HUGっと!プリキュア 鬼人の夢想曲   作:水無月 双葉(失語症)

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第2話 守護天使
八雲とはぐたん


「「格好良かったよね~」」

 

 教壇の上の花瓶に花を生けている時に耳に入った楽しそうな声に思わず振り向いてしまう。

 

 男女4人が昨日の怪物の話で盛り上がっていた。

 

「元気のプリキュア、キュアエール」

 

「あと鬼姫の使者、獣鬼」

 

「「どっちも、素敵だった~」」

 

「本当? ありがとう、あ……えっと、ありがとうって私も言いたいあのプリキュアさんと使者さんに」

 

「謎の怪物から皆を助けたんだもん」

 

「最高にイケてるよ」

 

 クラスメイトの会話、何気ない会話、でも私の心は少しざわめいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後急いではぐたんの所に向かう、ネズミに指定されたのは小さな池のある広場。

 

「はぐたんおまたせ~」

 

 優しくはぐたんを抱きしめる、柔らかい感触と温かな体温、自然と笑顔になる。

 

「ここは?」

 

「ここはな、俺らの家や!」

 

 何言ってるんだろうこのネズミ、池を覗き込むと水面に映る私とはぐたん水面に映るはぐたんも可愛い、ネズミがケースを空けながらやたらと自慢げにしている。

 

「はな、ミライクリスタルだし」

 

「ネズミなのに偉そー」

 

「ネズミちゃう言うてるやろ、ハリハムハリーや」

 

 ケースの中からミニチュアの家を放り出しながら訂正してくるけど、ネズミだよね。

 

 手に持っていたミライクリスタルがいきなり光り出すとミニチュアの家は池の畔に植わっていた大樹の根元で大きくなる。

 

「えええ!」

 

「ハッハッハ、ミライクリスタルがあったらこんな事も出来るんや」

 

 いまだに光を放つクリスタルを見つめる。

 

「凄い……」

 

「驚くのはまだ早いで! ハリー! イケメーン・チェーンジ!」

 

 ハリーが煙に包まれると赤毛の青年に変わっていた。

 

「えええええ!」

 

「どやっ」

 

「なんか驚きつかれた」

 

 私達のやり取りに驚いたのかはぐたんが愚図り出し大泣きを始める。

 

「え、何々」

 

「コレはオムツやな、早ようあの中に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オムツを替えるとはぐたんは途端にご機嫌になって笑い出す、その笑顔にホッと一息をつく。

 

「ねえ、ハリー質問。あの怪物は何なの?」

 

 ハリーがテーブルに腰を掛けて辛そうに話し出す。

 

「あれはオシマイダー、クライアス社の生み出した化け物や、俺らの世界を滅茶苦茶にした悪者や、奴らはミライクリスタルと狙っとる、みんなの元気パワー、明日への希望のパワーがアスパワワその結晶がミライクリスタルや、それが奪われたら世界から未来が無くなる……」

 

「未来が無くなる……ってどういう事?」

 

 ハリーの説明が上手く理解できない、未来って無くなるのどう言う事分からないよ。

 

「時間が止まる、静寂の世界、喜びも悲しみも何もない無の世界……で、良いのかな?」

 

 入口からいきなり掛けられた声に私とハリーは慌てて顔を向けるとそこには1人の男性が立っていた。

 

「誰……?」

 

「何者や! おまえ」

 

 青銀色の髪と銀色の瞳の男性、ハリーと同じぐらいのその人は、優しく笑っていた。

 

「忘れたかい? 野乃はなさん。いやキュアエール、昨日一緒に戦っただろう」

 

「あっ、昨日の使者さん?」

 

 ハリーが険しい顔で使者さんを睨みつける。

 

「……ああ、お前あのネズミもどきか」

 

「ネズミちゃう、ハリハムハリーや」

 

 使者さんは小さく「そうか」と言うと簡単に受け入れる、なんか凄い。

 

「まあええ、何しに来たんや」

 

 ハリーの問い掛けに使者さんは私を指さす。

 

「ええ? 私?」

 

「違う、その子に、はぐたんに呼ばれた」

 

「「はあ?」」

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