ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物 作:ラルク・シェル
月曜日。
この日はいきなり全校集会が始まってた。
なぜなら土曜のダークマター襲撃事件で、学園の2年生6人が亡くなっしまった。
幸いE組は全員無事であったが、やはり同じ学校の生徒が死んでしまったので、少し簡単な葬儀が行なわれていた。
生徒のほとんどは悲しみの涙でいっぱいであったが、中にはヒーローに対しての批判も流れてた。
「どうなってんだよ!?S級ヒーローがいたんじゃないのか!?」
「知らないわよ。てか、ヒーロー協会は一体何をしていたの?」
「噂じゃあ、怪人1体に手こずっていたらしいぜ」
「なんだよそりゃ?全くなにやってんだか?」
「やっぱり……頼れるヒーローなんて居ないんだな」
そんな言葉が体育館中に響いていた。
「なんかみんなの空気が……嫌な方向に?」
「これは仕方ないと思うよ茅野……最近ヒーローの信頼が落ちてきて、そして土曜のあれだから……」
「たしかに…サイタマさんもジェノスさんも今日は来ていないし」
じつはこの日は午前授業だけとなっていて、サイタマとジェノスはその理由で学校に来ていなかった。そして集会が終わってE組は旧校舎に戻る。
「という訳で、まさかこの学園の生徒で犠牲者が出たとは・・・・・・でも我がクラスが無事なのが良かったですね♪」
「なにのん気に言ってんだよ?そのせいでヒーローの評判が落ちてんだぜ?」
「たしかに、集会の時もヒーローの不満を垂れてた奴が、はっきりと分かるし」
呆れる寺坂に続いて狭間綺羅々も、全校生徒の態度に気づいていた。
「まぁまぁ、とにかく今日は午前授業ですから。少ない時間分、いつもよりがんばっていただきますからね!」
とすぐに授業に入った。
それから昼ごろになると全員は下校した。
「は~~~~なんか今日は……いち早く家に帰りたいな」
渚は真っ直ぐに家に帰ろうとした。
だけど、なにか騒ぎが起きたので、行って見ると。
[あれってキングさん!?]
それはS級7位で人類最強と呼ばれたヒーローキングで、彼の前にゴツゴツとしたボディのロボットが立ちふさがっていた。
「おやおや?なにやらキングさんがピンチのようですね?」
「殺せんせー!?」
「よう!2人共」
「奇遇だな?こんな所で」
「サイタマさんにジェノスさんも!?」
いつのまにか殺せんせーとサイタマとジェノスが立ってた。
「しかし、強そうなロボットだな?」
「それも高エネルギーを秘めてるようですな?」
「キングさん1人で大丈夫ですかね?」
「きっと大丈夫だと思いますよ。だってランクは7位だけど、戦闘力は2位のタツマキ以上って噂もあるし」
4人が隠れながら話し合ってると、キングがどこかに行ってしまう。
「あれ?キングさん・・・・・・どこに?」
「少し彼らの会話を聞いたのですが・・・・なんかキングさん、戦う前にトイレに行くって言ってましたが?」
「なんだそりゃ?怪人を置いてトイレって?」
「さぁ、しかしこれはキングの実力を見れるかもしれませんね」
4人が期待して待ってるけど、当のキングは全然現れない。
「なぁ、キング全然来ねぇぞ?」
「そんな筈じゃあ?」
「あっ!あのロボットが暴れそうですよ!?」
ロボットは剣を振りかざし人を襲おうとしたので、すぐさまジェノスが剣を破壊し、ロボットに戦いを挑む。
「ジェノス。俺がやろうか?」
「いえ!先生が出してくれたS級で10位以内目指せって、課題をこなさなきゃなりませんし!」
「そっか、じゃあ気をつけろよ」
返事しながら必死でロボットと戦うので、残った3人は。
「んで、キングはどこへ行ったんだよ?」
「うん・・・・・・こんな状況でどこに・・・・・・あれ?殺せんせーは!?」
サイタマと渚はいなくなったキングに気になりだすが、殺せんせーがいない事に気づく。
だが、すぐに戻ってきた。
「お待たせしました♪」
「殺せんせー、どこに行ってたの?」
「ちょっとキングさんの事が気になったので、彼を目撃した人を回って調査しました」
「お前って本当に行動力が高いな?」
「とにかく、行ってみましょうか♪」
呆れるサイタマだったけど、3人はさっそくキングを探しに行った。
その頃、キングは自宅のマンションで、さっき買ったギャルゲーをやってた。
「ふ~~~~~怖かったなぁ、さっきのロボット。夢に出てきそうだな・・・・・・」
さっきのロボットの事で愚痴りながらもゲームを進める。
「名前はどうしよっかな~~~~~」
「主人公、キングでいいんじゃね?」
「いや、さすがにヒーロー名はちょっと・・・・・・・え?」
キングが後ろを振り向くと、サイタマと殺せんせーと渚が寛いでた。
「戸が開いてたから」
「ここ、22階ですよ?」
「すみません。勝手に上がらせてしまって」
殺せんせーはキングに謝罪するけど。
[コイツ・・・・・・たしかS級の会議にいたB級の!おまけにヒーロー協会でターゲットになってる、災害レベル・神クラスの怪人も!?]
当のキング本人は突然の事で混乱していた。
すると渚が少し緊張しながらキングに近づく。
「あの、キングさん。僕・・・・・・・キングさんのファンなんです!だからサインを!」
「え?サイン?ああ、俺でよければ・・・・・・・」
そのままノートを出してサインを願うので、さっそくキングはノートにマジックでサインする。
「それにしても、まさかこういうゲームをするタイプなんだな?」
「あっ!いやそれは!!」
サイタマはキングがやっていた、ギャルゲーに興味を持つ。
「うわぁ・・・・・・・キングさんってゲームやっていたのですね?」
「ギャルゲーにアクションゲーも、多数ありますね?」
「ちょっと!勝手に触らないで!?」
殺せんせーと渚も棚に並んでた、ゲームの数々に驚いたり興味を持ち始める。
「それで、キングさん。ちょっとお願いが?」
「なっ!なんだよ?」
「じつは、生徒との交流などを上げる為に、私のこのゲームを教えてくれませんか?」
ロボットアクションゲームを手に持った殺せんせーがキングに頼み込む。
「別に・・・・・・・良いけど、それ俺のだけど・・・・・・・・」
「それは良かった!さっそくですが、よろしくお願いしますね♪」
「面白さうだな?俺もやっても良い!」
「あっ!じつは僕も、前からこのゲームやりたいって思っていたけど」
「仕方ないな、一緒にやろうか」
そのまま4人でゲームをやるのであった。
すでに殺せんせーはゲームコントローラーを、完全に把握しているのだが、実際にゲームをするのは初めてであった。
「にゅにゅにゅ!ゲームとは、こんなにも難しいのですね!?」
「あはははは、殺せんせーいきなり苦戦してるね?」
「お前にもちゃんと、苦手なもんがあるんだな?」
[てか、いつになったら帰るんだよ?]
焦り始める殺せんせーの隣で、渚とサイタマは笑い出して、キングは早く帰ってくれないかと心から祈る。
「ところでさぁ、お前なんで逃げ出したんだよ?」
「っっ!!?」
「たしかにそうですね?今はジェノスさんが代わりに戦っていますけど、アナタはたしかS級7位でありながらも、戦闘力はタツマキさん以上と聞きますよ?あのロボット怪人なんて簡単に倒せる筈ですのに?」
「いやっ!それは・・・・・・・・」
「キングさん、僕も疑ってる訳じゃないけど、まさかゲームをする為なんて?」
3人は揃ってキングに問いただす。
ただキングは言葉を積らせながらも冷や汗を出し続けたが。
『緊急避難警報!緊急避難警報!この付近に巨大怪鳥が出現!災害レベル・鬼と認定し、絶対に外に出ないでください!』
怪獣出現の避難警報が鳴り響いた。
「怪獣警報ですね?」
「どうすんだよ?俺は行くけどお前は?」
「俺は・・・・・・・その・・・・・・」
「あの、その怪獣って、あれじゃあ!」
渚が恐る恐る指を刺した方に全員が顔を向けると、窓の外には巨大な怪鳥が飛んでいた。
「うわぁ!?」
「危ない!?」
そのまま窓を突き破って入ってきたが、サイタマはすぐに怪鳥の口ばしを片手で押さえて、一時的に動きを封じる。
殺せんせーはすぐさま、渚を抱き締めながらも安全の為に、少しだけサイタマから離れる。
「驚いたな・・・・・・・まさか、怪獣の方からこっちに来るなんて?」
「もしかして、キングさんには怪人や怪獣を引き寄せる力があるのですかね?」
サイタマと殺せんせーに尋ねられたが、キングはキングエンジンを鳴らしながら動けずにいた。
そしてキングは何かを決意したのか、口を開き始めた。
「じつは、俺!」
死ぬと思ったキングは全てを暴露した。
本当は自分はただ顔が厳ついだけで、ゲームオタクの弱虫な男であり。今までキングの前に現れた怪人や怪獣が、偶然誰かが倒してくれて、それを世間と協会が彼の手柄だと勘違いし始めた。
そしてキングから聞こえるキングエンジンも、ただ緊張して胸の鼓動が周りに聞こえただけだった。
真実を打ち明けたキングは、そのまま目を開けてみると。
「おいおい、マジかよ?」
そこで見たのは、返り血を浴びたサイタマとさっきの怪鳥の死体。
「嘘?だったのですか?」
「キングさん・・・・・・・」
そして事実を知って驚く、殺せんせーと渚の姿も。
その後、改めて自分が嘘をつき続けた事を、3人の前で謝罪する。
「お前、楽しいのか?嘘をついて?」
「すみません。ただ、本当の事を言う勇気がなくて」
「たしかに、こんだけ祭り上げてるから、タイミングが難しいし」
サイタマが説教と言うより、彼の相談を聞いて。
「だったら強くなればいいじゃん」
「えっ!?」
「だから、強くなれば嘘じゃなくなるだろ?」
「うむ、たしかに嘘を本当にするのも、いい手だと思いますね」
すると2人の会話の中に、殺せんせーも入ってきた。
「たしかに嘘はよくありませんが、時として嘘は必要なときがありますし、武器にもなります。現にアナタは、その風貌とハッタリで、何度も人々を救ったのは本当です。だから、アナタはアナタのやるべきヒーローを進んだ方がいいですね♪」
と殺せんせーがキングに、色々とアドバイスを教えてくれた。
するとキングは渚に近づいて。
「ゴメン、君の理想だったキングの正体が、こんなので」
キングは渚に謝罪の言葉を述べた。
「大丈夫ですよキングさん・・・・・・・・・・・誰にも言いませんから」
だけど渚は怒っていなくて、秘密にすると約束した。
「と言うか、僕らの教室も秘密の塊ですから、お互い様だからね」
「そうなんだ。たしかに君達は今大変なんだよね?」
「それで、また遊びに来ても良いですか?今度はヒーローとファンじゃなく、友達同士として!」
「ああ、もちろん!」
そして渚とキングは友情の印として握手をし、そのままサイタマと殺せんせーと一緒に帰った。
殺せんせーはキングの本当の秘密を知り、渚は少しショックだったけれど、キングと友達になる事が出来ました。