HUGっと!プリキュア 鬼人の夢想曲   作:水無月 双葉(失語症)

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ディスクアニマル

 ボンッと言う音と共に木野さんの居た場所に小さな土煙が起きると、何かがぶつかり合う音が私達の後ろから聞こえた。

 

「何の用だ!」

 

 木野さんの鋭い声に私達は慌てて声の方を見るとクライアス社の男と木野さんが腕をぶつけ合い互いに一歩も引かない体制に成っていた。

 

「別にお前らにはまだ用事はねーよ、俺ちゃんが用事があるのは、輝木ほまれちゃん、君だ」

 

「この状況でやらせると思っているのか」

 

 木野さんが更に押して行くとクライアス社の男はいやらしい笑いを見せる。

 

「お前が俺ちゃんに攻撃してくるのはお見通しさぁ、こっちには優秀なバイトちゃんがいるからなぁ」

 

「バイトだと……?」

 

 木野さんの言葉にクライアス社の男は何も答えずにいやらしい笑いを浮かべていた。

 

 ほまれちゃんの胴体に紫色のリングが現れ拘束すると空中に浮かびあがる。

 

「お前には関係ねーよっと、輝木ほまれちゃんはありがたく貰って行くから」

 

 言葉と同時にほまれちゃんもクライアス社の男も消えてしまう。

 

「ほまれちゃん!」

 

「みんな待て!」

 

 何処に消えたか分らないけど捜さないと、走り出そうとした瞬間に木野さんに引き留められる。

 

「早くほまれさんを探さないと!」

 

 さあやちゃんが木野さんに詰め寄る、木野さんは腰から銀色の円盤を何枚か取り出す。

 

「捜す為にも少し待て、手数を増やす」

 

 木野さんは何時も変身で使っている音叉と開くと円盤を弾く、すると円盤に色が付いて変形していく。

 

「茜鷹! 瑠璃狼! 緑大猿! 黄蘗蟹! 鈍色蛇! 輝木さんの捜索だ、見つけたら俺達に連絡しろ! 行け!」

 

 呆然とする私達を置いて鷹が空を翔け、狼と蟹と蛇が大地を走り、猿が木から木に跳び移って行く。

 

「木野さんアレって何?」

 

「説明は後、ディスクアニマル達が見つけてくれれば俺達に連絡が来る、これでバラバラに探せるだろう」

 

 木野さんの言葉に顔を見合わせた私達は四方へとほまれちゃんを捜す為に分かれて走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 公園で恥ずかしいけれど少し幸せな時間に浸っていた私はいきなり現れた軽薄そうな男にさらわれ、次に気が付いた時には私は建物の縁に立っており、下から吹き上げて来る風に恐怖心が煽られていた。

 

「そこからここまでジャンプしてみればぁ? やっぱり無理? だよねえ君は一度だけの失敗と思っているかも知れないけれど、身長が伸びてから一度もジャンプに成功して無い」

 

 男の言葉が胸に突き刺さる、皆が分かっていても私に言わなかった事、言えなかった事、高さや煽って来る風よりも男の言葉が怖い。

 

「それが、真実でしょう……」

 

 男の言葉が黒い水の様に私に入り込んで来て私の心を蝕んでいく。

 

「私はもう跳べない……それが……真実……」

 

「そう、もう二度と輝けない、お前に未来は無いんじゃん」

 

 私に……未来は無い……それが、真実……胸が……痛い…………

 

 たすけて

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