HUGっと!プリキュア 鬼人の夢想曲   作:水無月 双葉(失語症)

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第4話 星朧
新しい生活に


 はぐたんにミルクをあげているとハリーと木野さんが色々な小物を棚に並べていた。

 

「何しているの?」

 

「こっちで暮らす為にも店でも開こうと思って」

 

「お店?」

 

 会話しながらもハリーの作業は止まらないけど何でネズミでやってるの、何で木野さんも突っ込まないの? 

 

「せや、ヘアメイク、ファッションその他色々女子の憧れが全て詰まったショップ! その名もビューティー・ハリーや!」

 

「それいい! 私もカリスマ店員になる!」

 

 ハリーの話を聞いて夢がどんどん広がる。

 

「いや、お前はやる事あるやろ、残りのプリキュア捜しや」

 

「無理に探さなくても勝手に現れると思うけどな、俺はまだ誘うのは反対なんだぞ、はなも良く考えろよ誘うって事は戦う事、それもちゃんと話をして誘えよ、間違っても格好良いとか表面的な話で誤魔化すなよ」

 

 木野さんが在庫を数えながらこちらも見ずに話す姿にちょっとムッとなる。

 

「分かってるもん、イーッだ」

 

 私が不満そうに口を開くと木野さんは私をちょっと見てクスリと笑ってまた作業に戻る、木野さんの余裕のある態度が面白くない。

 

「そう言えば木野さんってどこに住んでるの? はぐぐみ町?」

 

「ん、そうだよ。今は街のビジネスホテル、でも、戦いが長期化しそうだからどっかに家借りないとだな」

 

「なら木野、一緒に住まへんか? 店の手伝いしてくれたら家賃はいらへんで、どや?」

 

 箱の中から顔だけ出して木野さんを誘うハリーの姿が餌をねだっているみたいでちょっと面白い。

 

 木野さんは持っていたペンのお尻をおでこに当てながら考える。

 

「そうだなあ……はぐたんの面倒もあるし、はなとさあやが手伝ってくれてるけど学業優先だしな」

 

「プリキュアもね!」

 

 宙を見つめながら呟く木野さんに思いっきり突っ込むと驚いたように私を見て来たのでちょっと満足。

 

「じゃあハリー悪いけど世話になるよ、はぐたんもよろしくね」

 

 木野さんははぐたんに手を振りながら笑いかけるとはぐたんは笑い声をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はなちゃんに私とハリー、そして木野さんの4人ではぐたんの散歩を兼ねた買い出しの最中にはなちゃんがポツリと呟く。

 

「ほまれさん、プリキュア似合うと思うんだけど……」

 

 その言葉に私と木野さんが同時に溜め息を吐く。

 

「あれ? 木野さんは知ってたけど、さあやちゃんも反対なの?」

 

「そうじゃないけど……プリキュアって誘われてなる様なものなのかなって……」

 

 

 

 

 

「────薬師寺さん、いや、さあや! 決めるのはお前自身だ!」

 

 

 

 

 

 

 私がキュアアンジュになった時の事を思い出す、私は何を決めたんだろう、状況に流された訳では無いとは思う。

 

 

 

 

 

 

「エール! お前は何のために戦う! 何を成し遂げるために戦うんだ!」

 

「私は絶対に未来を、はぐたんを守る!」

 

 

 

 

 

「…………いやはぐたんだけじゃない、はなにもさあやにもハリーにも未来をプレゼントして見せる、光り輝く未来を切り開く力となろう」

 

 

 

 

 

 はなちゃんははぐたんの為に、木野さんは私達皆の為に戦うって言ってくれた、木野さんって一体何者なの? 一度ちゃんと話が聞きたい特に鬼について……うん、鬼……鬼……フフ楽しみ。

 

 思考の海を漂って色々と考えていると、何故が自動ドアの開く音が大きく聞こえ私を現実に引き戻す。

 

「行こう、モグモグ」

 

 聞き覚えのある声に振り向くと犬のリードを持って茫然としている輝木さんが立っていました。

 

「にょほほー、輝木ほまれさん!」

 

 いきなり変な声をあげたはなちゃんの心配をしながら輝木さんを見る。

 

「何でこんなとこに……」

 

 所在なさそうに呟いた輝木さんにはぐたんが声をあげると途端に表情が崩れる。

 

「きゃ、きゃわたん……」

 

 はぐたんにデレデレになっている輝木さんに私達は皆笑顔を浮かべた。

 

 輝木さんにはぐたんを抱っこして貰い、皆でのんびり散歩していると私の肩を軽く叩く感触に後ろを振り向くと木野さんが少し眉を寄せながら私を小さく手招きする。

 

 私は側に寄ると木野さんが私の耳に口を寄せて小さな声で話しかてくる。

 

「輝木さんって足を怪我した事あるか?」

 

 木野さんの意外な質問に思わず顔の方を振り向くと目の前に木野さんの顔があって私は恥ずかしくなって勢いよく顔を元の位置に戻す。

 

「微妙に庇っているんだよね……でも、あの足の運びは多分治っている…………」

 

 木野さんの呟きに私は顎に指を添えて考える。

 

「木野さん、後で調べてみます……」

 

「すまない、頼む」

 

 一言私に囁き木野さんが離れる、木野さんの気配が遠ざかると何となく胸がざわめく、私はその感情を持て余しながら、楽しそうに犬と歩くはなちゃんを眺めていた。

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