シャーマンキング BASARAを宿す者 (1時凍結解除)   作:タイキック新

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続き書けました!


第八話

「はぁはぁはぁはぁ」

 

「ふっふっふっふっ」

 

今日も葉と光の二人は修行で走り込みを行い、まん太も自転車を走らせながら二人について行っていた。

 

「はぁはぁっはぁっ、ちょっとストップ、小休止小休止」

 

「ぜぇっはぁ、オレもだ、キッツい」

 

葉は、以前につけられた重りを着けて、光は、重りと両手に握力ギプスを着けて走っていた。

 

『頑張れ葉殿に光殿、もう半分は過ぎたでござるよ』

 

「オレの残りの体力も半分をきったわ」

 

「って言うかまだ半分?はぁ、涙が心の汗なら汗は心の涙かな」

 

『意味がわからねぇんだが』

 

「よーするに泣きたくなるほどしんどいって事で」

 

「しかし、よく続けられるね」

 

「?」

 

まん太が、二人の重りを見て話す。

 

「その重り増える一方じゃない」

 

「そりゃあ、あの二人は重りを減らすなんて事しないだろうしなぁ」

 

「でも最近、飯が旨いんだよなぁ」

 

「『『はぁ?』』」

 

光以外の三人の頭の上には、クエスチョンマークが浮かんでいた。

 

「つまり、美味しい飯を食うために運動してるようなもんだな。えっへっへっへ」

 

「あー、それは分かるかもしれない」

 

「光くんも?って言うか、よくその手でご飯食べられるね」

 

光は、ニコッと笑い両手を上に上げる。

 

「まぁな、結構慣れて来たんだよ。ホラ」

 

光は、両手をグーパーと2~3回程繰り返して手を動かして見せる。

 

「す…凄い」

 

「まだ、油断すると引っ張られるけど、それでもかなり成長したよ。最初の数日は飯もロクに食べられなかったからなぁ、それから考えるとかなり握力が上がったと思う」

 

「アンナに散らかすなってぶっ飛ばされてたもんな」

 

「ぶっ飛ばされた後に掃除をさせられて、あの理不尽さったらないな」

 

(その光景が簡単に想像できる)

 

「辛くないの?」

 

まん太がそう訪ねると、葉と光の二人は顔を合わせてもう一度、まん太に視線を向ける。

 

「うーん、鍛えりゃオイラも阿弥陀丸も楽になるし、それに、楽しくなるように考えりゃ楽しくなるってもんさ」

 

「強くなるには鍛えないといけない、コレばっかりは変えようのない自然の摂理さ、けど、どんなに辛くても、鍛えた後に後悔することなんてない。オレはそう思ってるからな」

 

『葉殿』

 

『フッ』

 

葉と光は、休憩を終えて立ち上がる。

 

「ふっ!この調子だとどんぶり5杯は軽いな」

 

「おっ、じゃあオレは10杯食うぞ」

 

「なんで対抗しようとするの、二人とも腹具合もどんぶり感情だね」

 

その後もロードワークを続けていると、通りに張ってあるポスターにまん太が食い付いた。

 

「あぁー!」

 

「「『『?』』」」

 

李 白竜(リー パイロン)だって!?」

 

「何だ?李白竜って」

 

「知らん」

 

「知らないの!?」

 

「「『『うん』』」」

 

まん太は自転車の上に立ち、どや顔で白竜を語る。

 

「李 白竜は、映画史上!いや、人類史上に残る伝説のアクションスターさ」

 

『アクションスター?悪人なのでござるか?』

 

「とんでもない!李 白竜は正義のために身体ひとつで悪に立ち向かうカンフーヒーローだよ」

 

「超人的肉体を駆使したスーパーアクションと、独特の奇声で世界中をブームに巻き込んだのは、歴史的に有名だよ!」

 

『ずいぶんとheat upして語るじゃねぇか、小山田まん太』

 

「当然だよ!何たって伝説とまで言われたアクションスターなんだから!」

 

「17年前じゃ、オイラたち産まれてないし」

 

『拙者も死んだ後の話ゆえ』

 

『この竜を本気にさせる奴は少なかったからな、あまり死んだ後の事には興味がねぇ』

 

「そーゆうのは見たことなかったからなぁ、よくわからんままだとあまり見る気にならないから」

 

「だったら一度見てみなよ!絶対に感動するから!」

 

「うーん、いいやぁ、小遣いもないしなぁ」

 

「オーレも」

 

二人はロードワークを再開した。

 

「ま、待ってよぅ」

 

「白竜 怒りの一発は彼の主演作品の中でも最高傑作と言われていて!」

 

まん太は二人を追いかけながらも、白竜について熱く語り続けていた。

 

「李 白竜はこう言った。力と力の衝突では、相手だけでなく、自分にもダメージを与えるってね。激しい衝撃には反作用が生まれる、それがいつか、限界に達したら壊れてしまうって」

 

まん太の熱演に、二人は走りながら黙って聞いていた。

 

「ほぉ~」

 

「は~ん」

 

「日本で言う柔よく剛を制すってやつさ、固い枝は折れちゃうけど、しなやかで柔軟性のある小枝は折れにくいだろ?」

 

 

「李 白竜はフェイントと多彩な蹴り技で相手を翻弄するんだ。そうして、虚をついて必殺の一撃を討つ!どう?シャーマンファイトの参考になるんじゃない?」

 

「いやぁ、どーだろ?」

 

「シャーマンファイトと格闘技は違うよ」

 

「…そりゃそうだけど」

 

葉はまん太を見て一つ質問する。

 

「オマエ、なんでそんなに李 白竜の映画を見せたがるんだ?オイラたちにさぁ」

 

「葉くんと光くんに…」

 

「「?」」

 

「葉くんと光くんにも知ってほしいんだ。僕が好きな物を…知ってもらいたいんだ」

 

二人はお互いに顔を見合わせ、まん太にもう一度顔を向けてニコリと笑う

 

「「そっか!」」

 

「うん!」

 

その後も、まん太の熱演は続いた。

 

「李 白竜の凄いところはさ!そのスゴさが映画の中だけのフィクションじゃないって所なんだ!」

 

「はぁ~」

 

「へぇー全部自分の身体1つでやってるんだ」

 

「そうなんだよ!そこが李 白竜の凄いところさ!」

 

葉と光は家について、昼食を食べながらまん太の話しを聞き続ける。

 

「彼は、世界中の格闘技をミックスして独自のカンフー、導弾道(ダオダンドウ)を編み出した!」

 

「「導弾道?」」

 

「うん!史上最強の格闘技と言われている一撃必殺の拳法さ!中国で言う導弾、つまり、ミサイルのような破壊力を持つって意味」

 

テレビを観ながら、アンナと双葉が三人の会話に混ざる。

 

「駄目よ、映画代なんて出さないから」

 

「「「え~っ」」」

 

「そうですよ。ただでさえ家にはそんな余裕ないんですから、映画代なんて出せる訳ないじゃないですか」

 

「文句あるの?」

 

「「うっ…」」

 

「で…でもね、導弾道の真の目的は、敵を倒すことだけじゃないんだ」

 

「って言うと?」

 

「カンフーだから、敵を倒さねぇといけねーんじゃねーの?」

 

「李 白竜が目指したのは、武道を通じて己を知ること、そして、己の世界に存在する一番大元である何かを見つけ出すことなんだ」

 

「ほぉ~」

 

「オマエ詳しいな」

 

「へへっ常識だよ常識」

 

どや顔で胸を張るまん太に、アンナと双葉は、中々にきつい言葉をかける。

 

「何言ってんのよ、自分が弱いもんだから、つい強い者へ憧れを抱いてしまうんだわ」

 

「えぇ、弱い人が必ず起こす現象ですよ」

 

「憧れって自分からかけ離れているほど、強くなるものなのよね」

 

「どれだけその人が弱くて脆いか、よく分かりますね」

 

まん太はショックを受けて固まってしまい、葉と光の二人は苦笑いをするしかできなかった。

 

「オイ、この程度で気を落としてたら身が持たんぞ」

 

「おう、今のはまだ軽い方だからな」

 

「かけ離れている…そう、確かに遠すぎるよ、李 白竜は」

 

「「え?」」

 

「17年前、導弾道の完成を見ずに、彼は謎の急死を遂げた」

 

「死んじまってるのか」

 

「うん。しかも、葬儀中に死体が消えちゃって、ついに見つからなかったって言う謎を残して」

 

「死体が?」

 

「消えた?」

 

死体が消えるという言葉に、アンナと双葉は妙に反応する。

 

それと同時に、葉と光の二人は昼食を食べ終えた。

 

「ごっそさーん」

 

「ごちそーさん」

 

「ねぇ、アンナさん、双葉さん、いいでしょ?葉くんも光くんも毎日頑張ってるし、たまには息抜きでも」

 

アンナは急に立ち上がる。

 

「ねぇ、二人とも!」

 

「アタシも行くわ」

 

「「「え?」」」

 

「何よ」

 

「い、いや別に」

 

アンナが映画を許可したことに三人は驚く。

 

「それじゃあ皆で確かめに行くか、李 白竜の強さをさ」

 

「そうだな」

 

『拙者も行きたいでござる』

 

「私は遠慮しますね」

 

双葉が断ると、光が双葉に話しかける。

 

「?なんだ行かねーのか?」

 

「えぇ、こういうのは、義姉さんが適任でしょうし、私は留守番してますね」

 

「あと、光さんはギプスつけたままですよ?」

 

「へいへいっと」

 

双葉は先程と変わらず、お茶を啜りながらテレビを観ていた。

 

「頼んだわよ」

 

「はい」

 

「「「適任?」」」

 

その後、四人と2体は李 白竜の映画を楽しんでいた。

 

「おぉー!」

 

「おー!」

 

「スゲー!」

 

バゴン!

 

「「うるさい」」

 

「はい…」

 

葉は、映画に興奮して声を出していると、隣に座っていたアンナと光に殴られてしまった。

 

映画も無事に終わり、四人は映画館から出てきた。

 

「いやぁ!ホントに凄いな!李 白竜は!」

 

「でしょー!光くんはどうだった?」

 

「うん?あぁ、面白かったよ。確かに格好いいな李 白竜」

 

「単純」

 

『中々に面白ぇmovieだったじゃねーか』

 

『いやぁ!拙者も感動したでござる!映画なるもの初めて観たが、実に素晴らしいものでござった』

 

「水のごとくあれか、いいこと言うな」

 

ドン

 

「あたっ!」

 

葉は歩きながら映画を思い出していると、何かにぶつかってしまった。

 

「いって~、なんだぁ?」

 

「葉くん!」

 

「!」

 

葉がぶつかった物を確認しようと頭を上げると、そこには一人の顔にお札を男がたっていた。

 

(あいつ!こないだの!)

 

『葉殿!こやつこの前の!』

 

葉と光が、警戒すると、建物の陰から、お札を付けた男たちがゾロゾロと現れてきた。その数は、10体はいた。

 

「キョンシー」

 

「そうだ!あれは動く屍人形!キョンシーだよ!」

 

「やっぱりそうか」

 

「二人とも離れてな、光、手を貸してくれ」

 

「おう」

 

葉が鉄パイプを持つと、一斉にキョンシーが二人に襲いかかる。

 

「行くぞ政宗」

 

『その手でやれんのか?光』

 

「あの程度なら、多分な」

 

 

「阿弥陀丸!」

 

「政宗!」

 

二人は、同時に動き出した。

 

「「ヒトダマモード!」」

 

「「憑依合体!」」

 

 

 

「相手が多すぎるよ!」

 

「大丈夫よ」

 

「え?」

 

二人に襲いかかるキョンシーたちだが、憑依合体した二人に一瞬で吹き飛ばされる。

 

「うん、まぁまぁ」

 

『ギプスありでもかなりいい動きだったと思うぜ』

 

 

「だいぶ動けるようになったんじゃないかな?」

 

『さらに心地よい一体感を感じたでござる』

 

「えっへへ、飯が美味しくなるだけじゃないんだね、運動の成果は」

 

パチパチパチ

 

「「?」」

 

どこからが拍手の音が聞こえ、二人は音のする方に振り返る。

 

「お見事だったわ、麻倉葉くん、麻倉光くん」

 

「「はぁ?」」

 

二人が振り返った方向には、一人の女性が立っていた。

 

「あれだけのキョンシーを当ててもものともしないとは、甘く見て失礼したわ」

 

「アンタ誰?」

 

「どっかで会ったか?」

 

 

「私の名は、道潤(タオ ジュン)

 

「道潤?」

 

「道…どっかで聞いたような…?」

 

 

 

「道!?それじゃあ」

 

まん太は思い当たる名前だったようで、反応する。

 

「姉よ、蓮の」

 

 

「アンタもシャーマンね」

 

「蓮…蓮…あー!あのとんがりコーン頭の!」

 

「光くん、ずいぶんと変わった覚え方だね」

 

 

「その通り、私は道士」

 

「「道士…」」

 

「たしか、道士は呪符でキョンシーを自由に操るシャーマン、お札に書いた呪符で色々な行動パターンをプログラムできるって」

 

「いかにも、道士は偉大なる我が国に古来より伝わるシャーマンの創始術よ」

 

「今日は貴方たちにお願いがあって来たの」

 

 

「え?嫌です」

 

「まだ何も言ってないよ光くん!」

 

「だって初めてあった奴のお願いなんて、どうせロクな事じゃねーもん」

 

「フフっせっかちね、まぁいいわ、お願いっていうのは、愛する弟蓮の為に、貴方たちのサムライと武将の霊、阿弥陀丸と政宗をいただけないかしら?」

 

「ホラ、やっぱり、絶対に嫌です」

 

「そー言われても、はいそーですかって訳にはいかないよ」

 

二人は、潤の頼みをアッサリと断る。

 

「大人しく差し出した方が身のためよ?」

 

「い~や!」

 

「子供みたいだぞ、光」

 

「中学生ならまだ子供だろ」

 

潤は脚に着けていたお札を取り出して、構えをとる。

 

「さぁ出てらっしゃい!我が戦士!李 白竜よ!」

 

 

「え!?」

 

「李 白竜だって!?」

 

ドカァン!

 

「「「「!?」」」」

 

葉たちの後ろで地面が破裂し、キョンシーの姿になった白竜が現れた。

 

「まさか!?」

 

「あれは!李 白竜!」

 

「…マジかよ」

 

 

 

その頃、一人留守番をしている双葉のいる家に、福と慶次の二人がやって来た。

 

「やっと見つけた」

 

『ここまで来るのにずいぶんと時間がかかったなぁ』

 

「光さんの家をしらなかったんだもん、しょうがないよ」

 

『それじゃあ、さっさと会ってみようか!』

 

「そ…そうだね」

 

福がインターホンをならして少しすると、双葉が扉を開け、福と顔を合わせた。

 

「はーい」

 

ガラガラ

 

「!?」(うわっ!綺麗な人)

 

「?どちら様ですか?」

 

「あ…あの!僕!安田福って言います!これ!つまらないものですけど!」

 

福は持っていた茶菓子を双葉に渡すと、双葉はそのまま受け取った。

 

「あ、どうもありがとうございます。家には何のようで?」

 

「あ…ああああの!僕!光さんに憑依の仕方を教えてもらって!それで!」

 

「あー、光さんに会いに来たんですか、ごめんなさい、今家に私しか居ないんです。よかったら中で待ちますか?」

 

「ははははい!」

 

双葉はそそくさと家の中へと入っていく。

 

「どーしたんだろう、僕、胸が痛い」

 

『カッカッカ! そいつは「恋」ってやつさ、福! どんなに時代が移ろおうと、人の心に咲く「恋」という華は、いつだって一番の絶景。……その胸の疼き、恐れることはない。存分に粋(いき)に楽しもうじゃないの!』

 

「よくわかんないけど…恋かぁ」




とんがりコーンってこの頃あったんだろうか?…まぁいいか
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