絶次元ゲイムネプテューヌ 激爪のビッキィ 作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)
【ユニ視点】
……全部ネプギアの所為よ。お姉ちゃん達が負けたのも、ビッキィが犯罪組織の奴らにさらわれちゃったのも、全部ネプギアの…っ!……そう思えたら、楽だったんだけどね…
『……私の所為だ。私の所為でビッキィちゃんが…あの時、1人にさせなきゃ、3人一緒にいれば……』
ーー卑怯よ。あんなに思い詰めた顔で泣いてたら、怒るに怒れないじゃない……アタシはネプギアを慰めながら、目覚めたアイエフ達に状況を説明して、そのまま2人にネプギアを任せた後にアタシはビッキィの行方の手がかりを探しにラステイションに戻ってきたのだけど、手がかりとか全然見つからなくて…疲れたアタシは一旦この辺にあるベンチで一休みしようと思ったら……
「………」
先約が居た。それもロボットで、如何にも忍者見たいなデザインをしてる。
かなりなの長身のロボットがベンチに座り込んでるとか、中々にインパクトあるわね……
「…………ッ!」
「きゃああああ!?」
…気になり過ぎて思わず隣に座っちゃったわ…。…それにしてもカメラアイに光がないわね?…壊れてるのかしら?それとも寝てるだけ?
なんて思いながら隣のロボットの顔を覗き込んで、なんとなく見つめる。
すると、すぐ後にロボットのカメラアイに光が灯り、伏せていた顔を勢いよくあげる。それを間近で見たアタシは思わずみっともない悲鳴をあげながら、一気にベンチの端っこまで離れる。……恥ずかしい…っ!
「……いつの間にかオレは寝落ちしていたのか。…不覚…!」
「ねぇ!」
「おわぁ!?……な、なんか聞き覚えのある声が…?」
……ブツブツとなんか言いながら落ち込み出した…。
そんなロボットの様子にちょっと引く。けどアタシの事に気付いてないみたいだから、声をかける。
声をかけられたロボットは素っ頓狂な声を出して、飛び上がるように、落ち込んでた事で猫背になってた背中をピンとしっかり伸ばした。……聞き覚えのある声ってのはスルーするわ。だってアタシの立場的に、聞き覚えがあるのは当たり前だもの。
「……ユニ殿?」
ほらね、やっぱり知ってた。
「アンタ、なんでベンチで寝てたのよ?」
「ベンチ?――ああ、それは少し休憩のつもりでいたら、いつの間にか眠っていたので御座る」
……なるほどね、そういう事…ってやけに人間臭いロボットね…
「やけに人間臭いロボットね、アンタ…?」
「はは、もう拙者は20年以上稼働しているで御座るからな…」
……20年!?ロボットの割には結構な長生きね、こいつ…
「へー、そういやアンタ、名前は?」
「…名前?ステマックスで御座る」
……ステマックス?…うそ、確か、ビッキィと一緒にいたっていうやつの名前も…!?――あ、ああ…!
「――ユニ殿!?どうしたで御座るっ、気を確かにっ!?」
「……ごめんなさい…ごめんなさい、ごめんなさい…!」
あの時の、ビッキィがさらわれた後のネプギアみたいに、アタシはみっともなく泣いて謝ってしまった…
【ステマックス視点】
オレの名を名乗った途端、何故かその場に崩れ落ちて泣きじゃくるユニ様をベンチに座らせて背中を擦りながら落ち着かせる。
「ごめんなさい、ごめんなさい…!」
「一体何がごめんなさいで御座る?」
背中を擦りながら、それとなく聞いてみる。
「……ビッキィ、が」
――!?何故そこでビッキィの名が…?胸中に困惑が広がるオレを余所に、ユニ殿は口を開いて説明を……
その瞬間、オレの頭の中にpipipiと着信音が鳴る。アイエフからだ。
「…え?」
唐突に聞こえてきた着信音に、ユニ様も思わず涙が引っ込んだようだ。困惑の表情を浮かべる、その背中を擦ったまま、俺はその電話に出る。
「もしもし、ステマックスで御座る。どうなされた、アイエフ殿?」
その名を聞いたユニ様の背中がビクッと反応する。……本当にどうしたというんだ…?
「…ステマックス、大変な事になったわ」
「……大変な事で御座るか?」
只事ではない。アイエフの険吞な様子にオレはそう察した。……胸中にいやな予感を感じながら、その言葉の続きを待つ。
「――ビッキィが犯罪組織にさらわれたわ」
「――――」
その言葉を聞いた瞬間オレの思考はフリーズ仕掛けた……
【引き続きステマックス視点】
フリーズ仕掛けた思考をなんとか引き戻し、アイエフから詳しい内容を聞き出したオレはすぐそちらに合流する趣旨を伝えて、電話を切る。そして申し訳ないのか、体を震わせるユニ様へと顔を向ける。
「ごめんな「ユニ殿だけの責任では御座らん」ステマックス…でも…」
「大方ビッキィが一人で突っ走ったので御座ろう?ならばユニ殿が責任を感じることでは御座らんよ」
「…心配じゃないの?アンタは、ビッキィのことが心配じゃないのっ!?」
オレの言葉に冷徹だと感じたのかユニ様は怒りの形相で立ち上がりオレの胸ぐらに掴みかかってくる。
「心配に決まってるだろ。なんとか冷静に装っているだけだ。本当はすぐにでも探しに行きたい」
「――あ、ごめんなさい…」
オレの心情を理解したのか、ユニ様は掴んでいた手を離す。落ち着いてくれたようだ。
「…それで、これからアンタはネプギア達と合流するの?」
落ち着かせる為か、一旦呼吸を整えてからユニ様はオレに質問を投げかける。
「左様。ユニ殿は?」
「…アタシもついていくわ。一人じゃ行き詰まるから」
ユニ様は悔しそうに握りこぶしを作りながらオレの質問に答える。
「…了解した。共に行こう」
「…ええ、わかったわ」
「では行くで御座る」
「ええ、行きましょう」
オレ達はそのまま、ネプギア様達の下へと向かった…
【それから十数分後】
無事ネプギア様達と合流を果たしたオレとユニ様だったが、ユニ様がネプギア様に決闘を申し込み、アイエフ達によって奮起したらしいネプギア様はそれに了承。
互いに女神化しての勝負へと発展した。
……勿論オレと、アイエフ、コンパはビッキィのことが気掛かりだが、二人の事情的に必要な事だからと理解して黙ってその様子を見守っている。(何故オレが理解できるって、イストワール様から聞いた話と照らし合わせれば大体は理解できるんだよ)
「――ミラージュ、ダンスッ!」
「きゃああああ!?」
……どうやら、ネプギア様の勝利で決着がついたらしい。
慌てて二人の下へと駆け寄るアイエフとコンパを見ながら、見守り続けるオレ。
そんな時にメールの着信音が鳴り響く。……全くこんな時に誰だ…?――!?な、ビッキィからだとッ!?
慌てて開き、その内容を見る。手紙にはこう書かれている…
『私はウィズダム・ドゥーン。ビッキィ君、そしてミライ君の身柄を預からせてもらっている。君達と取引がしたい。指定した場所に来ていただきたい。』
その内容にオレは衝撃を受けた。ミライもいる。それも敵の手に堕ちていた。
困惑と驚愕を受けているオレの様子をみて駆け寄ってくる、四人にオレはどうするべきか、悩んだ――
家のステマックスは頭部に緊急用の通信機能を備えています