下心バキバキトレーナーがトウカイテイオーに改心させられる話 作:散髪どっこいしょ野郎
二ヶ月が経とうとしてるのにまだ何も書いてないなんて自分には失望したよ
なにが主人公だ
自分より年下の思春期真っ只中ウマ娘ちゃんに欲情し、さらには依存するなんて実質は最低のポンコツトレーナーだ
うㅤあ あ あ あ あ
リハビリがてら書いたんで初期の話並みに短いっス
「おはよートレーナー!もー、ボク待ちくたびれちゃったよー?」
「……ああ……ごめんテイオー……」
いつからこうなったのか。精細に思い出すことはできないが、今となってはすっかり当たり前になったいつもの光景。
早朝。自室から出て学園に向かう際、彼女はいつもトレーナー寮の前で俺を待ち続けている。
どれだけ速く行っても、なんなら彼女より先に待っていても、彼女は決まって『待ちくたびれた』とぼやいている。何の不満げも無さそうに楽しそうに笑いながら。
「ほら、早くいこっ!今日も楽しみにしてるからね!」
「今回は結構手間暇かけたからな。前みたいにゃいかないぞー」
「……流石にアレより酷いのは無いよ」
「うぐ……」
恐らく『待った』というのは寮についてから俺を迎えるまでに生じる僅かばかりの空き時間を指しているわけではないんだろう。
思い返すならあの時、あの時期を境に──彼女は俺から離れなくなってしまったんだから。
トウカイテイオー。俺の担当ウマ娘。
彼女は向上心に溢れ、資質も十二分に秘められた強く若々しいウマ娘だった。
スポンジのように知識と技術を吸収しレースでも快勝を重ね、目標へ向かって一直線に駆け抜ける順風満帆の日々。
このまま行けば“皇帝“越えも夢じゃないと思われた矢先にそれは起こった。
足の故障だ。ただの怪我で済めばよかったのだが事態は重く、テイオーは長期間の休養を余儀なくされた。
無敗の三冠達成という夢が呆気なく消え去るかもしれないという不安、それどころかまた走れるようになるかも分からない薄氷の日々。それが彼女にどれだけの恐怖と痛みを与えたのか……俺ごときが計り知れるものではないだろう。
俺は彼女の脚を治す為にどんな手段も選ばず、また手間も厭わなかった。文字通りなんでもやった。時間もカネも、労力もありったけを注ぎ込んだ。
結果として彼女は再び脚を取り戻した。幸運なことに三冠達成のキーとなるレースにもギリギリ間に合う形で。
俺は愚かにも胸をなで下ろした。これは元々俺が招いた結果だというのに。
くだらない目的でテイオーに近づきトレーナーになっておきながら彼女の未来を壊す寸前まで追い詰めた。
今でも時々考える。俺はあの時どこかで、
『ああ、俺の責任にならなくてよかった』
そんなことを少しでも思ったんじゃないかって。
そして今も俺はトウカイテイオーのトレーナーだ。
どこまで厚顔無恥なのか、どこまで虫のいい男なのかと自責してみても過去は変わらない。
「お、今日はタマゴサンド?」
「今回は味付けを前と変えてみたんだよ。今度こそは大丈夫だと思うんだけどなぁ……」
「どれどれ……お、結構おいしい…………ウ゛ェッ!?」
「────どうした」
「……カラ入ってた」
「……悪い」
いつも決まって朝食は二人一緒に摂る。勿論毎食俺が作って。
最初の頃は全く上手くいかず米を炊こうとすればべちゃべちゃになるかガチガチになるかのどっちかで、トマトを切ろうとすれば無惨に潰れ形も不揃い。副菜どころか野菜炒めすら満足に作れない程だったが最近はようやく形になってきた……と、少なくとも俺は思っている。
どんなに酷い出来になっても彼女は頑なに俺と食事を共にすることを選んだ。他人からもそうだったが、俺から離れることを極度に恐れていたからだ。
普段会話している限りでは一見平気そうに見える。友人たちとの関係も特に変わったように見受けられない。が、しかし。
「……トレーナー?」
「ああ悪い、ちょっとトイレ行くだけだから」
「…………早く戻ってきてね」
俺が少しでも傍を離れようとしただけで敏感に反応し、調子が悪い時は連れ戻そうとする時もある。
昼間自分のクラスにいる間や友人たちの前では欠片もそんな素振りを見せていないようだが、その分俺といる時 ソレは顕著に表れる。
俺はもうしばらく彼女から逃がしてもらえそうにないが、逃げるつもりはハナから無い。
明るくて純粋無垢だった彼女を潰してしまったのは、俺だ。
「たっだいまー」
今日も快調に飛ばして危なげなく一着を掴み取った。とりあえずウイニングライブの準備をするために控え室に戻らないといけないんだけど……
「────ああ……よかった、今日も無事に……あ……テイオー……テイオー、大丈夫か?痛むとことかないか?」
「全然大丈夫だよ」
まずレースから帰ったら真っ先にやらないといけない、『確認』。
ボクが脚を痛めてないか、違和感は無いか、それ以外に傷を負っていないか、呼吸は平気か、それから…………とにかく色々確認される。
レース以外にもトレーニングの時とか、なんなら休み明けとかにもトレーナーはボクに大丈夫かひたすら聞いてくる。ボクがどこも怪我してないか、どこか悪いところはないか、一個ずつ確かめるみたいに。
「芝が目に入ったりしてないか?」
「へーきへーき」
「足挫いたりしてないか?」
「全然」
「隠してる不調は無いか?」
「無いよ」
「ウイニングライブ……いける……か?なんなら休んでも俺がなんとか──」
「へっちゃらだよー」
『しつこい』なんて思わない。だってこうなったのは……半分ボクの責任……みたいなとこあるし。
これは秘密だけど、前のボクはちょっと調子に乗ってた。
これっぽっちも負ける気がしなかったしどんなレースでも勝ち続きだったから、トレーナーの言うことを聞かずに一人でこっそり走っちゃったりサボっちゃったりしてたこともあった。……ホントにちょっとだけど。
だから足が変に感じた時も無敵のボクならこれぐらいなんてことないって、根拠も無しに甘く見てた。そうしてたらあんな──ことに、なっちゃって。
それからトレーナーは物凄く心配性かつ過保護になって。毎日毎日徹底的にボクの脚……どころか深爪一つまでめざとくチェックするようになった。
夜更かししたのがバレた時はどうなっちゃうかと思ったけどそこは意外と咎められなかった。なんかむしろ逆に罪悪感感じる。
まあとにかく、それ以外はいつものトレーナー。
ガタンゴトンと、人影が少なくなった電車の中になんとなく懐かしい音が響く。ボクはまだそんなに生きてないのになんで夕方の線路ってこんなノスタルジックなんだろ?
レース終わりだったこともあってボクの意識は簡単に落ちてった。今日のレース場は遠くだったこともあって目が覚めてからも目的地にはまだ少し遠いらしい。
で、
起きたのはいいけど……なんか今、ボクは目を開けていいのか悪いのかわかんない状況に置かれてた。
ボクの隣にはトレーナーが座ってる。そこまでは普通なんだけどなーんかブツブツ聞こえるというか……
「……俺は……ごめん……テイオー……今度こそ……もう……絶対に……」
明らかにトレーナーの声だよね、これ。
しかも話しかけたらまずそうな雰囲気。うぐぐ……意識したら急に窮屈になってきた。
耳を澄ませてみるとボクの名前とかごめんとか色々聞きとれる。やっぱりまだ引きずってるんだ。それはボクもそうだし。
あれからたくさん、何度も何度も、トレーナーはボクのことを心配してきた。ボクが泣いている時でも笑ってる時でも目を離さずに。
怖かった。あの時本当に走れなくなっちゃうんじゃないかって、夢が目指せなくなることもそうだけど『走れなくなる』ってことが涙も出せないくらい怖かった。
あの時だけは全部トレーナーに任せた。ボクの夢も脚も何もかもこのヒトに投げて、そうした結果“今“がある。
だから今一番怖いのは『トレーナーがボクを心配してくれなくなる』こと。
このヒトが見てくれてると安心できる。『ああ今ボクは大丈夫なんだな』って思えるから。
それにこれからもボクは大丈夫って、元気な姿を見せてあげないと。ボクのことでこのヒトはこんなに悩んでるんだから。
「トレーナー?」
「っ!?あ、……ああ、起きてたのか」
「あとどれくらいで着く?」
「……そうだな。あと、二十分くらいか?」
「カフェテリア空いてるかなぁ」
「せっかくだしなんか奢ってやろうか。ほら、勝利祝いっつーことで」
「えーじゃあボク────」
せっかくの奢りだから何にしよう。
トレセン近くの
うーん…………
もうちょっとだけ選ばせてくれないかな────
っていうかセイちゃんの話やこの短編集以外に思いついたウマ娘の話はいつになったら書くんだよ!!!!!!!!
はーっ 私よ ○ね!