たすけてー
あの2人の併走を見終わってオグリキャップから衝撃の事実を知らされた俺は足早にトレーナー室に行き、考えをまとめることにした。
俺が悩んでいたのは地方から来た怪物がどっちなのかだ。オグリキャップか…タマモクロスか…。果たして一体…
このままでは埒が明かないな。よし、たづなさんに聞いてみよう!
____________________
「地方から来た怪物はオグリキャップさんのことですね。」
はやかったー!!!
俺が悩んでたこと結構しょぼかったー!!!
「とゆうか……タマモクロスさんは確か地方のウマ娘ではなかった気が?」
「え……」
勘違いしてるじゃないか…。
____________________
とゆうわけで朝から栗東寮の近くで待っていた。
別に俺が言う必要も無いかもしれなかったが誤解を解いておく必要があると思った。
ちゃんと例の2人が仲睦まじそうに出てきたので声をかけ、ついでに前の件の話をした。
「あれ?タマは地方から来たんじゃないのか?」
「ちゃうで、なんやあんた勘違いしとったんか。」
「すまない…何となく同じ空気を感じたからてっきり。」
「なんでやねん。芦毛いうところしか共通点ないやろ。」
なんとかオグリキャップの勘違いを払拭することが出来た。…あぁ、後はあれも伝えとかないとな。
「それと、オグリキャップ。実は君が地方から来た怪物らしいんだ。」
「……!そうだったのか!たまに怪物だ……と私の方を見ている人がいた気がしたがどこに怪物がいるのか探していたんだ。……ふふふっ、私だったのか。」
……天然だなぁ。
朝から長く話して遅刻させる訳にもいかなかったので今日はこれにて解散。
それよりも気になることが1つ。
地方から来た怪物では、中央のウマ娘には敵わないのか?
本当にオグリキャップは中央で戦えないのか?
どうしても気になった俺は次の選抜レース……オグリキャップとスーパークリークが出るレースの日時を手帳にメモしておいた。
翌日
「ちょっとまってくれ。」
と急に背後から聞こえたので振り向いた。
その先にはオグリキャップが。
「あぁ。オグリさん。どうしたの?」
「ここらへんで緑の多いところを探しているんだが…」
「緑が多いところ……ですか」
自然に囲まれる場所…このハイテクな学園にあっただろうか。
確か少し遠いが一応あった気が…地図アプリ使えばわかるか。
ポケットからスマホを取り出して地図アプリを開いた俺をオグリキャップは興味津々に見ていた。
「スマホ使えるのか。すごいな。」
「え?スマホ持ってないの?」
「いや、一応持ってはいるが少し苦手だ。」
「あぁ、見るからに使えなさそうですもんね。……あっ、ありましたよ。向こうの方に歩いていったらあるそうです。」
「ありがと……ちょっと待ってくれ。見るからに使えないとはなんだ。」
小言を言われてしまったが聞こえないふりをして目的地へ向かうことにした。
「うん。いい所だ。中央にもちゃんとこういった場所はあるのだな。」
オグリキャップは楽しそうにでこぼこした道を歩いていた。
当の俺は……歩き慣れない道に少しふらふらしていた。
「…大丈夫か?」
「あ、あぁ。オグリさんはすごいな。この道かなり不安定じゃないですか?」
「しっかりと道を踏みしめておけば大丈夫だ。」
……すごいパワーだ。これが彼女の武器なのか…?んっ?
「オグリさん…。」
「ん?なんだ?」
「…あっ、ごめんなさい。やっぱりなんでもないです。」
「…そうか。」
言おうと思ったが伏せておいた。
彼女のシューズ……見るからに彼女自身のパワーに耐えきれてないじゃないか……!
それを見た俺は帰った後、ショップに来た。
彼女のパワーに耐えれるシューズを選ぶんだ……って
「アホか俺は。」
好きな色とかはともかく靴のサイズすら分からないのはダメだろ……
諦めて帰ろう…としたその時。
「おぉ!あん時のトレーナーやん!」
と元気な声で向かってきたウマ娘
「あぁ、タマモクロスさんか…どうしたんだ?こんな所で、」
「靴見に来たんや。アンタこそなんしにきたんや?」
「僕は……オグリキャップのシューズを買おうと思ったんだ。でもやめた。」
「はぁ?なんでおんどれがオグリのシューズを?しかもやめたってなんやねん。」
俺は彼女にこれまでの経緯を話した…すると。
「なんや!それならウチに任せとき!ちなみに予算はどれくらいなん?」
と言われたので、手元にある予算を見せると彼女は少し悩んで彼女の特徴について話し出した。
「オグリの足は27.0cmとかやったはずや。で、スピードが出そうな軽い靴もええけど…どっちかって言うと必要なのはパワーに耐えれる耐久性の方かもな。ほんまごっつパワーがあるからなぁ。」
やっぱり一緒に走るウマ娘の立場としても彼女のパワーはすごいのか…!
軽くて耐久性のあるような靴……あっ!
「これかな?」 「これやろ。」
2人で一緒に指を指した。その方向は一点に…同じ靴に向いていた。
何だかおかしくなって顔を見合せ2人で笑った。
「なんや。わかっとるやん。あいつも喜ぶで。」
こうして、なんだかんだオグリのシューズを買うことができた。
翌日
「オグリさん。これ…」
「これは…シューズだな。くれるのか?」
彼女は少し驚いて聞いてきた。
「この前シューズがかなりボロボロだったことに気づいたんだ。良かったら貰ってくれませんか?」
「何故だ?君はまだ私のトレーナーでもないと言うのに。」
なぜ?本当にそうだ。俺はオグリのトレーナーじゃない。なのに……どうして?
……あぁ、そっか。
「君が本気で走るところを見たいんだ。」
「……」
「中央でも勝つところ。皆にも見せてやりたい。」
「……そうか。」
彼女は少し顔を赤らめて呟いた。
「なんだか…懐かしい。温かい気持ちになった。」
「ん?」
「いや、なんでもない。私にも私の走りを見せたい人が地方に沢山いるんだ。……ありがとう。このシューズ、大事に使わせてもらうよ。」
そう言ってシューズを履き慣らすついでにグラウンドを何周か走ることにした彼女。その目は小さい頃に玩具を買ってもらった子供のようなキラキラした目をしていて。
とても楽しそうに走る彼女を見ていると心が固まった。
長い回想。次で終わりそうです。
回想が終わり次第またイチャイチャさせたいなぁ。