「んっんっんっ……。ぷはーっ、このお酒、飲みやすいね!」
「アイシャ姉。このルーシー姉のお土産、結構強いお酒だよ。そんなに一気に飲んだら危ないよ」
「えーっ、大丈夫だよ。こんなにおいしいんだよ? ほら、アルス君も飲んで」
どぷどぷ。
「まぁ、飲むけどさ。アイシャ姉お酒強かったっけ」
「んー、あんまり強くないかな? 自分ではよくわからないけど」
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「あれー? アルス君がふたりになってる ……これはハーレムかな?」
「あー、言わんこっちゃない……」
「右のアルス君、ちゅーして。左のアルス君は抱っこね」
「俺はひとりしかいないよ……ほら、危ないから俺の隣に座って」
とさっ。
「あ、アルス君がひとりに戻った。ならちゅーしなさい」
「はいはい」
ちゅ。
「ぷはぁ……んふふー。アルス君はかっこいいなぁ」
「そんなことないよ」
「そんなことありますー。世界で一番かっこいいですー」
「うんうん。ありがと」
「あのねぇー。お姉ちゃんは、アルス君が産まれたときから知ってるんだよ? もう一目見た瞬間にわかったね。この子は世界で一番かっこよくなるって」
「まさかぁ」
「わかったんだよー。だからそんなアルス君をお姉ちゃんは構わずにはいられなかったんですー」
「う、うん」
ちゅー。
「んふ。初めてちゅーしたときのこと、覚えてる?」
「覚えてるよ。俺から頼み込んだんだもん」
「ホントはねー、あたしもちゅーしたくてたまらなかったんだよ?」
「そうなの?」
「うん。アルス君に言われるよりずっと前から。アルス君のこと大好きだったから、ずっとちゅーしたかったの」
「でも俺がしたいって言ったらダメだって言ったじゃない」
「だって、しちゃったら歯止めがきかなくなると思ったんだもん」
ちゅーっ。ちゅっ。ちゅっ。
「ぷはぁ。ねえアルス君。あたし以外の人とちゅーをしたことはある?」
「えっ、ないよ」
「そんなこと言って、あたしがいない間に魔法大学でモテモテだったんじゃないの?」
「そんなことないよ。誰がそんなこと言ってたの」
「ジーク君。なんでもー、卒業式で告白タイムがすごかったらしいじゃない」
「あれは、俺がパパの息子で目立ってたからだよ。青ママも赤ママも教える方だし、どうしても目立っちゃうんだよね」
「その中でひとりくらい、いいなって思う女の子はいなかったの?」
「いなかったよ。アイシャ姉しか考えてなかったからね」
ぐびぐび。
「……世界一かっこいいのに、もっとかっこよくなった。これはどうしたらいいんだろう」
「ああ、もうほら、これ以上飲んじゃダメだって」
「アルス君がかっこいいのが悪いんでしょ!」
「ほら、わかったからグラス置いて」
ごとっ。
「むー。……暑い。上脱ぐね」
「アイシャ姉、もう首まで真っ赤になっちゃってるよ」
「酔ってませーん。酔ってるとしたらアルス君のかっこよさに酔ってます」
「もう何が何だか」
「あ! あたしだけ脱ぐのはずるいです。アルス君も前を開けなさい」
ぷちぷち。
「んふー。アルス君の胸板は広いなぁ」
すりすり。
「ホントに、昔はぜんぜん子供の身体だったのに、すっかり大人の男になっちゃって……」
「アイシャ姉、恥ずかしいんだけど……」
「我慢しなさい。胸板ぎゅーでお姉ちゃんは感動しているのです」
「そうなんだ……」
「もう胸にちゅーしちゃう。ちゅー。」
「あーあー、これ跡が残っちゃうよ……」
「男の子が気にしないの。もし誰かに言われたらお姉ちゃんにつけられたって自慢しなさい」
「自慢になるのかなぁ……」
「愛されている証拠でしょ! 何も恥ずかしくなんてありません」
「はいはい」
「むー。アルス君」
「うん」
「あたしと、初めてしたときのこと、覚えてる?」
「忘れるわけないじゃない。……俺から無理矢理したようなもんなんだし」
「ホントはねぇ、あの時、逃げようと思えば逃げられたんだよねー」
「え、そうだったの」
「うん。でもねぇ、ダメだねぇ。誘惑に負けちゃったんだよ」
「誘惑?」
「このままアルス君としちゃったら、きっとすごく幸せだって。きっとものすごく気持ちいいって」
「……」
「ねぇ、あたし初めてだったんだよ。それなのに、すっごく気持ちよかった」
ちゅ。
「理性はダメだって言うのに、欲求に負けちゃった。ダメなお姉ちゃんだよね」
「そんな、アイシャ姉は最後までダメって言ってたじゃない」
「口だけだよ。身体は、本当に喜んでいた。だから、2回目以降も、ホントはずっとしたくてたまらなかったの」
「そうだったんだ」
「うん。すればするほど、アルス君のことが好きになっちゃって、もうどうしていいかわからないくらいだった」
「うん」
「だから今はすごい幸せ。ルロイ君が産まれて、もう一度アルス君があたしを迎えに来てくれて。本当に夢じゃないかと思う」
「夢じゃないよ、アイシャ姉。俺はここにいるよ」
ぎゅー。
「んふふ。ああ、幸せ……」
「うん」
「……ねえ、アルス君はお兄ちゃんみたいに奥さんがもっとほしいとか、思わないの?」
「……思わないなぁ。俺はアイシャ姉だけがいいよ」
「あたし、文句言わないよ。アルス君が本当に大切だと思う人なら、シルフィ姉たちみたいに、受け入れられるよ」
「ホントにいらないんだ。俺はずっとアイシャ姉だけ見てたから。子供の頃から、ずっと。今さらアイシャ姉に並ぶような誰かが現れるとは思えないよ」
「そうか。んー。こんなにかっこいいアルス君をあたしが独り占めしちゃっていいのかな、って気になるんだ」
「いいよ。独り占めしてよ。俺もアイシャ姉を独り占めするから」
ちゅっ。
「えへへ……お互い、独り占めなんだ……なんか、嬉しいな」
「うん」
もじもじ。
「なに、アイシャ姉」
「あのさ……ベッドいきたいな」
「ん」
「今日はね……めちゃくちゃにしてほしいな……」
「え」
「いっぱい注いでほしいし、飲ませてほしい。あたしがアルス君のものだって、身体にわからせて?」
がばっ。
「そんなこと言われると、激しくしちゃうよ」
「うん、いっぱい激しくしてほしい……お願いね?」
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「アイシャ姉、もう朝だよー。ご飯できてるし、ルロイはもう食べちゃったよー」
「ううう……」
「気持ち悪い? 寝る前に解毒したけど、足りなかった?」
「いや……お酒は残ってないんだけど……ううう」
「どうしたの?」
「昨日、あんなことまで言うつもりはなかったんだよ……初めてのキスとか、初めての時のこととか」
「あー……」
「恥ずかしくて……アルス君の顔が見れないよ……」
「アイシャ姉」
ぐいっ。
「ダメ、顔見ないで……」
「アイシャ姉。俺は昨日のアイシャ姉の言葉を聞いてホントに嬉しかった」
「……」
「キスも初めての時も、俺だけの暴走で、アイシャ姉を傷つけてたんじゃないかって、ずっと思ってたから」
「アルス君……」
「本当は、アイシャ姉も望んでくれていたなんて、嬉しかったよ」
ちゅっ。
「アイシャ姉。愛しているよ……これからも、ずっと一緒にいてください」
「……はい」
「じゃあ、ご飯食べるよね?」
「うん。……アルス君」
「うん」
「あたしも、アルス君を愛してる。……ずっと、ずっと、一緒にいようね」