シャーマンキング BASARAを宿す者 (1時凍結解除) 作:タイキック新
福が、光に憑依について教えてもらい初めてから数日が過ぎ、福の憑依もかなり形になり意識を持ったままなんとか憑依合体できるところまでになっていた。
「…っぶはぁ!…はぁはぁ」
『おっとっと、やっぱりオレの魂が入り込んで3分が限界みたいだな』
「ああ、でも大したもんだよ。本来はその状態になるのに、あと一週間はかかると思ってたから、オレの教え方の問題ってのもあるんだろうけど」
光が、福を観察しながら慶次と話していると、福は息を整えながら話す。
「ぜぇ…はぁはぁ…いえっ…ここまでしてくれたのに…ぜぇ…光さんのせいだなんて事…ごほっごほっ…ありませんよ。僕の覚えが…はぁ…悪いだけです」
「おう、そう言ってくれるのは嬉しいけど、一旦呼吸整えた方がいいぞ?」
光は、荷物を持って帰る支度をする。
「とりあえず、今日はここまでにしよう。巫力ももうほとんど残ってねぇから、これ以上やっても、身体に負担をかけるだけだから」
「ふぅ~…はい、ありがとうございました」
その後、光は夕暮れの帰り道をのんびりと歩いていた。
『ずいぶんと楽しそうだな、麻倉光』
「ん?そうか?」
『あの安田福ってやつの面倒を見るようになってから明らかにchangeしたぜオマエは』
「うーん、普段の生活も別に不便に思ってた訳じゃないけど…まぁ、あれはあれで楽しんでるのも事実なのかもな」
『そうかい』
次の日、光と葉は学校でまん太からものすごい慌てた様子で話しかけられていた。
「本当なんだってば!!いつものあの墓の丘に、中国の武将の霊と一緒の少年がいたんだよ!!」
「ありゃ間違いない!!シャーマンだよ!!君達の他にもシャーマンがいるんだ!!」
「へぇ~」
「へぇ…そりゃすごいや」
まん太が必死に説明したが、二人は当然のように聞いていた。
「驚かないの?!」
「まぁ、そりゃあ…別におかしくもねぇと思うし」
「そうだぞ、誰もシャーマンはオイラ達だけだなんて言ってないだろ?シャーマンは今でも世界中にたくさんいるって」
「そうそう、ほとんどのシャーマンは一般の人の前で実力を露にしていないだけさ」
「だから!そいつが葉くんの阿弥陀丸を頂くって!!それは大変な事ではないのかい!?」
「!?」
「…阿弥陀丸を?」
学校が終わり、葉達はファミレスで詳しく話を聞くことになった。
「…蓮…蓮…やっぱしらんわ、そんなシャーマン聞いたことない」
「同じく」
「本当?でも何かあるんじゃないの?どっかで恨みをかったとか」
「そんな覚えはないけど…考えられるとしたらアレだな」
「アレ?」
「ホラ、シャーマンの格はより強い霊を持つ事で決まるって前に言ったろ?そいつ、どっかでオイラと阿弥陀丸の事見てたんじゃねぇのか?」
「確かにそれはあり得るな…」
光は顎に手を当てて考えながら、不満そうな顔になる。
「でも…だとしたら気に入らねぇな」
「光くん…」(やっぱり、兄弟が狙われるのは嫌なんだね)
「何でオレの政宗じゃなくて葉の阿弥陀丸を狙うんだよ、政宗だってものすごく強いぞ!」
「そっち?!」
『なるほど、シャーマンの格…それで強くて格好いい拙者を我が物にしようとしたのでござるか』
阿弥陀丸が葉の近くに現れ、会話に混ざる。
「まぁな、でもそういうのは自分で言わん方がいいぞ」
「阿弥陀丸!」
『なら狙われるなら誘い出せばいいんじゃねぇのか?』
今度は政宗が、光の背後に現れた。
「政宗まで!」
「誘い出すってのも悪くねぇけど、蓮ってやつは葉を探してるんだろ?なら嫌でもその内出くわすから放っておいてもいいだろ」
『ま、好きにしな、オレはいつも通りfreeにやるだけだからな』
『それより拙者、その御仁の持ち霊が中国の武将というのが気になるでござる。日本のサムライとしては』
「それが、ホントに強そうだったし…蓮ってやつも何か危ない目をしてたよ 大丈夫なの?」
「うえっへっへっ大丈夫だよ」
「だって霊の見える人間に悪いやつはいない、だからそんな気にすんなって」
「だーかーらー」
ズビシ!
「おうっ」
光は、指で葉の額を力を入れて突っつく
「それはオマエの偏見だっていつも言ってんだろーが!じっちゃんが言ってようが何だろうが少しは警戒しろよ。放っておいていいとは言ったが、出会ったら戦いになる可能性もあるってオレは思ってるんだぞ」
「大丈夫だって、きっとそいつもなんか理由があるんだろ、オイラも会ってみてぇな、初めてのシャーマン友達になれるかもしれんし」
『おお!拙者もぜひ一度、その中国の武将に会ってみたいでござるよ』
「はぁ…まったく」
ピリリリリ
「?」
光が持っている携帯に着信が入り、携帯を見ると、そこには三枝と書いてあった。
「三枝のばっちゃん?」
「どうしたの?光くん」
「三枝のばあちゃんから電話か?」
「みたいだ、悪いけどちょっと外で出てくるわ」
光は政宗と共に、店の外へと出ていった。
「ねぇ葉くん」
「ん~?」
「三枝さんって誰?」
「じいちゃんの古い知り合いだよ。オイラ達も昔はよく世話してもらってたんだ」
「ふーん」
外に出た光は、人気のない場所へ行き、電話をとる。
「もしもし?」
「電話一本とるのにどれだけ時間をかけてるんですか貴方は」
光が電話に出ると、三枝ではないが、聞き覚えのある声が電話の向こうから聞こえてきた。
「げっ…なんで双葉が電話してんの?」
「私が電話をかけたらおかしいんですか?家の電話なのですから私が電話をかけても問題ないでしょう。あと、ゲッてなんですか、ゲッて」
「あー分かった分かった、悪かったよ。で?用件はなんだ?」
「急かさないで下さい。実は、政宗についてお話しがあって電話しました」
「…政宗の?」
「政宗の刀、名刀、応龍…別名、龍の爪が見つかりました」
「!?」
光を待っていたまん太は、少しばかり心配していた。
「遅いね、光くん」
「大丈夫さ、すぐに戻ってくるって」
「ホントに呑気だなぁ」
「何すんじゃこのガキ!!」
光を待っていた二人は、表がざわついていることに気がつく。
「なんだなんだ」
「?」
「大変だ!外で子供が、チンピラに絡まれてる!!」
葉達が表に出ると、一人の少年がチンピラに囲まれていた。
「あーっ!あいつっ!蓮!あいつが蓮だよ!」
「おぉ、あいつが」
『武将の霊は見えないでござるが…あれは一体何事でござるか』
「フン、ぎゃあぎゃあわめくな害虫どもオレはただその車が邪魔だっただけだ」
蓮はチンピラに囲まれても動じず、むしろ挑発するような口調で喋っている。
「ハア!?だからって蹴ることねーだろイカれてんのか!?」
「つか害虫とか!!」
チンピラは自分の車を指差し、蓮に怒鳴り付ける、どうやら蓮がチンピラの車を蹴ったのが事の発端のようだ。
「そいつが撒き散らす排気ガスは、空気を汚し、星を覆い隠してしまう。キサマらはそれで十分地球に巣喰う害虫ではないか、このチャバネゴキブリが」
蓮の挑発により、チンピラは完全に切れた。
「テメェ!!」
「なめてんじゃねぇぞ!!」
チンピラは一斉に、蓮に向かって殴りかかった。
「フン」
「らあぁぁ!!」
ガガガガ!!
蓮は殴りかかって来たチンピラを、素手のみで一瞬で殴り倒した。
「おお、拳法」
「すごいよあの動き!!あっというまにやっつけちゃった」
「なんだよ、アイツ本当にシャーマンなのか?なんもしなくても強ぇじゃん」
武将の霊が見当たらず、まん太は首をかしげる。
「いやっ…あの時確かに霊が…ぼくの見間違いだったのかな…?」
「ヤ…ヤロウ…ぶっ殺してやる」
チンピラの一人は、車に乗り込み、蓮に向かって走らせる。
「!ああっ!あのチンピラ!車で跳ね飛ばす気だ!」
「チッ、やはり害虫は駆除するべきだな」
蓮は、上着を脱ぎ捨てる。
その時、蓮の胸元にホルダーに入った位牌がまん太の目に入った。
「ホルダーに位牌?!」
「出でよ!
『オオオオーオーン!!!』
馬孫と呼ばれた武将の霊が、蓮の背後に姿を現した、
『!!』
「出たっ!!」
蓮は手に持っていたトランクを地面に置き、中を開けると、そこには分解された薙刀が入っていた。
「憑依合体!」
「馬孫!
ズパァン!
蓮は馬孫を憑依し、一瞬で薙刀を組み立てると車を真っ二つにした。
ドカァーン!
「車がまっぷたつぅー!!?」
「ホラ!見ただろ葉くん!!あれだよ」
爆発した車の中から、ボロボロのチンピラがはいずって出てくる。
「ううっ…なんだったんだ…今のは…?」
「ほう、やはりゴキブリの生命力というのは逞しいものだな」
蓮はチンピラの下に行き、薙刀を突きつける。
「だが死ね」
「え!ええーっ!」
「いいかげんにしとけ」
ガシッ
「!」
チンピラが殺されそうになったところを、葉は薙刀を後ろから掴んで蓮を止めた。
「ククッ、現れたな、ヘッドホンの男」
蓮は、葉に向かって振り返り、二人は対峙する。
「オマエ一体どういうつもりだ。シャーマンが人の命を奪おうとするなんて」
「そうムキになるな、こいつらの命などなんだというのだキサマもシャーマンならオレの気持ちを理解できるだろう」
「空気を汚し、星を見ず、我が物顔で喰らいつくす寄生虫、それがこいつら、狂った人間の正体だ」
「こんな奴らがいくら死のうが構わない。オレの名は
「この世界を浄化するシャーマンの王になるべき人間だ」
「シャーマンの王…」
『世界を浄化するとはいったい…!?』
「さぁ、話は終わりだヘッドホンの男!オレの為にキサマの持霊を献上するがいい!」
「いやです」
「何?」
「そもそもなんなんだお前は、さっきから訳のわからん事ばかり言って!だいたい人に向かっていきなり寄越せとはなんだ!」
葉は、不満そうに蓮に文句を言う。
「フッ…じゃあ下さいとでも言えばいいのか?」
「違う!阿弥陀丸はオイラの友達だ!くれるとか下さいとか、モノ扱いするなっつってんだよ」
「友達?」
「おおとも!お前も阿弥陀丸の力を借りたいんなら友達になればいいだろ?オイラ達の」
「プッ…ファーッハッハッ!霊が友達!?キサマは霊を友達と思っているのか!こいつは驚いたな」
「?何がおかしい?」
「おかしいも何もあるか、我らシャーマンにとっては霊など所詮その力を引き出すための道具にすぎん。その道具に下らん友達感情を抱くなど、バカげていると思わんのか?」
「!道具だと」
葉は蓮の言葉が気に入らず、思わず睨み付けてしまう。
「なんだその顔は、オレはただ真実を述べただけではないか」
「な…なんだかとってもヤバいムード…もう一人シャーマンが現れたと思ったらいきなり睨みあいなんて…!それにあの蓮ってやつも何考えてんだ、町中で刃物を振り回すなんて尋常じゃない…こりゃいったい、どうなっちゃうの!?」
「フッ、しかしシャーマンの王も知らぬシャーマンがいるとは…大層な霊を持っているくせにとんだ素人のようだな」
蓮の背後に馬孫が現れ、葉を睨み付ける。
「キサマにあのサムライは使いこなせん、強い霊はこのオレが持ってこそふさわしいのだ。キサマがどうしても寄越さぬと言うなら、力ずくでもオレのモノにしてやるまで」
蓮は、薙刀を構え、葉に突進する。
「行け!馬孫!まずは持ち主であるあのシャーマンを破壊するのだ!!」
「はかい!?って殺すってことかい!?」
「元来、霊とは拠り所のない不安定な存在!飼い主を失った迷い霊など、プロのシャーマンにかかれば本人の意思を問わず簡単に手なずけられる。そして見事な道具へと生まれ変わるのだ!」
葉は近くにあった鉄パイプを手に取ると、固く握りしめる。
「…お前のその後ろの奴も、そうやって戦闘マシーンにしたてあげたのか?お前がどんなたいそーなやつかよーわからんが…」
「霊を道具扱いするのだけはなんか許せん!」
「阿弥陀丸!」
葉は走り出すと同時に、阿弥陀丸を呼び出す。
『ここにっ!』
「話は聞いてたろ?こいつをこらしめてやろうぜ!なんかこいつ、間違ってる!」
『同感!』
「フフッ出てきたなサムライ!もうすぐモノにできるとは、ワクワクするなぁ」
「「いくぞ!憑依合体!」」
「ちょっと待ってよ!君達本気で戦うつもりなの!?」
「サムライ対!武人!!!シャーマンは…時代も国境も越えたバトルまで実現しちゃうのか!!?」
『ぬううっ』
『オオオ!!!』
ガカァン!!
葉の鉄パイプと、蓮の薙刀がぶつかり合う。
ババッ!
鍔迫り合いから距離をとる二人、蓮は薙刀を持ち替え、葉に向かって連続で突きを放つ。
「ヌン!」
ガガガガ!
葉は横に身体を動かし連続突きをかわすと、抜刀の構えに入り、蓮に向けて抜刀する。
「…フッ」
ブン!
しかし、蓮はしゃがんで葉の攻撃を回避する。
「ちょっと止めなよ!二人とも何考えてんだ!」
『ぼっちゃまの邪魔は許さん』
バッ!
「!」
蓮は立ち上がりを利用して、葉に向かって薙刀を構えて飛び出す。
「中華斬舞!」
「あの技ってもしかして!まずいよ阿弥陀丸!それをかわさなきゃ葉君がまっぷたつに!」
『なんの!』
『こ』
『れ』
『し』
『き!』
『叩き落とすまで!!』
葉はバランスを建て直し、中華斬舞を弾いて防いだ。
「ふ…防いだ……!!」
(なんと!我が馬孫の鉄をも切り裂く中華斬舞をはらうとは!なんという速度と的確さ!)
阿弥陀丸の強さを目の当たりにし、蓮はますます興奮し出した。
「ワーッハッハッ!やはりオレの目に狂いはなかった!さすがはオレの見込んだ霊だ!ますますキサマが欲しくなったぞ阿弥陀丸!」
「では力試しはここまで!本気で狩らせてもらうとしよう!」
蓮はまだ本気を出していなかった。その事に葉と阿弥陀丸の二人は一瞬戸惑う。
『力試し!?何の事だ?』
「阿弥陀丸よ、確かにキサマは我が馬孫よりはるかに強い、だが、そのヘッドホン男に憑いていてはオレには勝てん。もう気づいているのだろう?その男ではキサマの実力の10%も引き出せていないということに」
『!』
阿弥陀丸は図星を突かれ、顔色が変わる。
「ふはははっ!見るがいい!これが真のシャーマンの力だ!」
「『憑依100%!!中華斬舞!!』」
先程よりも、早く、蓮の技は葉に炸裂し、葉が反応するよりも速く技がきまり、葉は薙刀で肩を切り裂かれてしまう。
「フフッ、霊の力を100%この世に還元する能力、これには霊をつかいこなす強い精神力が必要だ。キサマとオレとじゃシャーマンの格が違う。阿弥陀丸はオレの物だ」
近い内に政宗の刀登場予定、憑依からの具現化とかじゃオーバーソウルできないもんね