絶次元ゲイムネプテューヌ 激爪のビッキィ 作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)
【とある研究者の記録】
……面白い。通常時は緩やかな速度で細胞を生み出す核だがメモリを挿した瞬間、その核が遺伝子を取り込もうと急激に活性化を始め、その結果凄まじい速度で細胞が生み出されていき体が変質する……発掘された二本のメモリを既に二本とも試してみたが、どちらの結果も素晴らしいの一言につきる。
どちらのメモリもしっかり実験体に適合し、その体を変質、モンスターへと姿を変えていった。巨大なライオン型に、さらにそこから巨大な鳥型にへと、姿を変えさらにまたライオン型に戻る。……面白い、実に面白い……!
──だが一つだけ気に食わないところがある。それは一定以上のダメージを受けるとメモリが体外からから勝手に出てきてしまう事だ。くそ、なんてつまらない機能だ。
……おっと失礼、つい悪態をついてしまった。……気を付けなければ。……そういえば今使っている実験体の名前は何だったかな? ……確か……いや、どうでもいい事か。──使い物にならなければ捨てて新しく補充すればいい。
【ラステイション】
──黒の大地、ラステイション。まるで巨大な工場を思わせる重厚さを持ったその地にネプギア達と合流するのを目的に、ビッキィとステマックスは足を踏み入れていた。
「……へぇ、ここのラステイションも神次元と変わらないんだな……」
「……確かにあまり変わらないないで御座るな。……ネプギア殿達は恐らくギルドに向かったで御座るな」
ラステイションに着いたビッキィは辺りを見回しながら、表にこそあまり出していないが自分の知るラステイションとの差異をほとんど感じさせない街並みに、かえって新鮮さを感じているようだ。
一方で超次元にも行ったことがあるステマックスはビッキィとは逆に見飽きたと行った反応をしつつ、ネプギア達の向かった場所に検討を付ける。
そんなステマックスの様子を見ながら、ビッキィはステマックスが吹いた言葉に答える。
「まぁ、普通に考えればそこしかないよな。──ステマックス」
「……どうなされた? ビッキィ殿」
ステマックスの言葉に答えたビッキィは何か思いついたように、ステマックスを見つめる。急に見つめられたステマックスはほんの一瞬動揺しながらも、すぐに平常に戻りビッキィにどうしたと聞く。
「ここからは二手に分かれて情報収集しよう」
「ふむ、なるほど、了解したで御座、……ってええっ!?」
ビッキィが何気なく言った言葉にステマックスはいつもの調子で承諾しかけるがすぐにその意味を理解して驚愕の声を上げながら、どういう事かとビッキィに詰め寄る。
「な、何を言っているで御座る、ビッキィ殿!!?」
「わたしなりに情報を集めたい。……イストワール様だけに負担かけさせる訳にはいかない」
「……いや、しかし……! ビッキィ殿を一人にするわけには……!」
「大丈夫だ。わたしは足が速いから、いざとなればいつでも逃げられる」
ステマックスに詰め寄られ、ビッキィはおどろきながらも情報収集をしたい理由を話す。どうやら自分なりに情報を集めてイストワールの負担を減らしたいらしい。
だがそう言われてもステマックスは納得できない様子。それも仕方がない。彼にとってビッキィは相棒である前に娘のような存在だ。そんな大事な存在を危険が伴う情報収集に一人で行かせる等出来る筈がない。だが当のビッキィは頑として譲るつもりは無いようだ。……ステマックスは少しの間考え込み、発言する。
「だったら拙者一人で情報収集をやるで御座る! ビッキィ殿はネプギア殿達と合流されよ!」
「駄目だ。それならステマックスがネプギアさん達と──」
「いいや! ビッキィ殿がネプギア殿達と合流するで御座る! ……ミライの事ならイストワール殿とオレに任せろ」
「……っ、……分かった。情報収集はお前に任せる」
「了解した」
ステマックスは情報収集は自分一人がやり、ビッキィにはそのままネプギア達と合流する事を提案する。ビッキィはそれに対し反論をしようと言葉を伝えようとするが、言い切る前にステマックスが遮る。……最後に小声でビッキィの耳元に言葉を伝えて。真意を見通されていたビッキィは目を見開いた後、顔を下に向けて小さな声で了承する。その言葉をしっかり聞き取りステマックスは了承する。
「──では拙者は行って来るで御座る」
「……ああ、行って来い。……わたしは、ギルドに向かう……」
「御意。……ビッキィ」
「……?」
話し合いは終わり、ビッキィとステマックスは二手に分かれ、それぞれ別行動に移ろうとする。分かれる直前、ステマックスはビッキィを呼び、その手で頭を撫で始める。
「!? ステマックス、お前! ……な、なにをして……!」
「大丈夫だ。オレはお前の前から居なくならない。ミライも絶対に戻って来る。……そしてプルルート様にだっていつかちゃんと謝れる。だから安心してネプギア殿達の所に行くで御座る」
「…………」
安心させるように優しく頭を撫で付けながら、諭すようにビッキィに伝えるステマックス。ビッキィは顔を僅かに赤く染めながら、無言で聞いている。
「それにな、まだお前の花嫁姿を見れていないのに死ぬとかごめんだ」
「……? ……!? ス、ステマックスお前いきなり何言って……!!?」
「ハッハッハ。お前の親代わりとしての言葉だよ。では行ってきます」
ビッキィの様子を見ながら、ステマックスは続けて言葉を伝える。その言葉にビッキィは最初は反応しなかったが、意味を理解した途端僅かに赤く染まっていた顔が完全に真っ赤になり、目を見開きながら声をあげる。
そんなビッキィを面白そうに見ながらステマックスは親としての自身の気持ちを言って、そのまま走り去っていった。
「〜〜〜〜!!! あの、バカ忍者ァ……!」
そしてビッキィはステマックスの爆弾発言に悶えながらビッキィは恨めしそうに罵倒するのだった
【ビッキィ視点】
……許さない。あのバカ忍者、絶対に許さない……! 未だにレイさんに告白できないヘタレ忍者の癖に!
──ステマックスのばーか、ばーか! レイさんに告白するまではわたしは絶対にミライと結婚なんかしてやんないからな!!
……なんか急に空しくなってきた……早くネプギアさん達探そう……
とりあえずギルドに……あ、三人共いた。……でももう一人いるな……? ……まあいいや、とにかく合流しよう
「……ネプギアさん、皆さん」
「ビッキィちゃん! よかった、無事に会えた! ……あれ、ステマックスさんは?」
「あら、ビッキィ。イストワール様から話は通っているわ、これからよろしく……そういえばステマックスはどうしたの?」
「ビッキィちゃん、よろしくです! ……ビッキィちゃん、もしかしてはぐれちゃったです?」
「よろしくお願いします。……ステマックスは情報収集の為、別行動です」
……二人共、 ステマックスの事気になりすぎだろ……っていうかこれ絶対、わたしとステマックスはセットとして見られてるな? あとコンパさんは子供扱いしないで。……言わないけど
「……で、この子だれよ?」
「あ、ユニちゃん! この子はビッキィちゃんっていうの! ほら、さっき話した……」
「ああ、そういえば言っていたわね……これから仲間になる二人組がいるって。──アンタがそのうちの一人? アタシはユニっていうの」
……この人、ユニって言うんだ。……気のせいかな? なんかノワールさんに似ているような……? ……とりあえず挨拶はちゃんとしなきゃ駄目だな。失礼だし。
「……ビッキィ・ガングニルです。よろしくお願いします、ユニさん」
よし、我ながら良い挨拶だ。……あれ、なんかユニさんこっちをじっと見てる……見れば見るほどこの人、ノワールさんに似てる……ファンかな? この次元のラステイションを治めてるのノワールさんらしいし。
「……ビッキィだったわね? アンタいくつ?」
……え。なんで急に年聞かれてるのわたし……? ……いや正直に答よう、減るもんでもないし。
「……12です」
「……ネプギア、この子まだ子供じゃないの。……ちゃんと戦えるの? 足手まといにならない?」
……はっ?
「え!? えっと……だ、大丈夫だよ……多分」
「……どうかしら? イストワール様から聞いてはいるけど……」
「ちょっと心配です……」
……むかっ。何この人、むかつく。いやそりゃわたし見ての通りの子供だけどさ。だからといって足手まといは失礼だろ。
しかもネプギアさん達まで……、いいよだったら示すだけだ。
「……信じられないのなら、構いません。実力で示します」
「へぇ……言うじゃない。やって見なさいよ!」
上等! やってやる! ……いつまで見下ろしながら笑えるかな!!?
「やってやりますよ……!」
「……あわわ……ど、どうしよう!? なんかとんでもない話になっちゃった?!」
「あの子、意外と子供っぽいというか割と年相応ね……」
「二人の間に火花が散ってるです……!」
「さぁ行くわよ、リピートリゾートに!」
「ええ、わたしを舐めた事を後悔させてやります!」
いざゆかん! リピートリゾートォォォ! ……やっぱり別の次元だからダンジョンも違うんだな……
【??? 視点】
ふむ……『マジェコントローラー』の調整は完了だな……、む? 誰か来たようだな、入りたまえ
「博士ェ! 調子はどうすか〜?」
──リンダ君、きみか。預けていたものの調整は完了したよ。
「お、いいタイミングだったみたいだぜ! ……いつもありがとよ、博士。これ、土産の饅頭な! シャットの奴と一緒に食べなよ」
おお饅頭か、ありがたい。ああ、娘も喜ぶよ。……そうだリンダ君、この後は予定はあるかい?
「あ、すんません。……まだ仕事あるんすよ……」
そうか、残念だ。……娘ももうすぐ起きるからひと目顔を見にいって欲しかったが……仕事では仕方がない。
「……シャットは大丈夫なんすか?」
大丈夫、問題ない。……あとはこれを完成させるだけだ。
「ああ、シャットのは銃かぁ〜、……でもこれシャットにはデカ過ぎネェすか?」
大丈夫だ、それも考えてある。では気をつけて行きなさい。君に何かあれば娘が悲しむ。
「うっす。……じゃもう行きます、ウィズダム博士!」
…………行ったか。さて、そろそろシャットが起きた頃だな。昼飯を作らねば。
ウィズダム
ゲイムメモリ対応ゲームコントローラー型デバイス『マジェコントローラー』の製作者。シャットという娘がいるらしい。
キャラクターモデルはシンフォギアのアプリゲームから、ニコラ・テスラ