絶次元ゲイムネプテューヌ 激爪のビッキィ   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

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イメージOP『誰が為に愛は鳴る』


01 運命の出会い

【ある研究者の記録】

 

ーープラネテューヌの山岳にある、タリの遺跡から古代女神の遺産を発掘した。

奇跡的に良好な保存状態の物を二つもだ

私はそれを徹底的に解析した。

わかったことは、三つ。

一つ目は、このUSBメモリ型の物体の名は『ゲイムメモリ』ということ。

二つ目は、ゲイムメモリの中にはモンスターの遺伝子がデータ化され、記憶されているということ。

三つ目は、ゲイムメモリを起動させ、人体に挿し込むと使用者の身体にそのモンスターの遺伝子データが入り込み、その姿をモンスターへと変貌させてしまうことだ。

 

 

 

突如、何の前触れも無く現れた穴に吸い込まれたビッキィとステマックス。二人は今どうなっているかというとーー

 

「「うわぁぁぁぁぁ!!?」」

 

空から真っ逆さまに落ちていた。

 

「どうすんだよ、ステマックス!?わたしたちこのままじゃ…!」

 

「どうすると言われても、拙者空は飛べないで御座る?!」

 

「…忍術ッ!なんかいい忍術ないの!?」

 

「…そうだ、あれなら!ビッキィ殿、しっかり捕まってるで御座る!」

 

「わかった!」

 

このまま何もせずに落下したら間違いなく、下の森の木々にぶつかりながら地面に激突は必至。

いくら頑丈な自分達でも無事では済まないと思ったビッキィはステマックスに何とかこの状況を解決する、いい忍術はないのかと問う。

相棒の言葉に心当たりがあったのだろう、ステマックスは自分にしっかり捕まってるようにビッキィに言う。

 

「忍法・転移の術!」

 

…特に何も起こらなかった。

 

「……だめじゃねぇか!?」

 

「ど、どうして!?何故、転移が使えないので御座る?!」

 

「仕方ねぇ…!ステマックス!二人で協力するぞ!だから一旦離れろッ」

 

「…協力って…?…まさかビッキィ…!」

 

「ああ、ゲイムメモリを使う!」

 

「ッ…無理はするなよ!」

 

まさかの転移が使えないという事態にビッキィはツッコミ、何故か転移が使えないステマックスはただ混乱する。

だが今度はビッキィの方になにかあるらしい。

自分から一旦離れろと言うビッキィにステマックスは心当たりがあったのだろう。少し、戸惑いながらも無理はするなと伝え、一旦手を離す。

 

「ーーゲイムメモリ・モデルS、インストール! 」

 

パーカーのポケットからUSBメモリ型のアイテムをとりだして、そしてそれを左腕のガントレットのスロットに挿し込む!

 

ーー『Solgrega Injectrise.』

ガントレットに挿入されたメモリから発した電子音声の直後にガントレットから太古に絶滅した古代モンスター、『ソルグレイガ』をモデルにした『ゲイムモデル』が現れる。

ゲイムモデルがビッキィに向かっていき、それをビッキィが自身の左拳で殴るようにあてる。するとゲイムモデルが光の粒子に分解され、そのままビッキィを包み込んでいく。

黒をベースにオレンジ色の発光ラインが特徴的なボディースーツ、同色の両腕に巨大なクロー、足にはメカニカルなブーツが付き、そのつま先からは両腕のクローと同じ形状のブレードが生えている。

頭には獣の耳とたてがみを模したヘッドギア、腰にも先端にブレードがついた長いオレンジ色のチューブみたいな尻尾が付く。

そして、瞳も紅くなり、獣のように縦に割れる。

ーー『Monsgear Solgrega Complete.』

変身完了の直後に再び電子音声。

 

 

「ーー行くぞ、ステマックスッ!」

 

「御意!」

 

メモリの中の遺伝子と自身の体内の因子を元に作った生体装甲を纏ったビッキィはステマックスに声を掛け、ステマックスはそれに勢い良く応える

 

「激爪連牙ァッ!」

 

「忍法・風遁の術!」

 

前に出たビッキィが自身の両腕を交互に振って障害物の枝木を切り裂く、対してステマックスも両手で印を組み、旋風を起こすことで落下の勢いを殺していく。

そして段々地面に近づいていき、そのまま無事に二人は着地した。

 

「「ふぅ…セーフ…!」」

 

「ビッキィ殿!お体の方は大丈夫で御座るか?」

 

「問題ない。…まず、ここはどこだ?」

 

「むぅ…神次元でも超次元でもないのは間違いないで御座る。ーー転移ができなかったことが何よりの証拠で御座る。」

 

「…やっぱりそうか」

 

「さて、どうしたものか…」

 

「…そうだな。…!?」

 

「?ビッキィ殿どうしーーお、おい!?」

 

なんとか着地に成功し、安堵する二人。だが自分達の今いる世界が故郷とも、その故郷と縁深い世界でもないとわかり、これからどうするか考える。

そんな時にビッキィの様子がおかしい事にステマックスは気づき、声をかけるがビッキィはよつん這いの姿勢になり走っていってしまう。

ステマックスは慌てて全速力でその跡を追う。

 

「ビッキィ殿どうなされた!?急に走り出して…!」

 

「…匂い…!」

 

「…匂い?」

 

「ああ、知ってる匂いがしたんだ!ーーアイエフさんとコンパさんの匂いに似てる!」

 

「な、なんと…!」

 

「わたしは先に行っている!」

 

「…わかった!」

 

そう、変身したビッキィの嗅覚が彼女のよくしる二人の匂いを嗅ぎ取ったのだ。

確かめる必要がある。そう思ったビッキィはさらに速度をあげ、匂いを辿っていくのだった。

 

 

【バーチャフォレスト・最深部】

 

ビッキィ達の視点より十数分前、ある一つの勝負の決着がついていた。

 

「…ク、クソッ!ズリーぞ!変身なんてしやがってよ!」

 

ネズミを模したフードを被った女…犯罪組織の工作員、下っ端の『リンダ』は自分を負かした少女に悪態をついていた。

 

「――大人しく退いてください。そうすれば見逃してあげます」

 

腰まで伸ばしたピンク色に近い、大きく二又に分かれた髪、プロセッサユニット【ライラック】を装着し、欠けた電源マークを思わせる水色の特徴的な瞳をした少女…プラネテューヌの女神候補生、『ネプギア』はリンダにここから大人しく退けば見逃すと言っている。…どうやら、リンダの命を奪うつもりはないようだ。

 

「はい、分かりました…何て、言うわけネェだろうが!こうなったらこっちだって奥の手を使ってやるっ!」

 

往生際の悪いリンダは隠し持っていた、メモリが刺さった紫色の禍々しい形状をしたゲームコントローラーを取り出す。

 

「な、なんです?あれ…」

 

「…ゲームの、コントローラー?」

 

ネプギアとリンダの戦いを静観していた、金髪にCの形をした髪飾りをした少女『コンパ』に腰まである長い茶髪にリボンをした少女『アイエフ』はリンダが取り出した、謎のコントローラーに困惑を隠せない様子だ…

 

「それで一体何をする気ですか!?やめなさい!」

 

「だから、テメェの言うことなんぞ聞かネェっての!ゲイムメモリ、強制インストール!」 

 

『Game model Domination.』

 

リンダがコントローラーの中央下にある、スタートボタンを押す不気味なトーンの電子音声が鳴るとコントローラーから通常の個体よりも一回り大きな汚染エンシェントドラゴンのゲイムモデルが現れ、そのままリンダを体内に取り込み、銀色のメカニカルな姿へと完全に実体化する。

 

「ーーゲイムキャラごと踏み潰してやるっ!!!」

 

「「「…え?えええええ!?」」」

 

汚染エンシェントドラゴン改め、メタルエンシェントドラゴンの内部でリンダは吠える。

対してネプギア達だが、あまりの超展開に三人とも付いていけず、思わず叫び声をあげてしまう。

 

「何よあれ…!何なのよあれぇ!?」

 

「お、おっきいです…!」

 

「…一体何がどうなってるの…!」

 

「ごちゃごちゃウルセーぞっ!」

 

「「きゃああああ!!?」」

 

「アイエフさん!?コンパさん!?」

 

未だに混乱の極みにある三人に、メタルエンシェントドラゴン内部のリンダはコントローラーを操作。地面を思い切り踏みつけ、地響きを起こしてアイエフとコンパの二人を立てないようにする。…元々飛行できるネプギアは慌てて二人の救出に向かおうとするが――

 

「――隙ありぃ!」

 

「きゃあ!?」

 

「ネプギア!?」

 

「ギアちゃん!?」

 

二人の救出をしようとしたネプギアだが、いつの間にか背後にまで近づいていたメタルエンシェントDの爪に背中を切りつけられ、さらに追い打ちと言わんばかりに尻尾で叩かれて地面にぶつかる。

完全に不意をうたれたネプギアはダメージを負ったものの、何とか立ち上がる。

 

「う、うう…!」

 

「ネプギア、大丈夫!?」

 

「は、はい…何とか…!」

 

「ギ、ギアちゃん…!待ってるです、今お手当てするです!」

 

「あ、ありがとうございます…コンパさん…」

 

ネプギアは二人に駆け寄られ、回復魔法をかけてもらう。

 

「へへへ、この隙に当初の目的を…」

 

「――!させません!」

 

「もう遅ェよ!うおりゃあ!」

 

そしてリンダはその隙に当初の目的であるプラネテューヌのゲイムキャラ『パープルディスク』を破壊しようと近づく。

それに気付いたネプギアは自身の武器であるM.P.B.Lを向けて撃とうとするも、間に合わずにパープルディスクを破壊されてしまう。

 

「ああ、ゲイムキャラさんが!」

 

「へへっ、ざまぁ見やがれ!――これでここには用はネェ。次はラステイションのゲイムキャラだ!」

 

「待ちなさい!くっ、図体が大きい癖に逃げ足が速いわね…!」

 

「ゲイムキャラが…そんな…」

 

目的を果たし、この場にはもう用はないリンダはメタルエンシェントを操作してそのままラステイションに向かって逃げる。

下っ端の癖に引き際をわきまえている。

一方ゲイムキャラが破壊されたネプギア達は途方に暮れるのだった。

 

 

 

【バーチャフォレスト・最深部直前】

 

「――近い…。匂いの元はこの先だ!」

 

ステマックスに先行する形で目的の場所の近くに来たビッキィ。そのまま最深部に入ろうとした瞬間――

 

「オラオラ、退きやがれェ!」

 

「!?」

 

逃亡したリンダことメタルエンシェントに遭遇する。

 

「あっぶネェな!?ぶつかったらどうすんだ!?」

 

「…ご、ごめんなさい…って、エンシェントドラゴン?でも色が違うし喋ってる…」

 

「何ジロジロ見てんだ、ガキ!こんなとこいねぇでさっさと家に帰ってゲームでもしてな!」

 

「いや、今わたし家ないし…」

 

「…ハア?家がない?家出でもしたのか?」

 

「多分そうだと思う…?」

 

「なんで疑問形なんだよ…」

 

「「…ってこんなことしてる場合じゃない、速く行かないと(行かネェと)!?」」

 

お互いの今の見た目的にシュールすぎる茶番を繰り広げながら二人は互いの目的地へと向かって二人は正反対の方向へ走り出すのだった。

 

 

 

【バーチャフォレスト・最深部】

 

 

「――とにかく!イストワール様に報告に行きましょ。ほら、早く!」

 

あの後どうやら経緯こそ異なったものの、原作通りゲイムキャラから力を受け取ったネプギア達はイストワールに報告しにバーチャフォレストから出ようとしていた。ギアちゃんと仲良し(意味深)なアイちゃん。(小声)

 

「聞こえてるわよ、地の文!?」

 

「アイちゃん、地の文さんって誰ですか?」

 

「二人とも!メタな会話しないで早くプラネテューヌに戻りま…――ネプギャアアア!?」

 

「ネプギアさん、退いてえええ!?――ビギャアアア!?」

 

「え?何?何が起こったの!?」

 

「すごい勢いで走ってきた知らない人が、ギアちゃんに思い切りぶつかったです!?」

 

「道中、風変わりなエンシェントドラゴンが通り過ぎて困惑したが何とか追いついたで御座る…ってなんで御座るか、この状況…」

 

メタメタなやり取りを始めるアイエフとコンパを窘めようとするネプギア。だが速く行こうと焦ったばかりに全力ダッシュで向かっていた馬鹿…もといビッキィがネプギアの横っ腹に頭から突っ込んでしまう。ネプギアとビッキィの二人は仲良く奇声をあげながら地面を転がる。

急展開にもほどがある状況に困惑するアイエフとコンパ。ようやく相棒に追いついたものの、状況が飲み込めないステマックス。

 

ああもう(カオス過ぎて)めちゃくちゃだよ。

 

 

 

 




ゲイムメモリ
神次元のタリの遺跡から発掘されたUSBメモリ型アイテム。某ガイアメモリよろしく人体に直接挿し込むとモデルになったモンスターのデータ化された遺伝子が流れ込んでモンスターへと姿を変える代物。デバイスを通すことでモデルにしたモンスターのデータ…ゲイムモデルを召喚させる事ができる。
何故平行世界の超次元(以後絶次元)にあるかは現段階では不明。

モデルS

ビッキィが持つメモリ。タリから発掘された、オリジナルのゲイムメモリ。モデルになったモンスターはその当時に生息したといわれる巨大なライオン型モンスター、ソルグレイガである

モンスギア
ビッキィの体内の因子とメモリのデータ化された遺伝子が反応、結合することで生成される生体装甲。

コントローラー
リンダこと下っ端が持っていた謎のコントローラー。
どうやらゲイムモデルをメカとして実体化させ、使用者を体内に取り込む(または乗り込む)ことで自在に操作できるアイテムのようだ。
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