のお掃除が終わった。
「ふぅ、、後は外を掃除して終わりじゃ」
最後に本堂の周りの草むしりをしてお掃除は終わった。建物の古臭さは仕方ないにしても前と比べると見違えるほどに綺麗になった。
「すまんなコウ。こんな事を手伝わせてしまい」
「いえいえ、綺麗になって良かったです。でもどうしても掃除をしようと思ったんです?」
「神社とは神が祀られる場所じゃ。この神社にもきっと何かの神が祀られておる。それがこの様に荒れ放題なのは妾は気に食わんからな」
「こうして綺麗にしておけば神も喜ぶのじゃ」
広げた扇子で顔を隠し上品に笑う。きっと何かのご利益があるだろう。
「さっ、手伝って貰った礼じゃ、夕食は妾が出してしんぜよう」
そんな訳で八咫鏡さんに連れられてあのレストランへとやって来ていた。最近来てなかったから新鮮である。
「いらっしゃい」
「くるしゅうないぞ」
腰の低い亭主に満足そうに扇子を振りながら一番奥の席へと。
「このお店に来たら頼むものはなんですか?」
「ミートスパゲティじゃ。そちは何を頼む」
「同じです」
そんな訳でミートスパゲティを二つ頼んでお冷を取りに行く事に。
「ここの亭主さんって奏官だったんですよね?」
「そうじゃ、たいそう立派な奏官じゃった」
どこか優しい瞳でキッチンを見ていた。
「いずれ亭主の話が書かれるであろう。その時を心待ちにしておけ」
亭主が従えていたキル姫はレーヴァテイン。僕が知っているのはそこまでなのだけど。
亭主がカウンターの上に置いたスパゲティを取りにゆき八咫鏡さんの前へ。紙エプロンを付けてから食べ始めていた。
「こらそち!子供っぽいなどと思ってはおらんだろうな!?」
「そんなことありませんよ?」
八咫鏡さんが着ている服は白色だからソースが付いたら目立ってしまうしお行儀良くスパゲティをフォークに巻いて一口サイズで食べている。それでも口に運ぶたびに美味しそうにしている仕草がとても可愛らしい。
「はい」
「くるしゅうないぞ」
紙ナプキンを渡すと恥ずかしそうに口の周りを拭いている姿もグットである。
「満足な一日であったぞコウよ」
「こちらこそありがとうございました」
「また神社を掃除するときはそちに手を貸してもらおうかの」
「ぜひ声をかけて下さいね」
そんな訳で八咫鏡さんと教会の前でお別れ。その時話を聞いたのだけど草薙剣さんと天沼矛さんと一緒に住んでいるようで。
「さらばじゃ!」
「ありがとうございました」
帰って行く八咫鏡さんの姿が見えなくなるまで見送り家に帰る事に。
なになに?明日はブラフマーストラさんというキル姫の様だ。名前からしてヤバそうだけど大丈夫なのだろうか?
少しブラフマーストラさんの事を調べてからお風呂に入って眠る事に。
おやすみなさい。