今回はちょっと短めなので、おまけを付けました。
「コンボルブルスさん! あなたが植えた鉢植えの花、綺麗に咲きましたよ!」
「ふ~ん……」
「反応が薄いっ! もっと喜びましょうよ~!」
「別にそんなに喜ぶようなことじゃない……」
「はぁ~……」とため息をつくコンボルブルス。愛願が来てからは毎日こんな様子だ。
愛願の話し相手に自ら志願したまでは良かったが、口下手のコンボルブルスにとっては想像以上の地獄だった。
質問攻めに次ぐ質問攻め。口の中がぱさぱさになるまで数時間喋りっぱなし、なんてこともあった。しかしそれでもコンボルブルスは真摯に質問に答え続けた。
それは彼女の真面目な性格もあるだろうが、それ以上に敵軍の兵士に興味が湧いた。何しろ、普段は武器を向け合う仲なのだ。こうしてまともに話せる機会は滅多にない。
この機会に色々な情報を引き出せれば、とコンボルブルスは考えていた。
「お花って可愛いですよね。生まれたと思ったらすぐに死んじゃう、か弱い生き物で」
「そりゃあ、無限に生きられるのなんてあなた達くらいだし。あなた達から見たら花や人間の人生なんて一瞬でしょ?」
「そうですね~。だから人間さんも可愛くて好きですよ。弱くて憐れな生き物って、何でこんなに可愛いんでしょうね」
「悪趣味……」
「コンボルブルスさん、あなたはどうして生きているんですか? 私達と違って、すぐに死んでしまうのに。虚しくないんですか?」
その質問に、コンボルブルスはすぐには答えを出せなかった。
「……私は、ソリダゴや団長さんを、私の好きな人達を守るため。そのために生きてる」
「好きな人達もすぐに死んでしまうんですよ。それでも守りたいんですか?」
「うん。守った命は、いつか繋がっていくものだから。だから無意味じゃないよ」
「分かりませんね。自分が死んだ後に誰が生きていようが、自分には関係ないじゃないですか……でも」
あれだけ煩かった愛願が、しばらく黙り込む。そして、
「破沙羅も、いつも私を守ろうとしてくれてるな……どうしてでしょう?」
(守ろうとしてる……? そんな個体もいるの?)
「そもそも、あなたと破沙羅ってどういう関係なの? 何で同じ姿をしてるの?」
「それはですね、私達は兄妹だからですよ。生まれた時からずーっと一緒にいるんです」
「兄妹? それってどういう……」
「おっと、これ以上はネタバレになるので言えません!」
愛願が顔の前で腕をクロスさせる。バッテンのつもりだろうか。
「何それ……でも仮にも兄妹なら、あなたも破沙羅のことを守ろうと思わないの?」
その質問に愛願は固まる。そしてぶつぶつと呟き始めた。
「私が守る……? 破沙羅を……? その発想はありませんでした。でもそうか……それもありですね」
(好きだから守る、私は破沙羅が好き。だから守る? 自分を犠牲にしても? 良く分からなくなってきた……)
「わっきゅぅぅぅ!」
フリージアのガトリング砲が火を噴く。敵は核ごと撃ち抜かれ、次々に消滅していく。
「ふぅ~……団長さん、フリージア頑張りました! ナデナデしてくれてもいいんですよ?」
「うん。良く頑張ったね」
自分より小さな女の子に撫でられるフリージア。何だかアンバランスな光景だなと思ってしまう。
「じー……」
その様子を見ていたクコが、今度はこちらに視線を向ける。撫でて欲しいのだろうか。
「クコも頑張ったな」
「あい♪ ナデナデ、甘受」
嬉しそうに瞳を閉じるクコ。グリフィス団長がそうであるように、私も花騎士達にとって頼れる団長でありたい。そう願った。
「このままでは我々の方が先に消耗してしまう」
会議室でセオ団長が呟く。
「やはり紅毒を倒さなければ。しかし彼女はあれから姿を見せていない」
「いや、彼女は必ず来るよ。私や女性団長を殺すために」
ごくりと唾を飲む。仮に紅毒が攻めて来た場合、確実に倒す方法が無い。私の力が早く覚醒しなければ……。
「団長くん、焦る必要はない。ゆっくりと進んでいこう」
あれからグリフィス団長は毎日訓練を手伝ってくれている。
「ありがとうございます。しかし、私はあなたの邪魔にはなっていないでしょうか。あなただって自分の訓練があるでしょうし」
「邪魔なはずないよ。私だって君と訓練していると学べることが多い。それに、私も掴みたいんだ、創世の力を」
グリフィス団長が拳を強く握る。彼女の瞳からは強い決意を感じた。
「共に頑張りましょう」
「うん!」
「紅毒様、お呼びでしょうか」
紅毒の拠点。謁見の間で、破沙羅は片膝をついて頭を下げた。
「よく来ましたね、破沙羅。早速ですが、近々春庭を攻めます。標的は騎士団長のセオと、創世の力を持つ女性団長」
「創世の力……雷鳴様を倒した団長ですね?」
「はい。その女性団長はあなたと愛願に任せます」
「俺と愛願で……了解しました!」
紅毒は破沙羅の目前に立ち、その肩を叩いた。
「頑張りなさい。もしこの戦いに勝てたら、あなたを四天王に推薦しましょう」
「四天王に……」
「約束は守りますよ。あなたが四天王になれたら愛願を……精々頑張りなさい」
「……はい」
破沙羅が退室すると、紅毒は高らかに笑い始めた。
「ふふふ……創世の力以外は私を殺せない。彼女達は破沙羅と愛願、そしてもう一人の助っ人に任せ、私は安全に戦いを楽しむとしましょう」
(ついに四天王に……だがそのためには女団長達を倒さなければ……)
紅毒の城を出ると、破沙羅は頭をもたげて悩んでいた。相手は四天王雷鳴を倒した格上、戦えば無事で済むか分からない。それでも彼には他に選択肢は無かった。彼自信のためにも、愛願のためにも。
(やるしかない。相手がどんなに強くても。俺と愛願が生きていくために)
「……さて、そろそろ愛願を迎えに行くか」
それぞれの思惑を抱え、戦いの幕は今静かに開けようとしていた。
≪おまけ 四天王相互評価表≫
オリキャラなので詳しく書くことは敬遠していましたが、要望もあったので書いてみます
自分の中で整理するきっかけにもなりますし
雷鳴から見た
紅毒……卑怯者。反吐が出る程嫌い。
蒼龍……何度か命を助けられた。信頼できる存在だが、いずれ越えなければならない存在でもある。
黒影……一度殺されかけた。いつか必ず倒す。
紅毒から見た
雷鳴……単細胞の馬鹿。あまり好きではないが、からかいがいはある。
蒼龍……お人好しで扱いやすい。
黒影……逆鱗に触れると怖い上、滅茶苦茶嫌われているので、あまり近付きたくない。
蒼龍から見た
雷鳴……努力家。まだまだ成長途上なので、出来るだけ守ってあげたい
紅毒……戦闘以外の面で功績を残していて凄い。戦闘能力はあまり高くないので、自分が守ってあげねばならない。
黒影……一番の親友。たまに寂しそうにしているのが気になる。
黒影から見た
雷鳴……向上心がある。早く自分と戦えるくらい強くなって欲しい。
紅毒……卑怯な手ばかり考え、戦闘技術も精神力も磨こうとしないクズ。四天王の恥さらし。
蒼龍……戦友。唯一信頼出来る存在。たまに話し相手になって貰っている。
何か色々匂わせるセリフがありますが、上手く回収できるか微妙なのが私クオリティ。
四天王相互評価は……紅毒は誰もが納得する評価でしょうねw
いずれオリジナル団長相互評価も書きたいですね。
というか、もう一人オリジナル団長を出そうかどうか、ちょっと迷い中です。キャラは固まってはいるのですが。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。