お気楽そうなトレーナーとナイスネイチャがほのぼの?頑張る話 作:たーぼ
お気に入り登録ご感想高評価本当にありがとうございます。
基本的に週2~3回投稿頑張りたい所存であります(願望)
割と日常系のネタを考えるのも大変だったり。日常系を書いてる方は凄いなと思っております……。
いつものトレーニング終わりの事だった。
トレーナーがPC作業をしていると帰り支度をしていたネイチャから声がかかったのだ。
「ねえトレーナーさん」
「何だ?」
「明日って休日だから練習もオフだったよね」
「ああ、そうだぞ」
そもそもトレーナー室はトレーナーが使うからこそトレーナー室なのだが、もはやネイチャとのミーティングは部室ではなくこの部屋で行われるのが日常になっていた。
部室よりもトレーナー室での滞在時間の方が長いというツッコミは今更野暮である。
「ならトレーナーさん明日はヒマだよね」
「ああ、そうだぞ」
「じゃー明日駅前に14時集合で。お疲れさまー!」
「あいよー……って、ん? あれ、ちょ、まっ」
さすがはウマ娘、気付いた時にはいなかった。
拒否権というか流れがあまりにも自然すぎてリアクションを取る前に全てが決まってしまった。
ポツンと静かな部屋に1人取り残されたままのトレーナー。
思わず出た声は困惑のものだった。
「ええ……」
────────
そして翌日。
律儀に駅前で待っているトレーナーの姿があった。
時間は約13時半。こういう時でも一応は社会人としてちゃんとしているようだ。
ネイチャが言っていた駅前はネイチャの寮から近いしここで合っているとは思う。万が一間違っていたら土下座ものだが。
と、ここで肝心な事を思い出した。
(そういやスマホで連絡先交換してたな)
どうにもスマホをあまり触らないトレーナーにとってコミュニケーションアプリは慣れないものだ。
仕事として同期のトレーナーや先輩などに連絡をする際は利用しているが、こういうプライベートではてんで使う機会が少ないという寂しい人間であった。
UMAINのアプリを開いてフレンド欄を見る。
何なら家族と同業と数えるほどの友人の二桁程度しかいなかった。トーク履歴を見れば同業トレーナーと仕事場でのトークだったり、家族から仕事は順調かなどと聞かれたものだったり、先輩から酒奢ってくれと来たものを既読無視しているものだった。
再びフレンド欄を見る。
家族、同業、友人、そのどれにも属していない者の名前が一つだけあった。
突然時刻と場所を言われまんまと集合場所へ呼び出してきた張本人の名前だ。
ナイスネイチャ。彼女の名前を軽くタップし、トーク画面を開く。そういえば交換したままネイチャとこのアプリを通じてトークをした事はなかった。
(何て送ればいいんだ? 普通に駅前の場所はここで合ってるかとか? いやでも急に送られてもアレか。ならお疲れ様ですから始めたり……いやいやそれ仕事付き合いみたいな人じゃねえか。あれ、そう考えたら俺って普段友達とかとトークしないからどうメッセージを送ればいいか分からなくなってる? え、俺ってそんな寂しいヤツだったっけ?)
そんな寂しいヤツだった。
ちなみにネイチャの場合、夜な夜なトレーナーに何かを送ろうとしながらも毎回思いつかず諦めて寝るのが日課になっているのはまた別の話である。
駅前でスマホ片手に悩んでいると声を掛けられた。
「あれ、思ったより早かったじゃんトレーナーさん」
張本人のネイチャだった。
いつもの制服とは違って休日だからか私服を着ている。見慣れないせいで二度見した。
「おう、家から近い方だしな。場所も合ってて良かったわ」
「寝るのが好きなトレーナーさんの事だから遅れてくると思ってたのに」
「お前が昨日急に呼び出してきたんだろうが。それにわざわざ14時集合って俺に合わせてきたのは分かったからな」
「おっ、勘が鋭いですな~。遅めの時間にしてあげたネイチャさんに感謝してもいいんだよ~?」
「ならもっと前から予定を聞いてこいっての」
このトレーナー、趣味という趣味をあまり持ち合わせていないせいか、休日の日は基本寝ているか家でボーっとしているかの二択である。
それを知ったネイチャの気遣いは正直ありがたい。普通にギリギリの13時までぐっすり寝ていた。
ネイチャに送るために触っていたスマホをポッケに仕舞う。
腕時計を見てもまだ13時35分を過ぎたとこだ。
「トレーナーさんはどうせヒマだと思って。まさか何か予定あったりした?」
「そうやって勝手に決めつけるのは良くないぞ。ちなみに予定はこれっぽっちもないです」
「ないんかい」
悲しきかな、渡辺輝の休日の予定は基本的にがら空きだったりする。
UMAINのフレンド欄からして予定を埋めるような出来事はほとんどないのだ。これはもう自他共に認める寂しいヤツ認定されてもおかしくない。
「ところで今日は何かあるのか? 俺を呼びだしたって事は荷物持ちでも必要だったり?」
「すぐにその発想出てくるのもどうかと思うんだけど……。最近蹄鉄がダメになってきたからさ、いつものやつを買うよりトレーナーさんが選んでくれた物を買おうかなって思った訳ですよ。だからデパートに行きたいんだよね」
「俺? 何で?」
「ほら、アタシの走りとかクセを分かってるじゃん? だから客観的に見てくれてるトレーナーさんの方がアタシに合ってる蹄鉄を選んでくれるかなって」
「あー……なるほどね」
ウマ娘が使用する蹄鉄には様々な種類がある。
サイズはもちろん、好みで軽い物や重い物、芝やダートで使い分けられる物、レースで使う用の蹄鉄やトレーニングの時のみに使用される超重量級の蹄鉄などもある。
ウマ娘にとってはレースを決定づける大事なものでもあるのだ。
それをトレーナーに任せるという事はそれだけウマ娘から信頼されている証拠でもあるのだが、果たしてトレーナーはその事に気付けたか。
「よし、分かった。ネイチャが良いなら俺が選ばせてもらうよ」
「おっ、やる気になってくれたね。頼りにしてますよー」
やる事は決まった。
あとはデパートに向かうだけだ。
「俺も普段デパートとかに行く事ないし適当に見て回るのも悪くないかね」
「買い物に付き合ってもらうんだし、アタシもトレーナーさんに付き合うよ。好きなとこ行きなね」
「母ちゃん……」
「この前はおふくろって言ってきたし最近そのボケマイブームなの?」
「いや別に」
「相変わらずその辺は適当ですな……」
言いながら2人して歩き出す。
目的地は案外近い。適当に喋っているだけでもすぐ着くだろう。
「んじゃ行くか」
「はーいよ」
トレーナーとウマ娘。
ある種のパートナー関係。
そんな2人が私服姿で歩いているとどうなるか。
傍から見ればどう映っているのか。
ただのお出掛けか。
それとも或いは……。
はい、そんな訳で今回は短めですが前編という形になりました。
前回前々回とレース回だったので今回からトレーニングしつついつもの日常系となります。
ネイチャの私服はアプリと同じと思っていただければ分かりやすいかと。
もっと私服増やしてくれ……(願望)
次の更新は水曜、もしくは木曜予定です。
では、今回高評価を入れてくださった
爺駆自由斗さん、とめいとうさん、Hero_odebUさん、マーベラスきのこさん、arakoreさん、SFさん、ゾォルケンさん、シャムロックさん、たかのさん、天井桟敷さん、kurono83さん、KAYSAさん
以上の方々から高評価を頂きました。
最近貴重な☆10評価を頂ける事が多くなり身が引き締まる思いです。一言コメントも毎回見てテンション上げてます。全身全霊で頑張りますよ!
本当にありがとうございます!!
最近の執筆中は作業用BGMにゾンサガやウマ娘などといったアニソン、UVERworldばかり聴いてます。
レース描写書く時は熱い曲を聴くのが最適ですね(個人的見解)