シャーマンキング BASARAを宿す者 (1時凍結解除)   作:タイキック新

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こちらの皆様、お久しぶりです。

もう一方の作品が一段落ついたので、今度はこちらを投稿していきたいと思います。

期間にして約2ヶ月…放置しすぎた…?


第九話

潤に呼ばれ現れた李白竜。しかし、その姿はキョンシーへとなり変わり果てた姿だった。

 

「彼の強さは充分に理解してもらえたはずよ。あの映画にね」

 

「李白竜が…キョンシー…」

 

「まさか…そんなぁ…」

 

「冗談じゃねぇぞ…」

 

 

「いかにも、李白竜は私の持霊よ我が道家の捕獲した、最高の屍兵器と言うわけ」

 

「捕獲?兵器?」

 

「さぁ、李白竜をけしかけられる前に、侍達の霊を渡しなさい」

 

「嫌です」

 

「断る」

 

潤が二人を脅すが、それでも二人は首を横にふった。

 

「阿弥陀丸だって嫌だよな?」

 

葉の隣から阿弥陀丸が現れ、強気な態度で構えていた。

 

『無論でござる』

 

「うちの政宗も嫌なんだそうだわ、諦めて帰れ」

 

『そーゆー訳だ。悪いが他をあたってくんな』

 

 

「あくまで、蓮の前に立ちふさがるつもり?」

 

「違うよ、阿弥陀丸は友達なんだ。だから物みたいにやり取りできるハズがないだろう」

 

「そもそも、1回2回会った奴に友達を渡す理由も道理もない」

 

「友達?」

 

「あぁ」

 

「それがどーした?」

 

「フッ 下らない言い訳を考えたものね」

 

「本当だぞ」

 

「嘘ついても仕方ねーだろ」

 

「やるしか…ないようね」

 

潤は札を構え、白竜の顔に付いた札と張り替えた。

 

「戦闘用呪符 装着!」

 

「白竜、そのボウヤ達に制裁を」

 

白竜は構えをとり、葉と光の二人に襲いかかる。

 

「阿弥陀丸!」

 

「政宗!」

 

『承知したでござる!』

 

『OK!Let's party!』

 

二人も向かってくる白竜に対抗しようと、刀を構えて攻撃に出る。

 

「甘い!」

 

潤の掛け声と共に、白竜は葉を吹き飛ばし、光の刀を防御する。

 

「!」

 

「うわぁ!」

 

「葉くん!」

 

「あれは!白竜が得意にしていたヌンチャク!」

 

白竜はヌンチャクで光の刀を防御すると、刀の軌道を反らし、光の腹を蹴り飛ばす。

 

「ぐっ!」

 

「光くん!」

 

「まさか…本当に本物の李白竜なの!?」

 

 

「もちろんよ、我等道師は自分の持霊を霊本人の肉体に入れて操るのだから」

 

 

「本人の肉体なら常に憑依100%に維持できる」

 

アンナが、白竜の戦いかたを観察しそう述べた。

 

「ご名答、つまりこのキョンシーの能力は、生きていた時の李白竜の能力そのものなのよ」

 

「そ…そんな」

 

まん太がショックを受けるなか、葉は立ち上がりもう一度白竜に向かって鉄パイプを振り下ろす。

 

しかし、白竜がパイプにヌンチャクの鎖を巻き付け葉から鉄パイプを取り上げた。

 

「しまった!」

 

「X!」

 

葉に気をとられている白竜の背後に光が回り込み、技を叩き込もうとする。

 

「それもお見通しよ」

 

白竜はしゃがんで光の攻撃を避けると、立ち上がると同時に真上にいる光に、蹴りを叩き込む。

 

火箭脚(フォジャンキャク)!」

 

刀で何とかガードする光だったが、それでもかなりの威力のある攻撃に光はダメージを受けてしまった。

 

「ぐふっ!」

 

 

「我が白竜の無敵の力、その体で思い知るがいい!」

 

白竜は葉との距離を一気に詰め、腹を殴る。

 

「がはっ!」

 

「葉くん!光くん!」

 

「抵抗は無意味よ。あなた達は私に勝つことは出来ない。さぁ大人しく侍の霊を渡しなさい」

 

「だから…頂くとか渡すとか…そう言うんじゃないって言ってるだろ」

 

「バカな事をいつまでも言ってんじゃねぇよ…絶対に渡さねぇ」

 

「そう…あなた達死んでもいいのね」

 

潤は新たに札を取り出し、白竜の札と取り替える。

 

「白竜!そのボウヤ達が死ぬまで攻撃を!」

 

「政宗!なりふり構ってられねぇ!考えをお前に任せる!全力で行くぞ!」

 

『HA!奥州筆頭のこの竜が全力で相手してやる!』

 

「『憑依100%!』」

 

光の目付きが変わり、白竜に向かって刀を構えて飛び出す。

 

「!」

 

白竜は光が向かってくるのに気がつくと、葉を光に向けて投げ捨て、光に一瞬の隙をつくる。

 

「!?」

 

ホン炸脚(ホンジャキャク)!」

 

「ぐああっ!」

 

葉を抱き抱えて隙ができた光に、白竜は回し蹴りを放ち二人まとめて吹き飛ばす。

 

「こいつ…すげぇ強ぇ…」

 

「葉くん!」

 

「ごほっ…っち、セコい手使いやがって」

 

「葉くん!大丈夫?しっかりして!」

 

まん太は葉を揺さぶり意識を戻させようとするが、葉は目を覚まさずにぐったりとしていた。

 

「無駄よ。私の白竜の攻撃を受けて立ち上がった者など居ないわ。麻倉光くん、あなたが今立てているだけでも奇跡にひとしいわよ」

 

「そりゃどーも」

 

「どーしてだよ!李白竜は正義の味方で…僕の…僕の憧れだったのに…」

 

まん太は涙目で、潤に訴えかける。

 

「まん太、アンナ、葉を頼むぞ、そいつの目が覚めるまでにケリつけてやる」

 

光は白竜に向かって、刀を構えて突撃していく。

 

「光くん!」

 

「往生際の悪いこと、白竜、やってしまいなさい」

 

光は刀を振り白竜に斬りかかるが、白竜もヌンチャクで対応し、攻防を繰り返す。

 

「っち、手に力が入らねぇ…こうなるんなら双葉にギプスの鍵もらっとくんだった」

 

『無い物ねだりしてんじゃねぇぞ麻倉光!今出せるpowerを全部出しきってヤツに立ち向かえ! 泥を啜ってでも勝つのが「戦」ってもんだろうが! Are you ready!?』

 

「言われなくとも!」

 

まん太達に葉を任せた光は、白竜との激しい攻防を続ける。

 

「なんで…なんでこんな酷いことができるのさ!」

 

「何を言っているの?お前は」

 

「例え死んだって…李白竜は李白竜じゃないか!」

 

「悪いのは李白竜じゃないわ」

 

「え?」

 

アンナがまん太に口を挟むと、まん太は不意を付かれた表情でアンナの顔を見る。

 

「本人の身体でもキョンシーに変わりはない、操られていることに変わりはないの、だから、悪いのは彼を操っているあの女なのよ」

 

「そんな…それじゃあ白竜は、自分の意思とはかんけいなく」

 

「シャーマンは霊を支配するもの、霊の意思なんて無意味だわ。我が道家では偉大なるシャーマンになるために幼い頃より持霊を与えられる。李白竜は私が産まれてから17年間私の支配下にあるの」

 

「17年…それじゃあ…まさか」

 

まん太の顔色は徐々に悪くなり、潤がニヤリと笑う。

 

「そう、李白竜は父が私の誕生祝いに与えてくれた、最強のプレゼントよ」

 

「そんな…それじゃ、あんまりだよ…僕の憧れの白竜がそんなことの為に殺されてたなんて…あまりにもかわいそうだよ」

 

「フッ 泣くなんて馬鹿げているわ。いくら哀れんでもキョンシーは感情など持っていないのよ」

 

「そりゃあ違うな」

 

「!」

 

葉が起き上がり、潤の言葉を否定した。

 

「霊は物じゃない、心そのものなんだ。感情のない霊なんていねぇさ」

 

「葉くん!」

 

「光ほどじゃねぇけど、打たれ強さにはかなり自信があるんよ。えっへへ」

 

「バカな!」

 

 

 

「ウオオォァ!」

 

ズドォン!

 

「!」

 

葉が起き上がると同時に、空中から光に吹き飛ばされた白竜が落ちてきた。

 

「おう!やっと起きたかよ、葉」

 

「えっへへ、すまねぇ、けどまだまだやれるぞ」

 

「へっ、そうこねぇとな」

 

 

「白竜!そんな、白竜の攻撃を受けて立ち上がったうえに、もう一方には白竜が圧倒されるなんて」

 

 

「そりゃあ効いたさ、でもな、オイラと阿弥陀丸には心に迷いのある攻撃は通用しねぇのさ」

 

「心に迷いがある攻撃に、いつまでもやられたりするほど、オレたちはヤワな作りしてねぇんだよ」

 

 

 

「迷い…ですって?」

 

「そうさ、いくらお札で操ろうと、そいつの心まで操ることは出来ないんだ!そうだよな?李白竜」

 

スゥー

 

「あっ!」

 

葉の言葉に反応した白竜の目からは、涙が流れていた。

 

「バカな!キョンシーに感情など」

 

「!」

 

潤は何かに気が付いた顔をし、葉達二人の顔を見る。

 

(麻倉葉…そして、麻倉光、まさかこの少年達の出現によって今まで眠っていた白竜の感情が呼び起こされたと言うの!?)

 

「そんなはずはない!白竜、奴等はまだ死んでいないわ、早くトドメを刺すのよ!」

 

潤がそう言って白竜を操ろうとするが、白竜は全く動かなくなってしまった。

 

「何をしているの?!さぁ」

 

そして、白竜はゆっくりと背中のヌンチャクに手を近づける。

 

「さぁ!」

 

「うっ…ううっ…うぐあぁ…」

 

涙を流しながら、白竜は二人に向かって突撃していった。

 

「へっ、待ってなよ、李白竜!」

 

「すぐにその顔に張られた悪趣味な札を取り除いてやっからな!」

 

ガキィン!

 

葉と光の二人は、白竜のヌンチャクを刀でガードした。

 

「バカな事を、白竜に勝つのは不可能だって、まだわからないの?」

 

「わかんないさ、最後までやってみなきゃ!」

 

「ここまで来て、今更諦める訳ねぇだろ」

 

葉は白竜の上から、光は下から、白竜の顔の札を狙い刀を構える。

 

ドスッ!

 

「ぐあっ」

 

ガッ!

 

「ガァッ!」

 

白竜は、葉に膝蹴りを入れると、その体制のまま回転し、回し蹴りで光を吹き飛ばす。

 

「だから不可能だって言ったでしょう?我が李白竜にとってその間合いは絶対の領域なのよ」

 

「なら、間合いの外から攻撃するだけだ!」

 

PHANTOM DIVE(ファントム ダイブ)!!」

 

光は指に刀を挟み、刀を地面に振り下ろし、衝撃波を走らせる。

 

シュバッ!

 

「!」

 

白竜は衝撃波が自分に当たる前に飛び上がると、光の真上から踵落としをくらわせた。

 

「うぐっ」

 

シュウウゥ…

 

「なっ!」

 

「光くんの刀が!」

 

光の持っていた刀が、全て煙となって消えてしまった。

 

『すまねぇ、光、power切れだ』

 

「くそっ、わかってはいたけど、やっぱり巫力だけで刀を具現化するのは消耗が激しすぎるな、今のオレに長期戦は無理か」

 

ドゴォ!

 

「ぐああっ!」

 

巫力が尽き無防備になった光を、白竜は殴り飛ばす。

 

(さーて…どーすっかな…)

 

 

 

一方、麻倉家で光達の帰りを待つ、双葉と福は机に出されたお茶を飲みながらただ二人してテレビを観ていた。

 

(遅いですね)

 

 

(ねぇ、慶次)

 

『うん?どーした福』

 

(何か物凄く気まずいんですけど…何か喋った方がいいのかな?)

 

『そりゃそうでしょ!好きになったんなら自分から積極的に行くべきってものだ!』

 

(あまりハッキリ言わないでよ!聞こえたらどーすんのさ!)

 

双葉は黙っていたが、二人の会話は全て筒抜けになっていた。

 

(聞こえてるんですよねぇ、残念ながら)

 

(まぁそんなことはどーでもいいです。お客様をこれだけ長い時間待たせた光さんには、帰ってきたらたっぷりとお仕置きしてあげましょう)

 

「フフフフフフ」

 

「ねぇ、慶次、双葉さんから何か出てない?」

 

『奇遇だねぇ、オレもそう見える』

 

双葉からどす黒いオーラを感じ取った福と慶次は、少しだけ双葉の裏の顔を見てしまったような気がした。




双葉の本性を感じ取った二人でした。
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