絶次元ゲイムネプテューヌ 激爪のビッキィ 作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)
神次元ゲイムギョウ界──そこは女神と呼ばれる存在が国を作りその下にマーカーキャラ達が集う世界。神次元ゲイムギョウ界には四人の女神がおり、それぞれが統治する四つの国家によって世界が構成されている。
女神グリーンハートが治める、リーンボックス
女神ホワイトハートが治める、ルウィー
女神ブラックハートが治める、ラステイション
女神アイリスハートが治める、プラネテューヌ
そしてこの物語はその神次元から降り立ってきた、陽だまりを失った少女の軌跡。
【ジェットセット山道】
プラネテューヌとラステイションの間にあるそのダンジョンの中に、一人の少女がモンスターと対峙していた。
「…………」
黒髪のはねっけのあるショートに、炎を連想させるオレンジ色の瞳の可愛らしい顔立ちである。服装は黒に赤いラインの入ったパーカーに特に特徴のない普通のジーパン、首にはヘッドホンを掛け、黒いスニーカーを履いていて、そして両腕には厳つい赤色のガントレットを付けたその少女は構えをとってモンスター……【ハシビロコウ】と対峙している。
「……ッ!」
先に仕掛けてきたのは、少女からだ。その足で地面を蹴り上げて、ハシビロコウに向かって走り出す。正面から向かってきた少女にハシビロコウは自身の羽を広げ、突風を巻き起こして少女を吹き飛ばそうとする。
「──ッ!!」
だが少女は突風をものともせず、足を止めることなく真っ直ぐハシビロコウに向かいそのまま──
「ハァッ!!!」
ハシビロコウの顔面に左ストレートを叩き込む。殴られたハシビロコウは吹き飛んで壁に激突。今の一撃で致命傷を受けたのだろう。そのまま消滅した。
それにしてもこの少女、モンスターを一撃粉砕とは外見からは想像もつかないパワーである。
「…ふぅ。…まぁこんなもんかな」
「ビッキィ殿。そちらもおわったようで御座るな」
「ああ。そっちも終わったみたいだな? ステマックス」
「うむ。拙者の方もとこ通りなく終わったで御座る」
一息ついていた少女に一体の
そしてこの少女はビッキィというらしい。
「なら、そろそろプラネテューヌに戻るぞ」
「ビッキィ殿、貴女は戦闘を終えたばかり。少し休憩した方が…」
「必要ない。さっさと行くぞ」
「…承知したで御座る」
自分に気を使うステマックスの案を断り、ビッキィはプラネテューヌに向かって歩いていく。ステマックスはそんなビッキィの言葉に複雑そうな反応をしながらもその後に付いていく。
「…ビッキィ殿」
「何? ステマックス」
「何故、ハシビロコウの攻撃を避けなかったの御座るか? ビッキィ殿なら、わざわざ攻撃を受ける必要など……」
「わたしには『オートヒール』がある。だから避ける必要なんてない。……聞きたい事はそれだけか?」
「いえ…要らぬ事を聞いて申し訳ないで御座る」
「…なら行くぞ」
「……御意」
ステマックスはビッキィの無茶な戦い方を咎めようとするも、当の本人は聞き耳を持たない。そして二人はプラネテューヌに向かって歩き出すのだった。
【プラネテューヌ協会】
「ビッキィ・ガングニルです。クエストを完遂いたしました」
「同じくステマックス、任務完了で御座る」
「お二人とも、おつかれさまです! (≧▽≦)」
「二人とも〜おつかれさま〜!」
「…わざわざ出迎えにきたんですか。アイリスハート様、イストワール様」
「おお、ぷるるん殿にいーすん殿! お出迎えしてくれてありがとうで御座る!」
「うん、二人が戻ってくるの、まってたんだよ〜」
「プルルートさんがどうしてもって…ひゃわっ!? ステマックスさん!? いきなり指で頭をなでないでくださいー! Σ(゚Д゚) 」
「すまぬ…いーすん殿…しばし、しばし拙者に癒やしをくだされ…」
プラネテューヌ協会に戻ってきた二人を出迎えたのは、薄紫の長い髪をおさげにした少女…プラネテューヌを納める女神、アイリスハートこと『プルルート』と本に乗った妖精のような姿をした幼女…プラネテューヌ教祖『イストワール』の二人だ。
「キィちゃ〜ん、ステちゃ〜ん。ちょっと、お話があるの〜」
「…何ですか、アイリスハート様?」
「どうかしましたかな? ぷるるん殿」
「ステマックスさ〜ん、あたまをなでるのをやめてくださ〜い( ≧Д≦)」
「うお!? す、すまんで御座る、いーすん殿。拙者とした事がつい夢中になってしまった……」
「ステマックス…お前何やってんだ…」
「いや…その…拙者は…ただ、癒やされたくて…」
「うう…かみがぐしゃぐしゃです…( ;∀;)」
「いすとわ〜る〜なかないで〜」
ビッキィ達を出迎えた二人はそのまま自分達の部屋までビッキィ達を案内し、そのまま話を始めようとプルルートがビッキィ達を自身が付けたあだ名で呼ぶ。呼ばれた二人は返事をするが涙目になったイストワールの怒った声がした。……どうやら部屋に入るまでずっとステマックスに頭を撫で回されていたようだ。
原因であるステマックスに冷たい視線を向けるビッキィ。そんな相棒の軽蔑の眼差しを見て、慌てて弁明するステマックス。髪が乱れて、泣くイストワールを慰めるプルルート。
──客観的に見てカオスである。
「…あっぷるるん殿! 話とは何かな!?」
「うわ、露骨に話を戻したなこいつ…」
このままでは危ない。そう判断したステマックスは話を強引に戻す事にした。そんな相棒にビッキィは呆れる。
──仕方ない、だってこのままだったらプルルートを怒らせる可能性があったのだから。誰だって命は惜しい。
「プルルートさん、ありがとうございます…もう大丈夫です…わたしお仕事残っているので、これで失礼します…( ;∀;)」
「わかった〜。いってらっしゃい、いすとわ〜る〜」
慰められた事で多少は立ち直ったイストワールはプルルートにもう大丈夫だと言い、残っている仕事を片付けに別室に行った。そんなイストワールを、手を振って見送るプルルート。そして二人に顔を向けて、改めて要件を伝える。
「おはなし〜? …あ~! 〜ひさしぶりにあたしや~アイエフちゃん達と~いっしょにごはんたべよ〜」
「おお、ならごちそうになるで御座──」
「すみません、わたしはこれから用事があるのでお断りします」
「ちょっ、ビッキィ殿せっかく、誘ってくれているのにそのような態度…」
「だったら、ステマックスだけここに残ればいい」
「いや、拙者だけ残っても──」
「いいの、ステちゃん」
「…ぷるるん殿…しかし…」
「だから、いいの。…そっか〜残念だけど〜しかたないね〜。ごめんね〜」
「…ではわたしはこれで失礼します」
プルルートの話とは、食事の誘いだったようだ。喜んで誘いを受けるステマックス。だがビッキィの方は用事があると言って断る。そんなビッキィの態度をステマックスは咎めようとするも、プルルートに静止されてしまう。そして残念そうにしながらビッキィに謝るプルルート。そんなプルルートの様子を見ながら、ビッキィは部屋を出ていく。
「…ぷるるん殿…」
「な〜に? ステちゃん」
「ビッキィ殿がすまんで御座る」
「大丈夫。気にしてないよ〜!」
「ぷるるん殿…」
ビッキィが出て行ってしまい、重い雰囲気が漂ってきた部屋の中でステマックスは相棒の態度の事をプルルートに頭を下げて謝罪する。
だがプルルートは気にしてないといい、ステマックスの頭を上げさせる
「ねぇ、ステちゃん。キィちゃんの用事ってあの事?」
「…はい…ビッキィ殿は――ビッキィは二年たった今でもミライの事を探し回っているよ…」
「…そっか…そうだよね。…キィちゃん、ミーくんの事大好きだったもんね。」
「そうで、御座るな…」
「どうして…こうなっちゃったのかな…ミーくんが居なくなってから、キィちゃん変わっちゃった…」
「プルルート様…」
「昔はいっぱい笑って、いっぱい泣く子だったのに…今は泣くことも笑うこともしないよ…」
――プルねぇさん、見て見て!わたし、新しい技が使えるようになったよ!――うう、プルねぇさん、ごめんなさい…だからおねがい…おこらないで…
かつては自分を姉のように慕ってくれた妹分との様々な思い出が甦り、プルルートは静かに涙を流す。
「…プルルート様…すまない、オレが不甲斐ないせいで…」
「…うんうん。ステちゃんは何も悪くないよ。…いきなり泣いたりしちゃってごめんね…あたしもう、大丈夫だから…」
「プルルート様…」
「…だから、お願い。キィちゃんの傍にいてあげて」
「言われずともそうする…では、拙者はこれにて失礼するで御座る」
「うん、キィちゃんをお願い。」
「御意」
プルルートの願いを聞き届け、ステマックスはビッキィの後を追う
【プラネテューヌ外】
(プルねぇさん…ごめん…でも、わたしはあきらめたくない…ミライは絶対に生きている。必ず、見つけて見せる)
「――ようやく追いついたで御座る、ビッキィ殿」
「…ステマックス、何のようだ?」
「貴女のお傍にいるのが拙者の役目で御座る」
「…わざわざ追ってきたのか?そのまま飯食っていけばよかったのに、馬鹿な奴」
「拙者、人の食事では栄養がとれんよ」
「そういう意味じゃねぇよ…」
日が沈んでいるプラネテューヌの外でビッキィはプルルートへの罪悪感を感じながらもラステイションに向かって歩いていた。
だが後ろから聞きなれた声が聞こえてきたので歩みを止めて、自分を追ってきたステマックスの方をむく。ビッキィの問いに対し、唐突な天然(?)ボケをかますステマックス。そんな相棒に対してビッキィはつい反射的にツッコミをいれる。
「…ビッキィ殿」
「何だ」
「ミライ殿のことは諦めて居ないので御座るか?」
「当たり前だ。ミライは絶対に生きている」
「他の国の女神殿達の協力をもってしても見つけだせなかったのに?」
「…ああ。」
「――超次元にもいなかったのに?」
「っ…それでも、あきらめない…あきらめたくない…!」
ステマックスの問いに答えていくビッキィ。その瞳からうっすらと涙を浮かべている。
「…ビッキィ殿、貴女の気持ちは痛い程わかる。だが、だからといって――!?」
「なんだ、どうしたステマックス…?…なんだ、このでかい穴!?」
「ここから離れるで御座る!」
「言われなくたって…ッ!?…くっ、吸い込まれる?!」
「ぐぅぅ…ビッキィ!手を、オレの手をとれ!そして絶対に離すな!」
「す、ステマックス…」
「ミライだけでなくお前まで失うなんてオレには耐えられない!だから、頼む…!オレの手を握ってくれ…!」
「………うん」
ステマックスはビッキィに対して言葉を続けて伝えようとするが、ビッキィのすぐ後ろに何の前触れもなく巨大な穴が現れる。それに気付いた二人はすぐに逃げ出そうとするも、穴から凄まじい吸引力が発生し二人は吞み込まれそうになる。その直前にステマックスがビッキィに自分と手を繋ぐようにと懇願。相棒の…かつてはプルルートと同じくらい慕っていた兄貴分の言葉を聞き、ビッキィはその手をとる。そしてそのまま二人は――
「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」
穴の中へと呑み込まれていった――
【????】
…わたしたちの世界の事情にあなたたちを巻き込んでしまって、ごめんなさい…でも、どうか…お姉ちゃん達を…皆を助けて…!わたしたちの世界を、ハッピーエンドに導いてください…!
プロローグなのに長すぎる気がする…