シャーマンキング BASARAを宿す者 (1時凍結解除) 作:タイキック新
不安…
「んん!!青い空、白い雲、緑の匂い、やっぱ自然は気持ちいいわ」
「自然ねぇ…」
葉、光、まん太の三人は昼間からいつもの墓地で呑気に過ごしていた。
「…これが自然だって…?」
他の幽霊が楽しそうにガヤつく中、葉の台詞にまん太は疑問を感じる。
「どう見てもこれは!不自然な光景だろーっ!!」
「まぁ、一般の人から見たらそうだよね」
「いい加減慣れろよまん太、だから常に霊と共にある者、それがシャーマンなんだぞ」
「常に霊と共にある者…でもその君たちが、なんで東京に修行なんかに!?」
「まぁ、修行っつうよりは仲間集めだな」
「主に葉の…だけど」
「仲間集め!?」
「あぁ」
葉はむくりと起き上がり、葉と光はまん太に説明する。
「お前だって見ただろ?シャーマンの格はそのほとんどが自分に協力してくれる霊の強さによって決まるんよ」
「強さって言っても力に限ったことじゃなくてな、知能・技能・あらゆるものに優れた霊を味方につけてればつけてるほど、いろんな時に役に立つし、一人前のシャーマンとして認められるんだよ」
「じゃあ光くんは武将の霊を味方につけてるし、もう一人前なんじゃあ…?」
光は、ケラケラと笑って答える。
「ないない、オレなんかまだまだだよ、政宗の力だってまだまだ引き出しきれてないしね、政宗と友達になってから努力はしてきてるけど、政宗の力は底無しだからなぁオレの実力不足を毎度思い知らされるよ。この力を完璧に引き出せるようになってようやく半人前だとオレは思ってるよ」
「い…意外と謙虚なんだね」
「じゃあ、二人とも一人前のシャーマンになるために、二人で上京を?」
葉は立ち上がり、墓地の坂の上から東京を見渡す。
「おう、だが集めがいはあるぞ~なんつっても東京にはわんさかといるからな、いろんな思いをこの世に残していまだに死にきれないでいる、強者の霊達が…!!」
『オレも麻倉葉の仲間にするGhostってのは気になるな』
光の懐に入っている位牌から、政宗が出てくる。
「政宗?」
『これだけの霊がいる中でこのオレを選んだ麻倉光の兄貴だ、どんな強ぇGhostを味方につけるか楽しみじゃねぇか』
「おう!楽しみにしとけ、にしし」
(な…なんかスゴいボンヤリしてるようで葉くんって実は…)
「というわけで、仲間になってよ阿弥陀丸」
葉は躊躇いなく、阿弥陀丸を仲間に誘う。
「いきなりかー!!」
「阿弥陀丸か…確かに強かったな」
『おもしれぇじゃねぇか、オレもアンタと一度勝負してみたかったんだ。侍ってのがどらくらい強ぇのか見てみてぇしな』
阿弥陀丸は意外そうな顔で、葉を見る。
『拙者を仲間に…!?』
「いやーこないだの剣術は凄かったからな、お前なら」
『断る』
「「『!』」」
『こないだは拙者とお主の意志がたまたま一致しただけの事、それなくしてお主に協力する筋合いはない拙者ここを離れるつもりは毛頭ないのでな』
阿弥陀丸は葉達を睨み付けると、また黙り込んでしまう。
「ひっ」
「おおー、随分とお堅い意志だなぁ」
「えーいいじゃないか、そんなケチくさい事言わなくたって」
「よっ…葉くん!ちょっとこっちおいで!!」
「おっ?」
まん太は葉を引っ張って、どこかに行ってしまった。
「おぉー、行っちまった…」
『お主らは行かなくていいでござるか?』
「あぁー、いいのいいの、別に大した事じゃねーだろうし」
『なぁ、アンタ』
『?』
政宗が、阿弥陀丸に仲間にならない理由を問う。
『なぜ仲間になることをそこまで頑なに拒む?何か理由でもあるんじゃねぇのか?』
『親友との…約束があるのでござるよ』
「約束?」
光が首を横に傾げると、阿弥陀丸は約束について説明してくれた。
茂助の事について、その約束を果たすために自分はこの墓地で待ち続けていることを…
「そうか…」
光は立ち上がり、帰る支度をする。
「帰ろうぜ政宗」
『?あぁ』
『そうしてくれると助かる。もう拙者を仲間に誘わない方がいいでござるよ』
光は顎に手を当てて、返答を考える。
「うーん、オレは政宗がいるし、仲間になれなんてしつこく言うつもりはねーけど、葉の事だしなぁ…あっ!でもアンタに一つだけアドバイスしてやるよ」
『アドバイス?』
阿弥陀丸に笑いかけならがら、光は話しをする。
「ああ見えて葉のヤツは諦めが悪いからよ、せいぜい気を付けてな」
『葉殿が…』
「ってなわけで、オレは帰るわ、行くぞ政宗」
光は阿弥陀丸に手を振って、墓場を後にする。
その帰り、光と政宗は阿弥陀丸について話し合っていた。
『いいのか?麻倉光、あの侍をあのままにしておいて』
「いいも何も、これはオレたちが介入しちゃいけねぇ気がするからな、それに、葉は絶対に阿弥陀丸を持ち霊にする…そんな気がするんだ」
『HA!なかなかお互いがわかる兄弟なんじゃねぇか』
「まぁな、だから今回はオレは介入しねぇ」
翌日、葉は朝早くから家を出ていき、光はその光景を見送った。
「さぁーて、介入しねぇと言った矢先、手を貸すわけにはいかねぇからな、オレたちもどこかに出掛けるか、政宗」
『OK ちょうどBoring*1してたところだ。どこにでも付き合ってやるよ』
葉が出掛けた数分後、光も朝食を終えて、外に出掛ける。
「さぁーてどこに行こうかなぁ」
『決めてなかったのか』
「言っただろ?どこかに出掛けるって、とりあえず街に出るか」
光は街に出ると、フラフラと歩き回っていた。
「いやぁ、食った食った、東京の飯はウメェのなんのって」
『アンタ…さっきから食ってばっかじゃねぇか』
「そうだっけ?まぁ、まだ時間もあるし、付き合ってくれよな、政宗。お前も退屈してたんだろ?」
『Huh……まあな。アンタの食い倒れツアーに付き合うのは悪かねぇが、そろそろ骨のある奴と出会いたいもんだ』
光と政宗が話しながら歩いていると、目の前から1人の少年が走ってくる。
「どいたどいたどいたぁー!」
「へっ?」
ゴン!!
「ぶはっ!」
光は、走ってくる男に気づくのが遅れ、少年が担いでいた包帯を巻いた長い棒のような物にぶつかってしまう。
「おっと!ごめんよぉ!」
「っつぅー」
「…んのヤロォ」
光は怒ってぶつかった少年を追いかける。
「政宗!行くぞ!」
『行くぞって…アンタ…ちょっ!?』
光は懐の位牌に政宗を仕舞い込むと、走って先程の少年を追いかける。
「まてこらぁ~!」
街中から少し離れたところにて、先程の男は木の下で眠っていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「んあ?」
ようやく光が追い付き、少年を覗き込むと、少年もそれに気がつき目を覚ます。
「アンタは…」
「テメェ…さっきはよくもぶつかってくれたな」
「あぁー!アンタさっきの!いやぁ悪かった、あん時はちょっと急いでてさ」
「だからってぶつかっといて、あれはねぇだろうが!」
「お?なんだい?喧嘩かい?ならこっちも遠慮しないぜ」
少年は拳を構えて、戦闘体制になる。
「このヤロォへらへらしやがって」
『ちょっと待ちな、麻倉光』
拳を構える光に、待ったをかける政宗、その行為に光は更にイラつき出す。
『その派手な傾きっぷり、見覚えがあるぜ……』
「どこかって…昔の人間と今の人間がどうやって会うんだよ…」
「あ?…あーーーー!」
少年は政宗を指差して大声で叫ぶ。
「アンタ!独眼竜かい!?」
「へ?知ってる…つーか見えんの!?」
『見えてるってことはやっぱりこいつはオレを知ってるGhostって訳か』
「霊って、いやでも実体あるじゃねぇか」
少年は、政宗に顔を近付けると嬉しそうにする。
「いやぁ!懐かしいねぇ!オレが死んじまってから知り合いに会うことなんてもうないと思ってたから、アンタに会えて嬉しいよ!」
光は不思議そうな顔で、少年に名前を訪ねる。
「一応聞くけど…お前名前は?」
「オレは前田慶次!しがない遊び人さ!」
『やっぱりか、アンタ前田の家の』
「その身体は?」
「あぁ、この身体は気がついたら入り込んじまってね、抜け出せそうにもないけど、せっかく久方ぶりに生身の身体を手に入れたから、どうせならこの身体に入ってる間に好きに遊ばせてもらおうと思ったって訳さ」
「成る程、おそらく、その身体の持ち主が寝てたか何かで意識が薄れているうちに、無意識に入り込んじまったってことか」
慶次は物珍しそうに、光の言葉を聞く。
「へぇー詳しいねアンタ」
「オレはシャーマンだからな」
「シャーマン?」
「あの世とこの世を結ぶもの…っつってもわからんか」
「まぁなんでもいいさ!それより独眼竜!せっかく会えたんだ!今夜はパァーっといこうや!」
「呑気なヤツだなぁ」
『昔からこーゆうhappyなヤツだ』
「ふーん」
慶次がケラケラと笑っていると、いきなり様子が変わる。
「ん?んあ…な…なにこれ!どこここ!」
「?」
「あ…あああアンタ誰!?僕をどうする気?」
『オイ、麻倉光 コイツはどうしたんだ?』
(おそらく、身体の持ち主が目を覚ましたんだ)
男の後ろから、慶次の霊体が現れる。
『お?出られた』
「え?…え!?なに!?」
慌てふためく男に光は、落ち着かせるために話しかける。
「まぁ、落ち着きなよ、事情は今から話してあげるから」
「う…うん…」
その後、光は事情を一通り話して、少年はようやく落ち着きを取り戻した。
「はぇ~、まさか僕が幽霊にとり憑かれていたなんて…」
「意外とアッサリ受け入れるんだな…」
「まぁ、実際に体験しちゃったし…何より見えてるからね、驚いてはいるさ…でも、実感があまりわいていないだけだよ」
「そうか」
『悪かった!アンタの身体に入り込んじまって』
「いや、いいよ。それより、君は今後どうするの?」
『そうだなぁ…また幽霊になっちまったし、風来坊に戻るだけかな』
「そっか…」
少年は慶次の顔を見て、口を開く
「ねぇ、よかったらもう少し僕の身体を使ってみない?」
『お! 嬉しいこと言ってくれるねぇ、坊主!良いのかい?』
「うん…こうして会えたのも何かの縁かなって思うし、君、あまり悪い人には思えないから」
慶次は飛び上がって喜ぶ。
『そーゆう事ならよろしく頼むよ!オレは前田慶次!よろしく』
「うん、僕は安田福よろしくね」
「ちょちょちょっちょっと待って!」
光は慌てて二人を止める。
「?何?」
「シャーマンでもない人間が霊と一体になるなんて負担が大きすぎる!オススメはしないぞ!」
「え?そうなの?」
「あぁ、だから」
『ならアンタがオレたちに教えてくれよ、アンタは独眼竜と一緒にいる、つまり知ってるんだろ?一体になっても大丈夫な方法をさ!』
慶次がそう言うと、光は呆気にとられる。
「ま…まぁできなくもないけど…」
「ホントに!?」
福も嬉しそうに、光を覗き込む。
「お…おう」
「だったら教えて下さい!」
福は頭を下げて光に頼み込む。
「う…う~ん」
『いいじゃねぇか光、、退屈しのぎに指南してやんな』
政宗が、光を後押しする。
「政宗…」
『お!流石独眼竜!話しが分かるねぇ!』
「お願いします!」
「…はぁ…わかったよ、特別だぞ」
「あ…ありがとうございます!」
「ただし!いろんな順序すっ飛ばして持ち霊を持ったんだ、かなりしんどいぞ?」
「は…はい…」
光は立ち上がって帰る支度をする。
「じゃあ、明日のこの時間、またここにおいでよ。憑依について教えてあげるから」
「は…はい!ありがとうございました!」
光はそのまま家に帰った。
「政宗、お前楽しんでなかったか?」
『さぁな』
「…まぁいいか」
そうして、しばらくすると、葉が阿弥陀丸を連れて帰って来た。
「ただいまぁ~」
「お帰り…おっ、やっぱり持ち霊になったんだね阿弥陀丸」
『お恥ずかしい話しでござる、しかし、これからは葉殿に恩を返すため力を貸していく所存。これからよろしくお願いいたし申す』
「おぉ、よろしくな」
『よろしく頼むぜ、阿弥陀丸』
『光殿、政宗殿、迎え入れて頂き感謝するでござる』
「腹減った~光、飯はあるか?」
葉の言葉に、光は少しだけ呆れてしまう。
「はぁ…へいへい、今用意しますよっと」
BASARAキャラもう一体出して見ましたけど、うーん…やっぱり喋り方に違和感を感じる