聖遺物は創れる(確信)   作:うろ底のトースター

3 / 4
説明回。


要するにドロップ品はなし

「つまるところ、ぶよぶよのアレはノイズってやつで、普通の兵装による攻撃はほとんど効果がなく、攻撃が加えられるのは聖遺物と呼ばれる古代文明のオーパーツの欠片を軸として作り出されたシンフォギアだけ、とな」

 

「あら、理解が速くて助かるわ」

 

2課への連行の後、突如現れて「裸になれ(意訳)」と言ってきた変態おばゲフンゲフンお姉さんから2年前の事件について色々と教えてもらった。

 

無駄に長い説明をまとめると、ノイズを相手どれる人材少ないから協力して、とのことだ。

 

因みに俺のことは説明できないとして、あまり踏み込んでもらわないようにしてる。別世界から来た、なんて面倒な説明はしたくないのだ。

 

さて、どうするよ俺、協力するか?響が牙を剥いて今にも赤い髪のおっさんに噛みつきそうだぞ。

 

だかな俺よ、もしかしたら目的達成の足掛かりになるかもしれないんだぞ?またとないチャンスだ、掴んで損はないだろう。

 

ふーむ・・・。

 

「・・・いいっすよ」

 

「クラフターさん!」

 

「本当か!?」

 

結局また、俺は折れることとなる。

 

でもただしゃ折れない。

 

「ただし、俺にもやることがあるので、それなりの自由時間は確保させてもらいますが」

 

「クラフターさん・・・!」

 

「その程度であれば、こちらも配慮させてもらおう!」

 

異世界にいるとはいえ俺もクラフター、ものづくりのための資材集めはしなければならない。ついでにどうせ着いてくるだろう響とのコミュニケーションをとれる、というわけだ。

 

「では、これからよろしく頼むぞ!クラフターくん!」

 

「うっす」

 

交渉成立、おっさんこと風鳴弦十郎のゴツい手を取り、握手をした。

 

「あ、ところでクラフター」

 

「ん?」

 

思い出したような声で俺を呼ぶのは、オレンジ色の髪の美人、さっき横槍をつきさした天羽奏だ。

 

「2年前、どうやってノイズを倒したんだ?」

 

「ん?あぁ、それは分かんねぇ」

 

「分かんねぇの?」

 

「正確には、推測はあるけど確証がないって感じ」

 

ノイズに普通の兵装は効かない、それは、俺の武器も例外じゃない。

 

ダイヤ剣を振ろうが矢を射ろうが、奴らには効果はなかった。が、しかし、ある方法でこれらの武器を普通から格上げできる。

 

名を、[エンチャント]。

 

レベル30とラピスラズリを消費してできるそれは、本来はありえない能力を武器、防具、あるいは道具に付与できる。

 

このエンチャントされた武器は、ノイズに効いた。

 

「エンチャント、ねぇ」

 

「その技術があれば、俺たちも戦えるのかもな」

 

「確かに」

 

エンチャ防具もあれば、安全にノイズと戦えるのでは?

 

「じゃあ今ちょっとアイテム化するんで、拾ってもらっていいっすか?」

 

「アイテム化」

 

ダイヤ剣は確かバックパックの中にあるはず。

 

あったあった。

 

「どぞ」

 

「え?どっから出した?というか小さ過ぎねぇか?」

 

アイテム化したからなぁ。

 

「ほらほら、拾ってみてくださいよ」

 

「う、うむ」

 

頷いた風鳴司令が地に落ちた剣を手に取り・・・手に取り・・・。

 

「・・・拾えん」

 

「ダメ?え、なんで?」

 

回復のポーションが手渡せるのは、6年前のアメリカで分かってるけど、んー。あっ。

 

「響」

 

「はい、なんですか?」

 

「拾ってみ?」

 

「分かりました」

 

アイテム化した剣に響が近づき、剣が、()()()()()()()()

 

「拾えた、だと・・・!?」

 

「あ〜、なるほど、そういうことね」

 

「あ、分かります?櫻井さん」

 

「まぁね。響ちゃん、その剣、今度は奏ちゃんに渡してくれるかしら?」

 

流石天才を自称するだけはある。俺の意図してるところを理解してくれてる。

 

「え、嫌です」

 

「あのさぁ・・・」

 

響ちゃんは今日も本調子です。

 

代用に鉄剣渡すか。

 

「仕方ない、奏さん、これ」

 

「お、おう。・・・持てた?」

 

「やっぱり」

 

これでほぼ確定。

 

「じゃあ最後に翼さん、持ってみて」

 

「あぁ・・・持てる、ということは」

 

「そういうことっすね」

 

要するに、この世界では俺のアイテムは、聖遺物扱いになるわけだ。

 

「これじゃ増兵は無理ね」

 

「上手く、いかないものだな」

 

 

 

夜も深まってきた。俺はいいが、響は帰らなければいけない。帰らなければならないのだ。

 

「だからな?寮近いんだしそろそろ帰れよ」

 

「い〜や〜で〜す〜! 私が帰ってもクラフターさん残るんでしょう?」

 

「カ、カエルヨー」

 

「絶対帰らないじゃないですか!」

 

実の所、まだ気になることはある。あの痴・・・少女のことだ。鎧も気になるし、何より、俺と響を狙ったってのがわけが分からない。こっちの情報が漏れたのか、それとも2年前にバレたのか。

 

ここら辺の情報交換は要ると思う。

 

ただ、あの少女の話をすると、響がね、うん。だから帰ってもらいたいんだけど。

 

「むー・・・」

 

無理っぽいね。しゃーない、諦めようか。

 

「うんじゃ、俺も帰りますよ」

 

明日辺り、どうせまた呼ばれるだろうからな。

 

「送りましょうか?」

 

「いいや、すぐに帰れるんで」

 

呪文[帰還]。最後に寝た地点に瞬時に帰る魔術だ。

 

「それでは?」

 

「は?」

 

呆けた顔を最後に、視界がすっと切り替わる。この説明もまた明日、と。

 

さて、今日の成果はいろいろあったけど、1番の成果、というかショッキングだったのは・・・。

 

「・・・ドロップなしかよ」

 

クラフターとして大切な情報は、その一点だけだった。





本格始動はもうちょい先になりそう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。