シャーマンキング BASARAを宿す者 (1時凍結解除) 作:タイキック新
今日も、葉と光は、体力作りの為に朝からロードワークの準備をしていた。
そこへアンナが鞄を持ち、玄関へとやってきた。
「?」
「んあ?出掛けるのか?」
「ブラブラしてくるわ、アンタはサボるんじゃないわよ」
「うぃーっす」
アンナは、鏡を見てバンダナを結びながら葉に話しかける。
「あの蓮って奴がまた襲ってきても、今度も憑依100%になれるなんて事、絶対にありえない、ましてや、また光の助けを借りないと勝てない何て事になったらアンタに戦う意味はない」
「ああ、わかってる」
「光さん」
気がつけば、光の背後には双葉が立っていた。
「うおおーっ!?って双葉か…いきなり背後から話しかけんでくれ」
「そんな事はどーでもいいです」
「えーっ…オレとしては結構心臓にわる…」
「近い内に修行の段階を上げるかも知れませんのでそのつもりで」
「聞いてねぇし…って、段階?」
「ええ、貴方がしている事は今、基礎体力を上げる為の、修行の第一段階といったところです。第二段階からは政宗を持霊とする貴方専用の修行を今までの修行と平行して行っていくつもりですのでそのつもりで」
光の顔色がすこぶる悪くなってくる。
「オイ、光?顔色がスゲーことになってるぞ」
「葉…オレ、もうすぐ死ぬかも、確実に閻魔様と握手するわ」
「あ、ご臨終ならシャーマンキングになってからお願いしますね」
「オマエには血も涙もないのか!」
「血も涙もありますよ?何をおかしな事を言ってるんですか?」
「オレがおかしいみたいな言い方やめてくんない!?」
「いいからさっさと行って下さい」
「ちくしょう!」
葉と光の二人は、そのままロードワークに出ていった。
ロードワークを続ける二人、そのルート先でまん太が自転車を構えて待っていた。
「阿弥陀丸と政宗は相変わらず彼女たちにねぇ」
「あぁ、まん太、夏期講習は?」
「うん?今日も午前中だけ」
「しかし、夏休みなのによく勉強する気になるなぁ」
「ホントだよ、オレだったら絶対に行かないね」
「基本的に好きだからね」
「オイラにはよくわからん」
「同じく」
「二人だって、毎日修行してるじゃない」
「やらされてるんだ、んあ~家でゴロゴロしてたいぞ」
「誰が好き好んでこんな地獄みたいな修行をやるのさ」
「今日はあと何キロぐらい?」
「「30」」
「あ~まだそんなに」
「ん?」
まん太は、走り先に何かがいることに気がついた。
「あれって葉くん達の家の霊じゃない?」
「げっ!」
「うっ!」
目の前にはアンナの使いの霊と、双葉の使いの霊が同じ方角を指差していた。
「ガーン!コース変更の合図だ!距離が伸びるかもしれん」
「にしても珍しいな、コース変更なのにオレの方もオマエと同じルートなんて、今日は最後まで一緒のパターンか?」
「どっちにしても嫌なもんに変わりないぞぉ」
それから、二人は走り続け、気がつけば日が傾き夕方になっていた。
葉たちは川原まで走らされると、そこで使いの霊は消えていた。
「はぁ…はぁ…なんでこんなとこに、アイツらここを泳いで渡れとか言うんじゃないだろうな?」
「彼女達なら大いにありえる」
キィィィッ
「?」
車のブレーキ音が聞こえ、三人が後ろを振り向くと、黒い車の前に、6体の男がローブを被り、顔にお札を付けて立っていた。
「なんだ!?アイツら」
「!?離れてろ、まん太」
「なんかヤバい予感がする」
6体の男はローブを脱ぎ捨てると、一斉に葉と光の二人に襲いかかる。
「ほぉぁぁぁ!」
ゴスッ!
「ぐっ」
「うっ」
「うあぁぁぁ!葉くん!光くん!」
攻撃を受けて吹き飛ばされた二人は、悶えていた。
「二人とも!逃げよう!」
「う~っ…やだ」
「今日はもう走りたくないな」
「何言ってんだよ!相手は6人もいるんだよ!それに、今は阿弥陀丸と政宗だって」
「大丈夫、なんとかなる」
「だな」
二人は手足の重りを外して、立ち上がる。
『その粋でござるよ』
『よう光、なかなか楽しそうなpartyをしてんじゃねぇか』
二人の下に、阿弥陀丸と政宗が現れた。
「なぜ阿弥陀丸と政宗が!?」
川原の坂の上では、アンナと双葉が二人を見学していた。
「んじゃあ葉、オレは3体貰うぞ」
「おう、じゃあオイラも3体ってことで」
(無茶だよ二人とも、ロードワークで君たちの身体はとっくに限界を越えている…無理だ、いくら阿弥陀丸と政宗がいたって勝てっこない!)
「阿弥陀丸!」
「政宗!」
葉と光の二人は、同時に手を上げて、阿弥陀丸と政宗を人魂に変える。
「「ヒトダマモード!」」
「「憑依合体!」」
二人が憑依合体を終えると同時に、男たちは二人に襲いかかる。
二人は、男たちの攻撃を軽々とかわし体制を立て直す。
「行くぞ政宗」
『OK修行の成果をここで見せてみな!』
光は、刀を抜いて構えをとる。
光に向かって2体の男が攻撃を仕掛けようと前に飛び出すが、光は、身を屈めてあっさり攻撃を避け、男1人の腹を蹴り飛ばす。
『いい動きをするじゃねーか、光』
「刀を使わなくても案外動けるもんだな」
蹴り飛ばした男とは別の2人が、今度は交互に光に攻撃するが、光は最小限の動きでそれをかわし、2人の腕を切り落とす。
『HA!いい具合にシンクロしてんじゃねぇか、なぁ光』
「あぁ、悪くない気分だ」
「お互い、修行の成果が出たみたいね」
「ですね」
光が戦いながら一瞬、葉の姿を確認すると、葉も3人の男を相手に遊んでいた。
「あっちも修行の成果出てるみたいだな」
『あぁniceな戦いだ。悪くねぇ』
「んじゃ、一気に決めるぞ!」
光は、刀を引き電撃を溜める。
「『HELL DRAGON!』」
溜めた電撃を一気に放ち、三人の男を消し飛ばした。
「ふぅ」
戦いを終えた光が、葉を見ると、葉もちょうど戦いを終えたところであった。
「おっ!向こうも終わったみたいだぞ」
『しっかりと強くなってんじゃねぇか』
「にしし、まぁな」
戦いが終わると、男達を乗せていた黒い車はどこかへ走り去って行った。
「なんかすごかったよ二人とも!六人を相手にどーなるかと思ったけど」
『拙者も今までの憑依合体とは違う、心地よい一体感を感じたでござる』
『オレたちもだ、悪くなかったぜ』
「って言うか、今までと同じじゃ困るぞ、しんどいのが大っ嫌いなオイラが、あれだけ走り倒したんだからな」
「これで強くなってなかったら、オレたちの今までの努力はってツッコミたいよ」
「修行の成果だね!アンナさんと双葉さんってただのおっかない鬼娘じゃないのかも!」
「それ、双葉が聞いたらボコられるよ?まん太」
その後、葉たちが家に変えると、葉はいきなりアンナに、両手両足に新しい重りをつけられていた。
「こ…これはなんでしょう…」
「1個たったの10キロ、大したこと無いでしょ?明日からはそれで走って」
「無理ぃ!って言うか歩くのもままならん」
「シャーマンキングになりたければ、それくらい当然よ。聖霊王を持霊に出来れば世界は思いのままなんだから、そして、アンタはアタシの思いのまま。とりあえずご飯早くして。アンタ今日当番でしょ」
「ハッハッハ!頑張れよ!葉!」
「あっ、光さんにもありますよ?トレーニング道具」
「は?」
ガチャリ
光は手に器具をはめられ、呆気にとられた顔をする。
「ナニコレ?」
「握力強化の養成ギプスです」
「はい!?」
「因みに、手作りですよ♥️」
「嬉しくねぇよ!無駄に才能開花させんな!」
「光さんにはこれからしばらくの間はこれを着けて生活をしてもらいます。勿論今までのトレーニング込みで、よかったですね、今日は晩御飯の当番じゃなくて」
「ぐっくくっ…」
光が掌を閉じようと力を入れるが、全く動かない。
「動かねーんだけどコレ!?」
「私生活に支障が出なくなったら大したもんです。それが出来れば、政宗の刀を渡してあげますよ」
「「う~っ」」
葉と光の二人は、涙を流して、阿弥陀丸、まん太、政宗の三人に振り返る。
「『『!』』」
フイ
「「ガーン!」」
「そんな目で見ないで」
『すまぬ、葉殿、光殿』
『オレにはどーにもできねぇよ』
「早くご飯の支度始めなさい!葉」
「光さんはご飯ができるまで腹筋ですよ」
「「あぁ~」」
握力ギプスを手作り、普通にスゲェ