オーバーロード ~堕ちし聖女と黒き騎士~   作:赤猫project

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これにて森の賢王回は終わります!

多分原作よりハムスケ強く表現したかもしれない……?


第6話

私達は森に入った後漆黒の剣とニニャに「探知系魔法のセットに行く」と伝え一旦別れる事にした。

分かれた理由は一つ、森の賢王と合い我々の武勲を増やそうと考えたのだ、其の為事前に猛獣使いであるアウラをこの森に呼んでいたため今合流しようとしていたのだ。

 

「お待ちしておりました、アインズ様!」

「ア、アウラ様?」

「どうしてこちらに?」

「あれ?ナーベラルもグレイもアインズ様から聞いてない?」

「あ、ごめん言ってなかったわね」

 

かくかくしかじか

 

「なるほど、森の賢王をですか」

「そそ、今から私が呼んでくるからそれをアインズ様方が対応するの」

「アウラよ、"森の賢王"なる魔獣の目星は付いているか?」

「大丈夫ですオルタ様、特徴的にあの子かな……早速仕事に掛かります」

「頼んだぞ」

「はい!」

 

アウラは颯爽と森の樹々の枝を飛び越えこの場を去って行った。

私達もあまり長く彼らと離れていては変な疑いを掛けられる可能性もある為すぐさま漆黒の剣のメンバーの元に戻り警護を任務を再開した。

 

「あ、モモンさん」

「お待たせしました、行きましょう」

「はい!」

 

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

その後数分間、ンフィーレアの周辺警護を行う。ンフィーレアは軽い足取りで薬草が自生している場所に赴き、慣れた手つきで自身の背に背負っている籠の中に積んだ薬草を入れていく。オルタはこの世界の薬草などの知識を知る為にンフィーレアに薬草の事や効能の事について聞く。

 

「――成程、その紫の花が咲いている薬草がポーションの劣化を伸ばしているのか」

「はい、それとこの花の近くに自生している青い花びらが特徴のこの薬草を一緒に混ぜて回復効果を高め、劣化を伸ばした物が家で販売しているポーションになるんですよ」

「成程……」

『この知識は今後のポーション確保、量産で使えそうだな』

『オルタさん、ポーションの製造方法とか薬草の効果などを知るのは良いと思いますけどポーションそんな使う事ありますかね?』

『いや、ポーションに関しては世界征服の前段階……"国を作った後"の事で使えると考えただけだ』

『……"国作り"?』

『ほら、行くぞアインズ。彼らは先に進むようだ』

『えちょっとまって、国作る???どうゆう事ですか』

『……どういう事も何も、世界征服するのに国作らないハズ無いだろう?』

『……あっ』

 

世界征服に必要な事について全く知らなかったアインズは放っておいて、オルタはンフィーレアの薬草採取を手伝いつつ情報を集めていた時、突如森の奥から突如大きな轟音が響き渡り森が大きく揺れ始める。おそらくマーレが呼んだ森の賢王がこちらに向かっているのだろう。漆黒の剣のメンバーもそれに気づき周囲を警戒する

 

「これは……でけぇのがやってくるぞ!」

「ンフィーレアさん達はこの場を離れてください、私達で対処します」

「だ、大丈夫ですか!?」

「容易く追い返して見せましょう」

「モモンさん方、森の賢王はこの森の魔物達を抑えている存在でもあります。なので……できれば殺さないようにお願いします」

「わかりました、早く森の外へ」

「はい!」

 

モモンがそういうとンフィーレア達は少し安心した不安げな表情をしながらも、森の外へと走り出した。

 

「……とは言ったが、見届け人が居なければ森の賢王かどうかわからないな」

「そうですねー、どうしますモモン?」

「……殺さなければいい訳ですし、尻尾か足の一本ぐらいは切り落としましょうか」

「じゃあ対処は私が受け持とう、元から戦士職で物理防御はお前より高いからな」

「お願いします」

 

私達が作戦会議をしていると前方から大量の土煙がこちらに向かってくるのが見えて来た。あの感じからするとかなり大型、馬は狼とは明らかに違う種の魔獣だろう。

すると早速土煙から緑色の何かがものすごいスピードでこちらに飛んできた。アルトリアはその攻撃を片手剣で受け止める、すると――

 

「――ほぉ」

 

魔獣の一撃に体が後ろへとずり下がったのだ。

100レベルのアルトリアの体が後ろに下がる程の力なのか、ノックバックの効果をもったスキルか武技の可能性もある。

 

「面白い、私が後ろに動かされるとは――」

「へぇ、この魔獣……面白そうね」

「ノックバック持ちでしょうか……」

『――それがしの初撃を完全に防ぐとは見事で()()()》』

「「「……ござる?」」」

『さて……それがしの縄張りの侵入者よ、今この場から逃走するのであれば先の見事な防御に免じそれがしは追わないでござるが、どうするでござるか』

「フッ愚問だな、それより姿を見せないのは自身が無いのか、それとも照れ屋だからか?」

『ほぉ言うではござらんか……ではそれがしの威容に瞠目し畏怖するがいい!』

 

そう言い放った謎の声の主は私達の前からゆっくりと姿を現した。

周囲の樹々ほどある巨躯とその胸囲に浮かぶ魔法陣、前足に生えている鋭い爪、硬質な緑鱗(りょくりん)に覆われたしなやかな鞭のような尻尾……そして鋭く光る獣の眼光……

 

その恐ろしい姿の正体は――

 

ハムスターだった――

 

「少し聞きたい、お前の種族名はー「ジャンガリアン・ハムスター」とか言わないか?」

「なんと、それがしの種族を知っているのでござるか!?」

「あ、ああ。というかお前より小さい普通のハムスター飼っていたな」

「なんと、同族が居れば教えてほしいでござる!」

「それは……サイズ的に無理だな」

「そうでござるか、仕方ないでござる……」

「なんかすまんな……」

 

まさかのハムスターで場の空気が滅茶苦茶になってしまった、モモンはフルフェイスで表情が分からないがおそらく唖然としており、ラピュセルはその姿をみて腹を抱えて爆笑、ナーベは無表情でグレイは何故か少し嬉しそうな顔をしていた。

 

「おっと、それよりも……無駄な話は止して、命の奪い合いをするでござる!」

 

魔獣はさっきまでののほほんとした雰囲気を一蹴し、戦闘態勢を取る。

 

「なら正々堂々、一騎討ちと行こうじゃないか」

「なら、それがしから行くでござる!」

 

魔獣はその巨躯には見合わないスピードで突進、その一撃を聖剣で受け止める。だがやはりその一撃はアルトリアの体を少し後ろにのけ反らせた。

アルトリアはすぐさま魔獣の体を弾き体勢を整え斬り掛かる、が魔獣はその強固な爪で受け流し反撃。本気を出していないとはいえ聖剣の一撃をあっさりと流され反撃されたのはこの世界にきて初めての経験だ。

 

「(この魔獣……見た目はともかく能力は良いモノだな)」

「素晴らしい動きでござるな!」

 

魔獣は攻撃を防がれると周囲を走り回り、自身の体から低位の精神系魔法を放ちはじめた。

私達はパッシブスキルやアイテムで得たスキルでがっちり守っているため全く効果が無いが、漆黒の剣のメンバーがあの魔獣と戦っていたらほぼ勝ち目は無かっただろう。

 

「魔法も使えるのか、だが低位の魔法は私達には効かないぞ」

「ならば!」

 

魔獣は高く跳躍、自身の体を拘束で回転させ頭上から落下してくる。アルトリアは聖剣で受け止めるが意外と思い一撃に空いていた片手で剣を抑え一撃を受け止める。ガリガリと硬質なモノがぶつかりあう音が森一体に響き渡る

 

「堅い毛皮だな!」

 

アルトリアは本気で片足を切り落とそうと、魔獣を弾き飛ばし急接近。その勢いのまま斬り掛かるが瞬時に見抜かれ魔獣は後ろにバックステップ、聖剣の斬撃は深くは命中しなかったが軽い傷を負わせた。

魔獣はバックステップしながら自身の尾を勢い良く動かし殴り掛かる。魔獣の尾の一撃が来ることを瞬時に理解したアルトリアはすぐさま二撃目を振るい尾を弾こうとする。

だが、魔獣の尾は弾き飛ばされる寸前に向きを急激に変えアルトリアの背中に回りこんだ。アルトリアはバク転で後ろからの攻撃を回避しそのままの体勢で剣を振り下ろす。

尾はまたもや勢いを殺すことなく向きを変え剣に向かい飛んで行きぶつかり合う。大きな金属音と火花が散り二人は距離をとった。

 

「はは、この世界でこれ程楽しめたのは久しぶりだ」

「それがしも、これ程の強敵と相対した事は初めてでござる!」

「本気じゃないとはいえ適格にアルトリアの攻撃を弾く敵とか久々に見たわ」

「……本当に魔獣なんだな、あの姿で」

「だが、私達にも時間がないんだ。すぐに終わらせるぞ」

「お主、一体何を――」

 

突如オルタが剣を魔獣の顔に向ける、すると――

 

「スキル【黒龍の覇気】――」

「――……レベル1」

「……?ヒッ、ひゃああぁぁぁぁぁ……こ、降参するでござる、それがしの負けでござるぅぅぅぅ……」

 

スキル【黒龍の覇気】とは竜種・竜人種の最上位種族である竜王種の入手時に一緒に手に入るスキル。効果は相手に恐怖等のデバフを与えるアンデット系種で覚えるスキル「絶望のオーラ」のドラゴン版である。

 

「ふふ、中々楽しめたぞ」

「私個人としては、なんか拍子抜けな感じはしますけどね……」

「そう言うなモモン。この魔獣、ユグドラシル時代の使役獣でのジャンガリアン・ハムスターとは全然違ったぞ」

「このままこの魔獣を連れていくのは個人的に良いと思う」

「えっ!?本気ですか!?」

 

本来ジャンガリアン・ハムスターという魔獣は女性人気で何匹か相手した事あったが、これ程の戦士技能を持ち魔法すら扱う個体は見た事が無かった。おそらくこの世界で独自進化したジャンガリアン・ハムスターの上位種の可能性が出て来たのだ。

 

「個人的にはナザリックに連れて行ってみたいな」

「えっええ……」

「まあ、それは今は良いとして……こいつの事は頼むぞモモン」

「はぁ……えっ私ですか!?」

「そりゃそうだろう、ラピュセル・グレイ・私で3人パーティーだがお前達は二人組だろう?数的にもちょうどいいしな(?)」

「いやいやいや……!ラピュセルさんやナーベ達はどう思う」

 

「私としては良いと思いますよ、ギャップとかも……プフッククク……♪」

「ラピュセルさん笑ってるじゃないですか!?」

「私は御方々の意見に従います。この魔獣、強さはともかく力強い目をしていると思います」

「わ、私もモモンさんと一緒で良いと思います…!」

「ば、馬鹿なっ……!」

 

まさかの満場一致で賛成だった事に驚きを隠せないまま私達は森の出口にむかい漆黒の剣のメンバー達と合流をした。

そしてそのメンバー達に魔獣の事を伝えるとアルトリア達と同じようなリアクションを取る光景を見たモモンはしばらく考える事をやめたのだった。

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