つなぎだから、そんなにチートしてない。
この世界にはコンビニなるものがあるらしい。なんでも丸一日営業しており、飲み物や食べ物、雑誌などが売ってるんだと。
村を治めている身としては、この営業形態は気になる。
家に近く、興味がそそられる建造物。
行くしかないじゃん?
響は俺に外に出てほしくないみたいだけど、まま、バレへんやろ。
で、行ったんだけどさ、その途中でこの世界では金銭が必要だと気づいて仕方なしに帰路を辿ってたところでね、会ったんすよ。
南半球が外気に晒されてる鎧を着た痴女が。
年齢は、多分響と同じくらい。長い銀髪を2房にまとめていて、顔はバイザーで見えない。ただめちゃめちゃ美人なんだろうなとは分かった。
そんな子が人気のない公園で声掛けてきて、しかも着いてこいなんて言うもんだからさ、まぁ、構えるよね。そしたら鎧に引っ付いた鞭みたいなもん振り回してきたから、
蜘蛛の糸でめっちゃ遅くして捕まえましたよ。
「これ傷治って、うわぁ、治ってるついでに侵食してんじゃん。これ貼っとこ」
「クッソ!てめぇ覚えておきやがれ!」
公園に植えてある木の1本に、丸石で拘束してる。いやでもとんでもない力だわ。でも丸石を舐めるなよ。ダイヤ+効率化でも何回か殴らないと壊せないからね。
「これ人間が着るもんじゃないなぁ。使い続けるといつか体がぶっ壊れるぞ?」
「うるせぇ!そんくらい分かってる!分かってる、けど・・・」
ともかく、この鎧は没収しといたほうが良さそうだな。危ないってのもそうだけど、何よりこの世界の近代文明じゃ到底実現不可能な代物だよ、これ。そんなオーパーツが一個人の手に渡ってるって現状がヤバい。
誰かが回収しないと、きっと国が傾く。
「ほら、代わりの鎧はあげるから脱ぎな?」
「は、はぁ!?バカじゃねぇのか!?ぬぬぬ、脱げとかふ、ふざけんじゃねぇ!」
「ん?あぁ、裸を見られるのに抵抗があるなら俺そっぽ向いてるからさ」
「そうじゃねぇ!!」
なんだよもう面倒だなぁ。
てか、ダメージ修復なんて随分と非効率だよな。そもそもダメージを受けない鎧を作ればいいのに。
「ともかく、その鎧は絶対に脱いで」
「何してるんですか、クラフターさん?」
「そ、その格好どうしたの響?」
黄色を基調としたピッチリスーツに、腕についたゴツイ装備。既視感はある。多分2年前に1度見たものだ。なんでそれを響が纏っているのかは分からないけど。
「私の格好なんてどうでもいいことです」
でも1つ、分かることがある。
「それよりクラフターさん、何してるんですか?」
今の響はヤバい。
「嬢ちゃん前言撤回だこの際鎧はどうでもいいからその岩壊したらすぐに逃げろ」
「逃げろだァ?冗談じゃねぇ!アイツも連れてこいって言われてんだ、お前共々攫ってやるよ!」
オイオイ死んだわコイツ。自分の力を過信してるのか、或いは鎧の力を過信してるのかは知らんけど、俺に勝てないようじゃ響には勝てないんだよなぁ。
ここでの最善策は、無理矢理にでも逃がすこと。
呪文[穴掘り]で周りのブロックを壊して、蜘蛛の糸を切ってやる。
「は?」
そして、[ストームブリンガー]と呼ばれる短剣を振るう。
「ちゃんと帰りなよ?」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
衝撃波で、銀髪痴女を吹っ飛ばした。なんか叫んでた気がするが多分断末魔などではないだろう。
さて、どうすっかなぁ。
「クラフターさん、私、油断してました。まさか夜に出歩くなんて、思いもしなかったんです」
武器は、多分なし。強いて言えば拳かな。
「こんなことなら、ちゃんとクラフターさんのお家に引っ越せば良かったです。それならずっと監視できてた」
逃げる、のは無駄かなぁ。
「さて、それじゃあお仕置きの時間です♪」
「いやちょっと待ちなよ!」
一触即発の場に、文字通りの横槍が差し込まれた。響と同じオレンジが基調のピッチリスーツに、なんか平たい槍を持ったとんでもない美人さん。
んー、あの槍、なんとなく響の腕の武装と似てるような気がする。
「チッ、もう来たんですか」
「お前何一般人に手ぇ出そうとしてんだよ!?」
「あ、何、知り合い?」
しかも、もう来たって追われてたん?
「いや待て、もしかしてお前がクラフターか!?」
「もうクラフターさんのせいでめちゃくちゃですよ」
「俺が悪いのこれ?」
ふむ、どうしてこうなったのか考えよう。俺が外出して、痴女に会って、響が来て、それを追ったオレンジ美人が来た。
俺が外出しないと痴女に会わなかったし響も来なかった可能性がある?
悪いの俺じゃん。
「奏!」
もう1人来たよ。今度は青くて刀みたいのを携えてる。そんで美人。あぁもう響の顔が般若だわ。どうにでもなってくれよ・・・(諦観)
「成程、立花を追っていたのか。それと、その男は?」
「あぁ、あいつは」
「もう帰りましょうクラフターさん!」
「む!クラフターだと!?」
「グラ゙ブダーざん゙!!」
「今のはお前の責任だと思うんだ」
───────────────────────
あれから数分して黒い車が現場に到着、中から出てきた優男に謝罪されながら手錠を掛けられ、連行された。
「あ!呪文[帰還]なら帰れる!クラフターさん!」
「やだよ」
「そんなぁ・・・」
響は帰りたがってるけど、今回ばかりはこっちの言うことを聞いてもらおう。
そうこうしてるうちに大き目の建造物が見えてくる。
「え、リディアン?」
「リディアンって響が通ってる学校だよな」
つまり、学校のどっかにこの人たちの拠点があるってことか。わざわざ学校に置くってことは、この学校自体になんかあるのかね、実験場とかそんな感じの。
「これに乗って下さい」
「なにこれ?」
「エレベーターじゃないですか?」
え、俺の知ってるエレベーターと違う(困惑)。というか、拠点は地下か。
うわっ、手すりが出てきた。どうなってんのこれ。
「危ないので、手すり捕まっていて下さい」
「へ?」
久々に叫び声をあげた。
「ようこそ!特殊災害機動部2課へ!」
どうやら俺は、日本という国と深く関わってしまったようです。
一部MODが有能過ぎで他のが出てこない可能性微レ存。