絶次元ゲイムネプテューヌ 激爪のビッキィ   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

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研究者(笑)さんの記録は今回で最後です。


04 爪と黒。…ついでに紫

【とある研究者の記録】

 

実験は順調だ。最近は確か…三日ほど水しか飲ませていない状態でモンスターの核を食わせたら、実験体の両腕が化け物のようになった。痛そうにのたうち回る様は見ていて面白かった。

…問題はそこからだ。あの実験体、最初はいい反応していたが腕の事が余程ショックだったのか、最近は全くいい反応をしない。なんてつまらないんだ。……7歳のガキは脆すぎるな…まぁいいか。

今日の実験を最後にあれを廃棄するか。新しいおもちゃ…モルモットなど探せばいい。

ーーああ、楽しみだ。メモリを二本いっぺんに挿したらどうなるだろうか…!ああ、楽しみ過ぎて待ちきれない…!

 

 

【リピートリゾート】

 

「「………」」

 

リピートリゾート…ラステイションの近くの海に建造された、名前の通り、リゾートのようなダンジョン。そこに若い少女が5人…だがその先頭に立っている2人の様子がおかしい。

 

…片方は強気な笑みを浮かべ、もう片方は一見なんでもなさそうに見えるがその胸の内は対抗心がむき出しだ。

そして時折ちらりとお互いの顔を見合えば、火花が散っている。

ーー言うまでもなくこの相当な負けず嫌い2人組はユニとビッキィである。

「うう…どうしよう…止めたいけど2人とも怖くて近づけないよぉ…うう、アイエフさーん!」

「よしよし大丈夫よ、ネプギア。それにしても近寄りがたいわね…」

「…むう。困ったです…」

ネプギアは止めに入りたいが対抗意識むき出しの2人の雰囲気に気圧され、涙目になりながらアイエフに泣きついた。

アイエフはそんなネプギアを慰めつつ、苦笑いしながらユニとビッキィを見る。

そしてコンパはそんなユニとビッキィの様子を見て、喧嘩は良くないと思いながら困ったように吹く。…バーチャフォレストの事以来ネプギアと仲良しになったアイエフに少しだけヤキモチを抱いているようだ。

 

「そろそろモンスターとエンカウントしたいな…」

 

「そうね。ーー大口叩いたんだから頑張りなさいよ?」

 

「…当然です」

 

 

先行している2人はそんなやり取りをしつつ、相変わらず火花を散らしている。2人の前に立ちはだかるように3体のモンスターが現れた!

 

「「「ッ!」」」

 

「ッ!モンスターッ…!…ところでネプギアさん達は?」

 

「ようやくお出ましね!…アタシ達、どうやら先に行き過ぎたみたいよ?慌ててこっちに向かっているわ」

 

「…仕方ないですね。わたし達だけで行きましょう」

 

「そうね。…行くわよ!」

 

現れたモンスターは名前の割に全然鹿には見えない、シカベーダー改と呼ばれるモンスターだ。

2人はビッキィは格闘技を思わせる構えを、ユニの方は大きなスナイパーライフルを構え、臨戦態勢に入る。

 

「ッ!」

 

「ーーッ!うりゃッ!!」

 

先手必勝と言わんばかりに、シカベーダー改3体の内の1体がビッキィに先手必勝と言わんばかりに体当たりを仕掛けてくる。

ビッキィはそれを右に回避し、そのままシカベーダー改の背後にまわり、しゃがみ込むような姿勢になり、そのまま体のバネを利用して無防備な背中をアッパー気味に殴りつけ、シカベーダーを空中に吹き飛ばす。

 

「ーーふーん。言うだけはあるじゃない。」

 

そんな事を吹きつつ、ユニはスナイパーライフルの照準を空中に殴り飛ばされたシカベーダーに定めーー

 

「目標を…狙い撃ちよ!」

 

スナイパーライフルのトリガーを引きを発射。

…発射されたライフルの弾丸は吸い込まれたと錯覚する程、精確にシカベーダー改を射抜いた。そのままシカベーダー改は消滅。残りは2体だ。

 

「…やるな。いい腕をしている。…残りも同じように殴り飛ばします!止めは任せました!」

 

「任せて!…モンスターを殴り飛ばすの頼んだわよ、ビッキィ!」

 

「了解です!」

 

ビッキィはユニの実力を素直に評価する言葉を吹きつつ、残り2体へ目を向け、ユニに言葉を伝える。

ユニもその言葉を了承。…彼女もビッキィに言葉を伝えながら愛用のスナイパーライフルの照準を早速空中に殴り飛ばされた2体目に向けた。 

 

 

「「ふぅ…」」

 

「お疲れ様!見てたけど2人共、すごかったよ!」

 

「息があったコンビネーションしていて正直驚いたわ…」

 

「ビッキィちゃんすごいです!モンスターさんが、ロケットみたいに飛んでいってたです!」

 

あのままシカベーダー改3体を倒し、そのドロップアイテム『グリーンプレート』3枚を回収した2人は向かっている3人を座り込んで一息つく。その二人の元にたった今追い付いた、ネプギア達が三者三様の反応を示す。

 

「どんなもんよ!こ・れ・が・!アタシの実力よ!…それとビッキィ」

 

「…いや、そんな…褒められても何も出ませんよ、コンパさん…はい?なんです、ユニさん」

 

3人の言葉に当然と言わんばかりに胸を張るユニにそれとは対象的に(コンパの言葉にだが)少し照れ気味のビッキィ。

そんはビッキィの様子を横目にしつつ、ユニはビッキィに声をかける。

急に声をかけられたビッキィはなんだろうと首を傾げながらも返事をする。

 

「アンタの実力を疑って悪かったわ。アンタは十分強いわ。…年の割にね」

 

「……わたしの方こそ生意気言ってごめんなさい。それにユニさんも強いです。あれほど精確な狙撃はそうそうできるものじゃありません。…あと一言余計です」

 

「あら、気づかれちゃった♪…改めてユニよ。よろしくね!」

 

「まったくもう…!…改めてビッキィ・ガングニルです。こちらこそよろしくお願いします」

 

お互いに謝罪し合いながら、実力を認め合うユニとビッキィ。ユニがさり気なく言った言葉にビッキィはツッコミを入れたりしてるが。…対するユニもペロッと下を出しながら笑う。さながら小悪魔のようだ。

 

「…なんか複雑な気分…最初にユニちゃんと知り合ったのは私なのに…でも仲良しになってよかった!…でもやっぱり複雑…」

 

「なんだかスポ根漫画みたいな展開ね…」

 

「戦いの中で芽生える友情ですっ」

 

そんな2人をネプギアは複雑な表情をしつつ喜んでいる。

アイエフとコンパは漫画のような展開に呆れ気味だったり、目を輝かせてたりと対照的だ。

 

「じゃ、そろそろ休憩終わらせて行きましょ」

 

「…そうですね」

 

「うんっ行こうユニちゃん、ビッキィちゃん!」

 

「そうね、まだクエストの途中だし」

 

「いくですっ」

 

色々会話を弾ませた5人はそろそろ休憩を終わらせてクエストに戻る。…最初の時よりは距離感が近くなっている。もしこの場に保護者…もといステマックスがいたら大喜びしながらカメラアイからオイルを漏らしていた事だろう…

 

 

        〜少女クエスト中〜

 

 

「よっし、終了!やっぱり楽勝だったわね!」

 

「うん、あっという間だった。ユニちゃんもビッキィちゃんも本当に強いね!」

 

「…本当にあっさり終わっちゃった。…すごいや、2人共」

 

「ビッキィもだけど、ネプギアも結構やるじゃない。…ま、2人共アタシ程じゃないけどね!」

 

「えー!そんなことないよー!ねー?ビッキィちゃん」

 

「ネプギアさんの言う通りだと思いまーす!」

 

「うふふ、もうすっかり仲良しさんですね」

 

「そうね、初めてじゃないかしら?あの子があんなに笑ったの。…それにビッキィって本当にあんなふうに笑える子なのね…」

 

「そうですね…安心したです。ステマックスさんから聞いてはいましたけど、本当は明るい子なんですね…」

 

「…仲直りして欲しいわねぇ…プルルートって言う女神様と…」

 

「…プルルートって人だけじゃないです…ミライって人も見つかって欲しいです…」

 

すっかり打ち解けた様子の3人。そんな3人をアイエフとコンパは微笑ましげに見ていた。…実は2人はバーチャフォレストの時にステマックスから聞いていたのだ。

…行方不明になった幼なじみを探していること、実の姉のように慕っていた女神と気まずい関係にあること、今のビッキィの体の状態のこと…そして自分が今話した事はビッキィには内密にして欲しいという事。

ーーアイエフ達を信頼しての事だろう…ビッキィには内緒でステマックスはほとんど話していたのだ。勿論、アイエフを経由してイストワールもそれは把握している。

 

「オーイ!なにダンジョンの真ん中でしんみりしてやがるんだ!」

 

「やがるんだー!」

 

「ッ!?…アンタは下っ端!…と…子供?」

 

「ビッキィちゃんと同じくらいの、子供です…?」

 

しんみりとした雰囲気を出し始める、アイエフとコンパ。 

そんな2人の雰囲気をぶち壊す声が聞こえてきた…下っ端こと、リンダと見たことない少女だ。…ビッキィと同年代だろうか?…腰まで伸ばした蒼い髪を、☓を象った髪留めでポニーテールにし、白いワンピースを着ている。当然のようにリンダの隣にいる少女にアイエフとコンパは困惑する…だがーー 

 

「ボクは、シャット。シャット・ドゥーンって言うのっ。早速悪いんだけど…お姉さん達はちょっと寝てて?ばきゅーん…」  

 

「な、何この煙…意識が…」

 

「ね、眠くなってきた、で…す…」

 

シャットと名乗った少女は、その体には不釣り合いな程大きい銃をアイエフ達に向けると、銃口から催眠ガスが漏れ、そのままアイエフ達を包み込んでいく。…その煙を吸ったアイエフ達は意識が朦朧となり、眠ってしまう…

 

「よしっ、無力化せーこー!ーーリンダっナデナデしてっ」

 

「しょうがねぇなぁ…でもよ、シャットぉ…生温くねぇか?ガス嗅がせて眠らせるとかさ…」

 

「いーのっ!怪我しちゃったらかわいそーじゃんっ…あとリンダ頭を撫でるの上手だよねっ」

 

「…そうか?普通だろ。…あとさ…博士にはちゃんと言ったのか?お前がアタイんとこに来てるって…」

 

「大丈夫だよ?パパにはちゃんとお手紙を置いていったもん」

 

(あ、これ博士めっちゃ大騒ぎしてるわ)

 

自身に懐いている少女とやり取りしつつ、リンダは少女を抱きかかえながら頭を撫で付けていた……

 

【ドゥーン地下研究所】

 

シャットォ〜〜!!!何故、勝手にリンダ君の所に行ってしまったんだ!?…くそっ体さえ、体さえ自由に動ければ…ああ、パパ超心配ッ!!!

 

 

【リピートリゾート】

 

「は、はははは…」

 

「?」

 

娘の事で大騒ぎする父親の姿が眼に浮かんだリンダは遠くを見るような目をしながら、乾いた笑いをこぼす。

そんなリンダの様子をナデナデを堪能しているシャットは首を傾げながら、不思議そうに見ていた……

 




ライバルキャラ、シャット・ドゥーン登場。
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