シャーマンキング BASARAを宿す者 (1時凍結解除) 作:タイキック新
「やっべぇな、巫力が切れたらどーしようも……」
「ウォァァァァ!!!」
巫力切れにより憑依合体の解けた光の腹に、李白竜の強烈な膝蹴りが炸裂し、光は大きく後ろへ吹き飛んだ。
「げほっ!くそっ……モロに入った」
『無事か!?光!』
追い詰められる葉と光を見て、まん太はどうにかしようと必死に考え、それでも何も思いつかないまん太は、アンナに助けを求める。
「ねぇアンナさん、イタコ技で何とか助けらんないの!?」
だが、アンナの口からは冷たい言葉が飛び出してくる。
「アタシ、放っから助ける気なんかないわよ」
「えぇ」
「だって、これは葉がシャーマンキングになるための試練、この程度の相手に負けてるようじゃ、そんなのなれやしない。双葉だって光にも同じ事をいうでしょうね」
追い詰められる葉の背後に、阿弥陀丸が現れ悔しそうに表情を歪める。
『申し訳ない葉殿、せめて刀らしい刀があればっ!』
そして、光も痛む体を抑え、悔しそうに立ち上がり白竜を見やっていた。
「くそっ、せめてあと5分巫力がもててりゃな」
『無い物ねだりしても始まらねぇぞ光、何か別の勝機を探すしか』
「ふん、自分の腕の未熟さを刀と巫力のせいにするとは、情けないわね」
道潤が、札をとり葉に向けたところで、まん太がとうとう怯え始める。
「あの人、ほんとに殺すつもりだ……うわぁぁぁぁ!!」
まん太は悲鳴を上げて、葉達に背を向けて走り出した。
「まん太……」
「くっ……」
光は痛む体を抑え、座り込む葉を庇うように道潤の前に立った。
「何のつもり?」
「光、お前何を」
「刀らしい刀がいるんだろ?探して来いよ。その間の時間くらい稼いでやるさ」
『いかん!光殿!お主もかなりの深手でござろう!』
光はゆっくりと拳を握り、目の前で構えて李白竜に拳を向ける。
「政宗、喧嘩のやり方って、分かるよな?」
『あぁ、最後に喧嘩にまで持ち込んだのは何百年前だったかな、だが、喧嘩で負けるほどeasyな人生は送ってねぇ』
「つーわけだ、さっさと刀探して来い!いくら政宗がいるったって憑依合体なんかとっくに解けてんだ。そう長くはもたねぇからな」
「わかった。行くぞ阿弥陀丸」
光の決意を目の当たりにした葉は、すぐさま立ち上がり、まん太が走って行った方と同じ方向へ走り出した。
「必ず戻るから!それまで死ぬんじゃねぇぞ!」
「誰に言ってんだよ」
「簡単に逃がすわけないでしょ。白竜!その子供をさっさと倒して、もう1人、麻倉葉も殺すのよ!」
「ウォァァァァ!!」
パイロンの拳が、光に向かってくる。
『やつの拳に手をつけてJumpしな!』
「!」
政宗の指示を聞いた光は、咄嗟だがしっかりと反応し、白竜の拳を跳び箱を飛ぶように回避した。
『そのままkick!』
「シッ!」
空中で体制を変えながら腰を捻り、白竜の顔目掛けて蹴りを繰り出し、後ろへと飛んで距離をとった。
「効いてねぇ?」
『powerが足りねぇぞ、光、そもそも体重が軽すぎる』
「咄嗟にやったんだからあんなもんだろ……けど、何とか時間稼ぎくらいにはなりそうだ」
光が、必死に白竜と戦う中、葉は刀らしい武器を探して走り回っていた。
「刀、刀、何かねぇのか!!それらしい武器!!」
『!葉殿!あれを!』
「!」
そこには、まん太が木刀を持った竜達に何とか刀を借りようと必死に懇願している光景が映っていた。
「まん太ぁ!」
「!葉くん!」
政宗の指示を聞いて何とか凌いでいた光も、巫力も体力も底をついてものの数分で李白竜に圧倒されてしまっていた。
「ホワァァァッ!」
「ぐぼぁっ」
「困った子だわ。わざわざ殺されたがるなんて」
「ハァ、ハァ、べっつに……殺されてぇわけじゃねぇさ。ここで諦めると、オレを信じてここにいてくれる政宗にも、この場を託してくれた葉にも、顔向けできねぇんだよ」
「この後に及んで命より友情とは、一体友情がなんの役にたつと言うの?」
「例えば」
「!」
「オメーらをここから追っ払う事とかさ!」
潤と光が上を見上げると、木刀を振りかぶった葉が頭上から李白竜の頭目掛けて振り下ろしていた。
「よ……葉!」
「待たせたな、光」
ボロボロで座り込む光を見て、葉は笑顔で声をかける。
「待たせて悪かったな、ここからはオイラに任せとけ」
「フッ、だぁー!もぉ動けねぇー!」
その場で仰向けに倒れる光は、夜空を見上げながら、葉に一言だけ告げた。
「あとは頼んだぞ、兄ちゃん」
もう1作の方書いてた時思ったんですよね。「あ、再開するタイミング間違えたな」って、なのでこちらはどうなのか、ある意味検証です