僕と怪物   作:無名の餅

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昨日の深夜テンションの続きです。
温かい目で見守ってください。


心地よい今

「はぁ…」

つい深いため息をこぼす。

「何度見たって…そう書いてんだよなぁ…」

この男は一体どうしてこう嘆いているのかーその答えは1冊の学校案内用のパンフレットにあった。

題名は『日本ウマ娘トレーニングセンター学園の心得』

ここにはトレセン学園のモットーや施設の紹介、そして学園の規則等について書かれていた。そのうちのルールの1つとしてこんなものがある。

ーートレセン学園ではトレーナーと担当のウマ娘がそれ以上の関係を持つことを禁止するーー

このルールを破るとトレーナーはすぐにこの学園から離れなければならないらしい。ウマ娘の方は何週間かの地域活動や謹慎処分を受けることになるとも書いていた。

「離れたく…ねぇもんなぁ。」

自分の処遇もだが謹慎になるオグリを見たくはない。しかし…

オグリはきっと俺の事が好きだ。恥ずかしい勘違いの可能性もまだなくはないが今の現状、勘違いである方が全然楽なのも確かだ。

悲しいのはきっと…俺もオグリが好きだからだろう。断るにも断りきれない。彼女の声が、髪が、顔が、耳、尻尾まで全てが愛おしい。この現状をどうにかするには……

「…俺はともかくオグリに飽きてもらうしかないだろうな。」

「何をだ?」

「何を…ってそれはおまうぉぉぉお!!??」

突然の背後の奇襲(オグリの声)に対応しきれず椅子から転げ落ちた!

「大丈夫かトレーナー!?

悪かった。必死に考え事をしていたものだから邪魔しちゃ悪いと思って。」

「あー…悪い。そんな気を使わなくていいんだぞ」

「わかった。……それで何を飽きてほしいって?」

「ん!?んーそれはなぁ……」

「それは?」

まじまじと見つめてきてやりづらい。透き通るくらいキラキラしていて眩しい。

「しょ、そう!食事にな!飽きてもらったら食費が浮くなぁ!って!」

「それは無理だ…。」

「だよなー!!ハハハ!」

「ほんとにか?変なトレーナーだな」

「そうか?俺はいつだってこうだぜ!さぁ今日はダートコースが多めのトレーニングだぞぉ!」

「わかった。」

ふぅ。正直ホッとした。これから先こういう事が無いようにしなければ……!!

「それと…トレーナー…私聞いてしまったんだが。」

「え…?なに…を?」

もしかして他にも口走っていたことがあったか!?まずい!!

「今言うべきことじゃないかもしれないんだが…」

「…ゴクッ」

唾を飲み込む。この雰囲気は流石になにか言ってる!!!アホか俺は!!!

「な、何を言ってた?」

「さっき私を見て『おまうぉー!』って叫んでいたが私はどちらかというとおウマだ。ウマ娘だ。」

「……………………ソウダナ」

「ん?どうした?トレーナー凄い顔だぞ。まるで担当のウマ娘が1秒近く出遅れたみたいな顔をしている。」

「いや…なんでもないさ。……なんでもな。」

 

自分にとっては心の底からほっとした反面、ものすごくくだらないことを言われてしまったので、その日のダートコースを予定より5周多く走らせたのだった。




活動報告にも書かせていただきましたが改めて。必須タグ付け忘れの報告感謝致します。
初心者なので勝手がまだまだ分かりませんがこういう事が無いように善処していきます。抜け目があればまたお願いします。

今回も読んでくれてありがとうございます。
また、前回お気に入りも何件か来ており凄く嬉しいです。自分のモチベが繋がる限り書いていきたい所存です。それではまた会う時まで

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