お気楽そうなトレーナーとナイスネイチャがほのぼの?頑張る話 作:たーぼ
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「突撃~、あなたの担当ウマ娘ですよー。今日もやってますかいトレーナーさん」
「やってねえよ今日はオフだよどうした急に」
5月に入りデビュー戦まで約3週間と迫ってきたある日の事。
授業を終えたナイスネイチャがいつも通りトレーナー室にやってきた。
「いやー、もう授業が終わったらここに来るのがクセになっちゃって、つい来ちゃったわー」
「普通のウマ娘は部室に行くもんなんですけどね。真っ先にここに来る君がむしろおかしいんだからね。何なら部室よりこの部屋にいる時間の方が長いしね。言っちゃえば部室ほとんど使ってないしね」
トレーナーの言葉を華麗に受け流しつつ特等席のソファへ移動するネイチャ。
動きがあまりにも自然すぎてもはやルーティーンと化しているようにさえ思う。
このウマ娘、実はトレーニングまで時間がある時やトレーニング後で時間が余っている時はしょっちゅうトレーナー室で寛いでいるのだ。
そろそろこの部屋の合鍵を作らされる可能性もあるかもしれない。
スクールバッグをテーブルに置こうとしてネイチャがある事に気付く。
いつも鞄を置いてあるスペースに紙コップと見慣れない紙袋があった。
「ありゃ、何これ?」
「あん? ああ、後で片付けるつもりだったやつだよ」
「誰か来てたの?」
「まあな。PC作業があるし今日休みにしてたからお前も来ないと思って先に作業の方をやろうと思ってたんだが、急に来るんだもんな~……」
仕方ないといった感じで席を立ちテーブルに置いてある物を片付け始めるトレーナー。
その様子をスマホを弄りながら見ているネイチャ。
そういえば、ネイチャはトレーナーの交友関係やら人間関係やらを全然知らない。
トレセン学園に通うウマ娘は基本的に寮生活を主とされている事もあってか、トレセン学園の関係者やトレーナー以外の人間と直接関わる事は少ない。
なので必然として先輩後輩関係なくウマ娘同士での友好関係が広がっていくのだ。
だから純粋に気になってしまう。単純に興味としてトレーナーの交友関係が。
「ちょいちょい、誰が来てたん?」
「え、普通に同期のトレーナーだけど」
「ほうほう、トレーナーさんにも友達がいたんですなー。ぼっちじゃなくてアタシは安心しましたよ~」
どうやらトレーナーはトレーナー同士で交友関係を持っているらしい。
トレーナーとしてこの学園にいる時間とウマ娘達が授業中の時は何をしているのか何となく気にはなっていたが、トレーナーはトレーナーで色々同じ空間で仕事について話しているのだろうか。
「んー、友達かぁ。まあ、女友達って言っていいならそうなんのかな」
「……………………………………………………………………………………………………………………………………おん、な?」
「え?」
何かがピシリと、ネイチャでさえどこか分からないどこかでそんな音がしたような気がした。
そうだ。トレーナーとして働いている以上、男女関係なく同業者は必ずいる。男性の同期がいるのなら、当然女性の同期がいるのだって何ら不思議ではない。
当たり前の事だ。自分だってジムでトレーニング中の時に女性トレーナーを何度も見ているのだから。
そして、だ。
このトレセン学園、何故だか美人な女性トレーナーばかりいるのは何なのだろう。
ふと見た際のスーツを着こなす姿はまさに出来る女性といったトレーナーばかりだとネイチャも思っている。
そんな女性が。
この空間でトレーナーと一緒にいた。しかも紙コップは一つだけだった事からおそらくは確定で二人っきり。こんなのもう、気にならない方が無理な話である。
「ね、ねえっ、どんな人!? 美人さんだったりすんの!?」
「うおっ、何だよいきなり! 俺にだって友達くらいいるっての!」
ソファから乗り出すようにしてネイチャが聞いてきた。
トレーナーから見ても珍しくテンションが上がっているようにも見える。そこまで気にするようなものなのか。
「……あ~、ほら、こんなトレーナーさんでも友達になってくれる優しい女性がいるんだなーって。アタシの事追い掛け回してくるくらいなのに」
「こんなって言った? 今こんなって言ったよね? 失敬な。俺はお前以外には結構礼儀正しい振る舞いをしてるんだぞ」
「何でアタシには礼儀正しい振る舞いをしないのさ?」
「だってそんなんいらんじゃん。
「うぐっ……中々お強い返しをお持ちのようで……」
「何の勝負してんだよ」
ネイチャからすればその言葉は効くようだ。
トレーナーに背を向けるようにソファへもたれ掛かりご自慢のツインテールで口元を隠している。
「まあ、つっても何回か話しただけだけどな。それに今回に至っては分からない事があったから少し教えてもらってただけだし」
「……教えてもらってた? 何を?」
「ん、そこの袋の中のもん出してみ」
言われてテーブルにポツンと置かれている紙袋を見る。
そういえばこの中身が気になっていた。女性トレーナーと一緒にいたのならこれは何なのか。プレゼントか何かか。もしくはその使い方が分からなくて教えてもらっていた?
紙袋の中にあった物を取り出すと、見慣れた物があった。
「スマホ……?」
「そゆこと」
他にも取扱説明書やスマホを入れていた箱などもある。
「どっかの誰かさんにプールに放り投げられてからスマホの調子がおかしくてな。さすがの防水でもどっぷりと水に浸かっちまったらダメになるらしい。契約期間も過ぎてたし、ちょうどいいから新しいのを買いに行ったんだよ」
「あー、あはは……な、なるほどー」
どっかの誰かさんから冷や汗が垂れていた。
しかしあの件はトレーナーがいらん事を言いまくったのが原因である事を忘れてはならない。
「俺がネイチャを弄ったのが悪いんだし、その辺は気にする必要ないからな。いつ変えようか迷ってたからタイミング的にもむしろ好都合だし」
「そう言ってくれるならもう気にはしないけどさー。……あ、これもしかして最新機種?」
興味がすぐ他に移るのはまだ子供故か。
取扱説明書を手にパラパラと捲っている。
「ああ。どうせなら一番新しいのをって店員さんに勧められたからそれにしてみた」
「へー凄いじゃん。画素数めちゃくちゃあるしトリプルレンズとかもあるし高画質な写真とか撮れるっぽいよ」
「んな事言われてもな……俺写真とかあんま撮らねえから意味ないんだよなー」
確かにこのトレーナー、一緒にいる時でスマホを使っているとこを見た事ないような気がする。
ずっとPCで作業をしているかネイチャと喋っているかくらいだ。
「トレーナーさんもしかしてさ、スマホ自体そんな使わない感じ?」
「ご名答。言われるがまま最新機種にしたはいいがチンプンカンプンな訳。だから最新ものとか流行りとかに詳しそうな人にさっきまで教えてもらってたんだよ。トレーニングあるから途中で帰ったけどな」
「で、扱い方とか分かったわけ?」
「……、」
無言で目を逸らされた。この男、おそらく何も分かっていない。
ただでさえ扱い方を知らない者に最新のスマホを持たせても宝の持ち腐れである。
ここで実家のバーで培われたネイチャの面倒見の良さが出てきた。
「しゃーない。ほら、隣座りなー。ネイチャさんが一緒に見たげるから使い方ってのを教えてしんぜよう」
「いいのか?」
「今日はオフだし時間もあり余ってますし? スマホ音痴なトレーナーさんに付き合ってあげますよ~」
「急に機嫌良いな」
隣に座るや否やネイチャのドヤ顔が目に入った。
女性トレーナーと何をやっていたのか分かっただけで機嫌が良くなっちゃうネイチャの気持ちに、トレーナーやネイチャ自身も気付いていないのだった。
「本体の前のデータはもう引き継いでるんだっけ?」
「そのはずだけど」
「じゃあ次はアプリの引継ぎとかだね。さすがのトレーナーさんでもUMAINはやってるでしょ?」
「ああ。連絡ツールとしては必須だからな」
「……、」
UMAIN。
主に家族や友人、仕事仲間とトークや通話ができる便利なアプリの一つ。
友人とある通り、自宅ならトレーナーは同じトレーナー仲間ともトークをしている可能性は高い。
だがしかし、とネイチャは気付く。
そういや自分はトレーナーと連絡先を交換していないのではないかと。
担当契約をして約2ヵ月経とうとしているのにだ。そういった交友を自分達は何もしていない。
思い立ったが吉日である。
「と、トレーナーさん?」
「うん? どした?」
「あの~、さ……あ、アタシと、その、連絡先ぃ、交換とか……どうですかね~みたいな?」
めちゃくちゃどもった声が出た。
普通に聞けばいいのに何故かトレーナーに対してこういう事を聞く時だけ変に緊張してしまうのは何故なのか。それを自覚するのはまだ先の話だったりする。
「そういやまだしてなかったっけ。勝手にしといていいぞ」
「あ、うん、ハイ」
対してこのトレーナーはめちゃくちゃ軽かった。
あまりにも何とも思ってないのが素で出てしまっている。自分のスマホを他の人に触らせる事に何の抵抗も抱いていない。ノーガード戦法すぎる。
とはいえ、だ。
相手の反応がどんなに軽くとも、連絡先を手に入れられたのは紛れもない事実。ネイチャのスマホにも渡辺輝という名前が表示されていた。
「あと何かあったっけ?」
「え? あー、っていやいや……トレーナーさんのスマホなんだからトレーナーさんが思いださないと意味ないでしょ。アタシに聞いてどーすんのさ」
「あ、そうだったな。悪い悪いおふくろ」
「アタシは親かーい」
こんな軽口コントもいつの間にか日常になっている。
さて、トレーナーとウマ娘の関係はそれぞれあるが、特にこの2人に関しては他とは比べ物にならないほど心の距離が近いのに気付いているか。
この後も2人で一緒に取扱説明書と格闘しながら使い方を覚えていった。
そしてそれも終わった頃。
ネイチャからの提案があった。
「ちょいちょい、トレーナーさん」
「ん?」
「せっかくカメラの性能凄いんだからさ、ちょっとアタシと一緒に写真撮りませんかい? ほらほら、アタシと契約してからの記念写真ということで」
「えーいいよもう。自撮りってやつだろ? 男でそんなのするって何かあれじゃね。女々しくね?」
「だからアタシと一緒に撮るんじゃん? それにその考え、アタシが言うのも何だけど古いですよー」
「え、ウソ……古いの俺……?」
若干のショックを受けているトレーナーにグイッと近づき、スマホを構えるネイチャ。
普通を装っているが少しドキドキしているのは内緒である。
「はーい、スマホの方に顔向きましょうねー」
「ポーズって何かすんの。表情って何がいいのこれ」
「笑えばいいと思うよ」
軽快な音と共にそれは撮られた。
2人で確認する。
イタズラっぽく微笑みながら定番のピースサインをしているネイチャ。
どうすればいいか分からずとりあえず笑おうと顔が強張っているトレーナー。
「……ぷはっ、何トレーナーさんのこの顔っ! 初めて見た!」
「慣れてねえんだよそういう事言うのやめて! 次の機会にはちゃんと笑えるようにしとくから!」
「この写真アタシのスマホに送っとくねー」
「ちょ、誰かに俺のその顔見せびらかすのはナシだぞ!? 笑われるの俺だからな!?」
何やら慌てているようだがお構いなしのネイチャ。手際よく自分のスマホへ写真を送った。
ただし勘違いは正しておかなければならない。
「だーいじょうぶだって。誰にも見せびらかさないからさ」
「いやもうホント、頼むぞマジで。上手く写れる練習しとくから!」
(まっ、
そっと、2人で撮った写真をホーム画面に設定したネイチャだった。
何気に新しいスマホで初めて撮った写真がトレーナーと自分という事実に喜ぶネイチャ、ありだと思います。
そしてトレーニングは書かれていない裏でしっかりやってるんで……。
2人のほのぼの書くの好きなんです。
では、今回高評価を入れてくださった
ピノスさん、ギャラクシーさん、雑食さん、キッカ3854さん、Kuon8901さん、bennetさん、あまちゃまさん、Lotus〜蓮さん、ぼんち揚さん、裏人さん、あかいあいつさん、*フミ*さん、Sagarisさん
以上の方々から高評価を頂きました。
ネイチャ好きが増えていく喜ばしさったらありません。本当にありがとうございます!!
サポガチャ引いてきます(爆死)