20時ごろもう1つ投稿します。
部屋にユーノを入れると戸を閉め、大きく息を吐いたなのはを心配そうに見上げるが声をかける訳にもいかず、どうしたら良いものかと、考えているとなのはがそんなユーノをしり目に窓際に飾ってあった小瓶を手に取るとユーノの前に差し出した。
「これなんだけど、ちょっと見てもらっていいかな?」
差し出された小瓶を見ながらなのはの変化に戸惑っている。
最初に見たときは優しい感情豊かな子で、次見たときは一切の反応を拒絶した人形みたいな子、そして今は無邪気な年相応の女の子。
短い時間で様々な顔を見せる彼女は、ユーノから見て安定しているとは言い難かった。
しかしながら、目の前のものを見てそれまでの考えがすぐに吹き飛び、小瓶に引き寄せられる。
「なの、は…これはどこで?」
何か分からない物体がそこにあった。
できれば詳しく分析したい。
ユーノの本音である。
ユーノがここに来てから驚きの連続だ。
どうやったかさえ、不明な魔法らしき行使痕になのはの魔力、目の前にある物体。ユーノの知識欲を存分に刺激するモノに溢れている。
それがなんであるかは分からないが、これほど高濃度に魔力が封入されている液体を見たことがない。
「それって、やっぱり魔法で出来たものなのかな?」
空中にある魔力を水に溶かせば可能ではある。が、可能であるだけで実際に見たことはなく、どうやってそれをしたのかが分からない。
「多分、そうだと思う。ただ、どうやってこれができたのか、何に使用するのか、何を材料にしたのか、研究してみないとさっぱりわからない」
「これは、私の大切な人からもらったモノなの、願いがかなうって」
「願いが…?」
願いをかなえるような魔力を持っているとは考えられない、が、なのはの表情に嘘はない。
「これが、本当に願いを?」
「うん、士郎さんの怪我をこれに願ったら治してくれたんだ」
怪我を治すような効果があったとは考えずらい、ただ、これが何かの反応を起こした後こうなったと考えるなら辻褄が合う。
単発式の祈祷型デバイスなら可能なのかもしれない。
「状況を詳しく教えてくれる?」
「えっと…」
説明を聞いていたユーノが顔色を、と言ってもフェレット故に変化はそう見受けられないが視線が鋭くなっていくのは確かだった。
小さな願いをかなえる石…ジュエルシードそのものじゃないか!?
なのはが持ち得た情報と手元にあるジェエルシードの存在が一層、確信をもたらしてしまう。
石はなくなったそうだが、この高濃度の魔力が宿った瓶の中身を考えると一度だけの使いきりであったとも考えられ、ユーノの考古学者としての興味をこれ以上にないほどひきつけた。
一般人が持つには危険すぎる万能性を持っている。しかも、きちんと制御できるジュエルシードなど聞いたことがない。
「ねぇ、ユーノ君、これをくれた人は私と同じ『魔導師』なのかな?一緒にこのジュエルシードを何とかできる人なのかな?」
驚きに固まっているユーノを持ち上げると、ユーノになのははそう問うた。