HUGっと!プリキュア 鬼人の夢想曲   作:水無月 双葉(失語症)

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エールとさあやと獣鬼

「私と……」

 

 言いかけた瞬間地面が大きく揺れた、でも、明らかに地震じゃない、慌てて外を見ると直ぐ近くで土煙が舞っていてただ事じゃないのが分かる。

 

 私と木野さんは直ぐに現場に向かって走り出したけど、さあやちゃんまで着いて来てしまった。

 

 暴れているクレーンみたいなロボット、その姿に一瞬息を飲む。

 

 大泣きし出すはぐたんにハリーは私の上から焦った声を出す。

 

「あかん、アスパワワがドンドン無くなっとる」

 

「え、ねず、しゃべっ……」

 

 しゃべるハリーにさあやちゃんが驚いているけど今はそれどこじゃない。

 

「はな!」

 

「うん、はぐたんは私が守る」 

 

 ハリーの呼びかけに即答をする。

 

「ダメ、危ないよ!」

 

 さあやちゃんが私を心配して引き止めてくれる、私はさあやちゃんを安心させる為に正直に話す事にする。

 

「さあやちゃん、私プリキュアなんだ!」

 

 振り向いて精一杯の笑顔を見せる、驚くさあやちゃんに頷くと私はプリハートを取りだした。

 

「ミライクリスタル! ハート・きらっと!」

 

「は~ぎゅ~・ぎゅ~・ぎゅ~」

 

「輝く未来を抱きしめて! みんなを応援! 元気のプリキュア!」

 

「キュアエール!」

 

 私はキュアエールに変身するとオシマイダーに向かって走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目の前で信じられない事が起きました、野乃はなさんがプリキュアでみんなを守っていた事。

 

 いきなり現れたクレーンのお化けに野乃さんは向かって行ってしまった、みんなの為に? はぐたんの為に? やっぱり彼女は凄い、私なんかとは違う私は……

 

 はぐたんが私の服を強く握って来る、温かい体温が私に伝わってくる守りたい小さな命……

 

「真っ直ぐだな、はなは……」

 

 隣に立っていた男性、名前はたしか木野八雲さん、木野さんは野乃さんとは知り合いみたい、どうしてそんなに落ち着いているの? 

 

「最初はアレぐらいでも良いか……」

 

 木野さんが呟くと腰に付けていたケースから不思議な物を取り出して開くとそれはまるで音叉だった。

 

 その音叉を見てはぐたんが手を伸ばそうとするのを引き止めていると木野さんがこちらを見てはぐたんに笑いかける。

 

「大丈夫だよはぐたん、直ぐに行くから」

 

 優しく問いかける木野さんは私に笑いかけてくる。

 

「薬師寺さん、はぐたんをお願いね」

 

「はい、任せて下さい」

 

 物凄く優し笑顔、安心させてくれそうな笑顔、今の私に出来ることははぐたんを守る事、でも、どんなことでも助けてあげたい。

 

 木野さんがはぐたんの目の前に音叉を差し出すとはぐたんは嬉しそうに音叉を小さな手で叩いた、美しい音が澄み渡る。

 

「はぐたん、はなを、エールを助けてくる、待っていて」

 

 木野さんは音叉をゆっくりと額に持って行きながら歩き出す、紫色の炎に包まれる木野さんに思わず声を上げた。

 

「木野さん! 早く火を消さないと!」

 

 私の声は届いていないみたいで炎に包まれながら悠然と歩いて行く、次に瞬間木野さんが腕を振るうと炎は散っていき木野さんも変身していた。

 

「鬼姫の使者、音撃戦鬼、獣鬼」

 

 小さいが力強いその声に、そしてその姿に私は息を飲んだ。

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