絶次元ゲイムネプテューヌ 激爪のビッキィ 作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)
【ウィズダム視点】
ぃいやぁっ!(巻き舌)諸君!私はウィズダム・ドゥーンッ!
……一応は犯罪組織の協力者をしている者だ。
「パパ〜…誰に話してるの〜…?」
「そのツッコミは厳禁だよ、シャット」
いきなりメタな自己紹介をする私に愛娘である、シャットが正座の姿勢でメタなツッコミを入れてくる。…え?何故正座しているのかって?それはーー
「パパ〜…ごめんなさい…反省したから正座やめていーい…?」
「駄目だ。パパを心配させた悪い子にはお仕置きだ。」
そう、お仕置きである。置き手紙1枚置いて勝手に居なくなった愛娘へのね。……まぁお仕置きの理由はそれだけでは無いが。
「……それに何故彼女を連れてきたんだ?」
「だ、だってぇ…ミライとビッキィを会わせてあげたかったんだもん……」
正座のまま涙目で体をふるふると震わせながら申し訳なさそうに言う我が娘。
……くっ、静まれ私の右手…っ!正座を解かせて頭を撫でるのは今はまだ我慢だぁ…!
何故なら今はお仕置き中であり尚且つ、真面目な話の途中だからだ。
「……そう言えばリンダ君は?」
「ビッキィとミライの所!。見張りをするって!」
なるほど。……大方まだ眠っている彼女をミライ君の部屋で見ているんだろうな、ワルを気取り、実際に犯罪を犯してしまっているがシャットと同じぐらいの子を放っておく程腐った訳では無いしな、私の姪は。
【リンダ視点】
ぶぇあくっしょんっ!……なんだよ、急に…風邪か?
「どうかしたんすか、リンダさん」
「…なんでもネェ。…ほら、さっさとそのチビの事を見てやれよ。…せっかくこのアタイがベッドまで運んでやったチビをな!」
「ほんとありがとうございます…」
「……ふん」
【ウィズダム視点】
……ああ、想像が容易過ぎて笑えてくるぞ、我が姪よ。…ああ、そうだ聞かなければならない事があった。
「そうか。……ふむ、彼女の、ビッキィ君の髪の毛はあるかい?」
調べなければならない。何故彼女の髪の色が、メモリに刻まれていたデータと異なるのか。……おおよその検討はつくが。
「ふえ?ないよ?」
やはり取っていなかったか。……少しばかり淡い期待を抱いていたが、まぁいいだろう。…私が直接彼女に直談判するしかないな、うん。
「……そうか。すまなかっね、もう正座はしなくていいよ」
「ほんと!?やったぁっ、……〜〜〜っ!?」
ちょ、シャットっ、いきなり立ち上がっては…ああ、遅かった……
「あしが、あしがびりびりするぅ……」
涙目で私にそう訴えるシャット。……全く。
「当然だ、長時間正座してた状態でいきなり立ち上がったのだから」
そう言いながら私は足を伸ばして座り込んでいるシャットを抱き寄せて頭を撫でてやる
「わっ、……えへへ」
嬉しそうに撫でられるシャット。……うーん、尊い。…む?
リンダ君から通信?……なるほど、彼女が起きたか。
ーーすぐに向かわなければならんな。……シャットを抱っこしながらな。
【ビッキィ視点】
…う、うーん…?こ、ここは…?……そうだ!思い出した!わたし、アイツにシャットに捕まって…!
「ーーキィ」
まずい、メモリも、デバイサーまで取り上げられてる…!
「ビッキーー」
どうする?どうすればいい??もしメモリが解析でもされたら、間違いなくネプギアさん達の脅威になる……!
「ビッキィ!」
「ほわぁぁぁ!?」
みみぃ!?耳がぁぁぁあああ!!?ーー一体誰だ、人の耳元で大声出すやつは…!……あ、うそ…?
「……久しぶりだな、プルさん達は元気か?」
…ミラ、イ……!うそ、ほんとにいた…!
「ミライ…!ミライィィ!!!」
「うおわぁ!?ーーいきなり抱きつくなよ、、病み上がりなんだから無理すんな」
そういいながら、抱きつくわたしを自分から引き剥がしベッドに寝かせる。……うぅ、いい返せない…
「……話をしようぜ?お互い色々聞きたいことあるだろうからさ」
話……うん、確かにしなきゃだめだ。
「…うん。……2年前に何があったの?レイさんも、皆心配してたんだよ…?」
本当に何があったんだろう、わたしのメモリと一緒に消えてしまった事、聞かなきゃいけない
「……2年前、ビッキィから預けられたモデルF…ファルザーラメモリをメンテナンスしていたらな、急に空間に穴が空いて…そこに吸い込まれちまったんだ。……俺が話せることはこんぐらいだ。正直、俺もよく分からないんだ…」
え、えぇ…?……いやそれまさかわたしとステマックスみたいに…??
「それからどうしたの?どういう経過で捕まっちゃったの?」
これも聞かなきゃいけない。
「へ?捕まった?誰が??」
……え?ミライは何言ってるの?
「いやいやミライ?何言ってるの?捕まったからここにいるんだよね!?」
わたしは思わず声を荒らげてミライに顔を近づけながら言う。
「落ち着け、ビッキィ!?近い!近いから!」
「はっ!?……ご、ごめん…」
いやわたし興奮しすぎだろ…深呼吸して落ち着こう…
「そうそう、落ち着こうな」
うん。……すー、はー…!…ふぅ、落ち着いた。
「話続けていいよ!」
「おう。……まぁいきなりこっちに飛ばされた俺は行く宛てなんてないから、途方に暮れていたら食材の買い出しに行っていたウィズダム博士に会ったんだ」
……なんだろう、もうわたし今別の意味で嫌な予感がするんだけど
「娘と変わらない年代の子を放っておけないってんで、ここに連れてこられたんだよ」
……予想の斜め上過ぎるぅ!?
そもそもなんでそんな人が犯罪組織にいんの?ほんとに疑問なんだけど??
「なんでそんな人が犯罪組織にいんの?」
あ、思ったことつい言っちゃった。
「……ああ、それは…」
少し戸惑うようにミライは後ろをむいて、腕を組んで仁王立ちしている黒いフードを被った女の人を見る。……そう、この部屋の中にいたの3人なんだよね。ミライに見つめらた女の人は腕組みをしたまま、はぁ、と溜息をついて静かに頷く。
「ありがとうございます」
……?…??…え、何今のやり取り?
「許可貰ったから話すぞ」
「あ、はい」
ああ、あれ言って大丈夫?って聞いていたんだ…
「シャットの事は知ってるな?」
……!あのモンスギアを使っていた奴か…!
「……うん」
「シャットさ、病気だったんだ」
「ーーーー」
ミライの言葉に思わず思考が停止した。……病気?でもあいつ普通に……あ、モンスギア!…そっか、だから……
「もうわかるだろ?メモリによる肉体強化であの子の病気は治ったんだ。昔のお前と同じように」
そうかだからミライはメモリを……今のモデルFはアノネデスさん達に改造されてほとんど無害だもんね、だから気軽に渡しちゃったんだ……
「そういうこった」
…あっさり人の心を読まないで欲しいなぁ……
「いや、ビッキィ考えている事が顔に出てるんだよ」
「お前、シャットレベルにわかりやすいゼ?」
……えぇ、なんかショック…
「…こほん。…もしかして犯罪組織にいる理由って…」
「大体お前の考えている通りだヨ。」
理由に気づいたわたしの質問にミライではなく女の人の方が口を開いて答える。……そっか、そうだったんだ。
「…だけど、問題が起こった。シャットの病気は確かに治ったけど今度は体ん中に作られた核の影響でシャットを長い眠りに落とした。」
眠り?……わたしの時はそんなことは起きなかった。…どうして?
「あくまで予想だが擬似核が与える影響は人によって違うんじゃないかって博士は言っていたな」
…なるほどね……
「とにかくシャットは長い眠りについちまった。……なんとか起こそうとしたけど、博士とアタイの稼ぎじゃシャットの入院費で手一杯だったんだ」
「……協会には頼れなかったの?」
「女神には頼りたくねぇ」
わたしが女神の話をした時、女の人の目に強い怒りが宿る。……すごく、怖い…
「……どうして?」
「協会の連中はアタイや博士が必死に助けを求めても、門前払いしやがったんだ!〝ブラックハート様は守護女神戦争で忙しい〟ってな!」
……守護女神戦争…?……そうだ、この次元のイストワール様から聞いた事がある…!この次元は犯罪組織が現れる半年ぐらい前まで天界って場所で女神様同士で戦争をしていたって…!
「だから、アタイ達は犯罪組織に入った。規模が大きい犯罪組織ならシャットを目覚めさせる事が出来る設備と資金が手に入るかもってな。…博士はその頭脳を活かしてマジェコンの開発のサポート、アタイはエージェントとしてメンバー勧誘とかをな」
……ああ、この人達は自分達の家族の為に犯罪組織に入ったんだ…どうしよう、助けたいって思っちゃうよ…どうしたらいいの?プルねぇさん…ステマックス…!
誰にだって事情はある。