下心バキバキトレーナーがトウカイテイオーに改心させられる話 作:散髪どっこいしょ野郎
オ…オレは全ての文章力を使い果たしてしまった…
何もかも無くしてしまった…
何を言っているのです…
アナタにはまだ欲望が残っているではありませんか
⚠注意⚠
きし○んと愛は○○炭とうまぴ○い○説でバチバチにキメて書いてしまいました。
全ての欲望ぶち込んだので色々とトレーナーくん虐めだったりシリアスだったりテイオーがグシャグシャに湿ったりしています。
1話再構成です。
ちょっと感想欄の話と違う部分があります。
申し訳ありません。
桐生院葵
彼女は俺の数少ない同期だ。
名門トレーナー家の彼女は、一族代々のウマ娘育成ノウハウが詰め込まれた『トレーナー白書』に則って優秀な成績でトレセン学園の試験を合格に収めた。
彼女と切磋琢磨し指導者としての能力を高めあうことで俺のうまぴょい生活は磐石の体制を整えられる。
俺は彼女を利用する為に新人仲間という体で関わるようになった。
彼女はトレーナーとして真摯にウマ娘に向き合っていた。
俺も彼女も経験が浅く、お互いの欠けた部分を補い合いながらライバルとして友人として高みを目指した。
右も左も分からない俺だったが、桐生院家のトレーナー白書には多くの物を学ばされた。
それだけの筈だった。それだけの関わりで俺のうまぴょいは揺るがない。
そう思っていた。
トウカイテイオーは俺が担当している。
テイオーは俺にとってドンピシャタイプのウマ娘で、担当になったばかりの頃は彼女との練習時間を毎日待ち遠しにしていた。
俺はそれに何の罪悪感も抱いていなかった。
それどころかこの生活を続けていたいとも思っていた。
3年間を反故にさせない為にテイオーをレースで勝たせようとして桐生院トレーナーと意見交換をすることが多くなった。
桐生院さんはハッピーミークというウマ娘の担当で、悩みながらも頑張って歩み寄ろうとしている。
ハッピーミークはテイオーのいい好敵手となった。
彼女に刺激されテイオーはウマ娘としてより逞しくなった。俺1人ではここまで強くならなかっただろう。
桐生院さんと話す度に自分とは違うということを思い知らされる。
当たり前だ。
俺のようなトレーナーは今も昔も存在しないだろう。
そこに疑問も寂しさも覚えなかった筈なのに、だんだんとテイオーに対して何かを感じるようになった。
彼女で己を満たす度に、絶えず叫んでいる自分自身の声が日に日に大きくなっているような気がする。
俺はテイオーに後ろめたく思っているのか?
何をバカな。
ただ桐生院さんと話しただけだ。俺は変わらない。
はぐらかすように自分に言い聞かせた。
ボクはトレーナーが好きなのかもしれない。
生まれて初めて男のヒトと長い間一緒にいるようになって、なんとなくトレーナーが気になりだした。
今までボクはカイチョーにひっつきまわっていたけど、カイチョーよりもトレーナーとの時間が増えて自分の悩みだとか愚痴だとかを気兼ねなく話せるようになってからはトレーナーに頼ったり一緒に遊びに行ったりすることが当たり前になった。
今もこれからもボクの憧れはカイチョーのままだ。
それでもカイチョーへの思いがトレーナーへの思いにすり替わっていくのを感じる。
トレーナーといるとなぜかドキドキする。
初めはその理由が分からなかったけど、トレーナーにたまたま触れてしまった時にボクの心臓は痛いぐらいに激しくなった。
ボクはトレーナーが好きなのかもしれない。
分からないけどこの気持ちを失いたくない。
トレーナーとの時間が消えないように、ボクはレースで勝とうと柄にもなく努力をした。
トレーナーはボクが笑うと笑ってくれる。
ボクが泣いてると笑いかけてくれる。
それなのに最近トレーナーはあまりボクと一緒にいてくれなくなったような気がする。
ボクを見ているかと思えば怯えたように目を逸らすこともあった。
トレーナーが他のヒト──桐生院さんとどこかに出かけていくのを見ると、胸の奥が痛んだ。
そのおかげでボクは走れていると分かっているのに、桐生院さんが羨ましくて仕方なかった。
ボクがトレーニングを頑張っている間はトレーナーはボクを見てくれる。
ボクはトレーナーに見てもらいたいがためにトレーニングを頑張り続けた。
トレーナーはボクのコトをただのウマ娘としてしか見ていない。
当たり前のコトなのに、意識すればするほど苦しくなった。
ボクはトレーナーを裏切ってるのかな。
テイオーは俺が好きなのかもしれない。
ただの自意識過剰な勘違いであって欲しかった。
しかし彼女はあまりにも純粋で素直だった。
俺が少し触れてしまっただけで彼女の頬は林檎のような赤さを湛えていた。
やめてくれ。
彼女が笑い、泣き、苦しむ姿に俺は暗い喜びを覚えてしまった。
俺の中で繰り返し声が響き渡る。
彼女への罪悪感と背徳感で俺は潰れそうだった。
だというのに彼女の純情を弄んで狂喜している自分がいる。
やめてくれ。
相反する感情に揺さぶられて吐きそうだった。
トウカイテイオーというウマ娘は俺にとって劇薬にも等しかった。
不完全に残った良心の呵責と暴れ咲き狂う佚楽。
どうして俺はこんなにも中途半端なんだ?
心の底までクズでいられたのなら、正しくあれたのならこんなに苦しまなくて済んだのに。
俺はトレーナーでいられない。いてはならないと思いながらも離れられない。
からえづくようになった。
常に喉に違和感が蔓延り、四六時中えづくようになった。
一応バレないようにしているが、いつでも付いて回る不快感が疎ましかった。
味が分からなくなった。
彼女と飲んだハチミーの味も感じなくなった。
朝起きてしばらく動けなくなった。
それでもテイオーに会えばその倦怠感も和らぐような気がした。
実際はそんなことは無かった。
俺はただ状況を悪化させているだけだった。
消えたいと思うことも無くなった。
そうでもしないと俺は自分を保てなくなってしまう。
逃げる事は出来ない。
俺が消えるのは彼女が夢を叶えてからでいい。
そう思っていたのに。
トレーナーがボクを見なくなる度、ボクの中で何かがねじれていく音がした。
「好き」を募らせていくうちに抱えた感情が重くなっている。
トレーナーがボクを見ない時間が辛かった。
好きだという気持ちは変わりなく、それでも自分が徐々に狂っていく感覚が心地よかった。
誰よりもキミの絶対でいたい。
トレーナーに笑顔を向けるといつも嬉しさと苦しさがない混ぜになった表情を浮かべる。
ボクはトレーナーが好きなのに、トレーナーの近くにいられなくなる時がある。
ボクではない誰かを見ている時がある。
嫌だ。
だからトレーナーにたくさん話しかけて、笑いかけて、傍にくっついて離れなかった。
ただの恋心はいつの間にか途方もなく大きく形を歪めていた。
苦しむトレーナーが好きになった。
トレーナーはボクといることで苦しんでいる。
それはボクを見ているという証拠なんだ。
たとえ苦しくてもボクを見て喜んでくれるならボクはそれでよかった。
キミはボクのコトを嫌いにならなかった。
こんなにも傷ついて苦しんでいるのに、ボクのトレーナーでいようとしていた。
目に見えてやつれていくキミを心配に思いながらもボクは止めようとすることが出来なかった。
だってキミはボクを見てくれるんだから。
ごめんね。
キミは多分ボクが好きだ。でもキミはトレーナーだからその気持ちを打ち明けられない。
だから待ってるよトレーナー。
ボクを見て、好きになって。
朝、俺は動けなかった。
起き上がって顔を洗って朝食を済ませて歯を磨いて身支度を整えて練習メニューを確認してテイオーに指示を出さなければ。
そう思いながら動かなかった。何も出来なかった。
内側からの声すら聞こえなかった。
しばらくして俺を動かしたのはトレーナーとしての責務でも震える携帯電話でもなく喉の乾きだった。
心配して見に来たたづなさんに嘘をついてその日は休みにしてもらった。
実際顔色は誰が見ても心配しそうな程に悪かった。
やっぱり俺はトレーナーにはなれなかった。
ヒトとして悉く欠落している。
トウカイテイオーは強くなった。
俺がいなくなってもシンボリルドルフには勝てるだろう。
もう辞めよう。それがトウカイテイオーの為だ。
中途半端に顕在している俺の良心はそう告げた。
部屋のドアがノックされる。
たづなさんだろうか。何か忘れた事でもあったのだろうか?
「トレーナー」
トウカイテイオーだった。
俺は硬直した。
「ああ、そのままでいいよ」
惚けている俺に近づくと、さも当然のごとく手首を掴んできた。
「キミはボクのコト嫌い?」
質問の意味が分からなかった。
「話してくれたらそのお礼にキミの言うコトを聞いてあげるよ」
その一言だけで俺の心臓は跳ねた。
こんな時でも俺の下心は消えてはくれなかった。
「な…んで」
やっとのことで絞り出した声は掠れていた。
「ボク、キミがそんな風になってるのは嬉しいけど悲しいって思うんだよ。キミが疲れてるのは知ってたけどさ、ボクを見てくれて喜んでいてくれたらそれで良かった。でもちょっとトレーナーは頑張りすぎたね。ごめんね?ボクのエゴでキミを振り回しちゃって。だからキミがボクをどう思ってるか知りたくなっちゃったんだ」
「何を…言ってるんだ?」
まるで返答になっていない。
「トレーナー。ボクのコト嫌い?」
掴まれた手首に力が加わる。
痛い。それでも何かが──感情が噴き出してくる。
部屋が静寂に包まれる。
数十秒か数分か。
たっぷりと間を空けて俺は話し始めた。
「嫌いじゃ…ない。でも、俺にはお前を好きになる資格なんてない」
「どうして」
それからは早かった。何もかも吐き出した。
「俺は…もう「トウカイテイオー」の担当を辞めようと思う。お前は強くなった。他のヒトが担当になってもやっていける。もう、いい」
天井が見えた。
息が出来なかった。
テイオーが俺に馬乗りになっている。
「トレーナーってさ、ボクより力が弱くてボクより足が遅いよね。それなのにボクから逃げられると思う?」
「ダメだテイオー…こんなの…ダメだ」
「トレーナーってウソが下手だよね。ほら、すごいドキドキしてる」
胸に手を当てられる。
「ボクは待ってたのに。トレーナーって結構イジワルなんだね」
「知ってるかな?ウマ娘ってトレーナーがいて初めて走れるんだよ。ボクがどんなに強くても、ボクを駆らせてくれるのはキミだけなんだよ」
「たしかにキミはボクを裏切ってたのかもしれない。ならボク達2人は同罪だね」
「ねぇ、もしボクとキミの関係が変わるとするなら、どうしたい?もう我慢しなくていいよトレーナー。ボクを好きになっていいんだよ」
もういいだろ。
もう充分辛い思いはした。
俺の欲望が消えてくれなくても、
俺は頑張ってきた。
彼女は俺を受け入れてくれる。もういいじゃないか。
そうだよな。疲れたよ。本当に疲れた。
存在意義とか、担当とか、どうでもいいんだ。
それでいいじゃないか。
「テイオー」
「うん」
「俺をもっと好きになってくれ」
「うん」
2人が歪ませ累積させてきた感情は心という器に収まりきらなかった。
溢れ出したそれは形になりそこなって頬を滑り落ちる。
「俺を受け入れてくれ、俺を愛してくれ、俺を殺してくれ、俺を殺さないでくれ、俺を許さないでくれ、俺を赦してくれ、俺を見てくれ、俺で傷ついてくれ、俺で悩んでくれ、俺を想ってくれ、俺と手を繋いでくれ、俺に笑ってくれ、俺だけに泣いてくれ、俺を離さないでくれ、俺と堕ちてくれ、俺を忘れないでくれ、俺に話しかけてくれ────────俺の傍にいてくれ」
解放された手首が痛む。その痣も苦痛も甘かった。
「いいよトレーナー。好きだよ。大好きだよ。本当に本当に、本当に大好きだよ。
ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずーっとキミが大好きだよ」
男はどこまでも自分勝手に彼女を呪い、どこまでも優しく彼女の手を包んだ。
少女は獣のように変貌した自らの本能に抗うことも無く、その証を男の身体に刻みつけて縛り付けた。
彼が消えないように、離れないように赤い赤い印を楔を刺すようにして残した。
そのトレーナーはトウカイテイオーの生活を支配している。
それが彼女の望んだ事だった。
全てを支配する──自分の手綱を握らせることで歓喜に打ち震えるのはトウカイテイオーとしての本能なのだろうか。
トウカイテイオーはトレーナーに赤い痕を残す。
そして彼は彼女に愛を囁く。
それは呪いだった。
その呪縛が彼に、彼女に絶対の幸福をもたらしていた。
トレーナーとウマ娘は肥大化した想いをぶつけ合う。
2人は
それ以外の何物でもなかった。
このでけぇ水族館が…
俺を殺してくれ…
もう…