キル姫日記   作:やす、

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7ページ目、アロンダイト

湖の騎士と呼ばれたランスロットの愛剣アロンダイト。その刃は刃こぼれする事なく鋭さを保ち続けると言う。

 

 

その他にも血塗られた魔剣と言う通り名があるがあまり知られてはいないだろう。

 

 

朝起きてから図鑑を読んでいたのだがあまり詳しい事は書かれていなかった。

 

 

アロンダイト、どんなキル姫なのだろうか?そんな疑問を持ちながらふうっと息を吐き図鑑を閉じて服を着替える事に。

 

 

筋肉痛が治り快適な身体で軽快に服を着替えてストレッチをする事に。これが終わったら朝ごはんにしよう。

 

 

そんな事を考えながら身体を伸ばしているとマリアさんが呼びに来てくれた。

 

 

おはようございます♪もう起きてますかー?

 

はーい、起きてますよ!今日は早いんですね

 

アロンダイトに鍛錬があるから来るなら早く来いって言われたんですよね

 

こんな早くから鍛錬って、、、まだ6時ですよ?

 

それだけ熱心なんですよ♪アロンダイトが鍛錬をしている場所は地図に記してあるのでそこに行ってきて下さいね♪

 

了解です!

 

 

マリアさんに地図を貰い教会の売店で朝ご飯を購入してその地図に示されている場所を目指す事に。

 

 

えっと、教会を出て左に行ってそのまま真っ直ぐ?

 

 

その方を目指して歩いて行くと森の中に入って行った。少し疑問を感じながらさらに進むと大きな湖が見えてきた。

 

 

へぇ、こんな所に湖なんてあったんだ

 

 

周りを樹木に囲まれ神秘的な雰囲気の湖に見惚れていた。水の透明度は高く底の方まで見る事ができる。

 

 

お魚いないかな?

 

 

そんな事を考えながら湖の周りを歩いていると何かを数える声が聞こえてきた。

 

 

九九万九五二三、九九万九五二四、、、、、

 

 

その声の主を探し辺りをキョロキョロすると一人の女の人が剣の素振りをしているのを見つけた。

 

 

九九万九六二三、九九万九六二四、、、

 

 

流れる汗を拭うことも無くひたすらに素振りをしている女の子。可愛らしいピンクの髪を後ろで編んで一本にまとめており清楚なワンピースを着ている。そしてそれを引き締める白色のタイツ。見た目なんてどうでも良い。僕はそのひたすらに素振りをする姿に目を奪われていた。

 

 

九九万九九九八、九九万九九九九.、百万!

 

 

そう叫びやっとその女の子は剣を納め汗を拭い空を仰いでいた。その姿はとても可愛らしく、なんだろう、尊い。

 

 

僕に気が付いたのだろう。話しかけてくれた。

 

 

貴方が受付が言っていた奏官の見習いですね

 

はい!僕コウって言います!今日一日よろしくお願いします!

 

それはご丁寧に、私はアロンダイトと申します

 

よろしくお願いします!

 

 

可愛らしい見た目と違い凛とした声のアロンダイト。そのギャップに心を掴まれかけていた。

 

 

えっと、剣の鍛錬をしていたの?

 

はい、私が騎士である以上鍛錬を欠かす事はできません

 

何回ぐらい素振りをしていたの?

 

百万回程

 

凄いっすね!

 

騎士として当然です

 

 

照れる事なく無表情のまま淡々と話すアロンダイト。少し距離は離れているのだがその瞳の奥に何か、何かを宿している様な気がした。

 

 

アロンダイトさんは朝ご飯食べた?僕買ってきたから一緒に食べようよ

 

 

買い物袋をぶらぶらさせてアロンダイトに見せたのだがその返事は「遠慮しておきます」だった。

 

 

どうしてなの?朝から鍛錬しているならお腹空いてるでしょ?

 

ダイエット中なので

 

ならジュースあげるよ

 

私はダイエットをしていると言ったはずですが

 

じゃあお茶なら飲んでくれる?

 

そうですね、お茶ならば頂きます

 

 

アロンダイトにお茶を渡してその辺りの倒木に腰掛け朝ご飯を食べていた。サンドイッチが美味しい。

 

 

その少し離れた所でアロンダイトはお茶を飲んでいた。そんな姿すら絵になる彼女。もし僕に画力があればこの姿をキャンバスに描いているだろう。

 

 

あの、私を見るのは、その、構いませんが少し不作法ではありませんか?

 

あっ、ごめんね、見惚れててさ

 

その様に言われるのは悪い気はしませんが気を付けて下さい

 

はーい

 

 

表情を崩す事なくそう告げるアロンダイト。お茶の入ったペットボトルを地面に置くと再び素振りを始めていた。

 

 

一、ニ、三、四、、、

 

 

僕はその姿をただ見ていた。あまり剣の事は詳しくないのだが凛とした姿でただひたすらに素振りをするアロンダイトになんとなく違和感を感じていた。

 

 

どうしてそんなに鍛錬をするの?

 

気が散ります、話しかけないで下さい

 

なら終わるまで見ているね

 

 

その姿を倒木に腰掛けて見ていたら先程感じた違和感の正体に気が付きアロンダイトに話しかけていた。

 

 

アロンダイトさん

 

なんでしょうか

 

どうしてそんなに辛そうに鍛錬をしているの?

 

辛くない鍛錬などこの世にはありません

 

そうじゃなくて、、、無理をしているっていうのか、嫌々やっているっていうのか

 

そんな事はありません!

 

 

素振りをやめて僕を睨んでいた。それでも僕は怯まずに言葉を続けた。

 

 

水遊びをしようよ、ほら、今日は天気も良いからさ

 

ふざけないで下さい、私は真剣なんです

 

僕だって真剣だよ、そうだな、、、じゃあお昼まで水遊びしよ、その後は僕も鍛錬に付き合うからさ

 

 

睨むアロンダイトから目線を逸らさずに言うとため息を吐いて「分かりました」と言ってくれた。

 

 

じゃあ早速遊ぼうか

 

 

そう言ってズボンが濡れる事も構わず膝まで湖に浸かっていた。見た目通りの水の冷たさが日差しに火照らされた身体を冷ましてゆく。

 

 

ほら、アロンダイトさんも早く

 

…分かりました

 

 

そう言って躊躇いながらそーっと湖に入って行くアロンダイト。そしてゆっくりと足を進めて僕の近くまで来てくれた。

 

 

それでこれからどうやって遊ぶのですか?

 

えっと、、、ごめん、勢いで誘ったからこの先は考えてないんだ

 

はぁ、貴方って人は

 

じゃあさ、水をかけ合おうよ!

 

 

そう言って手で水をすくいアロンダイトにかけていた。

 

 

きゃっ!もうっ、やりましたね

 

 

同じように水をかけてくれるアロンダイト。それにやり返すと少しだけ笑みを浮かべながら水をかけてくれた。しばらくすると二人は水浸しになっていた。

 

 

びしょ濡れだね

 

そうですね、誰かさんのおかげで

 

そう言われても良いほどに楽しかったよ、アロンダイトさんは?

 

私は、、、そうですね、悪くは無かったです

 

水って不思議だよね

 

水が不思議?

 

うん、無色透明なのに、ほら

 

 

足で地面をかくと水中で砂が舞い茶色く水が汚れていた。それをしばらく見ていると再び水は透明となった。

 

 

それにさ

 

 

両手で水をすくうと水は手の中に収まり隙間から雫が滴り落ちている。手を離すと水は再び湖に戻ってゆく。

 

 

形が無いのに形があるんだよね、これって凄い事じゃない?

 

おっしゃっている意味が理解できないのですが

 

なんて言えば良いんだろ、、、水って自由だよね

 

その様な考え方をする人を私は初めて見ました

 

僕もこんな事考えたのは初めてだよ

 

 

少しの沈黙の後にアロンダイトが大きな声をあげた。

 

 

どうしたの?

 

分かりました!その言葉の本質が!!

 

 

ザバザバと音を立てて岸に歩いて行き剣を構えると目を閉じていた。

 

 

急にどうしたの?

 

静かに。

 

 

そう言うと凄まじい程の集中をしていた。そして目を見開いた。

 

 

水の様に何色にも染まらず、水の様に形を変え、水の如く勢いをこの剣にっっっ!!!!

 

 

そう言って繰り出された一閃は先程の迷いは感じられず堂々と、凛としていた。

 

 

ありがとうございます、貴方のおかげで私は強くなれました

 

えーっと?

 

 

ただ水の話をしただけなのに改まりお礼を言われて困惑していた。

 

 

水は簡単に色を、姿を変えてしまうがそれでも無色透明に、水のあるべき姿に戻る事ができる。その言葉が私の剣技に新しい可能性を見出させてくれたのです

 

 

う、うん、それは良かったよ

 

そうですね、、、お礼にご飯でもご馳走させて貰えませんか?

 

じゃあお言葉に甘えさせてもらいます!

 

その前に今の感覚を忘れる前にもう一度鍛錬をします

 

分かりました!

 

 

そう言って素振りをしているアロンダイトを少し離れた所で見ていた。もうその姿から違和感は感じられず、なんだろ、一人のキル姫、いや、騎士の様に見えていた。

 

 

いつまで鍛錬をするの?

 

この感覚を身体で覚えるまでです!

 

 

アロンダイトの姿を見ながらお腹の虫がぐぅぅと音を立てていた。でもお腹空いたとは言える様な感じはなくただ剣を振るうアロンダイトを見つめていた。

 

 

しばらくして流れる汗を拭いながらアロンダイトが剣を納めていた。

 

 

これで午前の鍛錬は終了です、ご飯に行きましょうか

 

はーい

 

 

アロンダイトに着いて行き森を抜けて街の方まで歩いて来るとご飯屋さんが立ち並ぶ所にやってきた。

 

 

アロンダイトさんは何が食べたいの?

 

私は、、、そうですね、鍋が食べたいです

 

じゃあそこに行こっか

 

 

アロンダイトと鍋のお店へと入って行った。そこまで人は居らず御飯時なのにすんなりと席に座る事ができた。

 

 

先に決めなよ

 

ありがとうございます

 

 

メニューをアロンダイトに渡して僕は店内を見渡していた。そうは言っても変わった物を見つける事はなくただ店内を見渡していただけなのだが。

 

 

決まりました

 

ほい

 

 

メニューを受け取り見ていたのだがもう季節は夏に向かっているので鍋を頼む気にはなれず豚しゃぶのセットを頼む事に。

 

 

すいませーん

 

はーい

 

 

店員さんにメニューを頼み料理がくるまでの間おしゃべりをする事に。

 

 

アロンダイトさんはどうしてあんなに鍛錬をしているの?

 

今は私にマスターはいませんがもし私にマスターができた時に必ず私が御守りするためです

 

その為の鍛錬なんだね

 

それが私の騎士道ですから

 

 

そう言い切ったアロンダイト。それに言葉を続ける事に。

 

 

じゃあダイエットは何のためにしているの?

 

そうですね、後でその意味をお見せ致します

 

 

そう言ってくれた。ダイエットの成果と言われると体型の事なのだろうか?そう思い僕の向かいに座っているアロンダイトを見ていた。

 

 

……何処をどう見てもダイエットが必要な体型には見えなかった。それよりもう少しお肉をつけた方が良いのでは無いだろうか?それでも出るところは出ているのだが。

 

 

私を見るのは構いませんが不義を感じさせる視線を向けるのはやめて下さい

 

そんな目で見てないよ

 

いえ、そのように感じました

 

 

一応言い訳をしておいたがバレていたようだ。次から気を付けよう。

 

 

お待たせしました

 

ありがとね

 

 

豚しゃぶのセットを受け取りアロンダイトの方を見ると温野菜のサラダを受け取っていた。それって鍋のお店でも無くても良い気がするのだが気にしたら負けだろう。

 

 

頂きます

いただきます

 

 

豚しゃぶでもやしを巻いてゴマだれを付けて頂くことに。うん、美味しい。そのままご飯をかきこみお味噌汁を飲む。良い感じのお昼ご飯だ。

 

 

それに対してアロンダイトはドレッシングをつける事なくただ温野菜のサラダを食べていた。いくらダイエットだからってそれはどうなのだろうか?でも食べ方は人それぞれだから何にも言えないのだが。

 

 

それでもアロンダイトは美味しそうにサラダを食べていた。確かに野菜は美味しいしダイエットにもなるとは思うけど昼食としてそれはどうなのだろうか?

 

 

お昼からはどんな鍛錬をするの?

 

また素振りをします

 

組み手みたいなのはしないの?

 

相手が居ませんので

 

僕で良かったらしてみない?ほら、実戦に近い方が良いって言うじゃんか?

 

 

そう言うと一瞬驚いた顔をしてすぐに真顔に戻り「やめておきます」そう言われた。

 

 

僕なら大丈夫だよ、流石に剣でやるんじゃ無くて棒とかでさ

 

しかし、ただの人間に武器を向けるのは私は気が引けてしまいます

 

大丈夫、大丈夫、とりあえずやってみようよ

 

そこまでそう仰るのなら、、、

 

 

そんな感じで昼食を食べ終わり僕達はさっきの湖に戻って来ていた。そこで手頃な棒を二本拾いそれを剣に見立てて試合をする事に。

 

 

どっからでもかかって来てよ

 

その自信はどこから湧いてくるのですか?

 

さぁー?

 

分かりました、アロンダイト、参ります。

 

 

そう聞こえた瞬間に僕の頭は棒で叩かれていた。

 

 

いったーーーい!!

 

一応手加減はしたのですが、、、

 

たんこぶになってそうだよ、、、

 

はい、使って下さい

 

うん、ありがと

 

 

アロンダイトに貰ったハンカチを水で冷やして叩かれた所を冷やしていた。

 

 

やっぱり強かったよ

 

見ぬほど知らずを通り越して愚かなのですが

 

そんな事言わないでよ

 

いえ、事実です、もう一度試合私と試合をしようとした理由をお尋ねします、なぜ私と試合をしようとしたのですか?

 

理由なんてないよ、ただの思い付きだよ

 

本当に愚かですね

 

傷つくからあんまり言わないでよ、、、

 

 

ヘコむ僕に対して少しだけアロンダイトが楽しそうな気がした。それだけでもこの頭に痛みを受けた価値がある気がした。

 

 

それよりアロンダイトさんのダイエットの成果を見せてよ

 

分かりました。少しだけお待ち下さい

 

 

そう言って剣を構えて木の下に立った。そして目を瞑りマサムネにも負けない程に精神を研ぎ澄ませていた。

 

 

そこにひとひらの葉が舞い落ちてゆく。ふわりふわりと風に吹かれながらゆっくりと。

 

 

これが私のダイエットの成果です

 

えぇっと?何もしてなかったよね?

 

これを見て下さい

 

 

そう言ってアロンダイトが手に取ったのは先程落ちてきた葉っぱだった。それを見て僕は目を丸くした。

 

 

えっ、、凄っ!

 

 

その葉は葉脈のみとなっていた。ずっと見ていたのだがいつ動いた、いつ剣を振るったのか分からない程のスピードで葉のみを切ったという事なのだ。

 

 

少しでも体重が増えると僅かですが剣先が鈍ります。今のこの体重が私のベストウエイトなのです

 

へぇぇぇぇーーー

 

 

感心しすぎてへぇーとしか言えない僕に何とも言えない視線を向けてくれた。語尾力が無いのは認めるんだけどさ。

 

 

凄く凄いものを見せてもらったよ!

 

いえ、騎士として当たり前の事です

 

じゃあお礼に晩御飯をご馳走させて下さい

 

…先程の私の話を聞いていたのですか?

 

うん、もちろん聞いていたよ、でもあれだけの事をすればお腹空くでしょ?

 

まぁ、、、否定はできませんね

 

じゃあ決まりね、よろしくお願いします

 

こちらこそよろしくお願いします

 

 

それから鍛錬を一緒にしたりアロンダイトの剣を持たせてもらったりと楽しい時間を過ごしていたら気付けば日が落ちかけていた。

 

 

そろそろご飯食べに行こうか

 

そうですね、まだ少し時間が早いので夜の鍛錬もできそうですし

 

あれだけ鍛錬してまだするんだね…

 

はい、私は騎士なので、それに食べた分動かなくては太ってしまいます

 

その心意気は立派だよ

 

 

そんな話をしながら湖を出て森を歩き街までやって来た。それでも歩みを進め目指すのはレーヴァテインに教えてもらった洋食屋だ。

 

 

このお店は…

 

知っているの?

 

はい、このお店を知らないキル姫は居ないと言っても過言ではありません

 

そんなに有名なんだね

 

 

だから潰れずに残っているのか。失礼だが僕のささやかな疑問が解消されていた。

 

 

カランコロンと鈴の音を聞きながら入店しそのまま一番奥の席へと座った。

 

 

アロンダイトさんは良く来るの?

 

私はあまり、でもこのお店が嫌いって訳ではありませんよ

 

なら良かったよ、好きなのを頼んでね

 

分かりました

 

 

そう言って古ぼけたメニューを手渡し以前見つけたレーヴァテインとおじさんの写真を見ていた。あのレーヴァテインがあんなに優しい笑顔を浮かべる程二人は通じ合い長い時を共に旅をしていたのだろう。そう思うだけで僕も頑張ろうって気になれる。

 

 

決まりました

 

はい

 

 

メニューを受け取り目を通して食べたい物を決めおじさんを呼ぼうとしていた。

 

 

メニューが決まったのなら私に教えて下さい

 

えっと、僕はオムライスだよ

 

分かりました

 

 

そう言うと席を立ち厨房に居るおじさんの元へ歩いて行きメニューを伝えていた。あの事を気遣ってなのだろうか?それを見ているとお冷やを二つ持って席へと戻ってきた。

 

 

はい

 

ごめんね、ありがと

 

いえ、当然の事をしたまでです

 

 

そう言って視線をあの写真へと向けていた。

 

 

あの二人ってそんなに仲が良かったの?

 

そうですね、この大陸であの二人の事を知らない奏官、キル姫は居ません、それにあの事件の事も

 

事件?

 

いえ、今の言葉は忘れて下さい

 

…分かったよ

 

 

凄く気になる事を言われたがその疑問は忘れる事に。誰にだって知られたくない過去が一つや二つあっても不思議じゃないし。

 

 

少しのんびりとしているとカウンターに料理が並べられた。それを二人で取りに行き二人同時に手を合わせいただく事に。

 

 

アロンダイトさんもサラダ以外食べるんだね

 

私だってこうして好きな物を食べる時ぐらいあります

 

 

アロンダイトが頼んだのは僕と同じオムライスだった。スプーンで一口サイズに切り分けそれをすくい口に運ぶと美味しそうな顔をしていた。

 

 

その顔を見ているだけでどこか安心している自分がいた。

 

 

私の顔に何かついているのですか?

 

そんな事ないよ、なんか見惚れちゃうんだよね

 

はぁ、、、食事中ですよ

 

うん、ごめんね

 

 

なるべくアロンダイトを見ないようにオムライスを食べる事に。同じくスプーンで一口サイズに切り分けそれを口へと運んでいた。その時に視線に気が付いた。

 

 

……どうしたの?アロンダイトさん

 

いえ、なんでもありません

 

不義な目線を感じたよ?

 

私のセリフの真似をするのはやめてください

 

 

そう言って二人で笑い合い楽しい夕ご飯を食べる事ができた。最後に食後のコーヒーを頂いてお店を出る事に。

 

 

今日はありがとうございました、思っていたより充実した時間を過ごす事ができました

 

そう言って貰えて嬉しいよ、今から鍛錬をするの?

 

そうですね、日が変わるまでは

 

あんまり無理はしないでね、休むのも鍛錬だよ

 

分かっています、では、私はこれで失礼します

 

うん、ありがとね

 

 

アロンダイトと教会の前で分かれる事に。夜道を歩いてゆくアロンダイトを見えなくなるまで見送ってから部屋に帰る事に。

 

 

ただいまー

 

 

返事が返ってくる事はないのに挨拶をしながら部屋の中へ。すぐにシャワーを浴びてパジャマに着替えて机に向かう事に。

 

 

明日はグラムというキル姫の様だ。少し下調べをしてからベッドに潜り込む事に。

 

 

いたたたたっ

 

 

頭にできているたんこぶを一撫でしてから眠りにつく事に。

 

 

おやすみなさい

 

 

 

 

 

 

 

二五八四!二五八五!二五八六!

 

 

私は教会から少し離れた広場で素振りをしていた。ダイエットの為じゃない、少しでも強くなるために。

 

 

二六〇二!二六〇三!

 

 

あの少年は奏官を目指していると聞いていた、もしかしたら私と共鳴するのかもしれない。ならばその時は私が命に代えても御守りする義務がある。その時の為に少しでも今よりも強くなっていよう。

 

 

二六五八!二六五九!

 

 

流せる汗も気にせずただひたすらに剣を振るうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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